2020/9/17 Thu
ゾンコラン,アングリル,そしてロズ.
『Tour de France 2020 Stage17』は今大会クイーンステージ.
スキージャンプ場もあるというツール初登場のロズ峠(ローズ?)フィニッシュである.
その超級の前にも別の超級を登らせるという鬼畜ステージ.
このロズ峠,ゴール手前2km弱から24%,18%の登りが続く.
これをフランス政府は「サイクリングロード」と言い張っているそうな.
こんなんガチ勢でないと足つき絶対やで.e-bike用?
スロベニア人二人のガチンコ対決になるかと思いきや,優勝者はアスタナの“いつもなぜかフルネーム”ミケル・アンヘル・ロペスでした.
これで第一ステージの自爆アタックも帳消しか?
その後もたまにアタックしてたけど,それほど目立った活躍はなし.
それでも順位は上にいた.
それがとうとう,このステージで爆発.
コロンビア人には標高2000m越えの酸素濃度がちょうど良いのか?
総合2位のポガチャルも,ここに来てとうとう調子を落としてるように見える.
これはパリ表彰台3位どころか,ワンチャンあるかも...
その他,Jsports実況・解説コメントから拾った話題.
【ベルナルのリタイヤ】
ついにというか当然というか,優勝候補の一角だったINEOSのベルナルがDNS.
今思えば,休息日のセルフ散髪も余裕ではなくて,余裕がなかったからこその行動だったかもしれんな.
前回のステージではグルペットで走りながらも,近づいてきたカメラに向かって微笑みながらVサイン.
行動が読めない,または価値観が違い過ぎておじさん達が怒りそう.
先に終了した「ティレーノ〜アドリアティコ2020」ではGが総合2位だったそうな.たらればやなぁ...
ちなみに総合91位のフルームは,ツールに関して各メディアからコメントを求められることが多いとのこと.それが面白いくらいハズレてるらしく,一部で「第二クリ(ストファー)ノート」と言われているとかなんとか.
さて,アシスト業務を外れてステージを捕りに逃げたカラパス.
このステージでは残念だったが,次のStage18でも動く?
【逃げ集団のピー問題】
番組へのツイッター通しての質問で「逃げの選手たちはどうやってトイレタイムを確保しているのか?」というのがあった.
そうそう,これはKazchariも気になっていた.
メイン集団だとレースが落ち着いた頃に「走りション」または「止まりション」が始まる.
しかし逃げ集団は,ずっとハイペースなので止まってられないし,何よりずっとカメラが国際映像として映し続けている.
解説の元選手の方,何か言いにくそうに「自然の問題ですから」「ここではちょっと」「スイッチングで映さないように」とか話していたが,それは集団でも同じこと.
逃げ集団はやはりパンツすら降ろさず,文字通りの垂れ流しなのだろうか?
【バーレーンの引き】
エースであるランダの上位へのステップアップを目論んで,山,下り,平坦とリーダーチームを差し置いて集団を引きまくったバーレーン.
実質アシストのいないポガチャルや,鉄壁に鉄壁を重ねたいユンボにとってはありがたい存在.
実際,この引きが無ければ,カラパスが逃げ切っていたかも.
「これで調子がいいはずのランダが,まさか遅れるはずないよね~」とみんなが思っていたら,ロズ峠でまさかの遅れ.
見事に作戦失敗.
後でチームメンバーからボコボコやな.
【スプリンターの登攀力】
ツールには制限時間が設定されている.
交通規制解除やゴール施設の撤去のため.
コースプロフィールや平均速度など細々とした規定があり.ステージごとに時間が異なる.
ただしグルペットがあまりに大人数だと緩和措置もあるそう.
今回の超級山岳ゴールではトップの到着から37分ほど経つとタイムアウト,強制リタイヤとなる.
重量級で坂が苦手なスプリンターが,はたしてこの時間内にたどり着けるかどうかも注目ポイント.
これまでの山岳ステージでも,マイヨ・ヴェール着用者であるSベネが,ホンマ死にそうな表情でクライムするシーンがよく見られた.
当然タイムアウトになればマイヨ・ヴェールも取り消し.
さて今回は...なんとか間に合いました.
栗村さんも言っていたが,超級が2つあるステージを,超人クライマーのゴールからたったの30分遅れでゴールできるというのが信じられない.
日本の短めのヒルクライムレースやったら,さくっと優勝しそう.
坂の遅れを下りと平坦で取り戻しているそうだが,それは画面に映らない.
どんな下りやねんやろ.
今日も回収車=“箒クルマ”の前をタイムアウトしたB&Bの選手が走っていた.
栗村さん曰く「オレはツールをタイムアウトになったけど,リタイヤはしていない」という選手の意地だそうな.
根性論は古臭いというけれど,こういうシーンはジーンとくるものです.