『Giro d’Italia 2020 Stage3』の感想

2020/10/6 Tue

G,ダウン.

まさかの展開.
まだStage3である.
ツールに続いてイネオスにまたしても悪夢が.
町中のパレード・ラン中,落ちたボトルを踏んだ『G』ことゲラント・トーマスが転倒!

以下は一般の人が撮ってTwitterにアップした動画.

結構な勢いで落車したように見える.
赤かオレンジ色のボトル(?)が転がっている.
バンピーなところを走った衝撃で落ちたのだろうか.
約1/170の確率で絶好調の優勝候補が犠牲になるとは...
これはあれやな,ツール2014のフルームと同じか.
あれも確かStage5だったと思う.

昨夜の配信スタートは19:25.

GCNの実況・解説に不安を覚えたと書いたばかりだが,今日は土井ちゃんお休み.
木下さんとオバタさん(?)のダブル実況態勢となった.

実況と言えど,オバタさんは解説者ポジション.
ガチのシクロクロッサーのようで,「ファンアールトやマチューのシクロレースも是非見て下さい」という言葉に説得力あり.見たい見たい.

Kazchariはブルベヒルクライムレースに参加しているが,シクロクロスはさすがにない.
近い物としては,一度フカフカの雪山レース(スキー場)にファットで出たことがある.
あれは辛かった.
バイクを漕いでいるより,下りて押す時間の方が圧倒的に長かったなぁ...全然違うって?

さて,送開始直後から『G』落車の話は出ていた.
その後のメイン集団における様子も明らかにおかしい.
ジャージ左半身穴だらけ.
表情に余裕が全くない.
そして...
エトナの登りに入る前にズルズルと後退していく.
先日のツールでも同じジャージが同じような状況に陥っていたなぁ...

今年のジロはTT多めのG向けコース設定と言われている.
それがStage3のスタート前の落車で全て崩壊してしまうとは.

Gがツールの2018年で優勝した際に,指摘されていたのが「勝つためにはミスをしない」こと.
若きレース監督が病気で亡くなって以来,イネオスはツキに見放されている.

ガンナの引きと下りで一瞬集団に追いつくも,TREK(ニバリ)の牽引でGつぶし開始.
もはや集団についていけないG.

この追走の際,気になったのがGの後ろに張り付く選手.
ゼッケン13のアンドローニジョカットリのセペダオルティス(舌かみそう).
この「13」をもらった選手はキリスト教の縁起を担いで,逆さま付けにすることが多い.
しかし,このセペダオルティス(エクアドル人)はまんま「13」で貼り付け.正に死神!(確認すると片方は逆さまでしたって,片方だけかい!)

うーん,これで総合争いの見どころが減ったなぁ...てことはサイモン・イエーツ有利か...と思いきや,なんと今度はそのサイモンが遅れ始める!
なんじゃそりゃぁ!

結局,総合勢ではニバリフルサングが上位でゴール.
二人とももちろん実力者.
しかしグラン・ツールで優勝するには,もはや年齢が行き過ぎているようにも思える.
それにチーム力も.

ホンマ,何があるかわからんね.
正直,Gが以後の優勝争いに絡まないとレースがつまらなくなる.
イネオスのBプランとしては,ディケンズを愛読しているというゲオゲガンハートがエース?
おおっ,こっちも『G』!...いやファーストネームはTaoなので『T』か.

すっかりステージ優勝者を忘れていた.
逃げ切り優勝したのはEFのエクアドル人,カイセド
南米人クライマーらしく小柄.
ハンドルとサドルの段差があまりないので親近感を覚える.
ジャージの件といい,EFは今回話題沸騰やな.

Gやサイモンのような,いつも名前があがるGCライダーが一気に遅れるシーンを見ると,「世代交代」という言葉をひしひしと感じる.
まだニバリやフルサングが残っているものの,今回のジロもツール同様に若手が勝ちそうな気がしてきた.

『Giro d’Italia 2020 Stage2』の感想

2020/10/5 Mon

ローマ時代の遺跡だらけ.

ホンマ,イタリアっつーかシチリア島はキレイやな.
街並みも遺跡も近代建築さえも.
特に今日のコースは高速道路の高架橋を何度も走る.
絵的に美しい.

ただし路面状況は凸凹+スリッピーでめちゃめちゃ悪そう.
北海道の道路も本州勢には評判悪いがそれ以上のようだ.

昨日のレース終了後に様々な情報が出てきた.

まず「EFのハデハデジャージに罰金」事件.
別にデザインに問題があったわけではなく,変更の届けを出していなかったからだそう.
もしこのまま最終日まで着続けると日本円で1000万諭吉に達するそうな.
とりあえず今日のStage2でも着ていたが,「宣伝効果でペイできる」とスポンサーが納得したのだろうか?

