2020/9/5 Sat
一日一日を大切に.
『Tour de France 2020 Stage7』は前半にちょこちょこ山があるものの,後半は下り基調の平坦.
いわゆるブリッジステージ...つまりピレネー山脈への”つなぎ”のはずだった.
通常であれば,”逃げ”が形成されるものの,ゴール前で吸収され集団スプリントになだれ込むはずだった.
総合勢は週末の山岳2連戦に向けて(走りながらの)休息日になるはずだった.
しかし,今年は違う.
主催者曰く「ワナの多いステージ」.
その最大要因は横風である.
まず前半~中盤に山があり,BORAの引きが始まるとサム・ベネット,カレブ・ユアンが遅れる.
これはサガンに大チャンス.
中間ポイントは先頭こそ逃したものの2位に入り,マイヨ・ヴェール(専用服)を奪還.
そのままステージ優勝も狙う勢い.
後半,平地に出てからは横風が集団を分断した.
去年もこんな日があったなぁ.確かティボー・ピノが完全に取り残された.
情報戦にたけたINEOSの牽引で,多くの総合勢を含んでいた先頭集団が分裂!
その犠牲者は現状総合3位のポガチャル,そして(ツキのないSky卒業生1)リッチーポート,(ツキないSky卒業生2)ランダ...
やや下り+追い風で先頭は時速60km近くに.
ステージ優勝者をみんなが予測しだした頃...INEOSのカラパスがパンク!
セカンドエースが大ピンチということで,カストロビエホが引き上げに戻る.ベルナルのサポートはいいのか?
二人で激コギするものの,結局,超高速の先頭集団には追い付けず,第二グループに吸収.
結果論とは言え,山岳ステージを前に脚を無駄に消耗してしまった.
INEOSは大丈夫なのか.
パンクには「1%の改善」は通用しないのか.
うん十万円もするlightweightホイールを買いまくるチームへの,庶民のひがみがこの悲劇を誘引したのか.
これで負傷者シヴァコフとカラパスは,チームが優勝するためのカードとしては使えなくなった.
一週目が終わる前にベルナルが単独エースになってしまった.
それに比べてユンボの人材の豊富なこと...当初の王者INEOSに挑む総北っぽかったのが,むしろ箱根学園にキャラ変しているような...
そう,今日の優勝者もユンボのファン・アールト! 2勝目!
最後にするするっと出てきた漢・アラフィリップが行けるか!と思いきや,隣のスプリンタと接触して失速.
そうやねぇ,やっぱルルは急坂での独走勝利のイメージ.平坦ガチスプリントには向いてないんやろな.
※ 後の情報によるとクリートが外れたらしい.サガンもチェーントラブル.
結局,マイヨ・ジョーヌはイエーツのまま.
ポガチャルとカラパスはいなくなってしまったが,ベスト10には有力選手がぞろりと並んでいる.
これで週末山岳ステージか.ごくり...
気になったのがベルナルの様子.
マイヨ・ブランを着て表彰台に上がったものの,その表情には覇気がなく,心なしが歩行姿勢も前かがみで弱々しい.
フルームのような最強チームの最強リーダーのオーラを全く感じないのはKazchariだけだろうか...
はい.
今日のステージも期待以上に面白かった.
解説の中野さんがコメントしていたが,新コロの中で開催が危ぶまれた今年のツール.
選手はともかく(超ハード),我々観ている側は待ちに待った一大イベントに,一日一日,丁寧に視聴している気がする.
ホンマ,気が抜けない.
サッカーのように陽性者が出まくって中断にならないように願う.