『LONG WAY UP』の感想(その6)「メキシコ&USA編」

2020/11/23 Mon

信頼と楽観と信念と.

『Long Way Up』の感想,その6はメキシコとUSA編
正直,感動というより少々不満の残るエンディングだった.

ビビりまくりの前置きの割には,妙にあっさりと通過してしまったメキシコ.
てっきりバイカー垂涎のルート,バハ・カルフォルニアを縦断すると思ってたけどな.

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見どころ満載の国なのにもったいない.
やはり,この旅(番組)のメインイベントは南米やったな.

それに,メキシコがやたらに危険危険と強調され過ぎているような印象.
実際の外務省の危険マップ上はこんな感じ(2020年11月現在).

Kazchariはメキシコをこれまでに3度訪問している.

2004年にユカタン半島(プラヤ・デル・カルメン,コスメル)を2回.
2016年にバハのラパスである.

特に2004年はツアーではない個人バス旅.
深夜バス内での荷物万引き事件に遭遇したものの,特に問題なかった.

『Long Way Up』の予定ルートでもオアハカとベラクルス州抜けたら,危険地帯を避けて北上できるのでは?
確かに夜間のバイク走行は危ないかもしれないが,日暮れまでにセキュリティの利いた高級ホテルにチェックインすれば良いだけの話では?

とは言え,超有名人ユアン・マクレガーを危険にさらすわけにはいかないということ?
バイク旅の時点で十分リスキーなような気もするが.

いすれにせよ,スタッフがグアテマラ滞在時から考えていた作戦というのが...

なんと!ローカルバスを改造,バイクを積み込めるようにして,夜間の休息・移動・充電を一度に済ませるという,まるでリアル『富豪刑事』もしくは中川財閥(byこち亀)のような金に糸目をつけない作戦(スゲー).
さらに!このバスの改造作業工程にやたらに尺をとるという謎展開

解せぬ.

この旅の主役はバイクでは?

一方で,バイク以上に目立つ存在の電動クルマ,リヴィアンはそのまま走行してて大丈夫なのだろうか?
このライトのデザインなんて,どうみても普通のクルマには見えん.

さらに驚いたのが,この改造バスの使用が(画面上)たった一晩だけだったこと(違ってたらすまん).

どんだけ金かけてんねーん!

まるで,バスの改造を見せたかったような展開で少々興ざめ.
このあたりの演出意図はよくわからん.

いずれにせよ,USA国境の町ファレスの手前で,バイクを下ろし,豪雨の中バラバラに走って互いを見失うなど,これまたよくわからない展開(GPSは?無線は?).
少々仕込み過ぎでは?

日本のワイドショーやバラエティなんかも,過剰に不安を煽るような演出が多いが,むこうもそう変わらん印象.
ドラマとまで言わないが,セミドキュメントやな.これやと.
メンタリストDaiGoによると,「人は不安になると消費行動が増す」らしいので,この番組を通して消費を活性化させる目的なのかと邪推する.

ファレスと言えば,これまた世界凶悪都市のひとつ.
『Long Way Up』視聴後,たまたま見つけたのがAmazon Prime Videoにあるこの2本.

ボーダーライン(字幕版)

エミリー・グラントが主役と思いきや...「えっ?そういう話なん?」的な展開.
重低音のBGMが並々ならぬ緊張感を醸し出す.
続編もあり.

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(字幕版)

こちらの方が面白い.

人と車両は手続き場所が別とかなんとかのややこしい手続きを経て,一行は無事USA入国.
ここからは...まぁ,特に面白くない.
最後はお約束の家族との再会および地元ライダーとのパレードラン

つーことで,全11話を見終わってしまった.
後半の娘登場やら駆け足展開がもったいなかったが,南米からパナマ上陸にかけては見どころ満載.
ここ数日,最大の楽しみでワクワクさせていただきました.

最後にユアンが「一週間も経てば,また次の旅の計画を立てたくなる」と話していた.
残るルートはもうアジアしかない.

オーストラリアから東南アジア,日本,中国を抜けてロシアの北極圏まで.
『Long Way Up2』か『Long Way Down2』,もしくは『Long Way in ASIA』?
中国へのビジネス展開を考えると十分ありえるルート.

Kazchariは,Project-ONEで組んだ自分のDomane SLR7に以下の言葉を刻んでいる.

Frank,Cool,No Fear

大好きな作家,森博嗣の言葉である.これが旅および人生におけるKazchariの信条

冒頭に上げた,

信頼と楽観と信念と.

は,メキシコ入国前に,プロデューサーのデイビットがつぶやいた言葉.
英語だと,

Trust,Optimism,Belief

となる.
これも良い言葉.

早く次の旅に出たい.

『LONG WAY UP』の感想(その5)「中米編」

2020/11/22 Sun

今度は娘.

『Long Way Up』の感想その5は中米編.

通過国はパナマ-コスタリカ-ニカラグア-ホンジュラス-グアテマラ
南米編に比べ,妙にあっさりと通過した印象.
あまりネタがなかった?

そして,前作の『Long Way Down』でも(個人的に)大不評だった演出を,またしてもやらかした.

それは,テコ入れだったのか何なのかわからんが,東アフリカあたりでユアンの奥さんが合流し,しばらく一緒に走るというエピソードのこと.
おかげで男二人旅のストイックさが台無し.
不評なのはKazchariだけで,他の人は受け入れたのだろうか?

第一作『Long Way Round』におけるユーラシア極東編のあの悪戦苦闘の絶望感が大好きなので,家族との交流などという軟弱路線は不要っ!

そこで思い出すのが,バックパッカーの永遠のバイブルこと沢木耕太郎の『深夜特急』の件.

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Kazchariもこの本のおかげで会社辞めて,東南アジアを1年ほど旅してしまいました.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(1)

この『深夜特急』は1996から98年にかけて,3部構成でTVドラマ化された.
主人公の“僕”こと沢木耕太郎役を王騎将軍(大沢たかお)が演じていたのですよ.ココココ
当然だが旅行記のドラマ化ゆえ,全て現地ロケ.

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さすがにアフガニスタンには入国できなかった(原作のここのパート面白い)ものの,全般にデキが良く,毎回放送を楽しみに観ていた.
倉庫を探せば当時録画したVHSテープが出てくるはず.

