旅の回顧録~1993年のカンボジア(22)

自家発電のやかましさにはいい加減慣れたと思ってたのになぁ…いや,ひょっとしたら,今日タケオに行くと決めたので興奮してたのかもしれんなぁ…Kazchariは神経質やからなぁ…あーあ,眠れへんまま5時半になってしもた.

1993/4/3 Sat

「Capitol」で5ドル払ってカブを借りる.最初は大前田氏が運転.その後は1時間ごとに交代で運転することにした.

時折クメール人に地図を指さして道を尋ねるが,シャイなのか,やっかい払いしたいのか,どうも適当に教えてるフシがある.

で,そこそこ大ウソつかれながらも,なんとかタケオへの道,国道2号線を爆走する.ホンマに自衛隊が直したんかいな?と疑いたくなるヒドイ道.半分ぐらいはボコボコのダートであった.

たかだか80kmちょっとの道程を3時間かけて10時ごろタケオ着.入り口には「PKO~JAPAN」とかいう看板が立っていた.

タケオの町は小さい.
酒屋には「どうぞお気軽にお入り下さい」なんて日本語の看板があって笑えた.

駐屯地は広い.
戦車や装甲車はなく,大量のランクルやらトラックがズラーッと並んでいる.UNカラーの白が美しく,まるで新車の展示場のごとし.

入口ゲートでパスポートチェックを受ける.手持ちの服で一番マシなジーパンをはいていたが,胡散臭く見られるのは仕方あるまい.「個人での訪問はめずらしくてね」とかなんとか言われつつ身元照会.

この時,大前田氏のパスポートには別の名前が書かれていたことが判明.理由をしつこく尋ねたがはぐらかされてしまった.怪しい.今後の旅行中に追求せねば.

施設大隊本部内は冷房がきいていた.新聞記者らしき人たちがたくさんいる.
Visiterカードの記入を求められたので「○○大学学生」と大ウソ(母校なのは本当だが)を書く.正直に「無職」と書くのは不味かろう.

広島部隊所属の広報官の方が施設内を案内してくれた.

浴室(湯船あり!),PX(日本円OK),図書室,スーファミ,ビデオ部屋,それに隊員宿舎を見学させてもらう.宿舎テーブルに置いてあったカップヌードルやらふりかけが泣かせる.写真も自由にOKとのことでバチバチ撮る.

PXや自動販売機は調整中で利用できなかった.せっかく100円玉持ってきたんやけどなぁ…ジュース60円,ビール140円やって.と,色々考えているうちに見学終了.迷惑そうなそうでなかったような...

自衛隊PKOの是非なんて全く考えなかった.「現実」の中に取り込まれて何も考えられなくなった.Kazcahriの性格ってそんなもの.

駐屯地を出,タケオ市街の食堂で昼食.
お店のおねーさん曰く「ジェータイ」の人もよく来るとのこと.

食事後,店の前でカブにまたがる.アクセルふかしすぎて思わずウィリー! 町の人たちが大勢驚いた目でこっちを見る.大前田氏改めT氏,「ダメだよ~この辺,刺激ないんだからさぁ,驚かせちゃ」.まぁ納得.

帰りは3号線でプノンペンに戻る.こちらの方が道が良い.
宿に戻って休憩後,T氏からよせばいいのに広瀬隆『危険な話』を借りて読む.疲労に加え,考え事を詰め込まれ過ぎである.頭が飽和した.(その23へ)

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