『RRR』を観てきた~インド映画はカロリー過多

2023/3/31 Fri

スーパー合体.

はい.
予定通り,本日は有給取って超大作インド映画RRRを観てきました.

観る前から面白いとわかっていたけど,想像以上.

※ 以下,ネタバレ.

とりあえず基礎中の基礎.
インド映画は長い.
この映画も3時間.

しかも10:35からの上映と,ちょうどお昼をまたぐ.
ゆえに久々に売店のポップコーンを買った(コスパ悪いけど).

新コロ禍になってからトレーでの提供をやめたんかな?
持ちにくいし食べにくい.

それはともかく,予告を終えて上映開始.
もう冒頭のシーン,音楽からインド臭全開.
懐かしさも含め,大好きだ.

なんと,主役の2名の紹介と,協力して少年を助けるまでの話,いわゆるアバンだけで40分近くある.
そこからようやくオープニング.

その間,二人の友情が深まっていく様がダイジェストで流れる.
このあたりの構成はホンマ巧み.

命令,任務に極端なまでに忠実な警察官ラーマ.
ひたすら村の少女(妹?)奪還を目指すビーム.

敵同士が互いの正体を知らぬまま,どんどんヤバイ方向に進んでいく.
ビームはともかく,なぜラーマがそこまで侵略者イギリスに対し従順なのか,その理由は隠されたまま.
観客は焦らされ続ける.

そして噂のナートゥダンス!

このレベルのダンスシーンがもう一回ぐらいあるかなと思ったけど,それはエンディングまで待たなあかんかった.

ラーマ,必死の捜査でついにビーム一派の一人を逮捕.
かなり手荒な拷問をする.完全に悪役やん.
これで,この二人最後にホンマに共闘すんの? ハラハラドキドキ.

油断し毒蛇に噛まれて瀕死となるラーマ.
それを”森の人”の知恵で救うビーム.

助かるかどうかわからない友,そして自分も死ぬかもしれない状況での正体バラシ.
もう,説得力しかない.泣ける.

だがしかし,その時不思議なことが起こった.
謎の薬草のおかげでラーマがいきなり全回復!
友情か任務か,そのジレンマに葛藤し,壁に穴を開けまくるラーマ・パンチ!
もう,呆れるしかない.

その頃,猛獣満載のトラックで総督府に特攻をかけるビーム.
大混乱の中,対峙する二人.
力は互角.
しかし,少女を人質に取られ,ビームは逮捕されてしまう.

ここまでが前半.

しっかりと「インターミッション」表示が出るので,日本でも5分ほど休憩にした方がいいのに.
あー,トイレ行くならこのタイミングですね.
ラーマの過去編がしばらく続くので.

そう,ラーマは実は大義(独立闘争)のために忠実なふりをしていたのだ.
警察内で出世し,武器庫の管理を任されるようになった暁には,反乱軍に武器を横流してイギリスを倒す!

あれ? 同じ様なストーリーのマンガなかったっけ?
「出世して中から組織を変えてやるッ!」みたいなヤツ.思い出せん.

過去編の少年ラーマのスナイプシーン,かっこ良かった.
これはあれやな,『極大射程』(小説版)思い出したわ(※映画は◯◯).

極大射程(上)

ショック死者が出たという伝説のキリスト映画『パッション』を思い出させるムチウチ刑.

パッション [DVD]

確かに痛々しいシーンではあるが,インド映画らしくいきなり歌い出すビーム.
もうネタキャラとしか言いようがない悪役オバサンが,棘付きの鞭を何気に用意してるなど,ギャグとしか言いようのない演出でシリアスさが半減されている.

そんな中,何気に鎖を脚で引っ張って,ビームをなんとか跪かそうとするラーマのやさしさ.
ホンマ,大雑把に見せかけて細かい演出が光る映画やな.

ビームの怒りが民衆に伝わり暴動発生.

自分の大義のために友情を捨てようとしたラーマだが,ビームを死なせるわけにはいかないと決意.
わかりやすい展開だ.

ビームの処刑場への移送日.
銃殺帯の小銃に細工,ビームに縄を切るためのカミソリを渡す,提督を足止めする罠を準備.
ビームと少女を逃すことには成功したが,ラーマは負傷し捕まってしまう.
ビームがラーマを...と,勘違いさせるシーンもあるが,いやホンマうまいわ.まさに演出の妙.

潜伏中のビームと少女,仲間,その危機を救ったのがなんとラーマの許嫁のシータだった!
ラーマのこれまでの行動の真実を知るビーム.
友を救うため,再び立ち上がる! 泣けるわ.
もう,伏線回収がうますぎる.

一方,正体がばれて牢獄につながれるラーマ.
週に一度の食事しか与えられず瀕死のはず...なのだが,なんとひたすら懸垂して筋トレ.
さらに歩けないように足を殴打され独房へ.
なんと,そこでも懸垂!

まさに,監獄トレーニング!

プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

これらが,全て伝説の最強肩車への伏線だったとは!

ジャングルに逃げる二人.
またまた不思議なことが起こり,ラーマの傷は全快.
それどころか,神の弓矢を入手.
その名前の通り,古代インドの伝説の英雄神と化す.

もうそこからは良い意味でめちゃめちゃ.
『ランボー』『コマンドー』『プレデター』『フルメタル・ジャケット』と...えー,なんでもいいのでアクション映画のかっこいいシーン全部盛りの戦闘.
あの熱かった80年代ハリウッドを彷彿とさせ大興奮.

「上映時間3時間は長い」と言ったが...スマン,あれは嘘だ.
テンポ良いストーリー展開のおかげで,あっという間.

ラスボス(と言っても強くないが)との対決があっさりしていたが,最後に「銃弾1発と命の値段の比較」講話すらも回収.
ホンマにスキがない.

てっきり,主役2人がイギリス軍の大群に囲まれ,ピンチになった時に,蜂起した住民が押し寄せて大乱戦かとも思ったけど.
ひょっとして,この後のストーリーは続編?(予定があるそうな)

監督の前作『バーフバリ』は古代叙事詩モノ,つまりファンタジーだったが,今回は1920年のイギリス支配下のインド.

バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋 &完全版ブルーレイBOX

その非道な圧政がこれでもかと描かれる.
そして敵側は一分の理もない悪役.

そうそう,ようするに健さんのヤクザ映画と同じ展開やな.
耐えて耐えて最後に爆発.

多様性だとかポリコレだとか,理屈でこねくり回すのは現実だけで十分.
アクション映画はこういう勧善懲悪でいいのだ(聞いているか,ネズミー?)

まぁ,インド人の顔がみんな同じに見えてしまうという欠点もあるが,これは仕方がない.
あっちもあっちで平たい顔族の判別はでけへんやろな.

後,インド映画にしてはダンス少なめかな?
どこからともなく現れるインド女性の群舞がなかったような...

贅沢を言うなら,劇場を出た後もインドのマチナカだったら良かったのに...(無茶やな)
やっぱり死ぬまでにインド再訪やな.

アメコミヒーローやSF映画の代わり映えのないアクションに食傷気味だったところに,それとは全く次元の怒涛のアクション.
最初から最後までニヤニヤが止まらない.

おすすめです.
可能な限り劇場で!

『シン・仮面ライダー』を観てきた~やりたい放題

2023/3/21 Tue

人間の自由のために

iPhone11 Pro

少し出遅れたが,先日『シン・仮面ライダー』を観てきた.

脚本担当だった『シン・ウルトラマン』も含めると,シン・シリーズ四作目となる.

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観た

思った以上にウルトラマン~『シン・ウルトラマン』を観た

さて,その感想は...

※ 以下,ネタバレです.

まず感じるのは,これまでで一番クセ強め.
たぶん興行成績は苦労するやろなぁ.

例によって,公式サイトや個人レビュー動画の類を一切シャットアウトしたまま書いているので,勘違いや気づかなかった点が多々あるかと思われるがご容赦.

オリジナルの『仮面ライダー』は1971年放送開始.
Kazchariは当時4歳.
なんとなーく観ていた記憶あり.

熱中しだしたのは『V3』(1973)以降かな.
当時の特撮では『人造人間キカイダー』(1972)が一番好きだった.
ただ,どちらかと言えば『ウルトラマン』に代表される巨大ヒーロー派.