しかし...第三部のヨーロッパ編にて,原作にないシーンをねじ込んだおかげで全てが台無し!
これまで積み上げてきた一人旅ならではの自由や不安,孤独感や寂寥感を全て破壊しやがった.おのれ松嶋ぁ!
別に松嶋菜々子が悪いわけでなく,完全にスポンサーか事務所のゴリ押しやろな.

話を『Long Way Up』に戻す.
つーことで,今回は奥さんに代わり,ユアンの娘がコスタリカで合流.
この娘さん,実は訳ありで『Long Way Round』ウランバートルに立ち寄った際,ストリートチルドレン保護施設にいたのをユアンが養女に迎え入れたという経緯がある.
現在17歳ぐらいかな.
ブラピとアンジェのところもそうだが,西洋人のセレブがアジアの孤児を養子にする例は多いようだ.

米国の養子縁組制度

国際養子縁組制度の今.年間50人以上の日本人がアメリカで養子に?

とまぁ,環境や人権問題を旅の途中で取り上げるのも番組の趣旨なので,先の『深夜特急』ほどコンセプトとかけ離れているわけではないが,ストイックな男バイク旅を望むKazchariとしてはちょっと萎える.
ただし,娘さんの「どうして選ばれたのが私だったのかわからないが,今はものすごく幸せ」という言葉には考えさせられる.
偶然が偶然を生んで“いま”があることを改めて認識する.

さて,例によって本編とKazchariの旅の思い出を融合合体.

【パナマ】
ユアンは壊れたバイクをハーレー本社の技術者に見てもらうためコスタリカのサンホセに先行.
チャーリーは1人(+カメラマン)でパナマ運河を観に行く.
Kazchariもパナマシティから列車で運河を訪れたことがある.
その時も巨大タンカーを間近に見ることができた.
デカイです.
運河は,現在さらに拡張されているようだ.

Nikon COOLPIX E950 / 2003年9月8日撮影

初めて知ったのだが,チャーリーの父親のジョン・ブアマンは映画監督で『テイラー・オブ・パナマ』という映画を撮っている.
2001年の公開.たぶん観てない.日本ではコケた?

テイラー・オブ・パナマ [DVD]

【コスタリカ】
自然の宝庫コスタリカ.
バイクの一行はほとんどスルー.
2003年に訪問したが,Kazchariの目当てはカエル.
そうコスタリカと言えば,『水どう』で有名な極楽鳥の他,カラフルなヤドクガエルが有名.
ガイドさんを雇ってジャングルの奥へ.

Nikon COOLPIX E950 / 2003年9月12日

何気に手のひらにのせているが,もしキズがあったら...アウトらしい.

【ニカラグア】
Kazchari未訪問.
協力隊の同期によると「超つまらん国」らしい.
ただし,以下の本によると内戦で国が荒れに荒れたものの,中米は珍しい平和国家のひとつ.

世界244の国と地域 197ヵ国と47地域を旅の雑学とともに解説 (地球の歩き方BOOKS)

番組中では火山を紹介.
これは見てみたい.

【ホンジェラス】
これまたKazchari未訪問国.
これまた同期隊員によると...イマイチな国らしい.
驚いたのはサン・ペドロ・スーラに行く旅程になっていたこと.
ここは言わずと知れた“世界治安悪い都市ランキング”で常にトップを競り合うマッドマックスな町.
番組では,近くの町のUNICEFを訪問している.
今ではややマシになったが,以前は昼夜間問わず,子どもは外に出れなかったそうな.
理由は「殺されるから」
わけわからん.

【グアテマラ】
この辺りから麻薬ギャングがらみの話が増えてくる.
夜間走行を避けるべき地域がある.

Kazchariは2004年に訪問.
その際は隣国ベリーズから陸路国境を越えて入国.
ちなみにグアテマラはベリーズを独立国家として認めておらず,地図上はグアテマラの一部扱い.
ティカル遺跡を見物した後,これまたバスに乗って陸路でメキシコに抜けたのだが(チアパス州),たぶん外務省的にはヤバイ地域やったと思う.
だいたい国境地域はそういうもの.

Nikon COOLPIX E950 / 2004年4月10日 グアテマラーメキシコ国境

バイク組+娘一行は湖のそばでキャンプしたりしていたが,その間,四輪組は来るべきメキシコ通過に備え,無茶な計画を準備中であった.

次回はいよいよクライマックス.
文句も言っているけど,面白い(うらやましい)旅である点は揺るがない.

もうじき終わってしまうのが何とも寂しい.

『LONG WAY UP』の感想(その4)「エクアドル&コロンビア編」

2020/11/20 Fri

国境超えは大変.

『Long Way Up』の感想その4は,エクアドルとコロンビア編.

米国に近づくにつれ,何やらゴミゴミしてきた.
都市化が進み,自然が減少.
これはこれで旅情感あり.

エクアドルに入国.
国内最大都市,グアナキルではスターウォーズ俳優として自撮り攻めにあう.
Kazchari的にはエクアドル=ガラパゴス島なのだが,この旅ではさすがに行かないらしい.
オートバイ関係ないしな.
そういやイグアスの滝もパスしてる.

ちなみにガラパゴスのダイビングツアーは軽く100万円コース
憧れの海であるものの,さすがに躊躇する価格.
100万あったら...『Emonda SLR』『OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO』買うね!(いや,こいつらも値段的におかしい

TREK Emonda-SLR7 e-tap(80諭吉)
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400 F4.5 TC1.25x IS PRO(110諭吉)

お次はコロンビア
コロンビアと言えば,麻薬と自転車選手
世界最大の麻薬組織,メデジンカルテルが(たぶん)滅んで,だいぶ観光しやすくなったそうな.
世界最悪の街の悪名はホンジェラスのサン・ペドロ・スーザに移ったか.
渓谷に建てられた教会とか,実に趣がある.

悪路の雨中走行が祟ったのか,ユアンのバイクが壊れた.
ハーレー本社に電話してアドバイスをもらうが打つ手なし.
精密機械ゆえ,コスタリカまで運び,技術者に修理してもらうことになった.
まぁ,この辺は個人旅行とは雲泥の差やな.

ここからは期待のダリエンギャップ越え.

コロンビアとパナマの国境にあるダリエン地峡は,パン・アメリカンハイウエイの未開通区間である.
ここは道路のない未開のジャングルという地形的な障害だけでなく,反政府ゲリラもしくは麻薬密売グループの巣窟とされる.
個人旅行でここを通過するのは自殺行為.
...のはずなのだが,まさかこんな本が出てるとは...

