『イデオン』デザイン考(その1)

2020/6/18 Thu

キャルメロ色って何色?

iPhone11 Pro

最近,BANDAIの超合金魂シリーズから『イデオン』のフルアクション(以下,FA)モデルが発売された.
久々にちょっと欲しいと思ってしまった玩具である.
そう思っているアラフィフ(ヲタク)層は多いと推測する.

YouTubeや玩具サイトのレビューを観てから,そのデキ次第では購入を考えていたが,実に悩ましい.つーか,節約からのMadone購入計画はどこ行った?

この超合金FAシリーズは70から80年代の,いわゆるスーパーロボットたちを現代風にアレンジ.
変形・合体ギミックを排除し,ガンプラで鍛え上げたバンダイの技術をふんだんに盛り込んだ,アクション重視のシリーズとなっている.

そのアレンジの方向性となっているのが,アニメーターの大張正己氏風,いわゆる“バリってる”の再現である.
放射状に広がるパーツ,小顔かつヒサシを巨大にし奥目に,肩を大きく二の腕を絞る,細い腰,胴体のひねり,パースの効いたみえ切りポーズなどなど.他にはない個性が光る.
Kazchariも嫌いではない.バリってるロボの真骨頂は“バリグナー”こと『機甲戦記ドラグナー』のオープニングであろう.

https://www.youtube.com/watch?v=2ezcz39_DmU

もう元の大河原デザインとも本編登場のドラグナーとも完全に別物
BANDAIの別シリーズ「魂SPEC」では,わざわざ設定版オープニングシルエット版の2種が発売された.
Kazchariは後者を所有している.

魂SPEC ドラグナー1 with キャバリアー

魂SPEC ドラグナー1 from ”Opening Silhouette”

これ,中の金属フレームは同一やねんけどな.

後にROBOT魂シリーズでもバリってる版が発売された.

ROBOT魂 [SIDE MA] ドラグナー1カスタム

さて,超合金魂FAに話を戻す.
これまでのラインナップは以下の通り.
コンバトラーV』『ボルテスV』『ザンボット3』『ダイターン3』『ダイモス』.
現状,一番バリってるのは『ダイターン3』かな.

残念ながら買いたいとまでにはならんけど,わが青春の『イデオン』となれば話は別.検討に値する.

伝説巨神イデオン』(1980)と言えば,ガンダムに続くリアルロボアニメ.
いや,違うな.宗教アニメとか哲学アニメの方がふさわしい.

TV放送は全39話.関西では水曜日の19時半から放送やったかな(テレビ大阪).
当時中三のKazchari,学習塾がちょうど19時半に終わるので,そこからチャリで猛ダッシュして帰宅した記憶がある.
当時はビデオデッキがまだ家になかったのでリアタイオンリー
おかげでオープニングを観た記憶がほとんどない

毎回,難解かつ考察のしがいのある内容で,翌日は中学校のヲタク仲間とあーでもない,こーでもないとイデオン談義をする日々であった.
特にギジェがソロシップ側に加入してからの怒涛の展開に興奮しまくったことを覚えている.
だが…最終回,残り1分ほどでの風呂敷たたみは強引にもほどがある展開.元祖エヴァやな.

しかしながら世のガンダム・ブームと連動して「イデオンの続きが見たい,いや見せろ運動」が勃発.
TV37話分をまとめた「接触編」と,38,39話,それに未放送の40-42話をまとめた「発動編」のダブルリリース上映が決定(上映時間3時間越え).
前売り券発売に並び,ラッシュフィルムの特別上映会に並び,ロードショー後も3回は劇場で観た.
もちろん発動編のVHSも購入(高かった).むろん今ではDVDBlu-rayも所有.もし次世代フォーマットがあるのならそれも買う予定.

ストーリーは壮絶の一言.

特にTV未放送分をまとめた「発動編」は,いまだにこれを越えるアニメ映像はないと思わせる傑作.
ソロシップ内のゲリラ戦での人体破壊描写の凄まじさも目立つが(子供に容赦ない),何より各キャラの“芝居”が最高.ほんま舞台劇を観ているよう.
福井晴敏なんかは衝撃を受けすぎて,「目の前の創作物はイデオン発動編より上か下か」という”絶対イデオン基準”なるモノができてしまったそうな.

まだまだ長くなりそうなんで,今日はここまでにしとこ.
次回は『イデオン』の玩具やプラモ,そしてそのデザインについて書く予定.

超合金魂 伝説巨神イデオン GX-92 伝説巨神イデオン F.A.

『ハッピー・デス・デイ』&『U2』を観た

2020/6/16 Tue

よくあるテーマへの挑戦.なかなかの良作

ハッピー・デス・デイ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

Amazon Prime Videoにて『ハッピー・デス・デイ』(2017),『ハッピー・デス・デイ・2U』(2019)の2本を続けて観た.

ツリーは、世界は自分ひとりのために回っていると思っている自己チューで高飛車でビッチな女子大生。
彼女は誕生日の朝、男子寮で、泥酔した勢いでエッチしてしまったと思われる見知らぬ男のベッドでぼんやりと目を覚ます。
しかし、彼女はすぐに今日がいつもと何かが違うことに気づく。何もかもすでに経験しているように感じたのだった。(Amazon-『ハッピー・デス・デイ』あらすじ)

いわゆるタイムリープもの.『バタフライ・エフェクト』以降流行りましたなぁ.主人公の変化や成長が主軸と言う意味では『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が一番近いか.

ネタバレなしは困難だが,なんとか解説.