有名な話だが,初代『仮面ライダー』は当初怪奇路線だった.
話も暗いし,怪人は気持ち悪いし,人がバシバシ死ぬ.
何よりライダーが地味.

路線変更して明るめの作風へ.
それに,なんつっても主役の藤岡弘さんの不慮の事故による撮影不可からの,2号ライダー誕生が大きい.
一大ブームとなり,ライダーキックを真似る子供への注意喚起がなされるなど社会現象化した.

その後,定期的なライダー番組は昭和と平成の狭間である『RX』(1988)で一旦終了.
そして,2000年の『クウガ』で復活後は「平成/令和ライダー」シリーズとして,今も続く人気コンテンツとなっている.

ちなみにKazchariは『クウガ』を至高として,次に『W』が好きだ.
他の作品も一通り視聴してきたが,令和2作目の『セイバー』(2020)以降はちょっと...
最近はスーパー戦隊がおもしろ過ぎる(※個人の感想です).

『ドンブラザーズ』から『キングオージャー』へ

さて,今回の『シン』はPG12,つまり「小さいお子様は親のフォロー付きで鑑賞下さい」基準.
ようするに平成令和のお祭りライダー映画と異なり,完全に大きいお友達がターゲット.

「大きいお友達用」と言えば,最近こんな◯◯が配信されていた.

『仮面ライダーBLACK SUN』,最終回まで観た~生きることが好きさ(えっ?)

今回の『シン』は,こいつの1億倍は面白かった.
やはりリメイク物は,監督や製作者が,オリジナルに対してどれくらい愛と情熱があるかが如実に現れる.
(庵野)カントクは自分の結婚式にて,燕尾服の代わりにライダースーツを着るぐらいの筋金入りだ.

監督不行届 (FEEL COMICS)

子供の頃にドはまりしていた特撮を後で思い出したり,人に説明する際,脳内補完され,オリジナルを美化,シャープ化してしまうことがよくある.

『シン』は脳内補完されたイメージと,オリジナルの古いままの両方が“奇妙に”混ざり合っている.
ようするに変な映画(ホメ言葉).

『電人ザボーガー』と並...並びません.

電人ザボーガー

その顕著な例が主人公のライダースーツ(防護服)である.
大きめの頭部(のぞき穴付き),余計な装飾一切なし,だらっとした姿勢...
単体では,決してかっこよくない.

まずはヘルメット...ではなくマスク.

ベルトが風を受けると,目が血走り顔に血管が浮き出る,どこぞの『テラフォーマーズ』っぽくなる.マスクはそれを隠すためでもある.
それに,かぶると生存本能=闘争本能が高まるとか.

他にもワイヤレス通信でアップデートできたり,映像を保存したりと実に便利なガジェット.
かぶると,口元のいわゆるクラッシャーが閉じるが,その状態でしゃべるもんやからモゴモゴと声が通りにくくなる(リアルだ).

ショッカーライダーとの戦いでマシンガンをゼロ距離でバカスカ撃ち込まれている時,本郷が「このままではマスクが保たない!」とか焦っていたが,元々首元がむき出しでは?(そこは言わない約束).

スーツも,昔のジャージ生地ではなく革っぽいが,当時のもっさり感が絶妙に再現されている.

事前情報で「あれは服ではなく,肉体が変化したもの」説も流れていたが,ちゃんと脱げます.
それどころか,長時間着たままだと匂うらしい.

生命維持は体内にある「プラーナ」という謎エネルギーを用いているので食事不要らしいが,汗はかくということ?
ルリ子に指摘され,下着姿になるシーンあり.

最近のライダー映画で客演した際の,胸のコンバーターが妙に浮いているスーツとは明らかに違う.
正直,今風アレンジしたスーツだと『仮面ライダー THE FIRST』(2005)の完成度が非常に高い.

仮面ライダーTHE FIRST & THE NEXT Blu-ray

カントクにとっては,怪人はともかく,ライダーに関してはオリジナルの姿がベストなのだろう.

一方で,怪人の造形はシャープで今風(サソリは除く).
作中,オリジナルの〇〇男,◯◯女という呼び名は,◯◯オーグに変更.

主な登場怪人は6体.

クモオーグ:ライダー第一話伝統のモチーフ.変に紳士的.素顔出ず.「そうか,空中戦だとこちらが不利に!」ドカーン!

コウモリオーグ:変身解除しないのか,できないのか,ずっとコウモリ顔のまま.確かにコウモリは様々なウイルスを媒介する.帽子に耳の切れ目が入っているがおしゃれ.

サソリオーグ:これは...まさかのあの人!? シークレットな大物キャラ.スゴイ役どころ.網タイツ戦闘員など,古き良き東映特撮のキャラやな.

ハチオーグ:『キル・ビル』? それにアジトの形状がマギ・システムにしか見えない.そこは投下されるエヴァ弐号機!っぽい構図.

カメレオン/カマキリオーグ:まさかの3種混合.『北斗の拳』の雑魚キャラにいそうな立ち位置.ルリ子より先に本郷を殺すべきでは?

チョウオーグ:ルリ子の兄のイチロー.「肉体と魂を切り離して,魂だけを平穏の地に閉じ込める」というショッカーの理想を実現しようとしている人類補完計画野郎.

ラストの変身で顔が半分に割れた! ⇒ こ,これはイチローだけにキカイダー01
そこから口吻らしいものが!    ⇒ イナズマン
ベルトにタイフーンが2つ!    ⇒ まさかのV3

と,かなり楽しませてくれたキャラ.
だってさぁ,ロボット刑事Kまでいるんやから,石森キャラつながりで,絶対にそう思うやん.
残念なことにダブルライダーとの最終決戦がイマイチで,そこがこの映画の減点ポイント.
もう少しカタルシスが欲しかったなぁ.

カメカマを除き,こいつらがショッカーの上級幹部らしい.
ナレーションでは最後にコブラオーグの名前も出てた.

ルリ子の説明によると,緑川博士は「この世界で最も成功した生命体はヒトと昆虫.だからかけ合わせた」らしいけど,それ以外のヤツらが多くないか?

さて,次にキャラ造形.

主人公の本郷猛.

頭脳明晰・スポーツ万能...だけどコミュ症.
演技が素晴らしく,常に震えながら話す.
棒読みっつーか,感情が全くこもっていない話し方.
そう,まるで『風立ちぬ』の時のカントクっぽい.

ぶったまげたのがPG12の理由と思われる冒頭の戦闘員との戦い.
とんでもない力を持った怪物が,生身の人間を殴るとどうなるのか,をリアルに再現.
文字通り”砕く”のだ.

もちろん,「トォー!」だとか「ライダァーキィーック!」などとは叫ばない.

ハチオーグに操られた民衆が迫ってきても,なぜかキャンプ用具を丁寧に片付けてから逃げる几帳面さ.
なぜか収納したコンテナは放置.

本郷はバイク好き...らしいが,尺の問題なのか,その描写は薄い.
サイクロン号の整備をしつつ話しかける,いやタンクをなでてうっとりする場面は欲しい.バイク乗りなら当然の行動.

逆に2号ライダーこと一文字隼人は陽キャ(だけど変人は変人).

「お見せしよう」の名台詞もちゃんと言ってくれる.
「クリアになった」が口癖.
一度は断ったチョウオーグとの最終決戦だが,本郷のピンチに駆けつける.お前はハン・ソロか.
一文字隼人は,本郷亡き後も「BATTA-ORG 01+02」,つまり水色マスクと白2本ラインの新一号+新サイクロンで今後もショッカーと戦い続けるのだッ!

ちょっと邦画の悪い癖で,心情を語るセリフ過多かな.
ラストシーンでの橋上走行.センターライン上ではなく,左側を走ってほしい(なんとなく).

さて,問題の緑川ルリ子である.

「私,用意周到なんで」が口癖.某外科医?
カントクはこういうキャラ付け好きやな(髪型含め).

「彼女は安野モヨコだ」とか,誰かが言ったら,また炎上しそう.

思えば,本編冒頭のカーチェイスの時から変.
相当高い崖の上から,バイクごと転落し地面に叩きつけられてもなぜか平気.
この時点で,てっきり改造済み(テントウムシオーグとか)かと思ったけど違ってた.

彼女も感情表現がおかしい.
母親はいないっつーか,緑川博士の精子を使って人工子宮で生まれたらしい.

本人曰く「私はショッカーのための電算処理人間」
あれ? この設定って...某コミックのファティマやん!

