2020/6/19 Fri
星の光に似た夜行灯…やったんや
前回はイデオンの玩具ネタのつもりで書きだしたのに,なぜか「ドラグナー」やらイデオン本編の話になってしまった.
軌道修正.
イデオン玩具と言えば,放送中,つまり40年前にトミーから発売されたこれが有名.
まるで戦隊ロボの様なプロポーション.普通にかっこ悪い.
難解かつ陰鬱なアニメ本編の内容と相まってちびっ子には売れんかったやろなぁ…
それにしても右手に持つ謎の武器は何?(イデオンソウドと言うらしい)
しかし,こいつはちゃんと3機に分離してそれぞれがちゃんと変形する.しかもワンタッチで! どうでもええわ.
時はやや流れて第一次ガンプラブーム到来.
Kazchariも始発で梅田のキディランド(大阪なので)に行って並びを入れた.でも残ってるのは「武器セット」か「ムサイ」だったりする…まぁええわ.
そのブームにあやかってか,アオシマもイデオンのプラモを”変なスケール”で展開.1/810とか1/420…
これは完成時の大きさをそろえる=値段をそろえるためだろう.
ガンプラ並みの怒涛のラインナップで,戦艦は元より戦闘機や小型兵器,キャラ,それにプラモはめちゃめちゃ小さい超巨大戦艦「バイラル・ジン」(1/20000!)まで発売.
企画中として最終兵器「ガンド・ロワ」(本物は全高350km,全幅500kmの巨大ゲジゲジ!)の名前まであった.
ユーザーの声なのか,それとも購買層の年齢がもう少し上であることに気付いたのか,後に1/600の統一スケールが発売された.
その狂気っぷりもすごかった.
イデオンに対抗するためという設定上,敵バッフ・クランの重機動メカは後半になるにつれどんどん巨大化&異形化.
劇場版登場の「ザンザ・ルブ」はまだしも(これは非常にデキが良かった),「ガルボ・ジック」や「ギド・マック」「アブゾノール」って誰得? よく企画会議通ったな.
この1/600スケールのイデオンは「合体変形タイプ」と「プロポーションタイプ」の2種類が発売された.Kazchariは今でも両方所有.
それこそ30年ぐらい前に手をつけたことがあったが,気にくわないところを改造しようとして,散々切った貼ったしたあげく,最終的には放置した記憶がある.
アオシマのプラモは作りにくかった.プラモ樹脂が薄いのだ.ゆえに加工がしにくい.今はどうか知らない.
さらに時は流れたが,今でもイデオンの玩具やプラモは定期的に発売される.
ガンダムの方はBANDAIが版権をがっちり抑えているためか,別のメーカーからの発売はまずないが,イデオンに関しては許可が緩いようだ.
で,ようやくデザイン考.
イデオン本体の特徴と言えば,
【顔はバイザー型】
量産型メカの代表たる「ジム」,もしくは「ガンキャノン」に似ている.
主役メカとしてのアピール度は弱い.ガラス1枚の「ダグラム」よりはマシか.
ツノはどうやって収納されているのだろう.
いずれにせよ,この顔をかっこよく描けるのは湖川さんだけ.
【肩の張り出し】
後世には「ガンバスター」や「トッキュウオー」にも採用されているが,これは可動玩具としては致命的なデザイン.肩の可動域に問題.
【胸周りのにぎやかさ】
ここだけ妙に黄色成分が多い.胴体はいわゆる呪われたイデオノバ.パイロットが死んでしまう.玩具でもスキマだらけで内装むき出し.弱そうなのは確か.
【腹部の謎シャッター】
ブラックホールに通じている.えっ?
ゲージの扱いが適当.ただの飾り?
【足の武器】
下腿側面に内蔵されているミサイルポッド.爆撃機形態のイデオバスタ時は下方を向いているので,ものすごく撃ちにくそう.ホーミングだからいいのか.
ノバ以上に納得いかないのが,バスタのイデオンゲージ.ひっくり返ってグレンキャノン? どうなっとんねん.
【身長は105m】
イデオンは第六文明人の“遺跡”という設定がある.
その第六文明人は人類より大きかったという設定があったと思う.ゆえにこのサイズだが,にしてはコクピットや通路がやたらに狭い.
イデオンはかっこ良いのかと言えば…かっこよくないわな.
もし,このデザインを富野監督以外の人が別の作品で使っていれば今頃は忘れられている.「メカンダーロボ」か「ギンガイザー」なみの扱いだったかもしれない.
イデオンはあの壮絶な物語によって補正されて,初めてかっこよく見える稀有なメカだと思う.
しかし,この時代のメカデザインは複雑怪奇.
公式のメカデザインは「サブマリン(樋口雄一)」となっているが,普段我々が目にする設定画は,総作画監督の湖川友兼さんのクリーンナップver.と思われる(違ってたらすいません).
このあたりの事情はガンダムも似ていて,富野ラフ⇒大河原デザイン⇒安彦クリーンナップのパターンで仕上げているMSが多い(違っていたらすいません).
一番印象的なのはドム.元々,大河原氏が上げてきたドムは細かった.
とは言え,映画公開当時に多数描かれた,樋口雄一氏のリキテックスを使ったイデオンのイラストは好きだったなぁ.
さて,ここからは妄想の世界.
有名な話だがイデオンはトイが先行,ストーリーは後付け.ゆえに意味なく3体合体したり,遺跡らしからぬ形と配色をしている.
もし,イデオンがその企画の意図にそってデザインされていたら…ということで,少し検索すると絵師らによる独創性豊かなデザインを見ることができる.
”異星人が残した謎の遺跡”というコンセプトから想像されたイデオンの最右翼と言えば,小説版のイラストに掲載された小林誠デザインだろう.
間違ってもバンダイから立体化されないと思われる.
もう少しアニメよりの案として,別の絵師さん(?)が描いたこういうのも見つけた.
「古代に存在した超科学文明」というイメージ.
Kazchariは『ぼくらの』の主役メカ「ジ・アース」っぽいのもありかと思う.
検索すると他にも面白い”イデオン”がたくさん見つかるが,その最大のアイコンはやはり肩の張り出しということがわかる.
さて,まとめ.
結局,「超合金魂イデオンFA」は,デザインに関しては特別なアレンジがない.TV設定まんまで,全く”バリって”いない.可動に関してはさすがによく動くので,商品としてのアピールは十分に果たしている.
今回,この記事を書くにあたって,棚から旧版の「超合金魂イデオン完全変形版」をひっぱりだし,撮影したり遊んでみた.
いや,これこれでよくできているわ.そこそこ動くしプロポーションも悪くない.それに何よりデカくて迫力がある.やはりイデオンはこうでなくては.
というわけで,もし,FA版のデザインがぶっとんでた,かつ超絶可動,そしてイデオンソードのエフェクトやジョングがついてたら買いやってんけどな.価格が10000円を切るまで購入は保留かな.
とそこに,並行してとんでもない商品が.
プレミアムバンダイから全高73cmのソフビ製巨大イデオンが発売!
お値段なんと60500円!
残念ながら既に予約終了となっているが,どれくらい売れたのだろう.
それにしても,マイナーやのに愛されてるなぁ,イデオン.
あれ,そういやミニプラのイデオン,だいぶ前に買ったはええけど積んだままやわ.いつ作るねん,Kazchari?
Space Runaway!
※ 続きは ⇒ 『イデオン』デザイン考(その3)