2021/10/17 Sun
案ずるより.
Overcast clouds, 6°C, Feels like 2°C, Humidity 83%, Wind 7m/s from WNW
200kmの旅の始まりである.
2018年のブルベ初参戦以来,200ブルベは6度目となる.
それ以前はいわゆるグルメライド系のイベントばかり出ていた.
それらは長くても~130km.
エスコートライダー付き,要所に交通整理係が立っている,エイドステーションがあるので補給の心配もない,DNFしてもピックアップあり...いや,いいんですよ,これはこれで.
ご当地グルメは美味いし(特に中札内グルメフォンドは圧倒的).
しかし,走力がついてくると,距離の短さは元より,これら手取り足取りなサポートがわずらわしくなってくる.参加費用も¥8,000前後と高い.
ようするに自由がない.
自分のペース・責任で走りたい.
「なら,プライベートで好きなだけ走れば?」と言われればそれまでなのだが.
実際,個人ライドでも100km越え,時には200km越えが普通になってくる.
それらとブルベは何が違うのか?
(1)「コース設定者が見せたい!」と気合を入れた風景の中を走る.映画や本など誰かの作品を鑑賞する感覚に近いかも.
(2)同じ苦労を共にする人がたくさんいる.参加者同士の交流も楽しい.
(3)今日のようなプライベートでは絶対走らないような日でも,モチベーションがあまり下がらず参加可能.結果,達成感が半端ない.
ブルベに参加していて,特に一番印象的なのは夜間走行.
チャリに装着するできるのは小さなライトのみ.
いくら最近は光量がアップしているとは言え,クルマ・バイクと比較すると,“ほのか”に過ぎない灯.
陽が落ちると,早めにライトをつける.
徐々に世界が暗くなる.
路面状況,進路がボヤけてくる.
不安と緊張.
都市部はまだいい.
幹線道路も街灯がある.
問題は人里離れた山間.
恐怖が加わる.
真夜中,後方なんて絶対見たくない(追いかけてくる100kmババア!)
そんな中,空を見上げると満天の星.
前方のみ照らす小さなライトとホイールの風切り音.
静かだ.
「宇宙旅行って,きっとこういう感覚なのだろう」と勝手に妄想.
2018年の「アタック三国峠300」でこの状況を経験した.
「あっ,これハマッたな」と確信.
これだけ楽しい大人の娯楽は他にない.しかも長期間継続する.
50歳を超えても,未だ自分にこの様な感性が残っていたことがうれしかった.
...とかなんとか,ポエマーモード炸裂.
スタート直後は,帯広の街中なので,いわゆる信号坂出現.Go-Stopを繰り返す.
早朝とは言え,クルマもそこそこ走っているのでもちろんキープレフト.
そうなると,水たまりの多い路肩を走ることになる.
後続車が多い中,避けるための蛇行もしにくく,何度か水たまりに突っ込んでしまった.
パンクリスクが上がるが,幸いにも免れた.
まだ序盤であること,かつ脚が温まるまでスローペースをキープする.
すると,後方のチャリがどんどん追い抜いていく.
見るからにガチな体型・脚.
トップ集団狙いだろう.
先に行ってくれる方が助かります.
橋を渡ると堤防沿いの道へ入る.
サイクリングロードなのだろうか? それらしい標識はなかったが.
この間は横風.
5cmハイトのディープリムが時折持っていかれる.
突風ではないので十分対処可能.
荒涼とした風景.晴れではないのが惜しまれる.
さて,この道だが,速度抑制のためか時々カマボコ状のバンプが現れる.
中心は平坦になっていて,そこを走ればスムーズなのだが,サイドの盛り上がりは結構大きい.
そう,Kazchariの前方を走行中の方が(おそらく)バンプでハンドルを取られて落車したのだ.
大きなけがはなかったようだが,ボトルを始め小さな物品が散乱.
「大丈夫ですか」と声掛けし,落ちていたボトルを拾って渡す.
そう言えば,2019年に走った「北村300」でも先行していた方が,激坂ダウンヒルで落車し,指を骨折されていた.
不幸を運ぶ男,Kazchari.
さらに進む.
また誰かがチャリを横倒しにして,草むらで何かを探している.
ショックで何か飛んだのか?
再び橋を渡って十勝川温泉街へ.
あぁここも昔走ったような...(たぶん「2019新十勝200」)
途中の坂で,ミニベロで出走中の仮想ライバルOさんに追いつく.
順調そうだ.
でも,あのポジション,ケツ痛そう...
Kazchari「いやぁ,僕もOさんに対抗してファットで出ようと思ったんですけど...やっぱやめました」
Oさん「ロードなんかで楽しちゃだめですよ~」
はい,そう思います.すんまへん.
相変わらず強風の中,ガシガシ進む.
20.3km地点.ようやく通過チェックAである「JR利別駅」着.
ここでクイズに答える.
3人ほどが自販機に群がっておられた(そういうクイズです).
ブルベのクイズはネットで検索してもわからないマニアックなものが多い.
ただ,事前にGoogle Earthでコース確認するとわかってしまう場合もあるが,ここは絶対無理だろう.
後続組も次々到着.
序盤だけあって,あまりバラけていない.
チーム参加なのか,ドラフティングしながら固まって走っておられる方も多いようだ.
長居するところでもないので出発.
しばらく進むと,先ほど以上にだだっ広い堤防の道に入る.
クルマも普通に通っている.
ここは完全に追い風基調.
しかも風速8km以上はあるはず.
40km/hオーバーの巡航速度で超快適走行!
まだまだ踏めそうだったが,ここでブルベの落とし穴.
ケイデンス低め,つまり重いギアで回すと,後半に膝痛がくる.
ゆえにセオリー通り,90回転を維持.
レースではないことを忘れずに.
割と近いペースの方,2名の後ろを追いかける感じで走る(ドラフティングにならない距離で).
56.2km地点,通過チェックB「十勝河口橋」着...っつーか通過.
クイズの内容をしっかり確認しなかったせいで,肝心の「とある年月日」表記を見逃してしまった.
橋を越えた先の信号待ち時,先行していた方に答えを訊く.トホホ.
とりあえず引き返さずに済んだけど.
ここからは前後に人影のない単独行.
国道336号をひたすら南下.
交通量も少ない寂しい道である.
天気もどどんよりしたまま.
太陽が恋しい.
右手の畑に鶴の姿を見かけてストップ.
すげーすげーと喜んでいたが,この後,鶴の大集団を何度も見る.
道東やなぁ.
このR336は平坦ではなく丘陵ステージ.
登ったり下ったりのアップダウンが激しい.
こういう道は割と好きだ.紅葉もキレイ.
大樹町に入る.
この辺りも「中札内GF」で走ったような記憶が...そうそう確か晩成温泉がエイドだった時があったよな.
それに,大樹町と言えば,ホリエモン出資のロケット発射場.
立ち寄った公衆便所わきの自販機もこんなデザイン.
ここまで南下すると風もかなり収まってきた.
そして,あまりに単調な道なので写真のネタもない.
一方で停車(休憩)もしにくいというか,したくなくなる道.
あっ!牛だ!(なんでもいいのか?)
それでもようやく,広尾町への分岐点.
重複コースに入る.
ここからも長かったなぁ...
117.5km地点.PC1「セイコーマートたちばな店」着.
ここで最南端.
ここで折り返し.(その4に続く)