『ロシアン・スナイパー』を観た~傷だらけの死の女

2022/3/1 Tue

まさか2022年に侵略戦争が起きるとは.

とんでもない世界情勢になった.
もはや局地戦を除き,人類は大規模な侵略戦争はしないはず...という推論が崩れてしまった.

しかもロシアである.
国連常任理事国かつ核兵器保有国.

SF作品の中だけの出来事と考えていた核戦争が現実に起こるかもしれない.

プーチンはもはや正常な判断ができなくなっているのだろうか?
参戦の理由がない元警官のアメリカ,脱カーボンのために天然ガスが欲しいEU,台湾侵攻の自信を得たい中国.
全てのタイミングが重なった.

そんな中,Zwiftの友として,戦争映画が観たくなった.
理由はわからない.
あえて,フィクションを観て現実逃避したくなったのか?

そして,Amazon Prime Videoザッピング中に,偶然にも見つけてしまったのがこれ.

ロシアン・スナイパー(字幕版)

以下,あらすじ.

1941年、ナチスドイツによるソ連侵攻がはじまった。まだ大学生だったリュドミラは、女ながらその非凡な射撃の才能を買われ、戦場に身を投じる。狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは”死の女”と恐れられ、軍上層部には英雄として讃えられ、戦意高揚の道具として

2015年製作の,なんとロシア・ウクライナ映画だ.
ゆえに,ロシア人はちゃんとロシア語を話しているし,アメリカ人は英語を話している.
もしかすると,主人公はウクライナ語?(もしくはウクライナなまりのロシア語)なのだろうか.
そう,主人公は伝説のスナイパー,”死の女”ことリュドミラ・パヴリチェンコである.

原題はБитва за Севастополь ⇒ セヴァストポリの戦い

邦題はもちろんイーストウッドの『アメリカン・スナイパー』にかけていると思われる.
あちらはあちらで良い映画だった.

アメリカン・スナイパー(字幕版)

リュドミラ・パヴリチェンコはYouTubeの雑学系チャンネルでよく取り上げられる実在の人物である.
ゆえに,おおまかな半生は知っていた.

本作は史実とフィクションを織り交ぜたものとなっている.
予算の関係なのか,クライマックスであるはずのセヴァストリ攻防戦がかなり端折られているのが残念.

代わりにドイツ軍のスナイパーとのタイマンになってたけど,別の映画にこんなのなかったっけ? ⇒ 『スターリングラード(ENEMY AT THE GATES)』

スターリングラード [DVD]

話を『ロシアン・スナイパー』に戻す.

何より興味深いのは,リュドミラはウクライナ人ということ.
そう,当時,ソ連兵としてナチスと戦っているのだ.
その舞台もオデッサ,クリミアなど最近のニュースでお馴染みの場所ばかり.

ロシア映画にしては...と言っては何だが,かなりハリウッド風の作りになっている.戦闘シーンの迫力は今ひとつだが.

時系列が飛びまくる演出で少々流れが悪くなっている.
プロパガンダで赴いたニューヨークパート(ルーズベルト夫人との交流含む)をもう少し整理した方が良かったのでは?

役者も上手い.
超美人というわけではないが,品がある.
309人を射殺したパーフェクトソルジャーには見えない.
かと言って弱々しい女性でもなく,何か只者ではない人物として演じている.

そして,度重なる戦闘により,体中キズだらけである.
それを見たルーズベルト夫人のショックとその後の労りの言葉が印象的.

そして白眉は(本当に言ったのかどうかわからないが)最後のアメリカの参戦を依頼する演説.

「いつまで,私の後ろに隠れているつもりですか?」

ヒーローになりたがるアメリカ人をその気にさせる最強ワードやな.

一昔前,狩猟免許の取得を真剣に考えたことがある.
せっかく北海道に住んでいるのだがら,クマやらシカを撃ち放題...なんてバカなことを考えていた時期もありました.
視力の問題があって,今からの取得は難しいと思うけどな.

「兵器や戦闘がかっこいいからといって,戦争を肯定しているわけではない」とは,ミリタリーマニアがよく言うセリフ.

かの宮崎駿も,その矛盾に苦しんだという.
ゆえに,ゼロ戦映画なのに,その戦闘シーンが全くない映画を作ったりする.

ヒト(男子の間違い?)の本能として,徹底的に無駄を省いた機能美の塊である”兵器”には心を動かされざるを得ない.

そして,”戦闘本能”も拭い去ることはできないのだろう.
その代替手段として格闘技やスポーツがあるわけだ.
最大の祭典であるオリンピック開催中から既にきな臭かった.
それにまだパラも控えているというのに...

ロシアは隣国である.
この侵攻が成功するにせよ,失敗に終わるにせよ,確実に良くない影響が日本にも及ぶ(すでにガソリン高騰中).

最悪の結果にならないことを願う.

息子がわからん~ウパシの森にて

2022/2/23 Wed

高いところが好きなのか.

OLYMPUS TG-5

うちの息子は小学校入学直後,たった一週間で担任から呼び出しをくらった.

「授業中に全然落ち着きがない.家庭での様子を聞かせてくれないか」とのこと.

ははぁ,これがいわゆる“発達障害早期介入”ってヤツやな.
学級崩壊を防ぐために,ヤバそうな児童には先手を打って,家庭との連携を...云々的な行動だろう.

で,ヨメさんと出向いた.
向こうは担任とスクールカウンセラーのタッグ.
最初は黙って聞いていたが,もううちの息子を(ほぼ)否定するので,段々と腹が立ってきた.

Kazchariも職業柄,発達心理学系の知識があるので,理論的に反論.

「まず,入学一週間でうちの子供の特性を理解しているつもりなのがおかしい.それにさっきの話に友達関係の話が全く出てこない.個人だけを観て,集団力動からの考察が全くないのはなぜ?もう少し様子を見てから,”問題児童”と判断すべきでは?」

と,あくまで穏やかに“提案” ⇒ いわゆるモンペやな.

とまぁ,親バカな面はさておき,そんなうちのアホ息子も,最近は落ち着き,学校から呼びだされることはなくなった(今でも時々...話は聞きますが...ゴホンゴホン).

ただうちの息子,「自閉症スペクトラム」や「注意欠陥多動性障害(ADHD)」とまではいかずとも,感覚の過敏さがあるのは否めない.
実際,運動会の50m走スタート時のピストル音が怖くて,先生に耳を抑えられていたし,打ち上げ花火もダメだし,自宅でもヨメさんや長女(姉)がスポーツ観戦で大騒ぎしていると「うるさい!」とキレる.