M.A.ロペスの転倒は道路の穴にハンドルをとられたからだそう.
実はStage1ではもう一人タイムアウトで失格の選手がいたらしい.
機材トラブルでバイク交換しているうちに間に合わなくなったとか.
そういや去年の大会でも日本人選手が...

Stage1の個人TTで圧倒的な強さをみせたフィリッポ・ガンナ
そのインパクトある名前を世界中でじられているらしいが,現地では「トップガンナ」と言われているそうな.
確かにめちゃめちゃ強そうだ.

さて,今日のStage2.

優勝はUAEのウリッシ.
いつの間にかスルッと出てきて,ゴール前スプリントに参加したサガンは惜しくも2位
なかなか勝てない.
しかーし! 登りゴール2位のおかげで,なんとサガンは山岳賞マリア・アッズーラを獲得!
世にも珍しい青サガンはたぶん今日まで.

レース展開的には,世界最高の逃げ屋であるデヘント先生が5人で逃げた.
ひとり走力が飛びぬけているのでポイント取りまくる.

集団はイネオスのコントロールが終盤まで続く.
マリアローザがガンナ,および総合勢のトップがだからだろう.
それにしても明らかにツールより良いメンツがそろっている.
単純に強そう.

Stage2ではジャーナリストも選手間でも,マイケル・マシューズが勝つという予想が多かった.
登れるスプリンターが優位とされるステージでは毎回名前が挙がる.
そのマシューズ,このStage2の試走はGoogle Mapで行ったとのこと.
そういやツールでも,サイコンを地図表示にしている選手もいたなぁ.

優勝候補の一人,ヤコブ・フルサング(アスタナ)にまたも悲劇が.
M.A.ロペスに続き,強力なアシストであるウラソフが腹痛でリタイヤ.
ジロ後半の凶悪な山岳コースで勝てるのだろうか...おっ,そういえばツールで勝ったポガチャルも早々にアシスト失ってたなぁ.なんとかなる?

Kazchariは今回の『ジロ』をGCNレースパスで視聴している.
同日開催中の『Liège – Bastogne – Liège』の映像がいきなりインサートされて実況の人が慌てるのが面白かった.
そう,日本での放映権はJsportsにあるのだ.

ちなみにこの『Liège – Bastogne – Liège』を豚ワイアードさんは「ツール第23ステージ」と呼んでいる.

ジロ&リエージュ感想:おもしろすぎる事件発生!

それくらい豪華なメンバが出場中.
世界王者のアラフィリップがツールでの補給ミスペナルティに続いて今回もやらかした.
ゴールを確信し手を上げた所をログリッチェに差されるわ,スプリント中に斜行して降格処分になるわと散々.

さて,『ジロ』のGCNの実況について.
Stage2にして早くも心配になってきた.

解説の土井ちゃんはオーストラリア在住なのでZoomでの参加なのだろうか?
音声トラブル結構多めで,しょっちゅう行方不明になる.
その間,実況の木村さん(?)一人でがんばっている場面多かった.
選手プロフィール紹介の「好きな音楽」を見て「『everything』ってMISHAじゃないですよね?」とか,やや無理矢理感.

よく考えればGCNの放送はパレードランからゴールまでフル実況.
これからも最後までこの2人で乗り切るなんかな.
だとしたら大変.

ロードレースは4,5時間の中継のうち8割以上何も起きへんからなぁ...
話のネタは大丈夫か?
早くも土井ちゃんが愚痴っぽくなっている印象.
ゲストを呼んだ方が良いのでは?

今夜はStage3.エトナ山登場.

GCNレースパスで『Giro d’Italia 2020 Stage1』

2020/10/3 Sat

レースパス買いました.

本ブログで最近アクセスが多いのが,GCNがロードレース配信?という記事.

やはりジロ開催にあたって,GCNのレースパス購入を悩んでいる人が多いとみた.
先ほどの記事は内容がやや古い(「90分の視聴制限があるかも」など)上に,結局入らずじまい.

ツール・ロスを経て,やはりグランツールは生が一番.
それに「10月のジロなんて今後2度とない」とかなんとか理由をつけてレースパス購入を決意.
それに月入会なら900円と,ほぼラーメン一杯分だ!

結論.
日本語実況付きだし,iPadで横置きで最大画面にできるし,HDMIコネクタをつなげればテレビ他モニターでの視聴も可能.
一時途切れることもあったが通信状況まぁまぁ.
ただし,一度アプリを閉じると再生が最初に戻るので,翌朝続きを観るには残り距離やタイムを記憶(記録)しておく必要がある.

うれしい誤算としては,10月開催になったことにより,日没を考慮しスタート時間が早め.
つまりゴール時間も早いわけで,東洋で中継を観ているこちらも助かる.