元々この映画,1本モノとして撮られたのではないだろうか?
編集しても3時間を越えてしまったので,2本に分けたとか?
公開に2年の開きがあるが,俳優さんやらセットの変わりなさから,撮影は一度に行なわれたのでは?(裏付けなし)
とまぁ,そのくらいシームレス.

それはともかく,最初はパート1(以降『無印』)だけを観てレビューを書こうと思った.
しかし,鑑賞後にレビューをチラ見すると,「パート2(以降『2U』)を観ないとこの映画のすごさはわからん」的な書き込みがいくつかあったので,連続鑑賞することにした.
もちろんZwiftしながらやけど.90分映画なので,40kmぐらいのコース設定でええか…ってどんな基準やねん.

無印』もよくできていたが,根幹の「なぜタイムリープが起きたのか」の説明はいさぎよく放棄
主人公とその母親は誕生日が同じ.デス・デイが起こるのもその日.よって母親が,その日限定で霊界からなんらかのメッセージを娘に…みたいなオチなのかと思いきやそんな展開ではなかった.まぁそれはそれでありがちやけどな.

U2』ではとりあえず,その謎に対して“みんな大好き”量子力学で回答している.さらにタイムパラドックス解消の必殺技,パラレルワールド説も採用.
主人公は現在の世界に留まるのか,それとも『無印』の世界に戻るのか,母親(過去)か恋人(未来)かの選択という感動成分を付加している.

2本観て,最初に感じたのは,この複雑怪奇な話をよくまとめたなぁという点.
それこそメモをとりながら観たら,細かい矛盾に多々気付くと思うが,主人公の造形を始め,他のサブキャラもコメディタッチでいい味だしているので飽きさせない.

時をかけるビッチ」というナイスなキャッチコピー.
主役のジェシカ・ローテは『ラ・ラ・ランド』にも出てた.
1987年生まれなので『無印』撮影時で30歳!?
老けやすいとされる西洋人にしては驚くほど若く見える.
大学生という役柄からして10歳ほど年下役を演じていたことになる.
実はそれが一番驚きだったりする.顔芸が素晴らしい.
地獄の日々を繰り返すうちに主人公がビッチからどんどん良い人に変わり,『無印』はそこで終わる.
U2』で色々あったけど,結局『無印』のラストに戻ったことを考えると,「娘の人生,このままいくと不味いかも…」と思った天国にいる母親からのメッセージ説もあながち間違いではないかも.

コロナ自粛によって家こもり時間が増えため,色々なものを整理した.
以前の記事で書いたように,30年以上前に撮影したネガを発見.
スキャナのフィルムスキャン機能を使ってデジタル化作業を進めている.
もう懐かしい写真のオンパレード.
当然,付随したエピソードも蘇る.
あの時,どちらのルートを選ぶべきだったか
そんなことを考えても意味はない.今がその結果であり,今を肯定しなければ先へは進めない.
後悔するぐらいなら,今なすべきことをして未来を変えろ

余談だが,もう一人のビッチことダニエルが「私たちはカッパよ」とやたらに言ってたのが気になったので調べてみた.

フラタニティとソロリティ

なるほど.いわゆるサークルっつーか,社交クラブのことか.
リーダーのダニエルに一応認められてたということは,主人公は見かけによらず割と優秀だった?
それで『2U』の驚異の記憶力につながってくるのか.知らんけど.

ゼッタイコロスマンのベイビーフェイスはなぜかあまり怖くない.
エロシーンもない.
派手なスプラッターもない.
むしろコメディ寄りで笑えるシーンも多い
ので家族と一緒の視聴も安心(ウソだ).
つーことで,『ハッピー・デス・デイ』&『U2』の連続鑑賞,オススメです.

【残された謎】
・なぜライアンが二人現れたのか? どうやってきたのか? なぜ例のマスクをかぶっていたのか?
・一度死ぬと身体にダメージが残るらしいが,その基準があいまい.燃えたり,バラバラになったり…
・パート3はあるのか? アベンジャーズのオマケ映像みたいなノリで終わったけど.

株主優待とプレミアム会員

2020/6/11 Thu

どこまでいくのやら

OLYMPUS TG-5

少し前に「私学メンバーズカード」(りそな)の”改悪”について書いた(ゴールドカードが年会費無料から3300円に).
その際の宣言通りに解約実行
手続きはメールではなく電話対応のみ.
話し中が多く,ここ2,3日,気が付いた時にふっとかけてようやく通じた.
大阪弁のコールセンターのおばちゃん,きわめて事務的ではあったが,最近解約が多そうな口ぶりだった.そやろな.
元々ありえないほど優遇されたカードだったのが,今回の新コロ騒ぎで財団と銀行にその余裕がなくなったということだろう.

その後,Kazchariの元にはさらに2点ほど”改悪”の知らせが届いた.

【ゲオホールディングス】

Kazchariは投資をはじめた直後の2014年頃に,ゲオ株を100株購入.確か10万円ぐらいだったかな.
ゲオ株はここ10年,こんな感じで推移.いい時(安い時)に買ったものだ.

ゲオホールディングス(2681)チャート

購入理由はただ一つ.株主優待目当て.
100株ホルダーだとDVD(Blu-ray)とコミックのレンタル料が半額になるのだ.
選択式で系列のリユース店(2nd STREETなど)の割引券もあるが断然前者.一時期は毎週山ほどレンタルしまくっていた.

ところがだ.

今や映画やアニメはオンデマンドで観る時代.Amazon Prime Videoにアクセスしない日はない.もしPrimeのリストに観たいコンテンツがなかったとしても,店舗まで借りに行くか? 行かない.あきらめる

かろうじてコミックの方は,kindleでお試し配信されたモノの続きが気になった場合,ゲオ店舗にあれば借りに行く,という需要があるが,最近はそれすらしなくなった.
また,株と言えば配当.ゲオの場合年2回で計3000円ほどだったかな.