ダリエン地峡決死行 (わたしの旅ブックス)

毎回のアバンタイトルでは,バイクのまま陸路で突っ切るような印象もあり,まさか!と思っていたが,さすがに飛行機+船による移送になったようだ.

番組内では,この辺りの旅程やルートがごちゃごちゃして,何がどうなっているのかさっぱりわからん.
ユアンが輸送機に乗ったままパナマinするために“一時的に”作業員になりすましたり(いいのか?),旧ソ連製の小型飛行機の客室にバイクをそのまま載せたり,結局船の予約がどうなったのか,四輪組と二輪組はどうして別ルートになったのか,時間的にも空間的にも『TENET』なみに複雑(2回見ればわかる?).

まっ,コマけーことは船旅が予想以上に面白かったので良し.

国境超えトラブルはKazchariも色々と経験がある.
印象に残るものと言えば,まずカンボジア-ヴェトナム.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(24)

『Long Way Up』でもチリとボリビア間やったかな.
ユアンのパスポートに問題発生.

まず,チリを米国のパスポートで出国.
緩衝地帯を走行後,ボリビアのイミグレーションで入国手続き.
しかし,米国人はビザが必要なので入国できないと断られる.
そこで,ユアンは英国パスポートを出す.
こちらはノービザで入れるのだが,チリの出国スタンプがないため,やはりボリビア入国不可.

そうそう,欧米人はなぜかパスポート何冊も持っている.
どこかの国のドミトリーで「♪今日はどれ使おうかなぁ~」と,5冊ぐらいパスポート見せびらかしている西洋人(?)を見たことがある.
二重国籍を認めない日本が珍しいのだろうか?
それにしても不思議な身分証明書やな.

結局,ユアンはUS$160で無事(?)入国できたようだ.
国境あるあるやね.

Kazchariも青年海外協力隊時代はパスポートを2冊持っていた.
普通のプライベート用(赤)と公用パスポート(緑)

この2冊の最大の違いは,公用パスポートは渡航できる国に制限があること.
ジャマイカからの帰国時,同期隊員と一緒に隣国のベリーズを旅したのだが,そいつが,ジャマ出国のスタンプを公用パスでしてしまったので,そのパスで入国を認められていないベリーズに入国できないという事態が発生した(Kazchariはプライベートパスポートを使ったのでセーフ).

税関でしばらくつかまり,色々と尋問され,数時間後ようやく解放.
そいつはその後,メキシコ-グアテマラ間の陸路国境でも問題を起こす(確か所持金を“正直に”申告したため).

まぁ,トラブル続きで楽しかった道中の紹介はいずれまた.

そう,空路より格段に面白いのが,陸路や海路国境超え.

旅の醍醐味やね.

『LONG WAY UP』の感想(その3)「ボリビア&ペルー編」

2020/11/19 Thu

ああテレフェリコ!

『Long Way Up』の感想その3.
ボリビアとペルー編について.
この地域は標高が高い.
ガソリン車(キャブ仕様)と違って,出力が落ちる事はないんやろな.
登りが多い分,電力は喰うか.

その2の感想では,かなり感傷的になり「ああ行きたい行きたい」「ああ戻りたい戻りたい」状態になってしまったが,実際中南米を旅するとなると,治安の問題は切っても切り離せない.

2002年からのジャマイカ滞在中も,2004年にヨメさんと中南米を旅した際も,特に犯罪には遭わなかった.
ブエノスアイレスの長距離バスステーションのターミナルで,すぐそばに座っていた現地の女性が,床に置いていたカバンをいきなり持っていかれたのを見た程度.

まっ運が良かっただけやろな.

これが,オートバイ旅になるとどうだろう.
もちろん,オートバイが盗まれたり,無人地帯で強盗に襲われるというのが最悪の事態だが,その他にもガソリンの入手やエンジントラブルが心配(パンク修理すらおぼつかない).

あぁ,ダメだ「行かない理由」を考え出すとキリがない.

とりあえず書籍やブログで旅行記を読み直そう.
そういや『珍夜特急2nd season』,途中で読むのが止まっていた.

珍夜特急 2nd season 7―ペルー・ボリビア― Kindle版

なんてことを観るたびに考えさせる『Long Way Up』.
ホンマ,毒番組やで.

さて,チリを抜けボリビアに入国した一行.
国の経済レベルに伴ってか,ボリビアの道路はよろしくない.
目的地のウユニ塩原に向かう道は,フカフカとガチガチが混ざる砂漠ダート.
以前のGSならともかく,ロードタイヤの電動ハーレーでよう走るわ~

ユアンはオフロードに慣れていない,チャーリーはこれまでの度重なる事故により,脚にボルトやらプレート固定しまくっているらしい.

すいません.
旅程がハードなほど観ている分には楽しいです.

苦労のあげく,ウユニ塩原着.
10月頃かな? 乾期だったこともあり,雨後の鏡面状態にならないのでそれほど時間をとっていない.

これまで都会を避けてきた一行だが,ボリビアでは首都のラパスに寄っている.
ラパスと言えば標高3640mという世界一高い場所に位置する首都で,すり鉢状の土地にへばりつくビルやら建物が有名.
おかげで街中は急坂だらけ.

とは言え,ユアン曰く「これまで訪れた中で最も楽しい街」らしい.
新市街と旧市街の移動もテレフェリコ(ロープウエイ)だし,確かに楽しそう(そこ?).

次はチチカカ湖を横断しペルーへ.

山岳地域を走っている際,片足のローディと出会う.
ペルーのパラリンピック代表選手らしい.
片足でチャリに乗るだけでも驚異だが,それでヒルクライム!? この標高で!? すごすぎる.
美瑛センチュリーライドでも日本人の片足オリンピアンに会った.
ええ,激坂で抜かされましたよ.

ペルーでは定番のマチュピチュを訪れる.
バイクを置いて,列車でふもとまで向かうのだが...これまた,うらやましすぎる.
夜明けの遺跡見学
地形上,仕方ないのかもしれないが,マチュピチュの全体像はいつも同じ構図.
それでもなかなか霧が晴れなくて,きれいに見れる日は少ないそう.
この旅のユアンとチャーリーは...とにかく運がいい.

Kazchariも写真や映像ではなくこの目で見てみたい.