最初は言語の変更の仕方がわからなくて実況をデフォルトの英語で聞いてた.
1時間ほど経過した頃,右上の設定で変更可能に気づき,無事,土井ちゃんの声が聞けた.
実況の人,去年DAZNでよく聞いてた声やな.
DAZNでのジロ中継の実績を買われてGCNから指名されたか.

『Giro d’Italia 2020』は当初,ハンガリースタートだったが,シチリア島に変更された.
ニバリの故郷らしい.Kazchari的には『ゴッドファーザー』の舞台だが.

さて,Stage1の個人TTは非常に変わったコース.
前半少しだけ登った後はダウンヒルと平坦が続く.
とは言え,街中の石畳っぽい狭い道や急カーブがあったりとなかなかトリッキー.
気合の入りすぎた実力者のカンペナールツも転倒した.

早めに登場のサガン,最初の1.1kmの登りをめちゃめちゃこいで,しばらく山岳トップタイム
まさかのマリア・アッツーラかと思われたが,最終的には抜かれてしまい残念.

EFのジャージやヘルメットが話題になっている.
全体的にクラシックで80年代風?
ローソン・クラドックのヘルメットに至っては,カラーリングだけでなく,形状も火星人の頭部風+目玉付き.
実況の人,前面の目玉デザインを「パーマンみたい」と言っていたが,Kazchari的には二輪つながりで「SP忠雄」やな.

名前のやたらカッコ良いフィリッポ・ガンナ.
平均時速58.8kmやって!
ピナレロのTTマシンも超カッコ良い.
ゴールドというより玉虫色
身長190cmを越えるガンナの足の長さに合わせてシートとハンドルの段差がとんでもない.
フロントギア60!
ちなみにフレーム単体で165諭吉らしい.

例によっていつもフルネームのミケル・アンヘル・ロペスがハンドルを持ち変える時にバランスを崩してクラッシュ.
救急車が呼ばれてリタイヤとなった.
ツールのStage1でも植木に突っ込んでたなぁ...

一時,風が非常に強くなり,後輪ディスクホイールのTTマシンが横風に煽られる煽られる.
その被害を一番被ったのがローハン・デニス
直線でもTTバーが全く握れない.
土井ちゃんなんかはレースがキャンセルされるのでは?とか言ってたな.
近くで山火事なんかもあり,中継ヘリが飛ばなくなるなどのトラブルもあったが,結局レースは最後まで続行.

優勝はやはりガンナ
2位はクイックステップのアルメイダ
アルメイダと言えば『24』やな.ポルトガル系(ブラジル系)の名前なのか.
総合系では「G」がトップ.
優勝大本命である.

ステージ優勝者だけ表彰式が中継された.
ツールと違ってポディウムガール2名(+主催者と市長?),それにシャンパンシャワー付き.
さすが適当なイタリアっぽい.

さぁ,視聴者も今日から三週間の闘いが始まる.

『Tour de France 2020 Stage21』の感想

2020/9/21 Mon

今年もツール・ロス.

『Tour de France 2020 Stage21』は通例通りパリ・シャンゼリゼゴール

2013年の第100回大会以降恒例となった,凱旋門をぐるっとまわる周回スプリントレースは今年も健在.
パリ中心地の人口は214万人.スロベニアより多い.
12歳以上マスク着用義務.
違反すると罰金やら禁固刑になるらしい.
それでもパリの感染者はうなぎのぼり.

「パリにたどり着くことは奇跡」と言われたこの大会.

そのまさかの奇跡が起きた.
ただし,観客はほとんどいない.
黒い警備員だらけ.
どこかデストピア感漂うシャンゼリゼを,夕日に照らされながら,世界で一番美しい乗り物が走る.

シャンゼリゼの石畳はZwiftで経験済み(キリッ).
本物は全然ちゃうんやろな.

周回コースに入るまでの半パレードランでも,いつものシャンパンはなし.
サガン自ら白旗宣言(「最終日はお祭りだよ」とか)し,中間スプリントも争わずマイヨ・ヴェール確定.

勝ったのはSベネパーフェクト・グリーンやな.こういう勝ち方も長い間なかったんとちゃうか.

【総合1位:ポガチャル】

今日も今日とてヘルメットからはみ出た金色のアホ毛.
メットを取るとツンツンのソフトモヒカン
この日が21歳最後の日になるらしい.
あっ,ポディウムで広げた国旗,裏返しやで.
ベルナルもそうだが,ホンマ落ち着いたしゃべり
どう育ったらこうなる.
ベルナルもそうだが,若くして成功した選手にはクネゴ臭がする...とかなんとか栗村さんが不吉なことを...

使用機材もここ数年なかったコルナゴ+カンパの組み合わせ.
ホンマ,オーソドックスなデザイン.これで売れる?