しかし.

今回の”改悪”でこのレンタル半額がなくなることが,あらためて通知された(2021年12月で終了).リユース店の割引は継続されるが,そんなものに興味はない.

TSUTAYAも含めると近所のレンタルビデオショップが次々と閉店している.
業界の将来性も考えると,こりゃついに売り時かな.
現状だと,利益がプラス5万くらいなので,MADONE資金に回せる.

【オリンパス】

こちらはまだ”改悪”とは言い切れないが,将来に不安しかない

オリンパスの写真投稿コミュニティサイト「フォトパス」が年末に終了する.
オリ機で撮った自分の写真を投稿したり,ゲームをするとポイントがたまり,公式オンラインショップ(=オリオン)での購入に何%分か利用できる.
そのおかげで新製品はそこいらのネットショップより,本家のオリオンが一番安いという珍しい現象が起きていた.
火星人のゲームは毎日地道にやってたなぁ.新製品発表時は「価格com」のオリスレは大盛り上がり…だが,それも今は昔.

フォトパス終了に伴い,貯まっているポイントを年内に使い切る必要がある
今年度もプレミア会員(年間3080円)は継続中.そのプレミア会員限定割引がたまにあるが,いかんせん魅力的な製品がない.
E-MXは高すぎるE-M1 Mk-IIIはマイナーチェンジ止まりで期待外れ.
面白いレンズも出ない(150mmのマクロとか).

「今秋には,新たなサービスの内容を発表する」とあるが期待薄

また,オリンパスと言えば,カメラ事業縮小(撤退もしくは身売りまで)の話が出ては消えを繰り返している.
医療機器の売り上げを万年赤字のカメラ事業が喰いつぶしている状態.

手持ちのオリ機材を売却したり,他マウントに移行するつもりはないが,他のメーカーも含め,デジカメの性能はもはや頭打ちなのではないだろうか.
これ以上画素数が上がっても,人の目では差が認識できない(テレビの8Kなんてどうかしてる).
ましてやスマホの画質がこれほどよくなると…(レンズ性能ではなくソフトの進化だが)

新製品の値付けも高く感じる.開発費・性能比で適性だったとしてもこのデフレ状況下では明らかに不利な製品(日本市場を考えていないからかもしれないが).
カメラ趣味を止めることはないと思うが,今後はむちゃな投資をすることはないやろな.

一方で「do something new」キャンペーンの一環として一日一枚のinstagram投稿は継続中.また,ストックフォトへの登録も済ませた.徐々にアップしていく予定.写真の売り方を学んでみたい.

結論.写真撮影そのものへの情熱が消えたわけではない
ただ,寒い時代やなぁ…と.

【期間限定企画:MADONEへの道 目指せ100万円!】
¥0(累積¥0)

アニメ『キングダム』を見続けている

2020/6/5 Fri

遅ればせながら見ております

キングダム

Amazon Prime Videoの「見放題が終了する作品リスト」にアニメ『キングダム』が表示されてしまった.
秦の始皇帝の話であることすら知らなかった状態で視聴開始.
2,3話ぐらいまで見て放置していたので,こらやばいと再開.ここ数日で第1シーズンを見続けている.
前半ははっきり言って退屈で凡庸な作品.ゆえに挫折したのだが,咸陽奪還後からがぜん面白くなってくる.

との団体戦は戦略シミュレーションゲーム.若き王の葛藤なんぞはどうでもよいのだ.つーか,声優さんの演技がルルーシュとそっくり
どうでもよいと言えば,(主人公)がとんでもないバケモノたちとの対戦を経験済みで,しかも勝利しているのに,再度,歩兵からスタートするのがすんごい違和感.
まるで別の作品のよう.たぶん,編集部の方針で延長が決まったパターンなのだろう(勝手な想像です).

中国史には全く詳しくない.高校の時に世界史を選択しなかったためか.
クラスに一人はいる三国志ヲタク.そいつの話は全く理解できなかった.キングダムの舞台,春秋戦国時代との区別もついていなかった.
このアニメのおかげで少し詳しくなったかな.
虚実入り混じているらしいが,紀元前の話やしなんでもありで良いでしょう.面白ければ.
とりあえずわかったのは紀元前は,西洋より古代中国の方がよほど発展していたこと.

このアニメは2011年の作品らしい.CGキャラの動きが変というレビューが目立つ.確かに.オープニングの,正面から迫ってくる敵兵なんて,テクスチャのコピー丸出しやしな.
それに,2010年以降の作品にしては作画崩壊しがち.
すると,エンディングのスタッフロールに谷口守泰氏の名前が...

ちなみに左上がキャラデザの塩山キリコ.右下が谷口キリコ.誰やお前?
いやいやこのCG全盛時代,さすがにここまで確信的にデザインを変えるのは許されないでしょう(たぶんKazchariの誤解です).

後,各方面への配慮なのか殺戮シーンの描写が適当(マイルド)
将軍が刀を振り回すと,ザコ兵が四方八方に飛び散るだけ.
それに血が赤ではなく茶色.
原作ってどんな表現だっけ? 青年誌なのでそれなりにエグい描写だったと思うが.輸出を考えてマイルドな表現にしているのか?

そやけど,同じNHKアニメでも最近の『ヴィンランド・サガ』のバイオレンス描写は結構容赦ないけどな.
そういや主人公,トルフィンと似ているような似てないような.
それにめちゃめちゃ強い大男が敵陣に正面から突っ込んで暴れまわるシーンて…あれ?
いや,信には父親がいない(あこがれる大人はいるが).二人はスタート地点が違う.王騎を除くと『ヴィンランド』の方がキャラは立っているのでは?