ペルーのもう一つの謎遺跡と言えば「ナスカの地上絵」
定番のセスナによる遊覧.
お約束のゲボボ魔獣状態で見物どころではない.
この辺は『水どう』っぽい.

その他,欧米の番組っぽく,環境問題や少数民族の人権問題を上手く取り入れている.
ユニセフの活動も紹介されているが,押しつけがましくなく好感が持てる.

Kazchariもこの2国は行ったことが無い.
将来の楽しみにとってある.
余りに距離が遠く,10日程度の休みだと時差ボケ&高山病で悩まされたまま終了してしまうような気もする.

とは言え,世界で最もインスタ映えするスポットとして有名になったウユニ塩湖なんて,ここ数年,日本人観光客が大挙して押し寄せているそうな.
主に高齢者と若者.
時間があるのはわかるけど,金持ってるなぁ...
今,さくっと調べたら,ウユニ,マチュピチュ,ナスカ周遊の全コミツアーだと,11日間50万ほど.

うん? 意外に安い?(いやいや)
ラジャアンパットのダイビングツアーとそう変わらない.(おいおい)
もちろん個人手配&個人旅だとこの半額以下になるんやろうけど,時間が無限にあるパッカーならともかく,リーマンにはツアー参加が良いでしょう.

あれ? オートバイで行く話はどこへ?

『LONG WAY UP』の感想(その2)「アルゼンチン&チリ編」

2020/11/16 Mon

羨望しかない.

ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンの中南米縦断バイク旅『LONG WAY UP』AppleTV+で視聴中.

ようやく全行程の1/3を視聴完了.
アルゼンチン&チリ編やね.
サンティアゴやブエノスアイレスなどの大都会は避けて地方都市をつなぐ旅程.
当然,道の状況はあまりよくない.
ウシュアイアからしばらくは雪景色(凍結は大丈夫なのか?).
北上するにつれ,荒涼とした岩砂漠へ.
もちろん未舗装.
あの短いサスとロード用タイヤでよう走るわ.
実に楽しそう.

それにしても...絶景に次ぐ絶景.
そのあまりに美しい風景に感情が揺さぶられる.
撮影技術も進歩した.
中でもドローンを駆使した映像が素晴らしい.

そうやなぁ...やっぱり南米(チリ,アルゼンチン,パラグアイしか訪れていないが)は景色,食い物,人,全てが良かった.

今回の旅の目玉は電動バイク&クルマの旅であること.

ゆえに充電切れの不安が常にある.
ようやく街にたどり着き,民家やホテルの電源に接続しても,電圧の関係なのか,うまくいかないことが頻繁に起こる.

サポートカーも砂漠の真ん中で充電切れの他,システム異常によるブレーキロックなど,トラブルだらけ.

バイクもクルマもガソリン車以上に気温や風,スピードや路面状況(登り!)による電力消費の差が激しいようだ.
ホテルの中にバイクを持ち込み温めると電力が復活するとか,クルマのスリップストリームを使うとか...その問題解決方法も番組として楽しめる(無事にゴールするとわかっているからだろうけど).

何よりあの過酷なルートで,あの“ハーレー”が壊れないのが何より驚異.

そういや電動だと排気量という概念がなくなる.
今後電動バイクが増えてきたら,グレードはどう表現するのだろう?
ワット数? バッテリー容量?

ここでKazchariの電動バイク体験記を.

2018年に石垣島を旅した時,現地で電動スクーターを借りた.

石垣島の電動レンタルバイク

うろ覚えだが,台湾メーカーが今後の日本本土への展開を考えて,島で試験運用中だったように思う.
有名どころの観光地にバッテリーステーションがあり,2リットルのペットボトルより二回りは大きいバッテリーを交換しながら走りつなぐ.
満タンで80kmは走る.
狭い島なので充電切れの心配はまずない.

OLYMPUS TG-5 /2018年9月22日
OLYMPUS TG-5 /2018年9月22日
OLYMPUS TG-5 /2018年9月22日

大きな声では言えないが,「ブーストモード」なるものが付いていて,これを発動させると50ccのスクーターより明らかに速い(その分電力消費も激しい).
内燃機関の排気音ではなく「ウィーン」というモーター音が独特.
番組中の電動ハーレーも同じような音がしている.
(名物の)エンジンの振動はほぼなさそう.

さっき,久々に公式サイトを見たら,中古車を販売しているようだ.
もちろん走行は石垣島内に限る.
そらそうだ.
バッテリーステーションが必要やし.
本体だけでなく月々バッテリー使用料も別途かかる.
ガソリン車とどっちが得?

それにしても...番組を観ながら考えてしまう.

世界あちこちを旅してきたが,レンタルバイクなど単発的な場合を除き,飛行機,バス,列車など公共交通機関を利用しての旅がほとんど.

楽で安全だが,自由に自分のルートを線でつなぐオートバイ旅の方が何倍も楽しいのは間違いないだろう.
あっ,そういや2010年にボルネオ島1500kmをバイクで横断するツアーに参加したことを思い出した.
あれも実に良い思い出.

昨日は冬支度の一環として,HONDA XR-BAJAのバッテリーを外し,車庫の奥深くに入れた.
今年はもう乗らない.
いや,正直に言う.
今シーズンは一度も乗らなかった.

もちろん自賠責も任意保険代も払っている.
年3万ほど.

なぜ乗らなかったのか.
理由はわかっている.
自転車が楽し過ぎるのだ.

オートバイには19歳の頃から乗っている.
一周こそしていないが,それこそ日本中出かけた.
豪雨や暴風の中,雪山,猛暑の中を走り,満天の星の下でキャンプをし,見知らぬ人と話した.
何よりオートバイは造形的に美しい.

オートバイは乗らなければ朽ちていく.
サスはへたり,オイルがにじみ,ガソリンが腐り,サビが浮く.

『LONG WAY UP』を観る前は,本気で手放すことを考えていた.
今,その気持ちが揺らいしまっている.

死ぬまでに達成したい目標が,また一つできてしまったかもしれない.

そう,オートバイで南米を走りたい.

OLYMPUS CAMEDIA C5050Z / 2004年7月20日 チリ-アルゼンチン国境にて

復活の旅番組『LONG WAY UP』

2020/11/14 Sat

感無量.

iPhone11 Pro

往年の旅番組が2つ復活した.