2020年代はポガチャルの時代になるのだろうか?
チーム(UAE)が弱くても大丈夫なのか?

【総合2位:ログリッチェ】

今日になってログリッチェの敗因が色々記事に上がっている.
バッド・デイだったという説もあるが,タイムはそれほど悪くない.
主催者側が用意するマイヨ・ジョーヌ用スキンスーツと新型ヘルメットがダメだったという話もあって面白い.
登りでTTからロードに乗り換える際,軽量化のためバイザーを捨てる.
すると目線の関係か,ヤンキー暴走族のお椀ヘルみたいなかぶり方になる.
ズラがズレてるみたいな感じ.空力はどこいった?
今日は息子さんを連れてポディウムに.
目がそっくり.
ジロかブエルタでリベンジ?

【総合3位:リッチー・ポート】

35歳.何やら来年は古巣のINEOSに移籍するという噂がある.
するとまたアシストに戻ることになるが,もう野心はない?

いつも思うけど,放送の最後に流れる総集編の映像.
編集とBGMが秀逸.
毎年,これ観るとツール・ロスに襲われる.

今年の大会はホンマに素晴らしかった.
チャリ好きになって良かった.

例年だとツールが終わればJsportsを解約している.
月契約なので9月いっぱいは視聴できるとして,10月以降どうするか?
番組内でも散々触れられているが今年は全てが特別.
特に”秋の”パリ-ルーベが気になる.
もちろんブエルタも(11月に突入してしまうが).

しかしなぁ...ロードレースの視聴はなんしか時間が奪われる.
読書など他のことができない(ブログネタにはなるけど).
ダイジェストでガマンするかどうか検討中.
でも,今年のツールのBluray-BOXも買います.絶対.

iPhone11 Pro

https://www.youtube.com/watch?v=egvooChs-fo

『Tour de France 2020 Stage20』の感想

2020/9/20 Sun

とんでもないモノを見た.

『Tour de France 2020 Stage20』は今大会最初で最後の個人タイムトライアル
スロベニア人2人のタイム差は57秒
ログリッチェのTT能力を考えると,よほどのトラブルがなければ,安泰のタイム差と思っていたが...

いやぁまぁ,とんでもないことが起きた.
ジロ2018のフルーム独走以来の興奮!

1分56秒もの大差をつけてポガチャルがステージ優勝!
そして黄,白,赤玉のジャージ3枚Get!
えーい,UAEの白い悪魔め!

前半解説の中野さんが,レース前に「ずっとチームに守られていたログリッチェが,このまま勝っても誰も納得しない(マイヨジョーヌにふさわしくない)」と話されていた.
そう,ログリッチェが目立つシーンはここまでほとんどなかった.
一方で「ログリッチェは,この最後のTTで初めて”レッドゾーン”に入れて最高の走りを見せるかもしれない」と話していた.

残念ながら後者の予想は外れた.
確かにタイムそのものはそれほど悪くない.
チームメイトであるTTスペシャリストのデュムランや何でも屋のファン・アールトにそれほど劣っていたわけではない.

登りの手前あたりから,ログリッチェの正確無比なハイケイデンスなペダリングがむっちゃ乱れてた.
そしてどんどんタイムを失っていく.
モニターを見つめるデュムランとヴァンアールトの表情がぁー
ゴール後,崩れ落ちて放心状態のログリッチェ

2017年のジロでも,最終ステージにてマリア・ローザのキンタナをデュムランが個人TTで破って優勝した.
ただし,それは誰もが予測していた通りでそこに意外性はなかった.
今回は違う.

ポガチャルが異次元過ぎる.

横風分断で失ったタイムをすぐに取り戻し,クイーンステージで借敗したことはあったものの,あれだけアシストをそろえたログリッチェに勝ったわけで,純粋な実力は元々ポガチャルの方が上なのだろう.
何より「上弦の鬼」だらけのユンボに比べ,UAEのアシストは壊滅状態
なのに,ここまで54秒しかタイムが開かなかった.

ここしばらくグランツールを席巻していた「SKY-INEOS:フルーム」の次が突然現れた.
それもチーム力というより圧倒的な個人の力で.
まるで一昔前に戻ったような.
安原会長が話していた”絶対的な選手”が久々に誕生か.
しかも21歳...

それにしても最終日(第20ステージ)が個人TTはいいな.しかも今回のような山岳.
毎回,このパターンでいきましょう!
ステージレースだと,途中で雌雄が決してしまうと,ゴールまでダラダラ流すようなこともよくあるので.

そしてTREK乗りとしては...
リッチーポート総合3位おめでとう!
やっぱMADONEやめてEMONDAにしようかな.