ヴィンランド・サガ

今日でようやく第一期の視聴終了.
第二期に突入するものの,いつ見放題が終了になるのかびびってます.その時は原作本借りるか.

昨年度公開の実写版も意外に評価が高い.今度見てみよう.

キングダム ブルーレイ&DVDセット(通常版) [Blu-ray]

『未来少年コナン』再放送&配信中

2020/5/25 Mon

間違いなく名作

未来少年コナン

1987年放送の『未来少年コナン』.コナンと言う単語だけだと,うちの子供らなんかは「名探偵?」と思うらしい.そっちも元はと言えば妖精研究家…じゃなかった小説家のコナン・ドイルからきているけど.はたまた別系統の人にとっては『コナン・ザ・グレート』かもしれん.

コナン・ザ・グレート [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

いずれにせよ,5/4からNHKにてデジタルリマスタリングver.が絶賛放送中である.日曜深夜という,どの層をターゲットにしているのか理解に苦しむ時間の放送だが,永久保存決定

Kazchari家でも,明けて月曜日には家族で楽しく鑑賞している.ただし,良くも悪くもワイド画面に合わせた仕様(16:9)なので無理やり上下カットされている.ゆえに時々キャラの顔が半分隠れてたりする.動きが命のこのアニメ.素直に3:4の放送で良かったのでは?と思わないでもない.さらにラナの服など,赤の発色が良すぎてどぎつく見えるのはkazchariだけだろうか? まぁ,細かいことは良いでしょう.

中身に関しては言うまでなく超名作.観ていない,興味がない人は人生損しているレベル.この後,カリオストロ,ナウシカ,ラピュタ,そしてその後のジブリ作品の原点がここにある.宮崎-大塚コンビ,そして杉野-出崎コンビ富野-安彦コンビ…70~80年代はえげつないのぉ.

現在,NHKは4話まで放送.この先バラクーダ号に乗ってインダストリアに行くが,もうラナ救出時のコナンの身体能力にはあきれるしかない.まぁ,この先もとんでもないシーンがてんこ盛りなのだが.

不思議なことに,みんな大好きAmazon Prime Videoでも再度配信スタート.NHKの週一回放送が待ちきれない場合,こちらで観るという手もある.通常の4:3画面である.KazchariもZwiftしながら観てます.もちろんこれまでも何度か再放送を観ているが,ところどころ忘れている箇所もあるし,何より並行配信されている岡田斗司夫のYouTube解説がディープで面白く,その確認も面白い.

タパタパだっけ? 第3話にて,これをジムシーとコナンが吸う場面があり,どこからかクレームがあったのか,その後の再放送ではコナンの吸う場面がカットされてきたとのこと.気づかなかった.今回のNHKのリマスター版では無事シーン復活.そうやねあくまで「タパタパ」であって「タバコ」ではないのでセーフ.つーか,フィクションしかも人類ほぼ絶滅後の世界に,現代の倫理感を持ち込んでどうする,という気もする.

今回,見直して暴力シーンの多さというか,主人公のコナンって,ドンゴロスレプカなどの大人にボコられ続けていることに気付いた.
そう,人類ほ絶滅後は決してやさしい世界ではない.今の新コロストレスによる家庭内DVどころの比でないほど人々の心は荒れているだろう.さらに,パズーにしても千尋にしても,子供に対して容赦がないのが宮崎アニメの特徴でもある.大人社会に入る,大人社会から何かを奪う(権利やプライドなどの無形物を含む)にはちゃんと対価を払う必要がある.それでも生きていけという強烈なメッセージを感じる.
確かにKazchariも子どもの頃,(理不尽に)親や教師からどつかれまくったし,友達同士でのケンカもしょっちゅうやった.そんな自分でも『コナン』のボコられるシーンにはギョっと感じてしまう.今のぬるい世界には慣れてしまったのか.決して暴力を肯定しているわけではない.念のため.

まぁ,今後のストーリー的にはレプカを除き,モンスリーをはじめ,みんな仲間になって行くので安心(?)して見続けられるのだが.

いずれにせよ,コナンこそ理想の男の子像やな.現状,とりあえず雰囲気だけ似ている我が息子.コナンのようにパワフルに生きてくれ(”純粋に”とは言ってない).

勝手に『ランボー』祭り

2020/5/21 Thu

少々誤解していたようだ

Amazon Prime Videoにて,映画『ランボー』のシリーズ”1~3”を連続鑑賞した.
言わずと知れた超有名映画である.現在4作目まで制作されている.新コロのせいでどうなるのかわからないが,(一応)最終章となる『ランボー ラスト・ブラッド』が6/26より全国公開となっている.本国では昨年公開で,輸入盤Blurayは発売済み.☆の数が多いので劇場で観るのが楽しみである.Kazchariは映画好きではあるが,なぜかこれまで『怒りの脱出』と『最後の戦場』しか観たことがなかった.

『ランボー』First Blood (1982)

ランボー 4K Ultra HD Blu-ray (Ultra HD Blu-ray +Blu-ray 2枚組)

原題の「First Blood」って,格闘技における”先制攻撃”ということを初めて知った.この『無印』(のみ)が名作という声がよくある.
Kazchariはと言えば,大まかなあらすじを知ってはいた.たぶん子供の頃,TVの〇〇洋画劇場で親父と一緒にとばしとばし観たいたような気がする.で,今回初めてちゃんと通して観たところ,これが実に面白かった.