昨今,成長してもこういう傾向を示す人が「大人の発達障害」と呼ばれることが増えた.

また,別の少々異なる概念として「自分はHSP(Highly Sensitive Person)なんです」とカミングアウトする人もいる.

「HSP」とは,定義的に以下の特徴がある人をいう.

1) 深く情報を処理する ⇒ 疲れる

2) 過剰に刺激を受けやすい ⇒ 五感刺激に過度に反応

3) 共感しやすい ⇒ 他者(物語も含む)に没入しすぎる

4) 心の境界線がもろい ⇒ 他者の気分や思考に引きずられる

5) 自己否定感が強い ⇒ ネガティブ思考

【http://www.madreclinic.jp/pm-top/pm-symptom/pm-symptom-22/】より

これらは疾患ではなく,”とある傾向”という捉え方が適切だろう.
うちの息子は,少なくとも,現状(2)はあてはまる(あてはまっていた)か.

で,話は変わって2/23(祝).

息子と二人で,東川町内のウィンターイベント会場である「ウパシの森」にでかけた.
昨年はチャリで家族と現地集合だった.

ウパシの森,現地集合ライド

ウパシの森ふたたび~ファットバイクに試乗!

今年も日・祝のみの開催で,息子は既にヨメさんと2回来ている.
その際に買ったアクティビティ用のチケットが余り,それを使い切るため,Kazchariが引率の役目を仰せつかった.

OLYMPUS TG-5

息子の一番のお目当ては「ツリーイング」
前回,前々回ともいたく気に入ったらしく,これがしたいがために3回めの訪問となった.

さてアホ息子.
着くやいなや「ツリーイング」会場を目指すが,既に40分の順番待ち.
ボードに名前と電話番号を書き,別のアクティビティへ向かう.

今年もファットバイク試乗会あり(無料).

OLYMPUS TG-5

去年の「SPX」(?)とは別のモデル.
作りは...ルック仕様?
乗ってみたかったが,息子が乗れるサイズではないので断念.
ただ,近くのベンチに座って観察していると,結構人気というか興味をひくのか様々な人が試乗していた.
買いましょう! 買いましょう! 変態の世界にようこそ!

時間になったので「ツリーイング」会場へ.
インスタラクターも3度目ともなれば,息子の顔と名前を覚えていた.
息子も前回,前々回で指導された「安全結び」他,注意事項も覚えており,ほめられて満更でもない様子.

OLYMPUS TG-5

登る高さを選ぶ.
もちろん,一番高い位置まで登れるロープを選択.

「お父さんですか? 奥さんと息子さんから色々聞いてます!」って,一体何を!?

「見て,見て,ボクってスゴイでしょ」オーラを出しながら,自分の力で登っていく息子.確かに躊躇どころか容赦もない.
高所は全く平気なようだ.

子供もたくさん並んでいたため遠慮したが,Kazchariも体験すりゃよかったかな(ヨメさんは前回やったそう).

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

しばらくすると,次の予約待ちしていた男の子3兄弟が登場.

ご両親とイントラさんの話を小耳にはさむと小6,小4,小2の兄弟のようだ.
一番上の六年生のにいちゃん,ヒョロッとしていているが身長は結構ある.
ハーネスを付け,イントラさんに指導されつつ登攀開始.

するとうちのアホ息子が頭上から,

「あー新人が入門してきたぁ~」と煽る,煽る!

一瞬,場がシーンとなったのを,息子,声が小さくて聞こえなかったと判断したのか,もう一度,

「新人が入ってきたぞ~」と再度叫ぶ.アホなのか?

息子よ,その発言は不味い.
そのにーちゃん,見るからに年上やで.
おとなしそうな子やったから良かったけど,気の強い子やったらケンカになるで.
今日でなくても,いつかボコボコにされてまうで.
後で言い聞かせんと.

もちろん,Kazchariはその場では無視.
むしろ,

「そや! ここはその小6のにーちゃんにがんばってもらわな! 行けぇ!ササっと登ってうちのアホ息子をガツんと言わしたったれ!」...と心の中でにーちゃんを応援する.

しかし...残念ながらこのにーちゃん,力も技もイマイチだったようで,息子の高さにたどり着く前に諦めてしまった.トホホ.

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

最高点に達したので降りる.
降りるのはサポート付きで一瞬.
よくできている.

OLYMPUS TG-5

それにしてもたくましくなったなぁ.
男の子らしくて良い(ポリコレ違反).

Kazchariはどちらかと言えば高所は苦手.
飛行機や高層ビルは大丈夫だが,観覧車となると好きではない.
バンジーほど度胸のいらなさそうな,このツリーイングは楽しそうだ.

イントラの方も言っていた.「僕も観覧車だめですね.やはり自分でコントロールできないと怖いです」.⇒ 正論

ちなみに「ツリーイング」は,夏になると隣のキャンプ場でもやっているそうな.

「今度はおとーさんも一緒に.ぜひ,自転車でいらしてください」って.なんでKazchariがチャリヲタなのを知っているのだ?(情報源はわかるけど)
まっ,行くけどな.チャリで.

その後,「スノーバナナボート」に並びを入れる.
30分ほど待って乗る.
『Insta360』発動!

Insta360 ONE X2
Insta360 ONE X2
Insta360 ONE X2
Insta360 ONE X2

そして,最後にバギー.
去年はKazchariが運転しての二人乗りだったのだが,今年は一人で運転したいとのこと.

iPhone11 Pro

足,浮いとるがな.

1回の乗車で2周できるのだが,曲がりの強いカーブで壁にぶつかって2回ともスタックしてしまう.
追い越し禁止なので,後続のバギーも止めてしまい大渋滞.
スタッフに助けられて,出発地点まで戻る.

降車後,「ちゃんと運転せなあかんで」と伝えると,バツの悪そうな顔で「ごめん...」と謝る.
その素直さはいいぞ,息子よ.

帰宅後の食卓にて.
ヨメさんに息子の様子を聞かれたので,「ツリーイング」での”煽り”エピソードを話すと,これまたプライドを傷つけられたのか不満顔.

えーか,息子よ.
散々ビッグマウスをたたいた後で負けるほどカッコ悪いことないで.
勝ちたかったら(相手の実力を見定めた後)黙って,さりげなくや.

iPhone11 Pro

沢木耕太郎『一号線を北上せよ』を読んだ~そして1993年へ

2022/2/20 Sun

旅に復讐されるかも.

iPhone11 Pro

このブログを初めた頃,旅の回顧録~1993年のカンボジアというテーマの連載(?)をしていた.