一つは『水曜どうでしょう』

まず今年の4月に「赤平にあるミスターの土地(?)にどうでしょうハウスを建てるという企画」が放送された.
2017年に撮影開始,つまり3年がかりの長大作品だった.
そして...見事に最後騙されました.
これはこれで実に面白かった.

水曜どうでしょう 北海道で家、建てます(2019新作)

『水曜どうでしょう最新作-最終夜』を観た

しかしながら,この番組の真骨頂はやはり,おっさん4人によるウダウダ旅にある.
現地人との交流なし! 観光地に行ってもロクに景色も見もせずボケとツッコミ.
基本的に狭い車内で3人(+嬉野カメラマン)のどうでもいい会話,そして,たまーに出る名言を楽しむ番組.

そのあたりはスタッフも承知しているのか,「家づくり」と並行してちゃっかりと海外旅行に出ていた(2018年収録).

ということでその2作目の新作が10/28から放送開始.
今回はパリinしてアイルランドを目指す.
ヨーロッパ制覇のリ・リベンジとともに,“とてつもなくつまらなかった”アフリカ旅のリベンジも兼ねていると推察.

水曜どうでしょう 2020最新作

そこで毎週期待を込めて視聴中なのだが...
正直...つまらない.
まっ,こちらは最終夜まで観終わってからレビューしよ.

もう一つは知る人ぞ知る『LONG WAY UP』
オビワン・ケノービこと俳優ユアン・マクレガーと友人のチャーリー・ブアマン(ダカールに出場!)のモーターサイクル旅行のドキュメントである.
なんと言ってもそのスケールがスゴイ.

第一作の『LONG WAY ROUND』(2004)はイギリスを出発し,ヨーロッパ,ロシア(モンゴル),海を渡ってアラスカ,カナダ,アメリカにゴールと地球を横断する旅.
マシンはBMW-R1150GSである.

ユアン・マクレガー 大陸横断バイクの旅/Long Way Round [DVD]

第二作の『LONG WAY DOWN』(2007)はイギリス発,イタリア経由でアフリカに渡り,そのまま南下.南アフリカにゴールという地球縦断の旅.
マシンはBMW-R1200GSである.

ユアン・マクレガー 大陸縦断バイクの旅/Long Way Down [DVD]

日本ではWOWOWで放送されていたようだ.
視聴環境がなかったKazchariは海外版のDVDセットを購入.
『ROUND』は日本語字幕付き,『DOWN』は英語のみ(旅番組なので状況はだいたいわかる)だった.

随行するカメラマンもいるし,国境越えなどのややこしいポイントでは,クルマのスタッフが待機している.
何より出発前の準備やら,旅行中も何かとサポートするバックオフィスも存在する.
純粋な意味での“旅”や“冒険”とは言い難い点もある.

それでも,ユアンのような世界的俳優が決して安全とは言えないルートをガチで走る.
転倒他のトラブルにもめげず(いや,グチは多い)進む姿は,その過酷さを同時体験している気分にさせる十分なインパクトを有している.
(モーター)バイク乗り必見のドキュメントである.

それにしてもBMW-GSのカッコよさ!
この番組が相当売り上げに貢献したらしい.
Kazchariも190cmぐらい身長があったならぁぁぁぁ!

そして,第二作発表後12年経過.
満を持して『LONG WAY UP』が放送開始!
「オーストラリア⇒東南アジアルート」かと思いきや,より過酷なアルゼンチン(ウシュアイア)⇒ロサンゼルス!の中南米縦断だった!

これは視聴せずにいられるだろうか? いいや限界だ,観るね.

LONG WAY UP 大陸縦断バイクの旅

この『LONG WAY UP』AppleTV+独占配信.
9月スタートなので既に全話配信済み.
早速,アプリをiPhoneとiPadにダウンロード.
「iPhone11Pro」を買ったときに付いてきた視聴1年間無料権をすっかり失念していて,既に期限切れだったため,1週間のお試し入会.
1話50分の全11話.
時間的に大丈夫かな?
まぁ,一カ月のサブスクが600円やし,見逃した『ランボー・ラストブラッド』もあるし,少し延長してもええかなと考え中.

で,昨日から見始めたのだが,いやぁ,もう素晴らしいの一言.
第3話の時点でパタゴニアを爆走中なのだが面白過ぎる.
今回のマシンはなんと,撮影当時も,そして今現在も未発売のハーレー・ダビッドソンのLiveWire.

Harley Davidson Livewire

まさかの電動モーターサイクル!
その試作品を本社がカスタム.
充電満タン時の走行距離200kmほど.
当然インフラどころか民家すらまれな場所を走ることになるので,充電ステーションの設置から準備を始める.
なんつースケール.

それでも充電できないトラブルが早くも頻発.

Kazchari夫婦は2004年の7月頃,南米を旅していた.
ウシュアイア,プンタアレナス,あの国境,あのフェリー...何もかもみな懐かしい.
ヨメさんと二人して狂喜乱舞.

撮影技術の進化も伴い,もう絶景のオンパレード!
もう続きが楽しみで仕方がない.
このブログでも随時感想をアップしていく予定.

とりあず,第2話でのユアンの名言.

「ウシュアイアは偶然訪れることはない町.旅人はここを目指してくる」

Nikon COOLPIX950 / 2004年7月18日

新井リオ『英語日記BOY』を読んだ

2020/10/31 Sat

英語学習環境アップデート.

英語日記BOY 海外で夢を叶える英語勉強法

新井リオ著,『英語日記BOY』を読んだ.
何かと話題のこの本,最後まで読み終えた感想は…素晴らしい.
刺激になった.
最新(?)の英語学習環境構築はこうなっている!ということに目から鱗がダダ落ちた(It opened my eyes)!

忘れないうちにポイントをメモ.

【英語で日記を書く】
・「英語が話せる」とは,今言いたいオリジナル英語フレーズが瞬時に出てくること.
・「いつか自分が言うであろう英語フレーズ」を先回りして知っていなければならない.
・著者が実践したのは英語で日記を書くこと.
・自分に必要なのは「今日起きた出来事」+「今日抱いた感情」を英語で言えるようになること,つまりは日記.
・まず日本語で日記を書き,一文もしくは要約を英訳し,オンライン英会話などで講師に添削してもらう.