スタローン若い! なんつーか,高倉健の893映画に通じるというか,我慢に我慢を重ねて最後に爆発→反撃ってのがいいねぇ.悪役たる保安官側の描写も上手いので,視聴者の義憤を十分満足させ,その後のランボーの行動に感情移入させる.特に中盤の派手に撃ちまくるのではなく,ゲリラ戦法で一人一人無力化していく描写にしびれる,あこがれるゥ.
しかも,ランボーは誰も(故意に)殺していない.カーチェイス時の事故はちょっと微妙やけど.まぁ,後半のマシンガンによる街の破壊もスカっとはするけど,以降のシリーズではこちらの演出が代表的になっていくのが残念.

誰にも受け入れてもらえないベトナム帰還兵のやるせなさ.それはナイフを突きつけられた時のPTSDや最終場面でのトラウトマン大佐への告白などで表現されているが,2作目以降の映画ではすっかり忘れられていますな.アクション映画成分がどんどん増えていく.

ところで,このブログでやたら取り上げてる『ボトムズ』.このアニメは様々な洋画のリスペクトてんこ盛りやけど,主人公の設定に『無印』ランボーも含まれているように思う.
ベトナム戦争の終結は1975年.公開年=物語年としたら,7年間,ランボーはどこで何をしてたのだろう? まさか,別の若い役者を立てて『ヤング・ランボー』とか『トラウトマン・ファイルズ』とかのミッシング・ストーリーを撮影したりして…ってますますボトムズ

『ランボー/怒りの脱出』(1985)

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怒りの脱出』は確か当時の彼女と劇場(梅田の松竹会館)で観たなぁ…かなり大ヒットしたはず.中身は無印ランボーの深刻なテーマがかなり影を潜め,ドンパチ要素が格段に増えた.ヒロインの女優さんキレイやけど,ランボーには色恋不要

同年公開の『コマンドー』ともども”バカ映画”だの”筋肉祭り映画”だの散々な言われよう(両方とも好きですが).まぁ,ストーリーは単純でご都合主義だし,ちょっとランボーが無双過ぎるとか,拷問が生ぬる過ぎるとか…(ただし豚のトイレ漬け+ヒルは結構強烈)
最後の怒りの爆発につながるきっかけで失うものが異なるけどな.『無印』は自分の尊厳,『怒りの脱出』は現地恋人(というか安らげる女性)がきっかけ.テーマ的には前者の方が説得力あり.
そやけど今回あらためて観ると,ちゃんと『無印』の続編してた.換骨奪胎しているものの,その思想を受け継いでいることに今回気づいた.当時は聞き流していたけど,ラストシーンの台詞が実に良い.

「俺が望むこと,彼らが望むこと,そしてこの土地に来て腹をえぐられ,戦いに全力を投じた彼ら全員が望むことは,俺たちが国を愛するくらいに,国が俺たちを愛してくれることです」

いやぁ,新コロ騒ぎ真っただ中の某国の総理大臣に聞かせてやりたいセリフやな.

『ランボー3/怒りのアフガン』(1988)

ランボー3/怒りのアフガン4K Ultra HD Blu-ray (Ultra HD Blu-ray +Blu-ray 2枚組)

人生初鑑賞.全く期待せずに観たらやっぱりダメだったパターン.ホンマ,この『アフガン』はなぁ…ヘリが本物の「ハインド」ではない,というのが一番気にかかる…というのはおいといて,ランボー(=アメリカ)がアフガンのムジャヒディンの聖戦士と手を組んで戦うというのが最大の皮肉というか,その後の世界史を考えるとトンデモない映画になっている.
話の展開もトロいし,カタルシスがない.ランボーとトラウトマン大佐の関係も何か違和感がある(あまりにもシリアスさに欠ける).最大の欠点は『無印』のテーマである,味方にさえ裏切られるというベトナム帰還兵(エクスペンダブルズ)要素がほぼ皆無になってしまったこと.そうなるともはやランボーではない.戦車vsヘリのクライマックスなど戦闘シーンは派手(CGではなく本物の火薬)やけど印象に残らない.

というわけで,3日間連続で観たランボーシリーズの感想でした.『最後の戦場』? ”最後”にはならなかったけど好きですよ.あれは良くできている.

ランボー 最後の戦場 [Blu-ray]

『プライベート・ライアン』を久しぶりに観た

2020/4/29 Wed

Earn this. Earn it.~無駄にするな.しっかり生きろ

プライベート・ライアン (4K ULTRA HD + Blu-rayセット) [4K ULTRA HD + Blu-ray]

時短勤務のため家にいる時間が増えた.食べるか寝るかZwift/3本ローラーの日々.結果,チャリに乗りながらのAmazon Prime video漬け.
家事をしながらのBBCセミドキュメント『D-Day 壮絶なる戦い(字幕版)』の後は,無性に『プライベート・ライアン』が観たくなった.この映画は3時間もあるので2回に分け,その間Watopiaを80km以上走った.

プライベート・ライアン』は言わずと知れた名画.もちろん劇場公開時も観た.

有名なのは,何といっても冒頭30分のノルマンディ上陸作戦オマハビーチの阿鼻叫喚.初めて観た時の衝撃は忘れられない.映画ファンによる「一番エグくリアルな戦闘シーン」ランキングでは,まず上位にあげられよう.
展開が強引なスプラッタ系ムービーを除くと,人体破壊描写で匹敵するのは『ランボー最後の戦場』ぐらい? CGがより進化した最近の映画,例えば『ハクソー・リッジ』の戦闘シーンにも引けを取らない.かのボトムズも『ペールゼンファイルズ』で完コピしてたな.

