『LONG WAY DOWN』の感想(その2)「イタリア~リビア編」

2020/11/30 Mon

貴重な映像.

ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンのアフリカ縦断バイク旅『LONG WAY DOWN』(LWD)AppleTV+で視聴中.

今回はイタリア半島を抜けて,チェニジア-リビアまでの感想.

ローマの渋滞を抜けてたどり着いたキャンプ場にて,二人はキャンピングカーのスイス人夫婦と出会う.
この夫婦,以前,南アからボツワナまでバイクで抜けたことがあるそうな.

いつも思うのだが,ヨーロッパ人はホンマに旅好き.
若い人より中年以降の方がアクティブな印象.
経済力がある上に,バカンス期間がやたらに長いのがうらやましい.

2019年GDP世界ランキング1~3位と言えば,アメリカ,中国,日本だが,金はあっても印象として社会に余裕がないように思える.
ちなみに4位以下はドイツ,インド(!),イギリス,フランス,イタリア,ブラジル(!),カナダの順.
へー,インドとブラジルって,もうこのランクにいるんや.

だがしかし.
これはあくまで国全体の経済力を示すだけであり,格差が大きい社会では個々人の生活状況に直結しない.
1人当たりの名目GDPランキングだと1~3位は,ルクセンブルグ,スイス,アイルランドとなり,それ以下もヨーロッパ勢がずらっと並ぶ.
ちなみに日本は25位(アメリカ7位,中国69位)

そして一行はシチリア島へ.
先日の『Giro d’Italia』で見慣れた風景が映る.

舞台はいよいよアフリカ.
地中海を渡るフェリーで入国,つまり海路.
いいねぇ.
2004年にスペインからジブラルタル海峡を通ってモロッコに渡ったことがあるが,もうアフリカ!っつーだけでワクワクするな.

その後,チェニジア-リビア-エジプトと通過していくのだが,この番組は2007年に制作されている.
つまり「アラブの春」以前の旅となる.
今となっては貴重な映像かもしれない.

特にリビア
街のあちこちにカダフィ大佐の肖像が掲げられている.
40年以上,リビアを独裁統治していたカダフィが2011年に“革命”によって倒されるまで,リビアはどの様な国だったのか?

日本を含む西側の報道だと,独裁=悪で,住民は強権によって迫害されている...みたいな印象だが,実際はそうでもないらしい.
例えば以下のサイト.

「狂犬」カダフィー政権の42年の内情は?

まとめると,こんな感じ.

- 1955年に油田が発見され,カダフィの資産は14兆円あった.
- しかし,それはリビア国民にも分配されていた.
- 平均寿命74歳.
- 就学率もアフリカでトップクラス.
- 税金なし.電気,教育,医療も無料.

他のサイトでも,こんな記載が(URL不明).

- ガソリン,リッター10円
- ローン無利子
- 全国民に住宅提供
- 新婚夫婦には5万ドルの住宅補助金を支給
- 失業者には無償で家を支給
- 車購入の際,政府が半額を負担
- 農業を始めたい人に土地,家,家畜,飼料など全て支給
- 薬剤師になりたい人の経費全額無料
- 出産女性に5千ドルを支給
- 学校卒業後,仕事に就けるまで国が給与を支給
- 国民の25%が大卒資格者

どこのユートピアですか?

結局,「アラブの春」に便乗した反政府組織がカダフィ政権を転覆させ,彼は殺害されてしまったわけだが,当時からフランスやアメリカの陰謀説が絶えない.

「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命 (角川oneテーマ21)

そして,リビアはいまだに内戦状態(部族抗争)にあるらしい.

リビアで起こっていることを、これ以上ただ見ているだけではいられないから

世界は一面から見ただけではわからない.
80年近く独裁が続いている某隣国もひょっとしたら天国...それはさすがにないか.

堅実な暮らしをしているのか,チェニジアやエジプトより見た目に派手さはない.
こういう国は得てして,遺跡の保存状態がよい.
つまり観光資源は豊富.
とはいえ,新コロに関係なく,渡航困難な国の一つのまま...と思っていたら「歩き方」が出版されていた.

E11 地球の歩き方 リビア 2010~2011

旅程は戻るが,チェニジアには『スターウォーズEp.IV』のルークの家,タトーウィンのセットが残されている.
ユアン(オビ・ワン)がいても誰も気が付かない.
Ep.Ⅲのラストで訪れたのは別のセット?

リビアでは暴風の洗礼を受ける.
なのに砂浜でキャンプ.
うわぁ耐えれんわ.
でも,楽しそう.

チャーリーの毒舌&毒態度もお約束.
言いたいことをはっきり言っても嫌われないのが西洋風?

リビアのビザが下りなかったアメリカ人スタッフと合流するため,一行はエジプトに向かう.
おっ,ようやくKazchariが行ったことのある国が出てきた.

(その3へ)

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