【英語を話せるようになるためには留学が必要?】
留学には金がかかる.
それに実は効率が良くない(大教室+日本人同士でかたまりがち).
日本に「海外と同じ環境」を作れば問題ない.

【「英語タイム制度」の導入】
・毎日最低3時間,使う言語を全て英語にする
・オンライン英会話の活用(コスパ最高!)
・英語でひとりごと

【自分の部屋を「ミニ海外」にする】
・スマホの言語設定を英語にする ⇒ done
・アプリ「スマートニュース」の設定をinternationalにする ⇒ done
・英語のTwitterだけを読む
・英語ラジオ「WNYC」を流す ⇒ done
・英語版漫画を読む(kindleあり)

【「LINE」デジタル単語帳】
(1)自分専用グループを作る ⇒ done
(2)「これ英語でなんて言うんだろう」をメモする
(3)インターネットで調べ,オリジナル例文を作る

【「Siri」発音矯正】
(1)ボイスメモで自分の声を録音する
(2)YouTubeの解説動画を見る
(3)英語設定の「Siri」に話しかける

以上が,この本の提唱する英会話取得のための方法論(抜粋).
もっと以前に知っとけばなぁ...

Kazchariが人生で一番英語の勉強をしたのは20年ほど前
青年海外協力隊の派遣前訓練から,ジャマイカに滞在していた2年間.

結局,モノにはならなかった.
人口5000人程度の町に住んでいたたった一人の日本人.
もちろん英語は毎日使っていた.
仕事を終えた後,2時間は勉強した.
それでも上手くならなかった.

何が足りなかったのだろう?

専門用語を使う業務上のやり取りは徐々に向上していったのは間違いない.
もどかしかったのは日常会話やパーティジョーク
フレーズがなかなか出てこない.
さらにリーディングもライティングもリスニングも怪しい(全部やん).

何が足りなかったのだろう?

この本の後半は著者の夢の体現者ビジネス成功者としての経験談が続く.
そういう話はあまり面白くないことが多いのだが,この本は別.
英語学習の枠を超えて,良いこと言っている.グサグサくる.

僕たちは,勉強・練習することを「デフォルト」として生きたほうがいい.「私は,〇時~〇時に英語を勉強する人間です」と思い込むのだ.

勉強は「やらなければいけないネガティブなもの」ではなく,「やると夢が叶うポジティブなもの」だという意識を持ち続けるのだ.

スキルの向上とは常に,限りなく「自分主体の課題」なのだ.

いつも後悔してきた.もっと何かができたのはないか.

海外は,ただ「努力がしやすい場所」.

自分はいま,生まれて初めて自分の意志で生きている.

海外志向の強い人こそ,これからは海外という概念を持たないことが重要になる

語学学習における最高の環境にて2年間+αを過ごしたにも関わらず,モノにすることができなかったKazchari.

足りなかったのは覚悟.
将来にわたって英語を使い続ける意志.
環境の有効活用.

そして現在.
立ち止まっていないか?
まだ終わってないか?

スペイン語とインドネシア語,ちゃんと勉強するならどっちがええかなぁ?(←おい!)

2021年9月11日はブルベ100周年らしい

2020/10/27 Tue

懐かしき日々よ.

Audax Japan BRM911北海道200km石狩

前に「AJ北海道2021年ブルベ情報」の発表に伴い,その雑感を書いた.

AJ北海道2021年度ブルベ情報

その後しばらくしてから新コースが追加.
いや,「新」ではなく復活?

その『BRM911北海道200km石狩』が開催される9月11日は,フランスで最初に200kmブルベが開催された日(1921年9月11日)から100周年にあたるそうな.
ほぉ,ほぼツールやジロと同時期に始まったということか.

フランスはもちろんのこと各国で記念イベントが行われ,なんと完走記念メダルも用意されるらしい.
つ,つまりこの日のみの限定メダルがあるということ?(推測
これは出なあかんやろ~

『R札幌』では恒例の「旭川200」の開催が告知済み.
『AJ北海道』では予定されていた「地球岬400」の日程をずらして,「石狩200」を新たに設定した次第.

このコース,どうやらいわくつきらしい.

AJ北海道での初めてのBRM開催は2005年5月7日。しかし積雪によってこのBRMは途中中止となりました。あれから16年…。AJ北海道の原点とも言える幻のBRMがACPBRM開催100周年を記念して復活します。日本海と樺戸の山を巡る200kmのコースをぜひお楽しみください。(AJHのサイトより)

このルート何が良いって,スタート地点である.
札幌市内ではなく,石狩の「番屋の湯」発.
以前訪れたことがあるが,海水浴場に近い広大な土地にあったように記憶している.

天然石狩温泉 番屋の湯

つまり駐車場問題完全解決
前日,早めにinnし,この温泉に入って(ついでに夕食)車中泊
当日朝7時の出発に間に合わせ,15時頃予定のゴール後も湯につかってから帰宅.ベネ!

コースそのものも海あり山ありで魅力的.
強いて言えばR451を使った滝川までのピストンが少々退屈かも.

いずれにせよ,今年は全ブルベ中止になってしまったので,再開が待ち遠しくて仕方がない.
ロードでは休日200~300kmの走行が標準になりつつあるが(もちろんボッチ),やはりブルベにはブルベの良さがある.不思議だ.

つーことで,ブルベ情報の更新と参加表明のお知らせでした.

Amazon Prime Videoで『ロンドン・エディンバラ・ロンドン』のドキュメンタリー配信中.
全く派手さはないが,ランドヌールなら共感できることしきり.
日本人の方も登場している.

ロンドン・エディンバラ・ロンドン (字幕版)

『世界一過酷なレース:エコチャレンジ フィジー大会』を観た

2020/8/27 Thu

ヒドすぎて笑うしかない.

世界一過酷なレース:エコチャレンジ フィジー大会

番組内容を紹介.

World’s Toughest Race: Eco-Challenge Fiji.本作は人気リアリティ番組「サバイバー」の制作者が放つ、世界規模の壮大なアドベンチャーレース。世界中から集まった66チームがフィジーで熱い戦いを繰り広げる。司会のベア・グリルスが11日間、選手たちを心身共に限界まで追い込んでいくレースを紹介する。ベテランチームにとっての目標は優勝だが、大半のチームにとっては完走することにある。 “世界一過酷なレース”を戦い抜く力があることを自分自身と世界に証明するためだ。

獲得標高が異常なブルベ豪雨・雪中ライドなど,過酷な環境に身を置き,そして無事に戻ってきた時,SNSなどでつぶやく言葉がある.