兄(イチロー)を慕う理由はよくわからん.

最初のセーフティハウスに向かう際,オート操縦の無人サイクロン号がついてくるシーンがある.
まるで犬のようだ...って,実はこの映画,テーマは洗脳と自由

持続可能な平和を願うショッカーの首領(?)イチローは人類補完計画を企む.
そのため,コウモリやハチオーグに人々を洗脳する計略を指示.
つまり個ではく統一された集団意志・行動を基本とした社会を目指している.
そこには苦しみはない=幸福だそうな.

カントク,相変わらずこの世界観好きやな.

一方,仮面ライダーは世界平和を目指しているわけではない.

仮面ライダー・本郷猛は改造人間である.
彼を改造したショッカーは世界制覇を企む悪の秘密結社である.
仮面ライダーは人間の自由の為にショッカーと戦うのだ!

この超有名な前口上にあるように,平和ではなく自由を目指す.

この映画における,るり子のやり口はエグイ.

赤いマフラーを巻くシーンから始まって,アジトでの添い寝ツンデレ,一文字の開放,死に際のセリフ,遺言ビデオ...

本郷にしても一文字にしても「自由でなければならない」という逆洗脳を受ける...っつーか,まるでマキマさん? 支配の悪魔やん.

まぁ,現代っつーか,リベラル化した社会って「自己責任において自由でいなければならない」という洗脳下にあるかもしれんけどな.

あっそうか,この構図って,使徒(個体で完結)と人(共同体でなければ生きられない)のジレンマと同じやね.

カントクが,いつものテーマを,自分の大好きな仮面ライダーを使って,やりたい放題したことがものすごく伝わる映画でした.

エンドロールのメドレー.
『ロンリー仮面ライダー』がたまらん.

オススメです.

おっと,忘れてた.
これまた事前公開情報になかった立花さんと滝さん...なんだかファミリー化してる?

ここまで実績を作ると,もはや誰も止められない.
次の「シン」は何か?
一番作ってほしいのは『シン・ナウシカ』

息子,鍛えてます~最強の財産

2023/3/17 Fri

ある程度の年齢になると健康しか興味がなくなる.

いつもはヨメさんが連れて行く息子のラグビー練習.
諸事情により先日,Kazchariが初めて送迎した.

時間はなんと18時半から21時まで.
小学生ゆえ,親が放置して一旦家に戻ることもできない(らしい).

極寒の体育館でコーヒーをすすり,Kindle本を読みながら見学.
この生命の危機に我がミトコンドリアが活性化しておるわ!(ブルブル)

で,その練習内容だが,基礎練,パス回し,タックル練,ミニ試合など,思った以上にガチだった.
小中学生混合だが,内容は容赦ない.

そもそもこの密度で,週一昼練,週二回夜練参加と,小学生にはとんでもない負荷やな.

遺伝なのか,同学年の子らに比べるとホビット族な我が息子だが,「こりゃ強なるわ.感心,感心」と一安心.

強くなって大きくなってガチで勝負しようぜ,息子よ!(何の?)

「何を成すにも健康第一」は絶対の真実.

特に少年期から青年期にかけての体力づくりが重要なのは言うまでもないだろう.

かく言うKazchariは今でこそチャリジャンキー...もといブラックサイクリスト(一緒や)だが,かつてはどうだったか?

ひと目でわかるブラックサイクリストの特徴10個

まず小学生に遡る.
放課後や休日は野山を走り回る日々.
それに家の屋根によく登ってたな(「さるエッっちゃん」か).

親父が野球好きだったので,地域の少年野球団に勝手に申し込んできたが,参加拒否.
野球中継もほとんど見ていない.
どうやらこの頃から球技嫌いだったようだ.

そういや書道と剣道を習ってたな.

剣道は背の高い相手だと,竹刀が頭頂に水平にヒットするので痛いのなんの.
銅を狙われた際に,防具から外れて脇の下にヒット.これも痛いのなんの.
面をつけると試合の待ち時間に呼吸困難になり,辛いのなんの.

なんで,あんなんしてたんやろ?(※個人の感想です)

中学では美術部に.

油絵を描いてたな.
面白くなかったのか,記憶はあまり残っていない.

それよりも当時は校内暴力がトレンディ.

目の前で教師が殴られ,髪の毛を引っ張られ,長ラン・ボンタンのヤンキーがシンナー,タバコ,暴走族が校庭をパラリラパラリラと,今思えばマンガっつーか,リアル『金八2』の世界.

Kazchari自身はグレもいじめられもせず,アニメ・プラモなどのヲタクライフを過ごしていた.

だが,ここで自分が得意な運動を見つけてしまった.
それは長距離走.
体力測定の1500m走はクラスでぶっちぎりの速さだった.
まぁ「そんな荒れた学校で真面目に走る方がどうかしてる」という声も聞こえてそうだが.

最近はこんな風潮も.

体育の持久走に変化の兆し 順位より「楽しさ」「ペース」重視

で,高校進学.

うちの母校,公立高校なのに,なんとKazchariが入学する前年に夏の甲子園出場を果たしているのだぁ.
知っての通り,大阪でこれは大珍事,もとい大快挙.

そんな学校で,脚に自信があったKazchariは陸上競技部に入部.
長距離(5000m&駅伝)選手となった.
陸上部もまた地域ではなかなかのガチ部で,全国とまではいかないが,近畿大会レベルには毎年出場していた.

ヲタクが強豪校の運動部に突然入部?
うっ,どこかのヒメヒメ漫画で似たようなストーリーが...

まっ,現実はインターハイで優勝することもなく,せいぜい市レベルの大会で入賞する程度だったけどな.

11月の駅伝大阪予選で10位だったのが最終成績.
忘れもしない.
その日,走り終えた後「もうこれで走らんで済む!」と嬉しさのあまり号泣したことを.
そこから受験勉強を始めて,関西の某私大法学部に進学.

以降,運動習慣は途絶える.

オートバイツーリングやら海外貧乏旅行を経て卒業.
某大手コンピュータ会社に就職するも3年で退職.
1年間のアジア放浪後に帰国.
専門学校に再入学し,作業療法士となる.
臨床を経験後,青年海外協力隊に参加.

この間,酒もタバコもせず,粗食で超健康な日々を送っていた.

帰国翌年,38歳の時,ダイビングで訪れた沖縄の離島で急激な腹痛(食あたり)に苦しむ.
村の診療所で超音波検査を受けたところ,メタボ/脂肪肝宣告.

一念発起し,ロードバイクを購入して今に至る...というストーリー.

もし,あの島で腹痛が起きなかったら,今の健康体はなかったなぁ...しみじみ.

今もロードバイク趣味が続けられているのも,中学で自分の体質に向いている運動を見つけ,高校で基礎的な心肺機能と筋力を体得したからに相違ない.

これぞ正に財産.
そしてそれは30年経った今も受け継がれている.
実際,去年,新コロにはかかってしまったけど,ほぼ無症状やったしな.

Cの記録~そして残りの人生

息子の場合,ヨメさんが無類のラグビー好きだったことに加え,幼少からの英才教育のおかげか,それに本人ものっかったこと.
歯車が噛み合った結果やろな.

Testosterone氏じゃないけど,筋トレが全てを解決すると信じている.

筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法

先ほど,Kazchariは球技が嫌いと書いた.
理由は単純.
勝っても負けても己に責任を追わせたいからだ.

味方が弱かったら負け.
相手が強かったら負け.

つまらん.
「倒すべき相手は自分だけ」が潔い.

あっ,そんな意味でも『ブルーロック』は面白いな.
今度息子に見せたろ.

ブルーロック

『Good Night OPPY』を観た~感情移入せずにいられないッ

2023/3/9 Thu

最高の自撮り.

Zwiftの友としてAmazon Primeにて『Good Night OPPY』(2022)を観た.

おやすみ オポチュニティ

全くノーマークだった.

たんなるサイエンス・ドキュメントだと思って観始めたのだが,これがまぁ,まさかの感動超大作.
壊れゆくマシンに感情移入するなんて『攻殻機動隊SAC』のタチコマ殉職シーン以来...(さよなら,バトーさん.うう)

攻殻機動隊S.A.C. TRILOGY-BOX:STANDARD EDITION [Blu-ray]

さて,このドキュメントだけどドラマ(と言ってしまう)の主人公はNASAが開発した多脚型火星探査車,いわゆる「ローバー」「オポチュニティ」
「Opportunity」なので,愛称が「OPPY」となる.