ランボー 最後の戦場 エクステンデッド・カット [Blu-ray]

「ハクソー・リッジ」スタンダードエディション [Blu-ray]

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版 [Blu-ray]

残りの2時間半近くは,尻つぼみ感が否めない…と思っていた時期がKazchariにもありました.これは単純に戦闘の規模が徐々に小さくなっていったことに比例する.
10年ほど前,自宅にプロジェクタ100インチスクリーン7chのホームシアターを導入した際にこの映画のBlurayを試聴した.四方八方飛び交う銃弾に興奮したものの,やはりその時も30分で観るのを止めた.

しかしながら今回,何年かぶりに観ると新たな発見があって非常に面白い経験ができた.いや,自分が老いてこれまでと観る視点が変わったと言うべきか.

以下,ネタバレ

-映画レビューサイトには「アメリカ万歳が鼻について楽しめなかった(だから酷評)」という見当違いのものがあったり,「なんでライアンだけを犠牲覚悟で探させるのかわからない(だから酷評)」というのもあったが,これもどうだろう.息子全員を無くしそうな母親に同情というよりも,戦意高揚のプロパガンダに利用したかっただけの話では? 上級将校がセリフで匂わせてなかったっけ?

-ミラー大尉は自分の心情をほとんど語らない.捕虜を逃がす逃がさないで部下がもめた時に諫めるシーンぐらいか.他は全て表情・身振り(特に右手の振戦)だけで語る.何でもかんでも台詞+オーバーアクションで説明する日本映画との違いが顕著.日本人って日常やとノンバーバルの察し文化のはずやのになぁ.
いずれにせよ,戦争=殺し合いという狂気の中で何か良いことを成し遂げたいという思いが十分伝わる名演だった.マチルダさんの「戦争という破壊の中でただひとつ,物を作っていく事ができるから,かしらね」という名言にも通ずる.

-映画小ネタサイトで知ったのだが,最後の戦闘前にライアンことマット・デイモンが兄達との思い出を話すシーン.あのエピソードはなんと全編アドリブなのだそうな.恐るべしジェイソン・ボーン

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-昔は気にも留めてなかったけど,ミラー大尉の遺言「Earn this. Earn it.(無駄にするな.しっかり生きろ)」ってええ言葉やな.
反戦映画だとか,単なる戦争アクション映画だとかのしょうもない評はともかく,この全てを総括する最後の台詞が何よりも記憶に残った.

ほとんど戦時下の昨今.医療関係者,物流関係者などが命を懸けて働いている.
現場から離れている自分に何ができるのか,また,過去に何を残せたのか,未来に何を残せるのかと考えさせられる想定していなかった映画体験となった.

『歴史秘話エヴァンゲリオンヒストリア』が酷すぎた件

2020/4/20 Mon

これは誰得の番組?

4/15に放送されたNHK『歴史秘話エヴァンゲリオンヒストリア』を録画で観た.

Kazcahri家では,娘が“歴女”ということもあり,『歴史秘話ヒストリア』を毎週視聴している.知られざる歴史の謎や最新資料による再解釈など,基本的に見所の多い番組である.

その『ヒストリア』が特番として,エヴァネタを放送.おお,こりゃ制作秘話やら『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の最新情報などが見られるかと思いきや…えー,文字通りBS4Kの番宣でした.新解釈どころか,劇場版の単なるあらすじ紹介(ということであればヱヴァンゲリヲオンヒストリアが正解では?).
その中身も,マニア向けでもなければ初心者向けでもない.前者からは掘り下げが足りず,後者にしてみれば重要なネタバレ連発.TV版と劇場版の違いにしても,説明は劇場大画面に合わせたデジタル映像技術の進化だけ…なんじゃそら.

中でも極めつけはストーリーが超難解な『』について.あらすじにすらなっていない.普段,岡田斗司夫のYouTubeチャンネルなどで,異常に濃い解説を聞いているせいか,あまりの薄味にがっくし.以前放送があった『プリキュアヒストリア』は割と面白かったので期待したのだが.

番宣だとしても,BS4Kが視聴できる家庭って,そんなに多いの? Kazchari家は昔から受信料もちゃんと払っている.にもかかわらずアーガイブや衛星放送は別料金ってどういうこった.アプリの「NHK+」も超使いにくいし…ブツブツ

さて,劇場版エヴァの解釈,特に『破』から『Q』の落差に関しては様々な説があるが,Kazchariがしっくりくるのはいわゆる「notありなしパラレルワールド」説である.それぞれのサブタイトルは以下の通り.

『序』YOU ARE (NOT) ALONE. 「君は1人だ(1人ではない)」
『破』YOU CAN (NOT) ADVANCE. 「君は進むことができる(できない)」
『Q』YOU CAN (NOT) REDO. 「君はやり直すことができる(できない)」

これらをnot⇒×⇒notで制作.よって上映されたのは「君は1人じゃないし,進むことができる.でもやり直せない」という物語.ひっくり返すと「君は1人だし,進めない.でもやり直せる」という話が存在していることになる.もしくは2×2×2で8通りの組み合わせなのか? もし『Q』がnotなしの「やり直せる」話ならここまで混乱を招かなかったのでは?

で,新コロのせいで残念ながら上映延期になった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のサブタイは「THRICE UPON A TIME」.どこにも(NOT)がつかない.「ONCE UPON A TIME」ではなくて「かつてあるところで3回」?
例によって謎が謎を呼んでいるが,NOTの有無に関わらず,これまでの映画(とTV版も)がついに総括されるということなのだろうか? 最新のヴィジュアルだと「さらば,全てのエヴァンゲリオン」なんてコピーもついてるしな.