「ヒドい」「死ぬかと思った」「二度とやらん」

実はこれらはホメ言葉である.
主催者がいればそのルーティングを称え,プライベートであれば「楽しかった」と同義となる.

しかしだな,それにも限度がある.
それが今回,Amazon Prime Videoで観た『エコチャレンジ フィジー大会』
平和な大会名だが,その中身はとんでもない.
”最恐のアドベンチャーレース”とは正にこのこと.
大会そのものは2019年開催.新コロ騒ぎの前である.

そもそもアドベンチャーレースとは,スタートからゴールまで3日以上かかる超長距離レースのこと.山,ジャングル,沼,川,湖,海はては洞窟や海底など,世界各地(秘境)の自然を舞台に無茶なコース設定を無茶な方法で行う,超サバイバルなオリエンテーリング
主な移動手段はトレッキング,マウンテンバイク,パドリング(カヌー/SUP),ロープワーク(滝登り,降下)など.
いつ事故っても,いや,いつ死んでもおかしくないような展開が延々と続く.
心身ともに極限まで追い込まないと,勝負うんぬん以前に完走すら危うい

その中でも「エコチャレンジ」は特にスーパーハード.
観てる分には文句なしに面白い.

視聴中,「マジか」と何回つぶやいたことか.
45分×10回の放送なので,ボリュームもたっぷり.
全員とはいかないが,各チームメンバーの掘り下げもしっかりできている.
60歳越えの参加者もいるし,それに失聴者やアルツハイマー者もいる.
ヒューマンドラマとしてもよくできている.

スタートは,まず川から外洋までカヌーを漕ぎ,別の島へ移動.そこからトレッキングというコース.
この初日のコースすら事前告知されず,選手にとっては全く未知.
その後も,先ほど挙げたありとあらゆる移動手段で,ひたすらゴールを目指す.
もちろん途中にはメダル収集イベントチェックポイントキャンプ(強制休憩)があり,タイムアウトも設定されている.

一番エグかったのは300mの滝クライミング直後の川の遡行.
深いので泳ぐ必要があるのだが,その水温はなんと11℃!
もちろんドライスーツのような便利グッズはない.
低体温症にかかる者もいる.
実際,ここでかなりのチームがリタイヤした.

リタイヤと言えば,1チーム4人構成だが,うち最低1人は女性,かつ“全員で”ゴールする必要がある.
つまり,そこでドラマが生まれる.
誰か一人がリタイヤしそう...さぁ,他のメンバーはどうする?といった具合.

エグイのはコースだけではない.
制限時間内にゴールおよびチェックポイントにたどり着くには,睡眠時間を極限まで削る必要がある.
つまり体力・気力回復の最大の手段を使えない.遅れているチームほど厳しい.
いやぁ,400や600のブルベで寝るか寝ないか悩むのがバカバカしくなる.

日本のアドベンチャーレース界の第一人者,田中正人さんも出場している.
今回はAmazonとMGMが番組制作に入るので,配信開始前にブログなどで,レース内容を報告する行為は一切禁止だったそうな.

チームイーストウインド プロダクション

ネタばれになるが,このレースで日本チームはリタイヤとなった.
メンバーのうち2名が「塹壕足」になってしまったようだ.
まぁそうなるやろなぁ...

さて,これだけ極限まで自分を追い込んで苦労しまくった挙句の賞金は...言っちゃなんだがたった10万ドル.スタッフや機材費などを考慮するとせいぜい選手一人200万円くらいでは?

もちろん,賞金目当てに参加する人はまずいない気がする.
途中途中で参加者のインタビューがはさまれるが,異口同音に「生の充実」「生の実感」を参加理由として挙げる.
つまり真波くんだらけ.

「GRIT」という言葉がある.
自己啓発本などでよく使われるが「やり抜く力」という意味である.
アウシュビッツの生き残りから,軍隊の特殊部隊員まで,どの様な困難,肉体的精神的苦痛の限界に達しても,くじけない強固な思考・意志のことである.
これがないと,過酷なアドベンチャーレースでは,まず完走できない.

https://www.youtube.com/watch?v=Fj27OenpAas

では,そのやり抜く力,GRITを身に付けるにはどうすれば良いのか?
ある困難なことを一定期間(最低2年)し続けることらしい.
うーん,そう解釈してしまうと生まれつきの才能のような気もしてくる.

アドベンチャーレースはともかく,来年の『納沙布岬1200』では,GRITが発動しますように.

網走方面家族キャンプの巻(その4)

2020/8/9 Sun ~ 8/10 Mon

12年ぶりの収監.

OLYMPUS OM-D E-M1 Mk-II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

家族全員が起きて来た.
朝食後,撤収開始.
相変わらず息子は戦力にならん.

「その3」では静かなキャンプ場と感想を述べたが,一つだけ例外があった.
隣というか,こちらから見て山側の家族が犬連れだった.
この雑種犬,放し飼いではないものの,うちのテントとの中間地点に刺したペグに“伸縮式の”リードでつながれているだけ.
距離をとって歩いていたにも関わらず,いきなりじゃれついてきて困った.

Kazchariは犬が好きではない.
あいつらはクサい.
その上「なめる」というコミュニケーション手段をとるのが我慢ならん.
何よりも人間に媚びる態度が(以下略)
ようするに,Kazchariはネコ派です.

にしても,犬好き派の「みんな(ウチの)犬が好きに違いない」という思い込みはなんとかならんか?
あ,これって子供(赤ちゃん)好きにも言えるか.

息子はもちろん興味津々.
近づいたり離れたりして遊んでおる.
戦力にならなかった原因の一つはこの犬.

撤収を急ぐのにはわけがある.
昨夜風呂から帰還した後,Kazchari号を木と木の間に停めたのだが,うちと他車に挟まれてちょうど動きがとれないクルマがあるのだ.
誰だか知らないそのオーナーが出発する前に,Kazchari号を動かす必要がある.
少しずつパッキングした荷物をクルマのそばまで運ぶ.
ちょうどそこへ,その動けないクルマのオーナーがやって来た.