同型機(そそるぜ)の「スピリット:Spirit」とともに,2003年7月に火星へ向けて打ち上げられた.2機は発射日を少しずらすことで着陸地点が違う場所になる.

着陸は2004年1月.ゆえに約7ヶ月の宇宙旅行.

当初は到着後90日間で活動終了と思われていたのが,なんと,スピリットは7年間活動.オポチュニティに至っては...とんでもない.

番組ではその開発過程から探査終了(機能停止)までを,関係者のインタビューおよび,CGによる再現映像で紹介している.

ただのマシンであるはずのローバーに対し,職員や関係者が抱く愛情や悲しみ.
過酷な環境ゆえに起こる数々のトラブル.
故障,スタック,砂嵐,システムエラー,バッテリー切れ...
(平均)約 225 億 54,6 万キロメートル離れた星にいる“彼女たち”を直接助けることは不可能.
人類は誰一人火星に行ったことはない.

彼女らに生命があるかのように心配し,世界最高峰の頭脳を持つスタッフが知恵を絞り解決を模索.
トラブル解消の暁時の喜び様は,視聴者にも,マシン相手であるという事実を忘れさせる.
まるで『宇宙兄弟』の日々人遭難エピソードのようだ.

ローバーのデザインも素晴らしい.
六本の脚,腕,羽(太陽光パネル),首と顔,それに目(レンズ)がちゃんとついており,まんまピクサーのアニメに出てきても違和感ない.
はっきり言ってカワイイ.
感情移入するのもさもありなん.

途中でメンテなどが一切できない状況であることを考えると,もっと無骨で無機質な形状になってもおかしくないのだが,その容姿はまるで生物.
河森氏あたりにデザインさせたら,アイボみたいに,もっととんがってかっこよく...とはならんか.

映像も素晴らしい.

もちろん,探査中のローバーを撮る者はどこにもいない.
送られてくる火星の写真を用いたCGにより,第三者目線で2台の活躍を紹介している.
全く違和感なし.
そりゃ最新技術で作られてるしな.

それだけに「認知症」(メモリが壊れ一度シャットダウンするとデータを消失してしまう)と「関節炎」(ホイールが回らなくなり,アームも十分に動かない)を患ったOPPYの最初で最後の自撮り写真が,リアルで泣ける.

解像度が低く,白黒でボケているが,紛れもないホンモノのポートレートである.
開発スタッフは実に13年ぶりに彼女の姿を見た.

オポチュニティはその晩年にかつて火星に水があった痕跡を見つけ,その後砂嵐に巻き込まれ,機能を停止する.実に15年の活動だった.

ちなみに,今現在もNASAのローバーが火星を探索中.

まず「キュリオシティ(好奇心)」
2012年8月着.

次に「パーサヴィアランス(忍耐)」
2021年2月着.

この2機,OPPYに比べるとゴツく,イカつくなった.
正に強化型.強そう.
太陽電池から放射性同位体熱電気転換器(原子力電池)へ.
こ,これは「ジャイアントロボ」

そして,パーサヴィアランスは脱着式のドローンを装備しているらしい.
こ,これは「電人ザボーガー」!
しかも,酸素の生成に成功したとか.スゲー.

いつか人類は火星に降り立ち,赤い大地に居住する日が来るのだろうか?

火星移住を考えるにあたっての火星のキホン~計画、環境、課題、Q&A~

火星モノの創作物で印象に残っているのは,まず『火星年代記』(1979)

火星年代記 THE MARTIAN CHRONICLES 日本語吹替音声収録 コレクターズ・エディション [DVD]

小学校の夏休みに,TVで一挙放映していたのを観た記憶がある.
学術系ではなくSF.
ラストで,水たまりに写った自分と家族の顔を見つめながら「ほら,火星人がここにいる」とつぶやくシーンが印象的(うろ覚え).

一方,リアル路線で書かれ映画化されたのが『The Martian:火星の人』(邦題:オデッセイ).

オデッセイ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

これは面白かった.
マット・ディモンのメンタル,ヤバすぎ.

ちなみに原作者のアンディ・ウィアーはベストセラー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』も書いている.
こちらは現在,下巻を読書中.

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上

実に面白い.
近々映画化だとか.
ロッキーのイメージ画がネットにいくつか上がっているが,もうタチコマにしか見えん.

うん?
火星ゴキブリことじょーじ? あーなんかそんなんもありましたね.

テラフォーマーズ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

1巻(だけ)は普通に面白い.

旭川が電子図書館サービスを開始!

2023/3/4 Sat

吉と出るか.

本を買わなくなって久しい.
話題本や読みたい本は市立図書館に予約して借り出すことがほとんどである.

その様な中,全くノーチェックだったのだが,2月初めより旭川市が電子書籍の貸出(?)サービスを突如開始.

旭川市電子図書館

そんなに宣伝してたっけ?

それはともかくログインは通常の図書館貸出カードのIDと同じ.
デフォルトのパスワードは誕生日設定で,初回ログイン後に再設定する仕様となっている,

利用案内をざっくりと.

- Win,iOS,Android全て対応
- 貸出点数:3点
- 貸出期間:14日間(自動返却)
- 予約点数:3点

電子書籍やけどダウンロード数に制限があるのか,予約要なのが面白い.
出版側との契約なのだろうか?

この情報を聞いた後,早速ログイン.
もちろんiPadでである.
さすがにアプリは存在せずブラウザからとなる.

もちろん一番の関心はその品揃え.

まずは大好きな作家「森博嗣」で検索 ⇒ 0冊

うーむ.
Kindleで電子化されているからと,ここでも借りられるとは限らないようだ.

お次は「ロードバイク」 ⇒ 1冊
メンテナンス本のみ.
さすがに雑誌の貸出はないようだ.

次に「スキューバダイビング」 ⇒ 0冊
まぁ,マイナーだしブームも終わってるし.

次は「写真」 ⇒ 「山と溪谷社」の出版本はちょこちょこある.
「写真集」はわりと充実.

ついでに「ガンダム」 ⇒ 0冊.

検索の仕方が悪い(具体的でない)のが悪いのか,Kazchariの興味対象本が少ない.

そうだ,ガイドブックは?

「地球の歩き方」 ⇒ なぜか「日本」のみ.マニアックだ.
一方『るるぶ』はほぼ全国網羅.これは便利かも.

そうだ! シリーズならどうだっ!

「ブルーバックス」で検索 ⇒ 25冊
ついでに「講談社現代新書」 ⇒ 76冊.わりと充実.

他の大手出版社の新書は...ひっかからんな.

結論.

少し軽めの学術系,つまり新書の品揃えはまぁまぁ.
ジュブナイル小説や絵本も充実しているようだ.

基本はこれまで通り,市立図書館で紙の本を借り,新書系は電子が便利かな.

コミックは「ジャンプ+」「GEO」
雑誌は「kindle unlimited」「Yahooプレミアムの読み放題」

つまり,全部レンタル.

ユーザー的にはありがたい話だが,ますますリアル書店の行く末が心配になる.
旭川の大型書店と言えば『コーチャンフォー』
駐車場が広く,結構な人出.
一方で駅前通りのビルに入っている『ジュンク堂』
めったに行かない.たまに行くとガラガラ.大丈夫なのか?

後はあれやな,現状PCやタブレット画面で読むことになるが,Kindle Paperwhiteのような“自然さ”は期待できない.

Kindle Paperwhite シグニチャー エディション (32GB) 6.8インチディスプレイ ワイヤレス充電対応 明るさ自動調節機能つき 広告なし ブラック

普通の液晶画面だとどうしても目が疲れる.
電子で文字を読むならPaperwhiteがいいけど,旭川電子図書で借りても不可能.

数十年ぶりに『獄門島』を再読する~わが青春のヨコミゾ

「物語への没入感や理解力は紙の方が上」という意見もどこかで聞いたな.
紙の本は視覚以外でもでも楽しめる.これはヒトの高次脳機能の性質からも正しい.

もちろん電子にもメリット山盛り.

結局どっちがいい?電子書籍と紙の本、それぞれの長所短所

いずれにせよ,「読書」という行為は素晴らしい.