これは,1993年の1月から10月にかけて行った東南アジア旅の記録で,当時の日記を元にして書いた.
そのオリジナルは,今はなき「Nifty Serve」のミステリー小説スレッドにアップしていた文章.

当時のカンボジアは長らく続いた内戦が終了し,通常選挙がようやく行われるなどなかなかの混乱具合.
選管ボランティアの日本人青年が殺害されるなどの事件もあった.

国中あちこちに地雷が埋まっており,観光するのも命がけ.
夜間には銃声.
今思うに,よくふらふらと出歩いてたもんだ.

人類史上最大の愚行の一つ「カンボジア大虐殺」に関しては,この映画のアプローチがすごい.

消えた画 クメール・ルージュの真実

こうした世界の負の側面を目の当たりにするなど,20代にああした行きあたりばったりの旅をしたことは,今の人生に大いに役立っていると思う.
この後,結局長年の夢だった協力隊への参加も実現できたしな.

この『1993年のカンボジア』は国境を越えて,ヴェトナムに入国したところで終わっている.

もちろんその後も旅は続いた.

サイゴン(ホーチミン・シティ)から,バスや列車を乗り継いでハノイまで6週間かけて北上.
カンボジアほどのインパクトはなかったけど,これまたエキサイティングな経験だった.

Kazchariが初めて海外に渡ったのはいわゆる卒業旅行.
1989年のケニア-インドーネパール旅だった.
この時の期間は1ヶ月ほど.
全てが新鮮そして強烈だったが,所詮短すぎた.

そして就職.
その会社を辞め,帰国日を決めない無期限旅行を決意させたのは2冊の本がきっかけである.

一冊は蔵前仁一の『ゴーゴー・アジア』.

新ゴーゴー・アジア(上巻)

もちろん,前作の『ゴーゴー・インド』も読了済み.
蔵前の一連の著作のおかげで,世の中にはこんなに楽しい旅の仕方があるのだと知った.

もう一冊は,より人口に膾炙する名著,沢木耕太郎の『深夜特急』である.

深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】

いまさら解説しようがない.
この本のおかげで,何万,何十万の若者が旅立ってしまったことやら...
有名な話だが,第1便,第2便(文庫版では1~4巻)と第3便の間には,6年間の刊行ブランクがある.
東南アジアやらインドが含まれる1,2便の方が旅のネタには事欠かないはずなのだが,Kazchariは第3便のヨーロッパ編が一番おもしろかった.
作者自身の文章力の向上ゆえかな(なぜ上から?).

大沢たかおのTVドラマも話題になった(VHSで保存している).
松嶋菜々子の登場にはズっこけたが.

さて,沢木耕太郎である.
その最大の魅力は,もう沢木節としか言えない独特の格調高い文体にある.
特に,ボクシングというスポーツを,ここまで詩的に昇華させた作家はなかなかいないのでは?

その影響力は凄まじく,一時スポーツライターをやってた”五体不満足”な人も,その文体をマネしていた記憶がある.

沢木の著作はかなりの数を読んでいるが,今回図書館でたまたま手にとったのがこちら.

一号線を北上せよ~ヴェトナム街道編 (講談社文庫)

珍しく未読だった.
文庫版の表紙には「ヴェトナム街道編」と書かれているが,単行本にはそのような表記はない.
「一号線」「北上」と聞いて,すぐに「あっヴェトナムのことだ」とわかるのはパッカーのみであろう.

内容は沢木のプライベートと取材旅行記であるが,ヴェトナムだけでなく,「キャパのパリ」「フォアマンのアメリカ」「檀一雄のポルトガル」「アルペンスキーのアルプス」「酒場のマラガ」(Kazchari命名)も含まれた短編集である.
Kazchariはポルトガルとスペインも訪れたことがあるので,懐かしく,楽しく読ませてもらったが,やはり白眉はヴェトナム編の2本である.

奥付をみると,2000年あたりの旅のようだ.
Kazchariは1993年の訪問だったので,若干のズレがある.

一見して,旅のシステムがかなり整ったようだ.
当時のタイと同程度か.
沢木の旅からさらに20年近く経った今では,どうなっているのやら...
Wifiも当たり前やろうしな.
そういや,ここしばらく,ヴェトナムってかわいい小物だとかグルメやらで,女性にも人気の旅先だった.
新コロが全てを破壊したけど..

ここで思いついた.

『旅の回顧録~1993年のカンボジア』の続き,つまり『1993年のヴェトナム』をリライトしようと.
まぁ,30年近く前の旅行記に何の情報的価値もないが,しょせんブログなんて単なる個人の歴史.
SNSではないので,即時性とか気にするものでもない.

ただし,本書『一号線~』にこんな記述がある.

「旅は繰り返すものではないし,繰り返せるものでもない.それを知りながら旅をなぞろうとすると必ず手痛いしっぺ返しを受ける.旅に復讐される,といってもいい.」

実際に再訪するのでもなく,文章で追憶するのも同様なのだろうか?
当時の日記を読むと,どうしようもなく,あの頃(の自分)に帰りたくなることがある.
でも,同じ瞬間は,もう二度と起こり得ない.
全ては過去.もう取り戻せない.

そう,『ブレードランナー』のレプリカント,ロイの最後のセリフのような心境になる.

一方で,沢木はこうも書く.

「旅先で覚えたその痛切な思いは,決して消え去ることはない.私たちの体のどこかに眠っていて,必要な時に呼び覚まされることになるはずなのだ.」

いいなぁ.その通りだろう.
この文章だけでごはん3杯はいけそう.
『深夜特急』本編と比較すると,『一号線~』は”帰ってきた人向けの本”なのだろう.

とかなんとか色々それっぽいことを言ってますが,これもまた”終活”の一貫として,『旅の回顧録~1993年のヴェトナム』,近日スタート!
全く需要はないだろうけど,それでいいのだ.

以下,余談.

Kazchari家では『水曜どうでしょう』の何度目かの再放送を夕食時に視聴している.
ちょうど今放送中なのが「原付日本列島制覇」という回で,東京から高知までカブで向かうという企画.
2010年の放送なのだが,鎌倉付近を通過する際,大泉がカメラに向かって「いざ!鎌倉!」と吠えるシーンに震えた.
まるで,未来を予言したかのようなセリフ.

ご存知の通り『水どう』は2002年にレギュラー放送を終えるのだが,その最後の旅がカブによるベトナム縦断1800キロなのだ.
正に一号線を北上...ではなくハノイ発で南下する旅やけどな.