Kazchari「すいません.動けないですよね.今すぐ出しますんで」と挨拶すると,そのオーナー(若いにーちゃん),「いいですよ~ まだ出ないんで」とさわやかに返答.
ただし,気になったのは,半袖シャツから見えている両腕にびっしりのタトゥー
別に偏見を持つわけではないが,何の職業かなと思う.
少なくとも,温泉に入れへんやん.

気になったので調べてみたらこんなページを見つけた.

【経験談】タトゥー・刺青がOKの仕事まとめ|タトゥーだらけの筆者のケースは?

以前に比べると,そんなに特別なことではなくなってんねんなぁ…と認識をアップデート

つーことで9時頃にはキャンプ場を後にする.
まず,前日に日帰り入浴したホテルに娘が忘れたバスタオルを取りに行く.
丁寧な対応に感謝

そして「網走監獄」へ.
ご存じの方も多いと思われるが,現在は刑務所ではなく,あくまで“博物館”である.
ちなみに運用中の「網走刑務所」は別の場所にちゃんとある.
殺人などの凶悪犯はおらず,刑期10年以下の短期収容施設で,4割以上は暴力団組員および覚醒剤関連だそうな.

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網走監獄には朝一到着.まだ人少なめ.
入場券の販売所では,なぜか「どこから来たのか」の確認がある.
これがまぁ周囲に丸聴こえで,関東や関西の地名がポンポン飛び出すが,例の「Go to インパール」…じゃなかった「キャンペーン」で来た人たちだろうか?
近頃めっきり減っていると思われる外国人の場合,どの様に尋ねるのだろう?英語?

最近読んだ本が面白かった.

まんが アフリカ少年が日本で育った結果

筆者はカメルーンに生まれて育ったルネさん.
母親が日本人と再婚したので4歳頃から日本に住んでいる.
日本語で教育を受けたのでほぼネイティブ.しかも神戸なのでバリバリの関西弁
黒人の少年が周りからどう見られてきたか,特に日本人のステレオタイプな発想をユーモアたっぷりに紹介した本である.

首都圏に限らず,日本在住の外国籍の方は確実に増えてきている.

息子の友だちにもロシア人がいて,10歳の彼は日本語ペラペラである.
このまんがの作者やロシア人の少年に限らず,白人顔,黒人顔だと“必ず”英語が話せると思われるらしい.
日本人から話しかけられる時の第一声はたいてい英語
当然,母国語ではない英語を苦手とされる方も多い.

そりゃそうだ.
英語の世界共通語化は未達成.
逆に日本人が海外に出かけた場合,「ガイド」「商売人」「詐欺師」以外は,容赦なく自分たちの母語で話す.それに対応するため,こっちも現地の言葉を覚える.
よく考えれば,日本を訪れた人に“英語”で対応する義理はない.

とは言え,日本語のマイナーさ(とは言っても話者は1億人以上.ただし地域的に狭小)から考えると,共通語として,わずかでも知っている“英語”になるのはやむなしというところか.

似たような話で,インバウンドだかなんだか知らんが,ここ最近急激に増えた中・ハングル・英併記の看板.看板がデカすぎて景観を損ねている場合すらある.
旅に求めるのは母国同様の便利さではなく,非日常・異文化体験なのでは?
あまりに配慮しすぎると,かえって旅がつまらなくなる...と思うのは少数派なのだろうか?

そんな脳内妄想から,網走に戻る.
ここで大失敗に気づく.
この博物館も私学共済のフリー入場特典の対象だった.
保険証や割引証なんぞ持っておらん.
どこまで優遇すんねん,私学共済.
そやけど,ゴールドカード年会費の件,あれはダメだ.

チケットを買っても,なぜかもぎりの人はいない.
実質スルー? なんてアバウト.

敷地内は非常に広い.
全部回るためには結構な体力が必要.
詳細は公式サイトにて確認していただくとして,撮影したものをのせる.

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どうして花写真ばかり?

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iPhone11 Pro
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前回(12年前)訪問した3月は寒々感が強かったが,今は夏.明るい.
それに施設や展示物がクレードアップしている気がする.
インバウンド効果のおかげかも.
これまでなかった北海道推しマンガ『ゴールデンカムイ』関連の展示もちょこちょこと.

「網走から北見へとつながる道路建設に受刑者たちが従事させられていた.その過程で多くの受刑者が死んだ」事実をやたら悲劇的な出来事として,妙に囚人側に同情的な演出が気になった.
犯罪人だから何をしてもいいとはもちろん思わないが,アメリカ並みに“加害者”や“受刑者”の人権が強調されてないだろうか?
まぁ当時の発想では刑務所は「懲罰施設」であって「矯正施設」ではない.
人の命,ましてや犯罪者の命は今よりはるかに軽い時代だったのは間違いない.

そういや,先日レビューした『正義の教室』でもパノプティコンの話があったな.
網走監獄の斜め格子五翼放射状房は,より効率的な監視システムへの過渡期的設計なのかも.

刑務所と言えば刑務作業
多くの展示物があったが,網走監獄で作られた加工品や農作物は非常に評判が良かったとのこと.
現代の刑務所の話になるが,昔,Web記事でこんな比較表を見たな.

【刑務所とブラック企業の比較】

労働時間    8時間厳守       最低12時間
通勤手段     徒歩数分     満員電車1~2時間
朝食         健康食      食べない
昼食         健康食      コンビニ弁当
夕食         健康食      コンビニ弁当
夕食後        自由        仕事
残業         無い        当然
残業代        無い       サービス
休憩         あり       喫煙時のみ
土日祝      確実に休み      出勤か接待
年数       刑罰に応じる     倒れるまで
健康       健康になって出所    ボロボロ

さて,けっこうな気温の中,ほぼ全ての展示物を見学後帰路へ.
めったに来ない地域なので,行ったことのない道の駅『東藻琴』へ向かう.
ここで昼食.

iPhone11 Pro
iPhone11 Pro

昨夜の『ARCADIA』ステーキの衝撃が収まらぬ中,無謀にもここでもステーキを注文.
まぁ,美味しかったかな(そんなもんです).
やはり道東は肉だ.

ようやく帰路へ.
往路と同じ道だと面白くないので,帰りは高速を使わず,下道(石北峠)を通る.
特に大きな事件もなく(あったら困る)無事帰宅.
ずっと運転していたせいか,もはや持病となっている頸コリが悪化
そろそろ病院かな.

こうして年に一度の家族キャンプは終了(本当に?)
次は一人で行きたいなぁ...ボソっ