YouTubeを始めとする映像による体験は一方的なインプット行為である.
一方「読書」はインプットとアウトプットの両方を兼ねている.
自分で主体的に読み進める必要がある.

「情報」でなく「教養」を得るつもりなら読書が上位だろう.

Wi-Fiルーター交換(未)とセールシーズンやばし

2023/2/25 Sat

いろいろスッキリ.

iPhone11 Pro 問題のルーター

土曜日である.
アラームなしで寝ると7時に自然起床.
いつもより1時間ほど遅い.

息子の送迎義務があるため,本日の外ライドはお預け.
よいのだ.
その分,月曜日に有給を取ったし.

2月がもうじき終わる.
ネット界隈では,冬物を含む2022年度モデルのセールが始まっているようだ.
絶賛節約中のKazchariだが(そうなん?),久々にファッション系で少し欲しいものを買うことにした.

まずはこれから着る機会は減るであろうダウンジャケット.

”みんな大好き”海外通販「Wiggle」で購入.

元の値段は¥25,000ほど.安くね?
どうやら日本未入荷モデル&カラーのようで,国内のECサイトでは見かけない.
同名の似たようなデザインだと¥30,000越えだったりする.

昔だったらアフィリのセルフバックでさらに10%ほどオフだったような...残念(今は提携なし).

えっ? 派手?
いいんですよ.これくらいで.
しかもこのモデル,内側は保温の金ピカ素材だ.宇宙服?

海外通販のコツは,関税対策のため,総額¥16,660を越えないこと.
つまり分割購入がお得.

さらにクーポンの使い方に注意.
期間中一度しか使えない場合が多い.
さらに問題なのは,総額チェックのために試し入力すると使用済みになってしまう(経験あり).

つーことで,運営が同じ会社で商品も在庫状況もほぼ同じの「CRC」こと「Chain Reaction」に飛ぶ.
こちらで買ったのがこちら.

画像が小さいが,こちらはサイクリングジャージ&ビブである.
”みんな大好き”dhb.
ジャージ,¥3,600の10%OFF.安い.
品質も信頼できる.

えっ? 地味?
いいんですよ.これくらいで.
うちの新しい子(EMONDA),むっちゃ派手なので.

アガリの一台~TREK EMONDA SLR7 First Light

半袖,半パンなので実際に着るのは少し先.

そう言えば来年は「400ブルベ開催100周年」である(一般人には何のことやら).
その記念ジャージがONYONEから受注生産販売されている.

BRM400km開催100周年記念ジャージ

おお,なかなかカッコよい.

Kazchariは2021年に「200km記念ジャージ」を購入.
それを着て,無事200ブルベ完走.

ファットなBRM911旭川200km(その1)

新コロのせいで1年ズレたけどな.
昨年の「300kmジャージ」は,デザインがほとんど変わってなかったので購入見送り.
それに,300ブルベそのものも色々あって走れなかった.

もうすぐ300kmブルベ~BRM528きのこの山参戦とベルの話

さて,今年は400!
一番キツいと言われるブルベ(寝れないんだよぉぉぉ).
好きか嫌いか? ⇒ 大好きだ.

BRM824旭川400km(その1)

Audax Japan BRM618北海道400kmトカプチ(その0)

今年も出走予定!
ジャージどうする? ⇒ 検討中.

次に以前からの懸念事項.
我が家のルーターについてである.

ここ半年ほど,ネットの接続状況がひたすら悪い.
iPadとiPhoneの接続はなぜか問題ないのだが,Windowsパソコンにつけた外付けのWi-Fi無線LANが拾わないったら拾わない.

アイ・オー・データ Wi-Fi 無線LAN 子機 11n/g/b 300Mbps アンテナ型 日本メーカー WN-G300UA

途中でぶちぶち切れる.
調子が悪くなるとルーターのリセットでごまかしていたが,調べてみるとルーターというハードには寿命があるらしい(3~4年とか).

そこで「いいや限界だ,買うね!」と,新しいルーターを購入した.

バッファローWiFi ルーター無線LAN Wi-Fi 6 11ax / 11ac AX1800 573+1201Mbps 日本メーカー LANケーブル同梱【 iPhone 14 / 13 / 12 / iPhone SE(第二世代) / PS5 メーカー動作確認済み】 エコパッケージ WSR-1800AX4S/NBK

届いたので早速接続...って,あれ?
前のルーターから外した固定電話の線をつなぐ穴がない?

えー,ロクに調べもしないで買ったKazchariのパーフェクトなミスなんですが,電話線コネクタがあるルーターは,レンタル専用品だったのねん...(知らんがな)
つーことで,このままではどうしようもないので,実店鋪に出かけ接続方法について尋ねることにした.

近くのauショップに出向く.
まず,入り口でまず要件を尋ねられる.
「ネットの接続で...」と説明すると,ここ(ショップ)では対応できないので,本社に電話してくれと,番号が書かれたメモを渡される.
うーむ.まぁいいか,そういうもんでしょ.
家から電話するか.

帰宅前に図書館に寄る.
予約本を借りて,館内をうろうろしていると面白い本を見つけて座り読み.

思い込みで誤った情報を選択しないための必須教養 認知バイアス見るだけノート

P80の「行動経済学」の解説が面白かった.
「プロスペクト理論」「アンカリング効果」「おとり効果」「サンクコスト効果」「現在志向バイアス」...うわっ,最近のKazchariの消費行動,全部あてはまるやん!やられてるなぁ.
やはり,ヒトには自由意志なんてほとんどないということか.

次にGEOへ.
前回のレンタル本を返却.
新規に借りるつもりはなかったが,オススメコーナーでとあるタイトルを発見.

満州アヘンスクワッド(1)

かなり以前にKindle無料本で2巻までダウンロード済み.
めっちゃ個性的なマンガやなぁ...と思いつつ続きが気になっていた(購入までは至らず).
それが10巻までズラっと並んでいた.借ります・読みます.

で,帰宅.

auに電話.
コールセンターのスタッフさんに症状を説明.
やはり,購入したルーターでは固定電話を接続することは無理らしい.
今のレンタル品も2015年製ということで,「寿命では?」というご意見.
交換を提案される.
この新ルーターへの交換,一部情報では有料と聞いていたが,どうやら無償らしい.ありがたい.

自分で購入したルーターの使い道は?
いわゆる「ブリッジ接続」すると通信速度はあがるのだろうか?
お試しやね.

息子に昼飯を作る.
インスタントラーメンにキャベツを山盛りにしたった.
Kazchariはパックごはんにレトルトカレー.
新コロに罹患した際の支援物資が,まだまだたくさん残っている.

腹ごなしに3本ローラー.
そのお供は『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

いかにもなラノベ原作タイトル.
とあるYouTuberさんがおすすめしていたので鑑賞.
こ,これは...『高木さん』とはまた違ったタイプの「嘘みたいだろ.付き合ってないんだぜ」アニメでした.
微笑ましく観れるのだが,エエ年のおっさんが,ローラー全開でハァハァ言いながら観るもんではないな.

15時になったので息子を習い事先に送る.
待ち時間,車内にて先程借りてきた『満州アヘンスクワッド』を読む.

こ,これは...正にもうひとつの『ゴールデンカムイ』
ロードムービーかつ,それに曲者が次々と仲間になっていく展開とか(グロとか).
決して学校では習わないウラ日本史という共通点もある.
実に面白い.

つーことで,特別なイベントはなかったけど,色々なことが解決して,まとまった感のある土曜日でした.

『ドクター・スリープ』から『IT』へ

2023/2/15 Wed

原作と監督と.

少し前,3本ローラーの友として『ドクター・スリープ』(2019)を観た.

ドクター・スリープ(字幕版)

映画史上に残る大傑作『シャイニング』(1980)からの39年ぶりの続編ということで,楽しみにしていたのだが,最初から最後まで「思ってたんとちゃう」という感想が拭えなかった.

心理的にグイグイ来る上質なホラー映画が,CG満載の陳腐な異能力バトルモノに変貌していた.

だがしかし.

この映画には裏事情があって,原作者のスティーブン・キングは映画の『シャイニング』を大酷評.監督のキューブリックをずっと恨んでいたらしい.

シャイニング (字幕版)

一方で,自分の原作に忠実な『ドクター・スリープ』は大満足&絶賛しているそうな.

こんな話,どこかで聞いたなぁ...って,そうや!押井守の『ビューティフル・ドリーマー』やん.