いずれにせよ,「notありなしパラレルワールド」説が正しい場合,劇場版の映画は3×2-3ということで,作られなかった映画が3本もあることになる.それはそれで観てみたい.完結は30年後ぐらい?『Five Star Stories』かいな? こうしてエヴァの呪縛は続く.

『ジェームズ・メイの日本探訪』がやたらに面白い

2020/4/7 Tue

変なニッポンではありません.

ジェームズ・メイの日本探訪 (字幕版)

ジェームズ・メイと言えば英国の名物司会者で,自動車バラエティ『トップ・ギア』が有名.
Kazchariはそれほど車好きではないので,2,3話観ただけで打ち切った.

彼の番組では,何といってもEテレで個人的絶賛放送中の『地球ドラマチック』で2012年に放送された「鉄道模型で行こう~廃止路線16キロを走破~」回が印象に残っている.

他にも模型グライダーでドーバー海峡を横断させたり,GIジョーを超音速で飛ばしたり...と小学生男子が好きそうなジャンルの実験や取材が多くて,日本で言うと...所ジョージ的な存在?

さて,Amazon Prime Videoでのオリジナル企画,『ジェームズ・メイの日本探訪』がすこぶる面白い.
日本人でもほとんど知らないマニアックな場所や文化,参加したことがないイベントに独自っつーか英国人らしくシニカルな視点でぐいぐい迫る.
冒頭にはわざわざ「番組内で話される内容は出演者の個人的見解です」とのエクスキューズが流れる.
残念ながらそこまで物議をかもすような発言はしてない様に思えるけど.
また,各編で違う日本人通訳がつくのだが,どうもプロの方ではないようで,全然固くない.
クセのあるやり取りが面白い.

日本を6分割し,50分ずつじっくり紹介している.
内容を忘れないように最初の3エピソード分の簡単なレビューを書いておくことにした.
内外問わず通常の紀行番組では中々取り上げないネタが多い.
どれも“実際に体験してみる”がベースになっている.

【北海道編】
- いきなりの犬ぞり体験でコケまくる
- 居酒屋での地元民と交流.とりあえず“スミマセン”連発.
- ガチな雪合戦に飛び入り参加.なぜか通訳に罵倒されて“スミマセン”
- 食堂でのラーメン注文に迷う.自販機に英語表記なし.半券システムが分かりづらい?
- 刀鍛冶に弟子入り.途中で交代させられる
- 地ビールに美味いものなしと思っていたら美味かった
- 小樽でタコ漁に挑戦するも不発.他の漁師から買って料理する
と,エピソード1からかなりマニアック.「ばんえい競馬はあまりに退屈だったのでカットした」に笑えた.

【東北編】
- 民間製作の巨大ロボに試乗.デカ過ぎて屋内専用だが,ちゃんとタマも発射できる
- 修験道,山伏体験と言っても参道を歩いただけ.露天温泉ははじめて?
- なぜか男性地下アイドルのライブに参加,ファッションのくだりはなんじゃそら?
- 仙台と言えば牛タン.英国ではあまり食べない?
- 甲冑を着る.相当重いらしい.サムライリスペクトが半端ない.本気?
- 南相馬と浪江町訪問.車内でガイガーカウンターの警報が鳴る.避難地域に戻り開業している食堂を訪問
- 豪華列車の四季島に乗る.とんでもない料金.撮影用料理に手をつけてしまう
エピソード2の白眉は汚染地域のドライブでしょう.日本では絶対にここまで放送しないと思う.

【関東編】
- 大混雑&複雑怪奇な地下鉄
- 猫カフェ体験.最近は海外にもあるが日本は動物の種類が多い
- カラオケ.路上で会った初対面のサラリーマンと,日本人の“Honne and Tatemae”への分析が面白い
- 花見.桜よりも騒いでいる日本人にフォーカス
- 川崎のペニス祭り(かなまら祭)で神輿体験.これ,日本の番組で放送できるんやろか?
- 秋葉原の変なアイデアグッズにあきれる.その究極であるウォッシュレットは驚異の技術
- 鉄道マニアと鉄道談義.架空のジェームズ・メイ駅のテーマを作曲してもらう
- 俳句のコーチを受ける.まぁ,お互い理解するのは難しいわな
- 回転寿司.最近は海外でも増えているらしく珍しくはないようだ.皿クジは別.
- 交通違反.追い越し禁止ラインを越えてしまった? 罰金処分?
- 声優学校で犬の役.上手い.
- チームラボボーダレス.ここには個人的に行ってみたい

もう,いろんなジャンルがてんこ盛り.

海外のホテルに泊まると,たまに日本紹介番組を放送している.
アニメなどのサブカルの他,富士山料理や伝統工芸系が多いように思う.
現地の言葉か英語で聴いているので誤解があるかもしれないが,概ね無難,悪く言えばつまらない.
一方でメジャー映画に登場するフィクションの「ニッポン」の何と変なことか.
この差は確信犯なのか?
この『日本探訪』は非常に良質なエンタメ・ドキュメントだと思う.

ジェームズは25年前にも来日したことがあるらしく,東京編のまとめでは「最先端テクノロジーを駆使した独自性は薄まったが,まだまだ東洋の神秘的な部分は残っており,その探求が楽しみ」と話している.
その趣向が訪問先や取り上げるトピックの選択につながっているのだろう.
日本は西洋人にとってまだ魅力的か?
インバウンドが増えたのは”異常に”コスパの良い国になったから」というのがよくある分析だが,少なくとも彼の日本への関心は本物のように思えた.

ここでふと考えた.

日本で放送されている世界を取り上げている番組って,現地ではどの様に受け止められているのだろう?
日本人は外国のことを正確に理解していると思っているのは自分だけ…というのはよくある話.