またしてもシンクロニシティ発動?

Kazchari的に,今ヴェトナムが熱い!

映画『マネー・ショート』を観た~知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ

2022/2/18 Fri

What gets us into trouble is not what we don’t know.
It’s what we know for sure that just ain’t so.

何も知らないことが厄介なのではない.
知らないことを知っていると思い込むのが厄介なのだ.
マーク・トゥエイン

Kazchariは一応投資活動をしているが,いわゆる「ほったらかし投資」であり,金融についての知識は非常に乏しい.
「めちゃめちゃ利息の良い定額預金」程度の認識である.
トレーダーのように一日中モニターに張り付いて日々の平穏を乱すような生活はしたくないので,これで十分.
正にローリスク・ローリターンで絶賛運用中.

そんなKazchariが手を出してしまったのが,Amazon Prime Videoで配信中の映画『マネー・ショート』である.

例によって,3本ローラー練しながらの鑑賞なので,通しではなく,ブツ切れで.
元々この映画は長い.

マネー・ショート 華麗なる大逆転 [Blu-ray]

以下,あらすじ.

実話に基づき、4人のアウトサイダーを描いた物語。大手銀行、メディア、政府が否定した世界経済の破綻を予見した男たちによる大胆な投資は、銀行のいかがわしい闇を浮かび上がらせた。そこには人間も物も、何もかも信じられない世界があった。

鑑賞後,一言...

「話の筋がさっぱりわからん」

似たようなアルファベット3文字の金融用語の乱舞に頭が混乱.
そもそも邦題が悪い.
「華麗なる大逆転」ってなんだ? そのようなスカッとさわやかな話ではないぞ.

とは言え,「意識高い系」「選ばれし者」だけに向けられているというわけではなく,エンタメ性にもちゃんと配慮している.

例えば,話の途中でいきなり登場人物が“第四の壁”を越えて,観客(我々)に話しかけてくる場面があり,難しい専門用語をたとえ話で解説してくれる.
特にカジノにおける「合成CDO(合成債権担保証券)」の説明は非常にわかりやすかった.

さらに,実在の登場人物を超一流俳優が演じているので,彼らの緊張感のあるやり取りから,この後,何かとんでもないことが起こるであろう,サスペンス風味の表現も素晴らしい.
それに,揃いも揃って変人だらけで,全員キャラが立ちまくり.
彼らを観ているだけでも面白い.

そこで,冒頭に上げたマーク・トゥエインの言葉である.
有名なソクラテスの「無知の知」と大意は同じだろう.

この言葉は誰に向けて発せられたのか?

一つはもちろん劇中の金融バブルに踊らされた人たち.

もう一つは我々,観客であろう.

この映画を「さっぱりわからん」「つまらん」「駄作」と切って捨てるのはまだマシ.
「ほほぉ,何かややこしい金融用語が飛び交ってるけど,オレは”だいたい”わかるぜぃ.きっとこんな意味に違いない.深いなぁ...(何が?)」で済ませてしまうのが一番厄介.

とは言え,わからんもんはやっぱりわからんので,ここはやはり解説サイトの力を借りよう.
鑑賞後すぐに,こんな作業をするのは『TENET』以来やな.

『TENET』をネットの力で解釈

とりあえず,Google先生による検索上位サイトを片っ端から熟読.

億万長者も夢じゃない!? 《4000億稼いだ男たち》の実話には 「お金稼ぎのヒント」がいっぱい!

観る前にこれを知れば『マネー・ショート』がもっと面白くなる!5つの経済用語

マネー・ショート~”リーマンショック”を予期した4人のアウトローたちの葛藤

映画『マネーショート』からリーマンショックを解説~第16回インターン勉強会~

金融用語に振り回されない!どこよりも分かりやすい『マネー・ショート 華麗なる大逆転』解説

このように,解説サイトが山のようにある.
全く便利な世の中だ.
『2001年宇宙の旅』が今,公開されたとしたら,どれほどサイトが乱立するのやら.

つーことで一通り閲覧しました.
なるほど.
ようするに,住宅ローン債権が破綻した場合の保険に対して空売りを仕掛けていたわけだな.
金融用語や構成の全てを理解したとは言わないが,誰が何のために動いていたのかが見えてきた.

ただ,最終的に大金を稼いだ主人公たち.
リーマン後のアメリカ社会を見て,誰も彼もが複雑な顔で苦痛に満ちており,決して大喜びしていない.
Win-Looseのゼロサム・ゲームにおける勝利は(まともな感性を持っていれば)むなしいだけのかもしれない.

それに結局は誰も逮捕されず,不公正な仕組みはなおも残っている.
あれ? これって某国の某事件と一緒のような...

いずれにせよ,以前の記事にも書いたけど,今後の教育に金融リテラシーを取り入れるべきなのは間違いない.
公的機関が行わないのなら,各家庭の責務となろう.
そうでないとダマされる.

小学生にIT教育は必要?~それよりは...

いや,逆に知らない方が幸せという考えもある.
実際,リーマンショックの際,先進国の中で最も被害を受けなかったのは,投資よりも預金率が圧倒的に高い日本(の庶民)だけだったという話もある.
皮肉にも,冒頭文の「知らないことが厄介ではない」を具現化したのかもしれない.

余談だが,この映画,時折変な日本推しの場面がある.
ラスベガスの日本食レストランでの鉄板焼や歌謡曲(徳永英明らしい)など.
2006年頃はまだ日本が,アメリカの金融市場に影響力を持っていた証なのだろうか.

つーことで,映画『マネー・ショート』,各サイトにて金融用語について一通り予習してからの鑑賞をオススメです!

人生の残り時間~食事・運動・睡眠の他?

2022/2/14 Mon

アンチエイジング?

ずーっと,売るの売らないとグダグダ言ってたゲオ・ホールディングスの株,ついに100株全部売却した.
昨年末に廃止となった「レンタル半額」の株主優待,もう復活はないと判断したためである.
とりあえず2万円ほどの利益確保.
レンタル業からリユース業(セカスト)への業態転換をはかっているようだが,成功するのかなぁ...
我々から所有欲は減る一方.
シェア・ビジネスなら期待できるけど.

様々な著名人が未来予測的な書籍をたくさん出している.
日本の未来に関しては絶望的な論調のモノが多いが,個人の才覚(+運)でなんとかなりそうな余地もまだまだある.同意.

ひろゆきのシン・未来予測

と言っても,人生の晩年に差し掛かっているKazchariには,あまり関係ない話.
最後の瞬間まではなんとか保ちそう(たぶん).