実は土曜日の本配信の時は寝落ちしてしまい,日曜の朝になって見逃し配信で続きをと思ったのだが,なぜかJsports版が用意されてなくて,英語コメンタリーでゴールまで試聴.
日本語バージョンでも早く見直したい.

https://www.youtube.com/watch?v=h9Li5_4A5eg

『Tour de France 2020 Stage19』の感想

2020/9/19 Sat

サガン白旗.

『Tour de France 2020 Stgae19』は(実質)今大会最後の集団ステージレースにして最後のスプリントステージ.
サガンの大逆転を狙ってBORAが何かをするかと思いきや...もうその力が残ってなかったようだ.
4級山岳での仕掛けもなく,その後のスプリントポイントを越えて,ほぼサガン単独でSベネの振り落としを図るが,結局ゴールでは競り負けた.
さらにポイントが広がる.
今年のマイヨ・ヴェールは無理やろな.

サガンは確か契約で(?)ジロにも参加義務があったはず.
マリア・チクラミーノを狙うのか,狙えるのか.
紫のサガンを観たい.

優勝はサンウェブのクラウアナスン
2勝目.今のところは地味な選手.ヒルシュともどもこれから注目あびてくるやろか?

と,レースの話はさておき,今日のゲスト解説のJBCF安原会長
この人がまぁ,強烈なキャラで放送事故スレスレ
ようするにざっくばらん過ぎで口の悪い関西のおっさん.

番組開始そうそうからスタジオ内に緊張感が漂っているのがわかる.
いやまぁ,何ともボケもツッコミも難しい.
あまりいないと思われるが,この日たまたまJsportsを観た人,びっくりするやろなぁ.
番組内でも栗村さんが「(実況中)関西方面はともかく関東方面のお客さんからはクレームがくる」と冗談まじりで話していたが,冗談ではないような気もする.ネイティブ大阪人のKazchariは楽しめたけどな.

さて,安原会長の話で一番面白かったのが「さいたまクリテ」におけるベルナルの話.

なんでかわからんけど,安原会長,ベルナルのことを知らなかったらしい.
マイヨ・ジョーヌを着て,ポケットにカメラやらスマホを詰め込んでガチャガチャいわせてながら「僕のバイクがない!」(すでにスタッフが移動済み)とウロウロしているベルナルを「偽物(のチャンピオン)」と思ったらしい.
ホンモノと認識した後も,まるで自転車レースを始めたばかりの大学一年生と変わらんので,「ベルナルくん」と呼んでいるそうな.
ツッコミどころ満載のエピソード.
ベルナルもリアル坂道くんっつーか,散髪の件といい天然いい人キャラ?

さぁ,明日はいよいよ決戦!山岳TT!

事前情報によると,最後の山の登り口から山頂までのタイムで一級山岳ポイントを決めるそうな.
つまり,ポガチャルは最初から最後まで全力
カラパスは前半ゆっくりと,山だけ全力という走りになる.
どうなるか.

https://www.youtube.com/watch?v=XZVjld-iAfw

『Tour de France 2020 Stage18』の感想

2020/9/18 Fri

三度目の正直.

『Tour de France 2020 Stage18』で,今大会の山岳ステージが終わる.
ライバルにタイム差を大きくつけたければ,ここで動くしかない.
平坦なしのノコギリプロフィールに加え,常時9%以上のブラック峠に山頂グラベル.これは何かのヴァーチャルレースですか?

オンデマンド英語コメ版につなぐと,やたら標高の高い場所に選手が集まっている.
スキーリゾート?
モン・ブランの空撮がやたら映る.
何人かの選手はジレや長袖着用.
それもそのはず.
下りのパレード・ランが21kmもある.長いわ寒いわ.

今回のツールは天気に恵まれている.
雨らしい雨はニースの第一ステージのみ.
今思えば,一番降ってはいけない場所だった.

ステージ優勝はここ3日間闘い続けたカラパスと,万能選手のカワサキさんことクヴィアトコフスキーINEOSワン・ツーというか事実上の同着
記録上はカワサキさんが優勝.

肩を組みながら満面の笑みという,マンガみたいなゴール
『弱ペダ』3年生のIHか,それとも最終回か?
総合優勝ではないのが残念だが,さすがの実力を見せつけたジロの王者世界チャンピオンでした.
こういうシーンには冷めていると思っていたKazchariだが,サッシャの「あえて言いましょう! ツールドフランス第18ステージの優勝はチームINEOSです!」という言葉には泣けた.

【ああヒルシ...】

攻めに攻めていた山岳賞がたった一度のスリップでこぼれ落ちた.
擦過傷が痛そう.
そして,サーベロS5がぁー(諭吉140枚).

