2022/7/31 Sun
「気も狂うような暑さと湿気,そして熱病と死を運ぶ虫ども.
緑に塗り込められはいるが,ここは地獄に違いない」
by とある異能生存体
(前回のあらすじ)
「しかおい小麦グラベルライド」と,そのおかわりライドを無事終えたKazchari.
しかおい小麦グラベル+おまけライド(その1)
しかおい小麦グラベル+おまけのライド(その2)
素敵に生きたので,深い眠りが訪れるはずだったが...
あっ,暑い! やっぱり眠れん!
夏の車中泊,冷房装置忘れちゃダメ! ゼッタイ!
トップランド どこでもFAN ホーム&カー 9cm 4枚羽 固定アーム付属 (風量3段階) 3電源対応(AC+USB+別売乾電池) SF-DF20BK ブラック(ホーム&カー)
つーことで,熟睡できないまま5時過ぎには起きてしまった.
惣菜パン,バナナ,それにコーヒーといういつものキャンプ朝飯.
体調は良い.
チェアに座って「ツーリングマップル」を見ながら本日のプランニング.
ツーリングマップル 北海道
もちろんグラベルライド.
理想で言えば以前より興味津々のトムラウシもしくは菅野温泉ライドだが,いかんせん距離が遠すぎる.
それに,熊と戦う...もとい逃げる覚悟はない.
そして目に止まった「オソウシ温泉」の文字.
ほほぉ,行ったことないし,距離もちょうど良い.今日の目的地はここにするか.
なになに「国内有数の強アルカリ泉」ふむふむ.
「夏の露天風呂はブヨに注意」? まぁ大したことないやろ(と思っていた時期がKazchariにもありました)
いそいそと出発.
まずは舗装路を北上.
普段は白樺峠からの下りで爆走する道.
途中に自衛隊の駐屯地がある.
戦車が展示(?)されている.
途中,屈足温泉に向けて左折.
じわじわと登り始める.
馬横断注意の標識.クマより良い.
激坂をダウンヒル.
あー「アタック三国峠300」では真夜中に下ったなぁ.
突き当り,左に行くと一昨日入浴した「くったり温泉」.
右は”秘境”トムラウシ温泉.
ああ,トムラウシ.1998年頃だったかな,最初で最後に行ったのは.
北海道に住み始め,いつでも行ける状態になると行かなくなるのはよくある話.
以前,京都・丸太町の病院に勤務していたが,御所には行ったことはない.
宇治にある病院に勤務していたが,平等院には行ったことがない.
そんなもんだ.
面白いのは,ここの分岐点には「オソウシ温泉」の表示はない.
確認のためGoogle先生に訊いてみる.
道は合っている.
だが...やがてスマホも電波を拾わなくなった.
ようやく出てきた「オソウシ温泉」まで7km看板.
ここで人里離れた林道を走る際の装備である,2個目のベルをバックパックに装着.
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付 TB-K1 パールブルー
水と非常食は大丈夫.
えっ,それだけ?
少しだけは舗装路が続くが,徐々に禍々しさが増してくる.
そして見よ! この魔界への入口的な橋.渡れば二度と現世に戻れない...みたいな.
橋を渡るとすぐに舗装が途切れる.
通行量が多いのか,それほど荒れていない.
ただし,登る.
この「オソウシ林道」の看板あたりからかな,この魔界が牙を向いてきたのは.
そう,停車してチャリを下りた瞬間,Kazchariの回りに群がる黒い影,そうアブだ.
アブが発生する原因とは?アブの退治方法と予防対策
大群にからまれ,慌ててチャリにまたがり激こぎ.
アブは素速い.
とは言え,平坦で20km/h出すと,さすがに追いかけてはこれないようだ...と安心していると太ももに激痛!
そうレーパンの上からも平気で刺す,ではなくて皮膚をかじり取られる.
もはや停車はできない.
手で払い除けつつ目的地への到着だけをひたすら願う.
ようやく到着.
もちろんここでもチャリを降りた途端,アブの猛攻.
あわてて写真を撮って,玄関のドアを開けようとすると,なんと日帰り入浴は午前10時から!(※現在9時)
ど,どうやって1時間もアブの攻撃に耐えろと!?
うわー,ここまで来て風呂なしかぁーと,一瞬諦めかけたが,そこへ温泉のおばちゃん登場.
「もう準備できてるから,お風呂どうぞ~」⇒ なんとありがたいお言葉.
続けて「でも,露天はやめた方がいいわよ~ ムシすごいから」 ⇒ やっぱり?
ドアの内側に入れてもらうとさすがにヤツらはいない.まさにシェルター.
入浴料¥600を払って早速浴室へ...
ここで試練ちゃー試練.
この汗だくのジャージおよびビブを脱ぐのは良い.これらを入浴後にまた着なければならない.わかっていたとは言え,結構苦痛.