むしろ,うちの子ども世代が大変やろな.
まっ,地球上どこでもええからたくましく生きろ.

つーことで,少なくとも”身体的に”迷惑だけはかけないように,今日もアンチエイジングに勤しむKazchariであった.

自ずと,興味の対象もこんな動画ばかりになってしまう.

ある書籍の要約というよりは,これまでの集大成的内容.
最近は「ファスト映画」に代表される,いわゆる”まとめサイト”への風当たりも強くなってきてるしな.
それはさておき,新しい知見としては「食事」「運動」「睡眠」といった健康三大要素以外の紹介が面白かった.

それは「おしゃれ」「やめない」「テレビをみない」
ちょっと強引かなという印象もあるが,今のKazchariの行動パターンに照らして考察.

【おしゃれ】

あまり興味はない.
似合う似合わないに関わらず,年齢の割にはハデめデザインを好む.

若い頃に読んだファッション系(ナンパ系の間違い?)の雑誌(『Hot Dog Press』とか)に「ミクロな人はカラフルなウェアが似合いますよ~」と書いてあったのを信じたせいかもしれない.

ゆえに,白,黒,マルチカラーというバリエーションなら,マルチカラーを選択.
チチカカのようなエスニックブランドは大好物だ.わははは.

そやけど,スティーブ・ジョブスの有名な話もある.
彼はそのトレードマークとなった黒のハイネックしか買わない.なぜなら,毎日服を選ぶ時間がもったいないから.
確かにそうだ.
毎日同じ服を着ていると不潔だが,同じデザインならOK.

Kazchariも,先日,ちょうど靴下の替えがなくなったので近所のユニクロに行って,黒を3足買ってきた.
これで片方なくしたり穴が空いても,当分無問題.わははは.

うん? これって一周回って,結局,ファッションについて考えているということなのだろうか?

【やめない】

仕事や趣味を続けましょう(特に前者)ということらしい.
このご時世,主に老後資金的な意味で,60代での定年は許されない雰囲気.

Kazchariも嘱託でもなんでもいいので働くつもりだが,その必要がなくなったとしたら...それでも働くだろうか?
海外放浪,バックパッカー旅アゲイン!とはならへんかな.
毎日が日曜日? 上等.毎日を非日常に変えてやる.

趣味.多すぎる.
整理する必要がある.

その筆頭は「スキューバダイビング」
そもそも,新コロのせいで潜りに行けない.
冷静に考えるとコスパがなぁ...楽しいけどなぁ...(いつか記事にします)

ロボや怪獣の「フィギュア・コレクション」に関しては,”終活”も兼ねてストックしていた未開封品,飾っていた開封品ともオークションにジャカジャカ出品中.
意外なモノに意外な高値がついて驚いている.

”終活”に関しては,最近読んだこの本も背中を押してくれる.

身軽に暮らす ~もの・家・仕事、40代からの整理術 (COMODOライフブック)

あれ? 結局,いろいろなことをやめてる?
いやいや,「シンプル化」と言い換えよう.

【テレビをみない】

ひねった言い方だが,要するに「座りっぱなしの生活がアカン」ということ.
決して「テレビ視聴が受け身」だとか「内容がオワコン」とかいう話ではない(これも正解やけど).
もちろんネットもアカンし,寝過ぎもアカン.

運動すれば,これまた無問題.
ただし,歳を重ねると「やりすぎ=活性酸素」問題も生じる.
他には関節などの運動器の故障も心配.

Kazchariは正にこれにあてはまる.
そやけど,今年も「月間走行距離1000km以上」は維持したいなぁ.

『FASTEST』を観て~VRは普及するのか?

2022/2/13 Sun

脳だけで生きていける?

Zwiftの友,Amazon Prime Video.
先日,GPライダー,バレンティーノ・ロッシの自伝的映画『FASTEST』を観た.

FASTEST [Blu-ray]

長年第一線で活躍していたロッシも2021年,ついに引退.
若いと思ってたけど,もう42歳か.
ロードレースで言うところのペテル・サガンとイメージかぶるのはKazchariだけだろうか?
ともにスーパースターであるのは間違いない.

とは言え,毎年全ステージを食い入るように観戦している自転車の「グラン・ツール」に比べると,それほど熱心にMotoGPを追いかけているわけではない.

Kazchariが最もオートバイにハマっていたのは80年後半から90年初め.
その頃の最高峰と言えば「2st/500cc」やね.

エディ・ローソン,ウェイン・レイニー,ワイン・ガードナー,ケビン・シュワンツ,ランディ・マモラ,ロン・ハスラム,サロン兄弟とか.

弱ペダ並にキャラが濃い.何もかもみな懐かしい.
そういやTECH21カラーのYZFに乗った平忠彦の8耐を観るために鈴鹿まで行ったなぁ.ひたすら暑かった.

2018年,パプアニューギニアのワリンディにダイビングしに行った時,バディだったオーストラリア人がバイク・エンスー(死語)で,Kazchariが先ほどのレーサーの名前を出す度に大喜びしてた.

「Kaz! シドニーに来たら是非寄ってくれ.うちの家は広いぞ.一緒にツーリングに行こう!」と誘われている.

現在もSNSでのつながりはあるが,いつ行けるやら...

さて,『FASTEST』に話を戻す.
この映画の公開は2011年.
ちょうど,小型オンボードカメラの黎明期(GoPro HERO3の発売は2012年).
この映像でも車載動画シーンがある.
まだまだ解像度や構図はイマイチなれど,時速300kmを越える世界を少しだけ感じることはできる.

バイクレースと言えば肘スリバンク(この時代はまだ角度が甘い)と転倒がつきもの.
Kazchariもスマートトレーナーという固定型に乗っての鑑賞だったから良かったものの,3本ローラーだと”つられ転倒”が起きてたかも.

実際,『アメイジング・スパイダーマン』を観ながらの3本ローラーはヤバかった.

アメイジング・スパイダーマン シリーズ ブルーレイ コンプリートBOX [Blu-ray]

とまぁ,明らかに身体の外部に映し出された虚像にさえ,脳が騙されて身体が反応してしまう.
これ,仮想空間,VRゴーグルがもっと普及したらどうなるんやろ?

最初に一般化(?)したのはPS4の拡張機器だったかな?(いや,任天堂のバーチャルボーイ?)

VRはいつから普及が始まった?仮想現実の歴史を紐解く

Kazchari家にこの手のハードはない.
いや「Wii」はあったか? あれもVRっちゃあVR.