カワサキさんの「あそこのカーブは危険だから99%の攻め方をすべき」というコメントが,何だかよくわからん超人の世界
ヒルシ曰く「新しい(ブランドの?)タイヤだったので慣れていなかった」からだそう.
どうしてこういう大事な時に換えるかな.メーカーごり押し?
以前から思っていたが,ヒルシって「プリプリプリズナー」っぽい.

【2人の会話】

ゴールしたINEOSの二人も残り数kmで何やら話し合っていたが,やはりどちらがステージを取るかの相談やったんかな?
先ほど書いた肩組んでのゴールも良かったけど,ガチのスプリント勝負もそれはそれで盛り上がったかもしれん.それはそれでカワサキさんの方が速い?

さて,後方でもグラベルを終えたスロベニア人2人が何やら相談.
ゴール後インタビューでも「何を話してたんですか?」と訊かれる.
「覚えてない」「大した話はしていない」と何か誤魔化してそう.
翌々日の「山岳TTで勝負だぁ!」とかかな.
違うチームやけど,パリのシャンゼリゼではこの二人も肩組みゴールしたりして.

それにしても...今日のチロル地方のコースは美しかった.
あれは是非ともロードバイクで走ってみたい.
以前,海外サイクリングのツアー参加を検討したこともあったけど,料金の高さに諦めた経緯もある(ダイビングクルーズとそれほど変わらんけど)
個人手配なら料金抑えられるか.
いっそ,2023年のPBPを目指す?
...という脳内会議が普通に楽しめる世界になりますように.

ツアーならフェローサイクルが老舗っぽい.

https://www.youtube.com/watch?v=Efr4BD4l6gM

『Tour de France 2020 Stage17』の感想

2020/9/17 Thu

ゾンコラン,アングリル,そしてロズ.

『Tour de France 2020 Stage17』は今大会クイーンステージ.
スキージャンプ場もあるというツール初登場のロズ峠(ローズ?)フィニッシュである.
その超級の前にも別の超級を登らせるという鬼畜ステージ.

このロズ峠,ゴール手前2km弱から24%,18%の登りが続く.
これをフランス政府は「サイクリングロード」と言い張っているそうな.
こんなんガチ勢でないと足つき絶対やで.e-bike用?

スロベニア人二人のガチンコ対決になるかと思いきや,優勝者はアスタナの“いつもなぜかフルネーム”ミケル・アンヘル・ロペスでした.
これで第一ステージの自爆アタックも帳消しか?
その後もたまにアタックしてたけど,それほど目立った活躍はなし.

それでも順位は上にいた.
それがとうとう,このステージで爆発.
コロンビア人には標高2000m越えの酸素濃度がちょうど良いのか?
総合2位のポガチャルも,ここに来てとうとう調子を落としてるように見える.
これはパリ表彰台3位どころか,ワンチャンあるかも...

その他,Jsports実況・解説コメントから拾った話題.

【ベルナルのリタイヤ】

ついにというか当然というか,優勝候補の一角だったINEOSのベルナルがDNS.
今思えば,休息日のセルフ散髪も余裕ではなくて,余裕がなかったからこその行動だったかもしれんな.
前回のステージではグルペットで走りながらも,近づいてきたカメラに向かって微笑みながらVサイン
行動が読めない,または価値観が違い過ぎておじさん達が怒りそう.

先に終了した「ティレーノ〜アドリアティコ2020」ではGが総合2位だったそうな.たらればやなぁ...
ちなみに総合91位のフルームは,ツールに関して各メディアからコメントを求められることが多いとのこと.それが面白いくらいハズレてるらしく,一部で「第二クリ(ストファー)ノート」と言われているとかなんとか.

さて,アシスト業務を外れてステージを捕りに逃げたカラパス.
このステージでは残念だったが,次のStage18でも動く?

【逃げ集団のピー問題】

番組へのツイッター通しての質問で「逃げの選手たちはどうやってトイレタイムを確保しているのか?」というのがあった.
そうそう,これはKazchariも気になっていた.
メイン集団だとレースが落ち着いた頃に「走りション」または「止まりション」が始まる.
しかし逃げ集団は,ずっとハイペースなので止まってられないし,何よりずっとカメラが国際映像として映し続けている.
解説の元選手の方,何か言いにくそうに「自然の問題ですから」「ここではちょっと」「スイッチングで映さないように」とか話していたが,それは集団でも同じこと.
逃げ集団はやはりパンツすら降ろさず,文字通りの垂れ流しなのだろうか?

【バーレーンの引き】

エースであるランダの上位へのステップアップを目論んで,山,下り,平坦とリーダーチームを差し置いて集団を引きまくったバーレーン.
実質アシストのいないポガチャルや,鉄壁に鉄壁を重ねたいユンボにとってはありがたい存在.
実際,この引きが無ければ,カラパスが逃げ切っていたかも.
「これで調子がいいはずのランダが,まさか遅れるはずないよね~」とみんなが思っていたら,ロズ峠でまさかの遅れ.
見事に作戦失敗.
後でチームメンバーからボコボコやな.

