2020/8/26 Wed
天才の所業か?
いやぁ,朝のニュースで久々に笑わせてもらいました.
もう,あちこちでさんざん話題になっていますが,『2025大阪・関西万博』のロゴマークですよ.
第一印象は「なんじゃこりゃぁ!」「何かの冗談?」もしくは「誰かのごり押しか!?」と思い,そのキモワルさに否定的だったが,よくよく見れば非常に味のある...いやインパクト抜群のデザイン.
ネットは大騒ぎで,早くも様々な大喜利,パロディ作が生まれている.
「R-TYPE」だとか「腸」だとか「目玉を全部つぶさないと倒せない中ボス」だとか「コ…コロシテ」だとか,色々言われていますが,kazchari的には「寄生獣」かな.
なぜか,一般ニュースに続くヤフコメ民の間では否定派が多い.
噂では40代の保守派が多数層らしいので,固い思考で無難なモノを選びがちなのかな.
いずれにせよ,「注目を浴びさせる」というのがロゴマークの最大目的だとしたら,大成功だろう.
それは最終候補に残った他の4つと比べても明確.
正直,他のは「普通」で「ありがち」.
幻の…おっと延期された東京五輪2020のロゴはよくできていると思うが,それだけ.
つまりは話題にならない,遊べない.
それにしてもよくこんなのが選ばれたものだ.
そこで思い出したのが最近読んだこの本.
この本に日本の「画壇」についての話がでてくる.
「日展のような美術団体は,いわゆる公募展によって成り立っており,出品料を払えば誰でも応募できる.(中略)理事クラスの重鎮たちが,自分の教え子を入選させる枠を話し合って割り振っていた(中略).それが工芸や洋画分野でも広がっている(中略).理事や審査員たちがそれぞれ教え子を持ち,いわば政治家のように派閥を作っている(中略)」
このような既得権益を守ろうとする固着化した組織からは,新しい人,新しい発想が表に出て来ない(一番ひどいのは国会だが).
今回のロゴマークは,少なくともこうした「画壇」からは生まれてこなかっただろう.
ここでもう一人思い出すのが,天才デザイナー永野護である.
言うまでもなく「モーターヘッド(MH)」から「ゴチックメード(GTM)」へのデザインおよび名称変更事件だ.
未だにGTMには慣れない.
どう見てもMHの方がカッコよい.
それは商業展開にも現れていて,GTMへの変更後結構な年月が経つのに,ガレキをはじめとするプロダクツは圧倒的に少ない.
売れないからだろう.
しかし,永野護は設定変更前に発表した『ファイブスター物語』12巻にて,登場人物にこんなセリフを言わせている.
ファイブスター物語 (12) (ニュータイプ100%コミックス)
まず状況説明.
星団最強ファティマ(人型コンピュータ)ヒュートランの自己鍛錬プログラム.それは「最弱の騎士(操縦者)をパートナーに強い騎士と戦う」ということ.騎士は弱ければ弱いほどよい.当然戦闘は苦戦する.その状況に喜びを覚えるという変態ファティマとして描写される.
それを「星団最強の意味が全くない」と断ずる桜子(メカニック).
それに対しログナー(むっちゃ強い騎士)は,
「では聞くが 貴様 自分の最高傑作にそれができるか? それができる者こそ超一流と呼ばれるのだ! なぜだ? それは最高作が生まれた瞬間に”次”が見えるからだ!」
と論破する(ワケわからん人すまん).
最高の評価を得,以降のメカニックデザインに多大な影響を与えた傑作を捨てる.その決意をキャラに先行して言わせててんなぁ...
とは言え,Kazchariは凡人なのでMHの方が好きです.
要するに新しい発想は大事ということ.それが社会を推進させる.
うがった見方をするなら,今回の新コロ騒ぎで,これまでの方法が通じず,新しいことを色々な人がやり始めた.
例えばZoomをはじめとする遠隔会議などの普及も一気に進んだ.
この2025万博デザインが選ばれたのも,ありがちで無難なものを避け,「新しい生活」「新しい時代」にあわせた起爆剤として考えた人,もしくはベクトルが働いたからかもしれんなぁ...
と,元のニュース記事を改めて読んでみると,選考メンバーに...荒木飛呂彦がいるぅ!
大阪万博ロゴマークに“キモい”“どうしてこうなった”の声も公式「受け入れて~」
そら,波紋使いもしくは吸血鬼の言うことはみんな聞くわな(妄想).