こないだ呼んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』にも,VRゴーグルを付け,高層ビル間に渡した板を歩くというアトラクションが紹介されていた.
あまりにリアルなため,一人で歩かせると認知的に”危険”なので,かならず両サイドにアシスタントを配置するらしい.

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

しかし,「脳がない生物はたくさんいるが,脳だけの生物はいない」のも事実.
やはり肉体感覚は大事やな.

少々記憶があいまいだが,何かの記事で「VR内で積み木を学んだ子供は,リアルな積み木ができない」と読んだことがある.
つまり,視覚入力情報を受け,処理してからの出力は本来であれば,自分の手で形・重さ・質感のある積み木を触らなければならない.
しかし,それが「ボタンの操作」に置き換わってしまうと,認知の発達を促さないということなのだろう.

ただし,VR,そして周囲の状況を完全にカットするゴーグルの進化は否定できない.
何らかの事情によりとある場所ら移動できない人にとって,この技術は朗報.
もはや娯楽の域を越えて,スマホ並の必須機器として普及していくのだろう.

エレコム VRゴーグル スタンダードタイプ リモコンセット ブラック VRG-M02RBK

今,ざっくりとAmazonで調べたけど,もうこんなに安くなってるねんな.
知らなかった.
これだけ安いと「一つ試してみるか」という気持ちにもなるなぁ.これこそヤバい.

まぁ,どれだけ普及しようとも,使うか使わないかは個人の自由.
でも,こいつはひょっとすると人生最後の「尊厳死マシン」として使えるようになるかも.
自分の望む風景を観ながら,安らかに逝けるならそれも悪くないかも.

そうそう,最後にバイクレースと言えば『マン島TT』が一番ぶっとんでて”面白い”と思う.
言わずと知れた世界最凶の公道レース.

VRうんぬんは抜きでも,そのレース映像を観るだけでもとんでもない.

石の壁が続く,とんでもなく狭い街中や,アップダウンの激しい丘陵コースを走る360kmのレースの優勝タイムが,最近では1時間40分ほどである.え?

なんと!北海道の「道の駅」が登録抹消!?

2022/2/4 Fri

縮むのか?

SNSのタイムラインにこのニュースが流れていた.

伊達と足寄の道の駅,登録抹消 道内初

ようするに道の駅『足寄湖』『フォーレスト276大滝』が1/31をもって閉鎖されたという話.
両方とも古くからある道の駅だったように思う.

『足寄湖』は1998年の北海道ツーリングで立ち寄った際,鹿肉丼を食べた記憶がある.

1998年9月21日撮影

そうそう,2019年の400ブルベでも休憩に使ったな.

BRM824旭川400km(その2)

トイレやドッグラン施設は残るようだが,何か寂しいモノがある.

『フォーレスト276大滝』はなんと言っても,ふるさと創生基金の一億円で作った豪華トイレと自動演奏ピアノが有名.
確かに一見の価値はあるトイレだった.

ここ数年は運営会社の破産で閉鎖されていた.
そやけど,お隣の「きのこ王国」は大盛況なので,完全に集客ミスだろう.
いっそこっちと合併しといたら「道の駅」として存続できたのでは?
田舎だけに色々あったのかもしれん(邪推).

昔の北海道の「道の駅」はハズレがなく,各地域の威信をかけた特産物,特に「食」へのこだわりが半端なかった.
しかしながら,一町一村体制で「駅」がバシバシ増えてきた頃から,なんだかなーな所が増えてきたのも事実.

昨年,サイクリング中に立ち寄った,某道の駅で頼んだラーメンはひどかった.
どう考えても「サッポロ一番みそラーメン」そのまんま.承太郎なら金を払わないはず.

それにしても「道の駅」って自然災害以外なんかの,やむを得ない事情以外でも,登録抹消されることあるのが驚き.

新コロによる観光客減少が一番の痛手だったのは間違いないけど,それ以前に日本の人口減少による地域衰退の象徴やな.

『フォーレスト276大滝』は今後も再利用の予定がなく,建物がこのまま朽ち果てて廃墟化するのは確実とされている.
北海道,いや,日本中どこでも田舎を中心に空き家や廃屋が目立ってきている.
それが郊外の住宅地へ,やがて都市部にまで及ぶのも時間の問題,
タワーマンションの将来の廃墟化もよく話題になる.

北海道から消えるのは「道の駅」だけではない.
JRの「深川~留萌」「富良野~新得」「長万部~余市」も廃線決定(一部協議中).

日本の人口が増え,かつての賑わいを取り戻す日は来るのだろうか?

今では「少子高齢化」は揺るがない事実として認識されているが,Kazchariが子供の頃は,逆に人口爆発が心配されていた.
小,中学校は12組まであったしな.
単純計算で40人☓12クラスで,1学年424人!? すげー.

それこそ,1979年放送のガンダムの世界では,増えすぎた人口をスペースコロニーに棄民...いや移住させることになってたし,井上陽水も「地球上に人があふれて,海の先にこぼれるのではないか」と1989年に心配してた.

それが今では,人口減少を憂いている.

未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること 未来の年表 (講談社現代新書)

もちろん,“宇宙船地球号”の観点でみると,世界人口は途上国を中心にいまだに増加中.
だが,その状況にしても,大ベストセラー『FACTFULNESS』によると「世界人口は(将来的に)110億人程度に収まる」と論証している.

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

こうして見ると,ほんの十数年で人の認識なんてコロコロ変わっている.
言い換えれば,未来予測なんて当てにならんということか.

「人口統計を元にした予言だけはハズれない」という話もあるが,不測の事態が起こればわからない.“新コロ世界”なんて誰が予測した?

また,いつの日か,人類が人口爆発を心配する日が来るのだろうか?
可能性があるとしたら...戦争? そしてその後?

最近,ロの国とウの国あたりが少々キナ臭くなってるけど...ヤメテー!

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

2022/2/3 Thu

フリをしているフリをする

著作が出版されれば,必ず読む作家が2名いる.

一人は言わずもがなの森博嗣.

息子へのプレゼント~森博嗣『勉強の価値』を読んで

もう一人が橘玲(たちばな あきら)である.

この二人は毎回,Kazchariに知的興奮を与えてくれる.

先日,その橘氏の『スピリチュアルズ「わたし」の謎』を読んだ.

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

氏の著作を初めて読んだのは10年少し前だったかな.
老後の資産形成を見据え,投資を考え始めた頃だった.