風呂入っている間に洗濯できたら...って,またすぐに汗だくになるねんけどな.
まず内湯につかる.
強アルカリ泉と言われても,違いがわからん.
で,せっかくここまで来たのだ.
オススメされなかった露天風呂にもレッツ・トライ!
二重になった仕切り戸を開けて,ダッシュ!
いきなりヤツらが襲ってきた.
一旦湯に避難.
加温してある.
うん? 向こうには源泉が.
湯から上がって再びダッシュ!
うわっ源泉は冷てぇー!
加温風呂に戻って自撮り.
肩までつかると顔のまわりだけを防御すれば良い.なんや入れるやん!(※全然リラックスできてない)
全く落ち着かないので,数分つかっただけで結局内湯に戻る.
源泉,加温の交代浴が心地よい.1時間ほど,この秘湯を堪能する.
その間,ライダーさんが2名ほど入り,そして出ていった.
最近は台風などの自然災害で,こうした”秘湯”が崩壊しても,修復をしないことが増えてきて寂しいですねぇ...といった会話をかわす.
この周辺では「ヌプントムラウシ温泉」や「岩間温泉」が入れなくなった.
では,上がりますか.
できれば着たくない汗だくジャージを着て,「これは新品これは新品」と自分に言い聞かせつつ汗だくのビブを引っ張り上げる.
この昭和感たっぷりのロビーにて,アクエリアスの補給.
そうそう水分だけではなく,塩分・ミネラルも摂らないと.
もう10年以上,当温泉の名物となっている番犬(?)ケンくんと.
頼むからアブを追い払ってくれ.
いいお湯でした.
つーことで後半戦開始.
「オソウシ温泉」を出てすぐの分岐.
右に行くと往路を引き返す.
左に行くと未知の道.
ここは当然左(オソウシサラウンナイ林道)だぁー!(※死ぬほど後悔)
そして...この林道,10%越えの激坂が何度も出てくる極悪ルートであった.
結果,登攀速度が10km/h以下になると,ヤツらが容赦なく襲ってくる.
後方を見ると50匹ほどの黒い塊が渦を巻いて...うぎゃあ~!
停まれば被害が増すばかり.
もう,進むしかない.
坂道くんばりのハイケイデンスで回しながら,片手で払い除けるが無駄無駄無駄っ!
おっさんの荒い息遣いと大量の汗でさらに追撃者が爆増!
特にケツ周辺をビブ越しに噛まれまくる.痛い!
正に地獄のデスライド!
つーことで写真ほとんど撮れず.
GoPro持ってきたら良かった.
ようやく落ち着いたのが以下の場所.
峠を越えてダウンヒル!
我々はこの時を待っていたのだ.
ようやく,アブの軍団から逃れることができた.
すっかり路面もキレイになった.
GPSを頼りに川沿いを進むと...
ようやく脱出っつーかゴール.
ここまでの超快適な下りを考えると,こちら側からは入りたくないな.
道道から国道に入る安心感.
さすがにグラベルはもう当分ええわ(ウソ).
無事に道の駅へ帰還.
サイコンを止める.
所々グチってますが,大満足の「しかおい遠征ライド」でした.
そうやねぇ,今日みたいなデスライドの方が思い出に残るもんやし.
旭川からここまでの道程のように,ファットバイクの前後輪を外して”きちんと”積むのが面倒なので,前輪だけを外し,適当にパッキングした荷物の上に,ファットを適当にドカっとのせる.
そして,お待ちかねの「温水プール」へ.
今日はしっかり,せっけんとシャンプー持参.
1時間ほど泳ぎ,ジャグジーにつかり,極悪ライドの疲れを癒やす...(いや,早く帰宅して寝る方がいいと思います)
ちょうど2時過ぎ.
休日のカフェもさすがに空いているのでは?と,Google先生おすすめの「Cafe Mahalo」へ.
お目当ては「鹿追牛のステーキロコ」! 高いかもしれんが,最後の贅沢!
と,勢いよく乗りつけるも...なぜかメニューには「ピザ」か「パスタ」しかない.がっくし...
あぁ幻の「鹿追牛」...ディナーだけの提供なのか?
仕方なくランチメニューの「味噌クリームパスタ」を注文.まぁ,これはこれで悪くない.本当はタンパク質が良いけど.(ちなみにKazchariはきゅうりが苦手なのでサラダが残念だった)
つーことで,昼食後は家まで爆走.
5時過ぎには帰宅した.
それにしても十勝のグラベル良かったなぁ.
天気も良くて,ひたすら真っ直ぐな道.
地元にはなかなかない新鮮な道.
オソウシ? 後で聞いたところ,実はクマの一大生息地帯らしく,本日遭遇しなかったのはたまたま...だったそうな.
えっ,”それ”が見えたら終わりやったん?
2022年版「おっさんの夏休み」第一弾,これにて終了.
さーて,次回のライドイベントは? ビバ! マイ・ライフ!