後半のエピソードも楽しみである.

インド映画の思い出

2020/4/1 Wed

悩んでいる若者には,ついついインドに行けと言ってしまう

OLYMPUS TG-5

世の中には「〇〇が人生の悩みの99%を解決する」という格言があるとかないとか.
〇〇に入る言葉として「筋トレ」や「自転車」に反論する者はいないと思われるが,Kazchariはそこに「インド」も加えたい.かの地には人生の全て(生・老・病・死)があり,真と嘘,聖と邪,スラムと高層ビル,貧困と裕福などの相対する混沌とした事象の渦の中に放り込まれれば,己が“一人であって一人ではない”ことを痛感できるであろう...

と,えらそうなことを言っているKazchariですが,それほど長期間滞在したわけではない.改めて思い返すと1990年に北インド(+ネパール)に3週間.また1995年には南インド(+モルディブ)に3週間ほど.いずれも30年近く前の話である.変化していないわけがない.しかしながら,日数や頻度で言えばより馴染みがあるタイインドネシア,および2年居住したジャマイカよりも圧倒的に印象深い国.それがインドである.

というわけで,そんな太古のインドでの体験(認識)ですがご容赦を.そのうち「旅の回顧録~1990年のインド」公開予定(まるでニーズがない).

インドと言えばカースト制度.法的には禁止されているが,社会には差別(区別)が依然として残っている.職業には貴賤があり,基本的には親の職業を継ぐ(旅行者は親の職業を良く聞かれるので要注意).文字通り分相応な夢は見ない.一方で,身分が固定していることに心理的・社会的安心感があるという意見も聞いたことがある.「自分の運命があらかじめ決まっていると“覚悟”ができる」って...あれ? プッチ神父

インド映画はそんな庶民のファンタジー.叶わない夢を体験しよう的要素が強い.インド映画の特徴と言えば,まず長いこと.『きっと,うまくいく』も3時間近くある.余計なシーンを削ればもっと短くなると思うが,それはない.なぜならインド映画だから.夢見る時間は長い方が良い.途中でちゃんと休憩タイムもあります.
そして,唐突に始まるミュージカル(群舞)シーン.話の流れやキャラ設定を無視することもしばしば.『きっと,うまくいく』にも2回ほどあります.曲も良いがインド映画にしては少ないし地味.コメディはコメディやけどシリアス寄りの内容やから?

Kazchariは旅行中,現地でよく映画を観る.以下,思い出に残ったものである.

シンガポール⇒『クリフハンガー』:冷房が効きすぎ.臨場感ありすぎ.半袖で入場し死ぬかと思った

ジャマイカ⇒『パッション』:イエスの拷問・処刑内容をどれだけリアルに描くかに”文字通り”心血注いだ内容に,敬虔なクリスチャンが多いジャマイカ人大号泣(もしくは失神

アルゼンチン⇒『スパイダーマン2』:もちろん全員スペイン語で吹き替え.オンブレ・デ・アラーニャ.

フィリピン⇒『アイアンマン2』:これは英語セリフのまま.ここも寒かった.

などなど.基本的に台詞の意味がわからなくてもOKなアクション映画を選択.で,肝心のインドですが...
1995年.南インド旅行中のKazchariは商店でも食堂でもバスの中でも,いつも同じ歌が流れていることに気付いた.あまりにもリピートされるので覚えてしまった.それは空耳で「♪クチクチラコマーチャーサイナ アレクスミナ~イブラアマ チャミスミ~コーカラ~」とかなんとか….気になったので店員の目の前で口ずさんでみたところ,ちゃんと通じた.

「それ,ボンベイの歌やで」
「へっ?ボンベイって都市の?」
「ちゃう,映画や」

そう,当時インドで絶賛上映中の『BOMBAY』の挿入歌だった.その町の映画館に早速観に行く.

今はどうだか知らないが,当時は入場料によって席が決まっていた(つまり階級).前列は安く,後列は高い.外人はどこでもOKなのだが.後方にしとけと教えてもらった.理由は途中のダンスシーンになると,前方はみんな歌って踊って大騒ぎする場合があるから(毎回ではない).そこに外人がいると危ないのでやめとけという忠告だった.

さて,この『BOMBAY』,映像もストーリーも素晴らしかった.ヒンドゥーとイスラムの対立から生じた現実の暴動事件に,主人公とヒロインの悲恋を絡めた社会派映画である.おかげでボンベイ(現在のムンバイ)では上映禁止だったとか.例の“クチクチラコマ”な歌も大ヒットしていた.映画を観た翌日,おみやげにカセットテープを,数年後に日本で公開された際には.DVD(輸入盤英語字幕)とサントラCDも購入した.

ボンベイ [DVD]

日本では同時期に『ムトゥ 踊るマハラジャ』も大流行し,インド映画が大ブームになった.KazchariもCDを買って一時期ヘビロテ(死語).

ムトゥ 踊るマハラジャ ≪4K&5.1chデジタルリマスター版≫[Blu-ray]

最近では『バーフバリ』が話題になった.Kazchariは未見だが,Primeに登録されたら観る予定.

バーフバリ 伝説誕生 [Blu-ray]

インド映画はブーム定期的に繰り返すなぁ...クセがありすぎて続かんけど.

今や配信にて大抵の映画は観ることができるようになった.またインド映画をなどのマイナー系もYouTube,もしくは輸入盤で見つけることができる.つまり,日本にいながらにして世界中のコンテンツを楽しむことはできる.だが,外国の映画館で観る,ましてや,その国で製作された映画を観るのは独特で貴重な体験だったように思う.

1995年 カルカッタ(現コルカタ)