そのおかげで,インデックス長期分散投資の有利性を理解し,そして「PT」という存在を知った.
世間には,定住地を持たずタックスヘブンに資産を預け,諸外国を転々とする「永遠の旅人(Permanent Traveler;PT)」がいるらしい.
元来の旅人気質で状況が許すなら10年でも20年でも旅し続けたいと考えているKazchariには憧れの存在(?)だった.

最近は,国家間における金融取引の情報交換が厳密になり,合法的な節税がほぼ不可能になったらしいが,それならばと,昨今では早期リタイヤたるFIRE信仰が大流行している.
やはり労働嫌いっつーか,徹底的に好きなことだけしたい人間はどの時代も一定数いるねんなぁ.

その後も,人的資本の大切さを解説する『専業主婦は2億円損をする』や,最新の知見に基づく遺伝の影響を赤裸々に綴った『言ってはいけない』などの発表で,炎上騒ぎを起こしている(あくまで一部界隈だけだが).

専業主婦は2億円損をする

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

さて,今回読んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』は,書名だけ聞くと”あっち系”っぽく,少々胡散臭いが,中身はヒトの“性格”を科学的に論述した書籍である.
例によって,世間にはびこる有象無象の自己啓発本とは一線を画した内容.

以下,簡単に概要を紹介.

パーソナリティ心理学における「ビッグファイブ(主要五因子)」をベースに,ヒトの性格を①「外向的/内向的」②「楽観的/悲観的」③「同調性」④「共感力」⑤「堅実性」⑥「経験への開放性」の要素に還元.さらに⑦「知能」⑧「外見」を加え,計8因子で紐解いていく.

その分析は3つの原則に基づいている.

(1) こころは脳の活動である
(2) こころは遺伝の影響を受けている
(3) こころは進化の適応である

これらの前提を元に,本書の内容をざっくりまとめると,遺伝や脳の神経伝達物質など,個人の力ではどうにもできない要素で,ヒトの性格は形成される.

その性格傾向を無視するような(日本人が大好きな)「努力すればなんとかなる」は幻想.
「努力できる」も持って生まれた才能の1つ.
やはり,現代社会を生き抜くには「適材適所」を見つける,これにまさる行動はない.

とまぁ,一応教育関係の仕事に就いているにも関わらず,今回も“言ってはいけない=身も蓋もない理論”に同意してしまう.

さらには,Kazchari自身の性格分析にも新たな知見を発見.

それは「共感力」に関する章.

この章では,「共感力」すなわち「相手と感情を一致させる能力」について述べている.
それに「メンタライジング」という「相手の“こころ”を理解する能力」という別の要素を掛け合わせて分析している.

つまり,「共感力」が高いか低いか,「メンタライジング」が高いか低いかで四象限のグラフを作ると,次のような分類になる(そのままの図を載せるのまずいので文章で).

(1) 共高/メ高 ⇒ コミュ力が高い
(2) 共低/メ高 ⇒ サイコ
(3) 共低/メ低 ⇒ コミュ力が低い
(4) 共高/メ低 ⇒ アスペ

おお,ものすんげー納得.

Kazchariは昔から,周囲の人間に「冷めてる」だの「ヒトデナシ」だの「ノリが悪い」だの「ワタシの気持ちをわかってくれない!」と(たぶん愛情こめて)ボロカスに言われている.

「共感力に問題がある=アスペルガー症候群」という言葉が世に出てきた頃,「あぁ,Kazchariはこのタイプかなぁ」と思い,周囲に「オレ,アスペっぽいかも」と自嘲気味に話していた時もあった.

ただし違和感もあった.
アスペルガーの場合,定義上「人の気持ちがわからない」という前提があるのだが,Kazchariにそれはない.
例えば,目の前の人が泣いている場合,事情を知れば「なぜ泣いているのか」は理解できる.
そこに至った過程,感情の推移,表情などのノンバーバルな情報,脳科学的知識で分析し「泣いている理由」は理解できる.
ただし,それと「共感」は別.
「そこまで泣かんでもええのに...」とついつい思ってしまう.

それがこの本の解説で目からウロコドロップ.
言われてみれば当然なのだが,「理解」と「共感」は別モノなのである.
これでKazchariも今日から立派なサイコパス!...ってこれもイメージ良くないけど.

映画『羊たちの沈黙』のおかげで,「サイコパス」という言葉に「異常犯罪者」や「連続快楽殺人者」といったレッテルが貼られてしまった.

羊たちの沈黙 [Blu-ray]

しかし,なんでもかんでも相手の気持ちに「共感」しまくっていたら,ヒトは合理的に効率的に,そして道徳的に行動できない.
リストラを断行する経営者,死地に赴くよう命令する将官,成功率の低い手術をする外科医.
あくまで結果が伴うという条件付きだが,社会的成功者には「サイコパス」が多いという.

岡田斗司夫も「自分はサイコパス」と言いまくって,宣伝文句にしてるしな.

橘玲は述べる.

「サイコは“障害”ではなく,男のごくふつうのパーソナリティ」.

程度の問題に過ぎない.

物事を「冷たい認知」つまりメンタライジングで観察することで,今何をすべきか,言うべきかが判れば,つまり演技すれば社会生活に問題はない.

フリのフリを最後まで貫けば,それはホンモノとなる(かもしれない).

つーことで,やはり面白い橘玲の『スピリチュアルズ「わたし」の謎』,超絶にオススメです.

老後資金5000万だって~!?

2022/1/20 Thu

終活五カ年計画

経済評論家の森永卓郎氏が先日,朝のNHKニュースに出演していた.

老後の生活に必要な資金として,以前発表された2000万どころか,5000万円必要と提唱していた.

まぁ,あまりに非現実的な額なので,スルーするしかないのだが,当の本人は「トカイナカ」という造語を用い,物価の高い都市部を離れるものの,ど田舎ではなく,その中間的な場所に住み,農業などによる半自給自足を提案していた.

勝手な想像かもしれんが,不安をあおる一方で,自分のセミナーや著作物の購入に誘導する手口なんやろなぁ(ボソ).

年収200万円でもたのしく暮らせます コロナ恐慌を生き抜く経済学 (PHPビジネス新書)

そもそも老後にいくら必要かなんて個人差が大きすぎるので,一律で語るのは無理があると思うけどな.
とは言え,額はともかく,リタイヤ後のお金の問題が切実なのは確か.
誰もが今の生活水準を落としたくないはず.

老後を考えるにはまだまだ早い若者でさえ,意識高い系界隈ではFIREこと「早期リタイヤ」願望が強くなっているらしい.

「目指せ,年収800万!(←幸福感の閾値) 金融資産2億円!(←利子4%でFIRE!)」

だそうな.