【スプリンターの登攀力】

ツールには制限時間が設定されている.
交通規制解除やゴール施設の撤去のため.
コースプロフィール平均速度など細々とした規定があり.ステージごとに時間が異なる.
ただしグルペットがあまりに大人数だと緩和措置もあるそう.

今回の超級山岳ゴールではトップの到着から37分ほど経つとタイムアウト,強制リタイヤとなる.
重量級で坂が苦手なスプリンターが,はたしてこの時間内にたどり着けるかどうかも注目ポイント.
これまでの山岳ステージでも,マイヨ・ヴェール着用者であるSベネが,ホンマ死にそうな表情でクライムするシーンがよく見られた.
当然タイムアウトになればマイヨ・ヴェールも取り消し
さて今回は...なんとか間に合いました.

栗村さんも言っていたが,超級が2つあるステージを,超人クライマーのゴールからたったの30分遅れでゴールできるというのが信じられない.
日本の短めのヒルクライムレースやったら,さくっと優勝しそう.
坂の遅れを下りと平坦で取り戻しているそうだが,それは画面に映らない.
どんな下りやねんやろ.

今日も回収車=“箒クルマ”の前をタイムアウトしたB&Bの選手が走っていた.
栗村さん曰く「オレはツールをタイムアウトになったけど,リタイヤはしていない」という選手の意地だそうな.
根性論は古臭いというけれど,こういうシーンはジーンとくるものです.

https://www.youtube.com/watch?v=EE7_8_RAFVs

『Tour de France 2020 Stage16』の感想

2020/9/16 Wed

スロベニア選手権ツールステージ.

『Tour de France 2020 Stage16』はアルプス山岳三連戦の初日.
明日が超ハード(クイーンステージ)なので今日はおとなしめと思いきや,やっぱりおとなしめ.

休息日PCR検査の結果は全員陰性とのこと.
後はパリがロックダウンしなければ...もしかしてシャンゼリゼは無観客?

逃げ切りチャンス,およびスプリントポイントが前半にあるので,激しい逃げの打ち合いがありなかなか決まらない.
結局BORA不発でサガン乗れず,Sベネとのポイント差を詰めることができない.
トレンティンはなぁ...

総合勢は総合勢で,やはり先週のベルナル脱落が招いたのか,ゴール寸前を除き,どことなく緊張感を欠くステージになった.
Kazchariだけかもしれんが,視聴者側も少々熱が下がったような.
昨年はアラフィリップが最後までひっぱってくれたので(あのTT!),第三週は楽しみでしかなかったのだが.

事実上,今年のツールはどちらのスロベニア人が勝つかに絞られてきた.
いっそ,二人でよーいドンして決着しても良いのでは?
あっ,第20ステージのタイムトライアルがそうなるか.
ポガチャルは今日明日の山岳を,ユンボトレインの一人として走り,ゴール前で飛び出し,ログリッチェから数秒でもタイムを奪い,TTでなんとか...これじゃ勝てんか.

ステージ優勝はBORAのケムナー
ヒルシ同様,前ステージで負けたことへのリベンジとなった.
バイクはたぶん最新の『TARMAC SL7』.いいなぁ,欲しいなぁ...(諭吉150枚)

ベルナルは集団からもじわじわと遅れ,チームカーを呼んだ時点で止めるかと思ったが一応完走.
チーム戦略も変更となり,周りのアシストもフリーになって一人で走るシーンが痛々しい.
休息日のメディアインタビューでは「これも人生」と達観し,受け入れている様子も見られたが,常勝INEOS(SKY)の「ゼッケン1」の重みは軽いものではないだろう.
ドーフィネから続く背中の痛みに加え,膝痛も出てきたという.
「止めてもええで」と声をかけたくなってきた.

その他,Jsports実況・解説コメントから拾った話題.

【山岳賞の行方】

先週および前半の山でがんばったピエール・ロラン
いつもいい所まで行くのに,ふにゃふにゃと失速してしまう.
それでも赤玉山岳ジャージ同点首位! 今日で奪取できるか?
ところで,ロランのバイクは日本では珍しいKTM
KTMと言えば,BMWと並ぶビッグオフ(モーターサイクル)メーカー
いっそオレンジカラーにすれば良いのに.
ジャージはジャージで肩から背中にかけてのダダ模様がダダっぽくって良い(なんじゃそら).
胸の真ん中の〇にB&Bはイマイチだが.

【Zwiftドーピング?】

負荷のかけられないローラーとスマートローラーで差があったり,ローラーをモーターで回すような不正ができたりと,Zwiftの走行データも怪しい面は多々ある.
しかし,それらをクリアして同条件にしたとしても,どうしようもないハンデがある.