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [デジタルリマスター版] [Blu-ray]

これまた世紀の大傑作.
おっさんになって観ると,“あの頃”を思い出して泣ける.

ちなみに現在放送&配信中の令和版『うる星やつら』,Kazchariは最初の数話で早々に脱落.
メガネ(=千葉繁)がいないだけで,これだけつまらなくなるとは...(原作準拠なので仕方がない)

うる星やつら

それはさておき,『ドクター・スリープ』視聴後,おすすめに上がってきたのが同じくキング原作の『IT/イット “それ”が見えたら,終わり.』(2017)である.

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)

長らく完結編の『IT/イット THE END“それ”が見えたら,終わり.』(2019)しか配信されていなかったので,視聴をパスしてきたが,これを機会にこの2本を連続で観てみることにした.

20年以上前に,あのレンガ=分厚い原作も読んだが,あまり印象に残っていない.
基本的に翻訳モノは苦手なせいもあるけど.

合本 IT【文春e-Books】 Kindle版

で,まず『IT/イット “それ”が見えたら,終わり.』の映画レビューである.
いわゆる「CHAPTER 1」.
何を今さらのネタバレで.

時代は1990年.

言うまでもなく最初からキング節全開.
「アメリカの寂れた田舎町」「校内ヒエラルキー」「悪ガキ」「いじめ」そして「夏休みのちょっとした冒険」って...おそらく世界で最も有名なキング原作『スタンド・バイ・ミー』と舞台設定がそっくり.

スタンド・バイ・ミー (字幕版)

もちろんあっちはリアル,『IT』はファンタジーやけど.

それしても,今も昔も憎悪うずまくデリーという街は色々ひどすぎて住みたくない.
ペニー・ワイズの誘拐&子供殺しの他にも.登場人物たちが毒親を殺しまくる.
ああ,ニッポンは平和でいい国だなぁ...

ところで,ペニー・ワイズの攻撃って物理なん? 精神なん?
被害者側の妄想が現実化してしまうタイプ?
そのあたりが適当なので,モヨってしまう.

個人的にこの映画の一番の楽しみ方は全編に漂うJOJO感.

デリーの街の雰囲気もそうだが,キーとなる「井戸の家」とか,スタンドっぽいペニー・ワイズやその手下どもの攻撃とか...むっちゃ杜王町してるやん!
そう,“みんな大好き”第4部の日常に潜む恐怖を存分に描いているのだ.

なんかキャラの言動もそれっぽい(特にリッチー).
つーか,荒木飛呂彦先生も,どこかの媒体で「キングの大ファン」と公言してたはず.

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

パクリ...ではなくリスペクト?

参考までにJOJO第四部の連載期間は1992年~1995年.
スティーブン・キングの原作が翻訳されて出版されたのは1991年.

「あぁ,こりゃ荒木先生,忙しい連載の合間を縫って,原作読んだなぁ.それでヴィジュアルイメージを第4部に落とし込んだのかー」と勝手に想像.

と,思ってたら,1990年にTVドラマ版が製作されていたらしい.
Kazchariは未視聴だが,先生はこちらを観られたのだろうか?(※個人の想像です)

そして,ラストシーンで「これが恐怖か...」とつぶやきつつ穴の底へ落ちていくペニー・ワイズ.
これもどこかで見たなぁ...って,『仮面ライダーW 運命のガイアメモリーAtoZ』の,エターナルの最後のセリフ「これが死か...」と同じやん!
さすがにこれは無関係か?

引き続き『IT/イット THE END“それ”が見えたら,終わり.』,つまり「CHAPTER 2」を鑑賞.

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり.(字幕版)

時は(もちろん)27年後の2016年が舞台.

こっちは...全然あかん.
何これ?

CHAPTER1と同じ展開を,27歳分老けたおっさん達が騒ぎ,逃げ惑いながら,なんとなく気合と根性と思いつきでペニー・ワイズを倒しただけ.
万能感が肥大した相手に,罵詈雑言で戦うって...ネットリンチの暗喩?

前作は子供が恐怖を克服して必死に戦う(=成長)から,まだ見れたが,これはないわー.
で,とってつけたように影の薄かったスティーブンの手紙で感動させるようと...するかー!

気になったのは,40歳になった登場人物たち,誰にも自分の子供がいない.
記憶を失ったとは言え,27年前のトラウマ(子供が消える)を引きずっているから?

いずれにせよ,こっちは不要.
完全に時間の無駄だった.
原作もこんなんだっけ?

不快の排除,残酷への耐性

2023/2/14 Tue

きれいは汚い,汚いはきれい.

先日のこと.
同僚の息子さんが通う小学校の教諭が「チェンソーマンを見てはいけません」とおっしゃったそうな.

ひどい話である.
年配の教諭らしいが,一体どの様な半生を歩んできたのやら.

ここは「先生(大人)に言われたからではなく,自分で見てから判断せよ」「友達が見ているからと無理に合わせる必要がない」とか言うべきだろう.

それとも「勘違いした監督のせいでアニメのデキがひどいから原作を読みなさい」というマニア視点からのお達しなのか?(←絶対ない)

もし三者面談などで,Kazchariの目の前でこの発言しやがったら(サブカルファン代表として)徹底的に論破してやる...と,昨今のホワイト化社会には違和感しかないが,世の中は着実にこの流れ.

以前の記事でも書いたが,ルパン三世の最新作(?)でも,ルパンと次元はタバコ吸わないし,不二子はバイクに乗る際にヘルメットをかぶる.

3本ローラーの友~最近観た映画やドラマのざっくりレビュー

これに関しては『カリ城』で次元が「そろそろおっぱじめるか」と吸い殻を捨てるシーンも,以前は全く気にならなかったのに,今見ると「もやっとする」という意見すらあるそうだ.
古い世代の人間ですらも毒されている感がある.

元々,実写ドラマでは「警察がうるさいから」と,逃走する強盗犯もシートベルトをちゃんとするので最近のコンプラ事情のせいとは一概に言えないが...ってアニメやで,ファンタジーやでルパンは.

だがしかし,問題はそこではない.

Kazchariの子供時代(昭和)のテレビなんぞ,エログロナンセンスのオンパレード.
『ウィークエンダー』の再現フィルムは完全にAVやし,『ドロロンえん魔くん』やら『妖怪人間ベム』なんてトラウマもの,『まいっちんぐマチコ先生』はセクハラ,『8時だよ全員集合』はお下品,ドラマもいじめやらレイ◯やら陰惨極まりないものだらけ.

でも...しっかり見てた(から知っている).

うちの親はあまりうるさくなかった.
まぁ「見るな」と言われたとしても,こっそり見てたやろな.

そして歪みもせず,ちゃんとした(?)オトナになり,人生を楽しめている.

幼少期に快/不快を含む,様々な感情に触れていないと,将来的に自身の感情に気づきにくくなる,または処理できなくなるオトナになるのでは?
純粋培養は辛いだけ.

うちのJK娘は,将来映像系の仕事に就きたいらしく,大学も関連学部を狙っている.
だからこそ(Kazchari基準で)クリエイティビティに富む良質なコンテンツを多々薦めているのだが,「残酷シーンある? じゃあダメ」と完全拒絶.

例えば,現代の教典に等しい大傑作『進撃の巨人』なんて,コミックもアニメにも全く手を付けない.

進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス)

進撃の巨人

『水星の魔女』も例のハエ叩きを見たくないからと12話はパス.プロローグもアウト.

機動戦士ガンダム 水星の魔女

さらには昨今のタイムリープ物随一の傑作『サマータイムレンダ』
先日,「面白いから」と詳細な内容を教えずに見せたところ,一話のラストシーンで「二度と見ない」と脱落.なんじゃそら.

サマータイムレンダ

うちの10歳の息子ですらほぼ同様.
ロボ好きなので,これまた才能あるオタ監督に大金を渡して自由にさせたら,とんでもない映画を作りやがったの『パシフィック・リム』を見せた.

パシフィック・リム(字幕版)

冒頭のエヴァ+マジンガーっぽい発進シークエンス.
あのBGMと相まって,何度見ても大興奮のKazchariと異なり,息子は妙に冷めた表情.
おかしい.ここで感動しない男子に育てた覚えはないのだが.