ジェイソン流お金の増やし方

お金そのものは,みんな大好きなのに,公言すると嫌われる.
いずれにせよ,豊かな未来を築きたければ,国に頼らず自分で掴み取るしかないには全面賛成.

とまぁ,そんなことはさておき,節約⇒貯金だけではなく,好きなモノを買う,好きなことをすること,つまり消費も悔いなき人生のためには必要なこと.

人生経験は消せない(消したくない)財産だが,かつて衝動にあかせて購入したモノであれば,再び資産化できるはず.

つーことで,久々に不用品の売却をヤフオクで再開した.
1週間ごとに5品程度の出品をルーチン化.
思ったより,そこそこの値段で落札されていく.ありがたい.

ちなみに売れたのはこちら.

OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5
OLYMPUS TG-5

以上3点が約¥30,000で売れた.
転売目的ではなく,オタク趣味が講じて,気に入って買ったモノたちなので,少々寂しい気分,
しかし,これも”終活の一貫”と捉えよう.

フィギュア棚を見て「とーちゃんが死んだらこれどーすんの?」と,たまーに家族から(ひきつった)笑顔混じりで言われるが,いつかそれは間違いなく現実化するしな.

iPhone11 Pro

さて,以前の記事にも書いたが,Kazchariの資産形成法は,ほったらかしのインデックス分散投資である.

小学生にIT教育は必要?~それよりは...

先に上げた厚切りジェイソンの著書も同様のパッシブ投資を推薦.
投資ド素人のKazchariも,この方法で確実に利益が出ているのでおすすめする.

一応,+αとして個別企業株も2社保有.
それは「イオン」「GEO」である.それぞれ株主優待の最小権利となる100株を所有.
購入後,売りも買い増しもしていない.

ご存知の通り,新コロ禍にあっても(だからこそ),イオンの業績は良いのですよ.
配当金もそこそこ出るし,「ザ・ビッグ」を使うことが多いKazchari家では,キャッシュバックはありがたい.

問題はGEOである.

GEOの株主優待~レンタル半額がなくなる

この記事内では勘違いしていたのだが,株主優待のレンタル半額制度は2021年12月で終了していた,

先日訪れたGEOのセルフレジでの会計時,これまではコミック10冊レンタルが¥275だったのが¥550と表示された時の驚き!
わかっていたとは言えショックだった.

確かに微々たる額とは言え,人は損することに敏感.
ネット上の株コミュでは,この半額制度の復活を望む声が多い(かつて復活したことがあったそうな).

リユースショップであるセカンドストリートの割引券は継続しているものの,こっちはあまり使わんし.

何より心配なのは企業としての将来性.
レンタルからサブスクの時代への移行に失敗したよなぁ...
日本企業を応援したい気持ちはあるけど,この改悪はダメージが大きい.

というわけで,2014年以来,保有し続けていたGEO株の売りを考えている.

2022年1月20日現在,GEOホールディングスの株価は¥1156円.
¥909円で買ったので,現状,+¥24,700
手数料をいくらを取られるかわからんけど,ここ数日で売れば¥20,000程度のゲインはありそう.
復活するかどうかわからん半額サービスを待つより,この資金を他に回すほうが正解かもなぁ...

さて,色々ほざいていますが,最後に決り文句.

投資は自己責任.銀行に預けっぱなしも自己責任.

これはフェルミ推定?~あなたの学校の生徒数は?

2022/1/18 Tue

ゼロかイチかではない

先日行われた大学入試共通テストの「数学1A」が難しすぎると話題になっているようだ.

共通テストの数学が難しすぎた「終わったら突然泣きながら帰り出した」「問題破ってた」悲鳴続々

「数学IIB」もたいがいで,数学というより長文読解問題だった模様.

大学入学共通テスト2022 数学ⅡB分析速報 問題文増え「やや難化」 ありえない場面設定に突っ込みも

受験生は,皆同じ条件で挑戦しているわけなので,解けなくても絶望することはないと思う...というのは慰めにはならんのやろうけど.

途中の思考過程で判断されるのか?
そやけど,解答はマークシートやんな? 知らんけど.

Kazchariが高3の頃は「共通一次試験」だった.懐かしい.
高校は普通科に在籍していた.
数学・物理の得点が壊滅的だったKazchariは,「共通一次」を回避し,私立文系(法学部政治学科)一本で勝負(国語・英語・社会).
奇跡的に現役合格できた.
あとで聞いたところ,合格基準の最低点だったらしい.くわばらくわばら.

勝てばよかろうなのだァァァァッ!!

そんな文系脳のKazchariが言うのも何だが,受験数学は公式と解法を覚えていればなんとかなる暗記モノとちゃうの?(怒られそう).
その方法が今回通用せず,特に「数学IIB」の問題は日本語の読解力が求められたということか.

そやね,Kazchariが教えている学生も,国語力壊滅的な子,多いなぁ...

何しろ本を読まない.
結果,問題文の意味すらわからない.

比喩表現なんてもっての他である.
「察し」という日本人の特性が将来活かせるのかどうか不安.

まっ,国家試験は過去問解きまくって,パターンを身に着けて乗り切ってくれ,と願うしかない.Don’t Think! Feel!

そういえば,高校受験を控えたうちの娘が面白いことを言っていた.
娘は近頃,学校にて面接試験の想定質問に答える練習を行っているそうな.

ニュースを見ていれば答えられる「今の総理大臣の名前は?」などの時事ネタが多いらしい.
別に知ってても知らなくてもっつーか,クイズのように単純に知識だけを求める問題は面白くない.
どうせなら「なぜ,今,岸田さんが総理になれたのかを考察せよ」とか「現政権がいつまで続くか答えよ」とかいった問題の方が面白いと思うけどな.
名門私立だと出題されるのだろうか?

そんな中,先日の想定質問で「あなたの中学校の総生徒数は?」というのが出されたらしい.
娘は即効で「知りません」と答えたそうだが,これぞ罠.

これは簡単なフェルミ推定.

正確な数値でなく,自分のクラスの人数,3年生のクラス数,1,2年生のクラス数からだいたいの数が答えられたらOKなのだろう.
少なくとも,この計算過程を答えるのが正解.

逆に一番まずいのは「わかりません」と即答すること.
あちゃー,見事にやっとるがな.

つーことで,夕食の場に軽い気持ちで出したであろう話題に,ガチで食いつくKazchariであった(解説大好き⇒職業病).
娘とヨメさんドン引き.

深読みしすぎかな?

フェルミ推定に関しては,以前にも記事にした.

『ソクラテスの人事』を読んだ