それは標高差.

室内とは言え,標高の高い場所と低い場所では酸素濃度が違う.
ガチレースになればなるほど,標高が低い方が有利.
「脚質デジタル」なんて揶揄されている選手もいるが,こうした環境面の違いも見逃せない.
他にも空調が効いているかいないかの差も以前話題に上がってたなぁ.
ちなみに旭川もここ数日ようやく気温が下がり,Zwiftが快適になってきた.

【1対170】

ロードレースはチームスポーツであるが優勝者はあくまで1名.
2位以下およびチーム賞には誰も価値を見出していない.
球技などの団体戦はチーム対チーム,言うなれば1対1の勝負だが,ツールはアシストを除くと1対170.
勝つことがどれほど困難か.
ツールで一勝すれば末代まで称えられるというのは大げさではない.
逆に,プロになっても一勝すらできず引退も珍しいことではない.
そしてごく一部のスター選手を除き給料激安で不安定.
まさに修業

https://www.youtube.com/watch?v=eUd5mkIYBTo

『Tour de France 2020 Stage15』の感想

2020/9/15 Mon

ロガチャル,もしくはポグリッチェ.

『Tour de France 2020 Stage15』は,前後半で非常にメリハリの効いた(ゴールが2つある)コース.

前半はスプリントポイントを目指してのオールスター逃げ合戦
BORAというより.サガンの気迫が凄い.
しかしながら,少々とばしすぎたのか,最終的に8人ほど逃がしてしまった.
ここまでの平均速度49.9km/h.人力です.
さらに肝心の勝負でもSベネとアスグリーンとモルコフさんの策略に負け,ポイント差がさらに広がってしまう.

スプリントポイントまでの間で,EFのイギータが後方確認中に先行者の斜行に巻き込まれて落車リタイア.
今大会20人目だそうな.多い?
イギータはイエローのコロンビア・チャンピオンジャージを着ているので,最初はログリッチェ転倒と誤報(?)されていた.
今年はこのジャージにしろ,ユンボのジャージにしろ,プロトンにイエローが多すぎて見分けにくい.
やや色合いが異なるとは言え,マイヨ・ジョーヌの意義からすると,ツール限定でカラー変更するなどの配慮があっても良かったのでは?
確か何年か前のツールでは,ユンボもブラックとイエローの配色比率を変えていたはず.

さて,第二のゴールこと超級グラン・コロンビエール
名前からして凶悪.
ステージ優勝は“UAEの白い悪魔”ことポガチャル
ユンボの超高速トレインに乗っかって足を貯め,最後の最後にログリッチェをスプリントで粉砕.
まだまだ余裕ありそうなのがエグい.

そして...
全世界何十億人かのツール評論家の期待と不安が入り混じる中,3週目にならないとわからないと言われ続けてきた...ベルナルがぁー
ついでにキンタナがぁー

と,フランス勢に続いてコロンビア高地族も壊滅.
ウランロペスはまだ戦うか,戦えるか?

それにしてもユンボ強い
強すぎて箱根学園どころか,「上弦の鬼」軍団みたいになっている.
それに立ち向かうほぼ単騎のポガチャル.
どうやって倒す?
間違いなく三週目はこの対決図式.

cyclowired」のベルナルの登攀中写真.
別人のような老け顔になっていた...

その他の話題.

【リヨンの市長はツール嫌い】

今日のステージのスタート地点,リヨンの新市長さんはツール開催に反対だとか.
てっきり「新コロ予防で自粛すべき」という話かと思いきや,「(帯同する)クルマが環境を破壊する」からだそうな.
極端すぎへんか?
娯楽は人を堕落させると思っているタイプ?

【ヲタクネタだらけ】

ポガの“白い悪魔”はKazchariの勝手なネーミングだが,Jsportsでは,先日のサンウェブ波状攻撃を「ジェットストリームアタック」「白い三連星」と呼んだり「インターポールと言えば銭形や滝」とか...楽しいな.

【無観客?】

「最後の山はゴール付近無観客.ツール史上初」とかなんとか言いつつ,それなりにいた.
もちろんノーマスク絶叫マンも.
山に住んでいる人とは思えないので,こっそり,または前夜に登ってきた組?
強制的に排除しないのもフランスらしさか.

【スロベニアの人口】

たった205万人だそうな.
その中の2名がツールでワン・ツー.
スポーツエリート教育が盛んらしく,特にウインタースポーツ,ウォータースポーツ,登山などの耐久系に著名人多し.知らんけど.
エリート教育に関してはフランスも同様では? なのにこの差.

https://www.youtube.com/watch?v=gSmy2IRzT3I