挙げ句のはてに,ジプシー・デンジャーのコクピットが吹き飛ばされて主人公の兄貴が死亡.
それを見て「とーちゃん,オレもうだめだ,見ない」とのたまいやがる.
息子曰く,アニメだと平気だが実写の人間はダメらしい.軟弱かっ!

と,こういう子供らだが,なぜか『ガルパン』『鬼滅の刃』は平気.
あのレベルまでシチュエーションやキャラをデフォルメしないと,感性が受け付けないのだろうか.

問題の根は深い.
こうした認識だと,先人が残した数々の芸術作品も「汚いから」「残酷だから」「暴力的だから」という理由だけで鑑賞を拒絶し,作品の真髄に触れないままスルーしてしまうのではなかろうか?
こうした人間ばかりになると,当時の世相や個人の思想を深く,鋭く反映した文化や芸術が受け継がれない.

実にもったいない.
好奇心より精錬潔白,ココロの平穏だけを望むのか?
こりゃ,悪意を持って接近してくる奴らにあっさりと騙されるわけやな.

子供らに嫌われようとも,Kazchariは伝え続けるでぇ.良いものは良いのだ.

世の中の汚い面も知ろう.
その中をサバイバルし,光をつかもう.
『Gレコ』のエンディングみたいになっちった.

ついでに言うと,Kazchariはゴダイゴの『銀河鉄道999』が好きだ.
特に2番冒頭の歌詞.

以前,記事にもした.

ゴダイゴ『銀河鉄道999』English ver.

現状に満足していては,喜びは得られない.

そして自分の喜怒哀楽に向き合って,清濁併せ呑もう.

『閃光のハサウェイ』を読んでみた~第二部以降を勝手に予想

2023/2/9 Thu

やってみせろよ!

先日,『閃光のハサウェイ』(閃ハサ)のTVエディション全4話の放送が終了した.

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 【4K ULTRA HD Blu-ray】

Kazchariは本作を劇場で鑑賞済み.
Bluray販売前提あるあるの特別上映とやらで,¥1,900だったのが,なぜか悔しい.

長大な宇宙世紀エピソードの一本,さらに3部作の第一部ということで,完璧に途中から始まり途中で終わる.
まずいないと思われるが,もし一見さんがいたら面食らったやろな.
いや,いわゆるガンダム“ニワカ勢”にもキツイかもしれない.

かく言うファースト世代のKazchariも,鑑賞直後の満足度はあまり高くなかった.
理由は...何だろ,あまりに地味に思えたからだ.

現状の最新作『Gレコ』ほどではないが,富野節全開の電波セリフが飛び交うやり取り.
感情を抑えに抑えた登場人物たち.
丁寧だが画面が暗すぎて,何が起きているのかわからない戦闘.

言うなれば,これまでにない大人なガンダム.
ダニエル・クレイグの『007』っぽく,ハリウッドというより欧風テイスト.

印象に残るのは,ストーリーよりも,ダバオ市街戦での,降り注ぐ火花,仲間に拾ってもらうため街と海岸沿いをさまようハサウェイなどのヴィジュアル.
美しく,実に上品.

ただし,陣羽織もしくは被り物デザインのクスィーとペーネロペーはどうにも好きになれない.

その後,早々にAmazon Prime Videoで配信が開始.
2回観た.

そこで気づいた.
このアニメ.スルメ的に噛めば噛むほど味が出る.
まるで複数回鑑賞を念頭に置いて作られているようだ.

そこで,その前日譚にあたる劇場版『逆襲のシャア』(逆シャア)を再鑑賞.

U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

そのボツシナリオを小説化した富野御大の小説『ベルトーチカ・チルドレン』(ベルチカ)を読了.

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン (角川スニーカー文庫)

さらには,さびしうろあき氏作画のコミック版『ベルチカ』(全巻)『閃ハサ』(1巻)も読んだ.

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(1) (角川コミックス・エース)

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(1) (角川コミックス・エース)

そして,今回のTVエディションの放送である.
細かなカットや追加シーンもあるにはあるが,「これは」といった大変化はない.
歓迎したいのは,個人宅の小さい画面での視聴を考慮したのか,夜の場面が明るくなったこと.
特に第四話クライマックスの戦闘シーンで,その恩恵が大きい.

いずれにせよ,今ではすっかりお気に入りのガンダム作品になった.
2作目の公開が実に待ち遠しい.今度も¥1,900払います.

さて,その2作目は公開日未定.
タイトルも『サン・オブ・ブライト』という仮称である.

スタッフによると主戦場となるオーストラリアのロケハンが難しいため,製作が遅れているそう.
すげーな,実写映画みたいやな...って,ジブリ映画も押井映画も現地ロケハンは入念に行うらしい.

そして,大まかなあらすじは知っていたが未読だった角川スニーカー文庫の『閃ハサ』の原作(上中下)を読んでみることにした.

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)

まず上巻.

もうびっくりするくらい映画と変わらない.
セリフもほぼ同じ.

小説なので,キャラの心情も文字起こしされているのだが,アニメではそれらを表情やしぐさ,それに声優の演技でカバーしている.
素晴らしい.
最近の説明過多の実写邦画も見習うべき.
監督や脚本家がいかに原作を読み込んでいるのかがわかる.

小説には美樹本晴彦氏のイラストも収録されている.
ハサウェイはまんま(当然)だが,ケネスはアニメよりおっさん,逆にギギは幼い.
ふたりともアニメ版の方がイメージに合う.

で,中巻.

そもそも3部作の真ん中は作りが難しいとされる.
唯一無二の成功例は『スターウォーズ 帝国の逆襲』だろう.
ちなみにKazchariの劇場版SWランキングは順に「Ⅴ>Ⅲ>Ⅳ>Ⅱ>Ⅵ>Ⅰ>Ⅶ>Ⅸ>(越えられない壁)>Ⅷ」である.

中巻ではオエンベリにおける反地球連邦ゲリラの虐殺事件が中心に描かれる.
ただし,ハサウェイ達が到着したのは事後.
映画的には,連邦側(キンバリー隊)によるエグい所業の描写がありそう.

ハサウェイがからんでいないので,ペーネロペーによるヴァリアント撃沈はナレーションのみ.

ギギは香港での快適な(?)愛人暮らしを捨て,ケネスの部隊に合流し,ニュータイプ能力っつーか,持ち前の洞察力で隊を勝利に導いて女神化.
エアーズ・ロック見学中に,ギギはマフティー側へ.
ハサウェイと再会して中巻は終了.

映画的にはここで主題歌inか.

これだと,90分保たせるのは大変かもしれない.
監督も「第二部は原作と最も話が変わる」と語っている.
他にも「富野要素を省いたけど,やっぱり追加した」「まだ絵コンテもできていない」などの発言もあり迷走中.
こりゃ今年の公開は無理やな.

で,勝手に第二部以降の追加要素を考えてみた.

1)新メカ投入⇒ガンプラ化

ただでさえ登場MSの少ない本作品.
財団Bが黙っていないだろう.

そこでMSVの大量投入が期待できる.
『UC』のMS大運動会の再来やな.

そして主役2機への追加装備かフォームチェンジ,もしくはMG販売?

さらに,後の時代におけるMS小型化につながるナニカの事情.
アナハイムの衰退からサナリィの攻勢も.

2)ブライト家の事情

ブライトの出演は確実.
小説にもミライとの会話もあるけど,プラスαが欲しい,
いくらなんでもレストラン経営は唐突では?
そして『ベルチカ』後のハサウェイの軍隊生活.
やがて,反連邦テロリストになっていく様をじっくりと描くのではないか.

ちなみにコミック版冒頭にマンサンとかクワック・サルヴァーとの会話シーンおよび,クスィー受領前(月に上がる前)のダバオでの戦闘が追加されている.
第二部でも使えそう.

3)ケリア他,マフティー仲間との交流

第一部の最後にぽんと出てきた短髪赤毛のケリアさん.
その髪型の理由(コミック版にある)と恋人になったエピソード.
ギギのメイスさん煽りよりも重要.
他のメンバーとの交流も欲しい.タンカー2隻で対地球連邦テロとか...

で,いよいよ(下)こと第三巻へ.

ここは第二部の展開次第でガラリと変わるかも.
もしかして生存ルートあり?
さすがにないと思うけど,劇場版『Z』の例もあるしな(Kazchariは否定派).

下巻冒頭の夜,ハサウェイは据え膳食わずに,ギギと小難しい話を展開.

ギギとキンバレー隊の解放と逃亡のくだりはあまり面白くない(盛り上げにくい).

で,いよいよ見せ場のアデレード決戦.
次々に殺られるマフティーのメッサー,
エメラルダは死に,ガウマンは生き延びるが,映画ではどうなる?

ペーネロペーとの最終決戦.
ビームバリアという謎兵器の射程に追い込まれるクスィー.
画的に地味になりかねん.

墜落し,レーンに無理やりコクピットを開けられる.
そこには全身にやけどを負ったハサウェイ.
拿捕されてしまう.

そして...ここからはドラマ的に最大の見せ場.

看護師との交流.
ケネスとの会話.
間に合わないギギ.
何も知らないブライト.

さすがにここは変えないで欲しい.

ハサウェイとブライトが親子だったことは,軍の正当性,士気向上のために利用される.
この小説のスゴイところは,最後の最後までブライト自身の言葉が一切書かれていないところ.
さすがの富野さんも書けなかったのか?
超難題だが,アニメではどうする?

そして,ラスト,身の危険を感じニホンへ向かうケネスとついていくギギ.
ここでギギの上巻での発言が回収される.上手い!

つーことで,原作小説を元にした第二部以降の勝手な予想でした.

それにしても,ニホンのアニメ,ホンマに画がキレイになったなぁ.
CGにしてもかつてほどの違和感はほぼ消失.
その分,内容が問われる時代とも言える(ああ『アバ2』...).

マフティーの主張は「地球環境保全のために,全ての人類は宇宙に出るべき」である.
そのため,地球在住の特権を得ようとする支配層を粛清するというテロ行為に出る.

さらに,この違いが大きいと思われるのが『逆シャア』と『ベルチカ』でのハサウェイの「罪」である.
クエスを撃ったのは映画だと(アムロの恋人の)チェーン,小説だとハサウェイ自身.
『閃ハサ』の前日譚は『ベルチカ』.
ゆえに何度もうなされるし,幻覚もみる.

ハサウェイは既に壊れている.
これは処刑を告げられた際の達観にもつながっている.
生への執着は非常に薄い(叫びそう...という表現はあるが).

劇場版の『閃ハサ』は,ダバオの風景,特に海の描写が恐ろしいくらい美しい.
タクシーの運ちゃんも言っていたが,この風景を見せられて,地球汚染と言われても...とハサウェイ(や視聴者)の信念を乱す目的もある?

「地球はそれほどヤワではない.人間がヤワなだけ」という不都合な真実.

一方で宇宙世紀105年ではコロニーの老朽化が問題になっているらしい.
人工物には限界がある.

地球に残るも,宇宙に行くも地獄.
人類は滅びるしかないのか?
水星(『水魔』)もしくは木星(『クロスボーン』)に移住?
順当に火星(『鉄血』)か?

『ガンダム』とはまだまだ長い付き合いになりそうだ.楽しませてくれる.

んが,実は『イデオン』の方が好きという事実は認めなければなるまいが.

ぼっちライドは退屈なのか?

2023/2/1 Wed

孤独と孤高.

いつも“刺さる”ネタを提供してくれる「cbnblog」
少し前の記事に興味深いモノがあった.

「はじめてぼっちロングライドするんだけど退屈しないか心配」という危惧に寄せられた意外なアドバイスとは

まぁ,この質問自体がKazchari的にはナンセンス...ではある.
100kmも走れば,様々なものを観察できるし,自己と向き合うこともできる有意義な時間そして何より...自由だ.

この質問(?)に寄せられた回答が面白かった.

「あなたは退屈してみたほうが良いことがあるかもしれない」

「サイクリングは私が覚醒中に唯一スクリーンを見ていない時間です」

この2つには共通点がある.
デジタルデトックスの重要性だ.

我々は普段の生活において,睡眠以外の時間を埋めるためか,常にモニターを見続けている.

ここで思い出されるのが名作『1984』

1984 HDニューマスター版 [Blu-ray]

いわゆるディストピアがテーマ.
『時計じかけのオレンジ』のレビューを書いた時にも少し紹介した.

数十年ぶりシリーズ~『時計じかけのオレンジ』を観た

数十年前,初めて『1984』を観た時のインパクトは忘れられない.

舞台は近未来の全体主義国家.
人々は実在の怪しい“ビッグブラザー”と称される絶対権力者に支配され,常に監視されている.
この世界では,基本的にどこを向いても「テレスクリーン」と呼ばれるTVモニターが設置されている.

テレスクリーンからは,政府発信の映像や音声が常に流され続けており,勝手に電源を切ることはできない.
一方で監視カメラの機能もあり,国民の一挙手一投足,全ての情報が国家に送られている.

そこに抗う一般人の奮闘(?)を描く話...なのだが,これ以上ないくらいのバッドエンドは鳥肌.

余談だが,この作品をリスペクトした『未来世紀ブラジル』と内容がよくごっちゃになってしまう.

未来世紀ブラジル [Blu-ray]

こちらはビジュアル的にも,その狂気がパワーアップしている.
デ・ニーロも出ています.

さて,こんな常に監視されるモニターだらけの世界って嫌やなぁ...と思っていたけど,2023年現在,まさにこの世界が現実化している.
しかも,人々は自ら進んで膨大なコンテンツの消費に多大な時間を費やしている.

デジタルデトックス~無料快楽コンテンツの罠

非難・批判する気はない.
Kazchariの生活もかなりひどいものだ.

起床後,洗濯物を干しながらYouTube.
台所の洗い物をしながらYouTube.
仕事の半分はPCでデスクワーク.
帰宅後はブログ書き.
Prime Videoを観ながらZwift.
風呂上がりは大腿のマッサージをしながらYouTube.

絶賛依存中.

若い頃にインターネットという究極の娯楽がなくて,本当に良かったと思う.
”退屈”のあまり,海の向こう,山の向こうを想像し,気になり,実際に行ってみた(一面もある).

そして旅先では何もしない時間も尊い.

ダイビング旅では海外のリゾートに滞在する.
空き時間にビーチやプールサイドでリクライニングに寝そべりながら目を閉じる.
視覚でなく,肌で南国の太陽を感じる.

インプットもアウトプットもなし.
ひたすらインナースペースへ.

「幸福だ」という言葉が頭をよぎる(『太陽がいっぱい』か!)

デジタルだけに言及してしまっているが,デトックスには他者,つまり日々の人間関係も含まれるだろう.

ここ数年,新コロのせいで「ソロ◯◯」「一人◯◯」が流行った.

こういう言葉がわざわざ取り上げられるということは,ぼっち=マイナーという証なのだろう.
Kazchariの周辺でも「一人ではどこへも行けない」というヒトが老若男女問わず多数存在する.

Kazchariはぼっちが好きだが,人嫌いというわけではない.
たまーのグループライドやイベント参加は楽しいと思う.

秋の望岳台からのグループライド

冬のキトウシ・キャッスルライド

たまーの,”ノン・ぼっち”だから価値がある.

Kazchariの愛読書にリチャードパックの『イリュージョン』がある.

イリュージョン (集英社文庫)

名言のオンパレードで事あるごとに読み返している.

特に以下は「ぼっち」を考える上で重要.

「やりたいことだけをだな,やり続けていくと,類は友を呼ぶの法則に従って,俺達から何かを学ぼうと思う人達を引きつける,そして俺達もまたその人達から何かを学ばなくてはいけない」(p155より引用)

いやもう,掛け値なしに素晴らしい.
ここに「ぼっち」の本質がある.

ただし,この本は訳者の村上龍のクセっつーか,意訳&創作部分が前面に出すぎており,そこが批判されることもある.

Kazchariも気になったので,別の訳者の同パートを読んでみたら全く違っていてびっくり.

イリュージョン 悩める救世主の不思議な体験 (集英社文庫)

よくも悪くもこの新訳版は冗長というか,原文に忠実過ぎ?
ホンマは原著を読むのがええんやろうけど,結局は頭の中で日本語に訳してしまうしな.

話がだいぶそれてしまった.
ようするに「孤独と孤高は違う」という話でした.

あれやね,『ぼざろ』のぼっちとりょう先輩みたいなもんか.

ぼっち・ざ・ろっく!

さぁ,今度の週末,いやいやこれからも,どこへ行ってやろうか.