『How to Build ホビージャパン』を読んだ

2020/7/15 Wed

~ガンプラブームを担った雑誌ができるまで

OLYMPUS TG-5

これまでの人生で様々な雑誌を購読してきた.
思い出せるだけでも以下がある.

『少年マガジン』(『愛と誠』の頃)
『別冊マーガレット』(『愛してナイト』『ホットロード』『kiss+πr2』の頃)
『〇年生の学習』(本当は『科学』の付録がうらやましかった)
『コロコロコミック』(創刊号買った)
『Animec』(休刊)
『OUT』(休刊)
『ROAD RIDER』(休刊)
『OUTRIDER』(休刊)
『RIDERS CLUB』
『朝日ジャーナル』(休刊)
『ダ・カーポ』(休刊)
『BE-PAL』

時代だねぇ.
そして,上記リストには後2冊ほど追加がある.
それは,『Hobby Japan』『Model Graphix』である.

今でこそ購読はしていないが,ともに思い出深い.

10代から20代前半にかけて一番熱中していたのが,プラモ趣味だった.
現在,kindle unlimitedにて『How to Build ホビージャパン』が配信されている.

HOW TO BUILD ホビージャパン ガンプラブームを担った雑誌ができるまで Kindle版

2019年にホビージャパン創設50年を記念して(?)出版された書籍である.
著者は創刊時から,とまでは言わないが,ほぼ雑誌の創成期からかかわってこられた方で,お名前(柿沼秀樹氏)も紙面で見覚えがある.

戦後の復興が進む中,日本における“ホビー”は舶来ミニカーのコレクションから始まり,ミリタリーモデルを経て,ガンプラブームをきっかけにキャラクター物が世界中でブレイクし,今日に至る.
その発展や衰退,変容を記した一大絵巻である.
まぁ,昭和の経営者にありがちな,とんがった社長のせいで幾度か廃刊の危機を迎えたが,なんとかクリアし,日本で一番売れているホビー雑誌になった(たぶん).

特に興味をひかれたのは以下のエピソード,『Model Graphix』誕生秘話である.
この雑誌は『Hobby Japan』を社長と喧嘩して辞め,独立した編集者が新たに作ったホビー雑誌だったが,その際に『HJ』からライターをごっそり引き抜いたのだ.
何も知らなかったKazchariは,1984年8月号(9月号?)で『HJ』の紙面構成やライターの雰囲気がガラっと変わってびっくりした記憶がある.
一言で言えば“質”が落ちた

何が起きたのかわからないまま,しばらくして『MG』が創刊される.
そのスタッフやライターを見て,当時17歳のKazchariでも何が起きたのかは理解できた.
今回,この『How to~』を読んで,メインのうち,ただ一人『HJ』専属ライターにとどまった,MAX渡辺氏の発言が興味深い.

メインライター陣を引き抜いただけあって,作例の質は明らかに『MG』の方が上だった.
それでも「MAXが作る」という理由だけでKazchariは2冊とも購読を続けていたように思う.

How to Build ホビージャパン』に話を戻す.

中ほどに創刊号から1984年の12月号までの表紙を閲覧できるページがある.
Kazchariが本誌を初めて買ったのが1981年9月号
人間の視覚記憶はすさまじく,表紙で確認できた.
ガンプラの作例は1/144「アッガイ」
HGもMGも付かない,ただの300円アッガイである.
素組みだとアレなキットだが,こいつですら当時は入手困難で,早朝から玩具店に並んでも全く買えなかった.

時代が前後するが,高校の入学祝いで親にねだったのが,エア・コンプレッサーだった.
当時の価格で5万円ほどしたと思う.
すでにピースコン(エアブラシ)は所持していたが,ボンベがすぐになくなってしまうのが辛かった(贅沢な中学生だ).
阪急京都線の長岡天神駅近くにあったボークスまで出向き,クソ重たい箱を家(総持寺)まで運んだのがいい思い出である.

高校時代はなぜか陸上部に所属しつつ,部活でへとへとになりながらも製作.
大学進学後はなぜか模型研究会に所属し,ヒマにあかせて思う存分(とまではいかないが)作りまくった.

『ガンダム』『イデオン』『ザブングル』『ダグラム』『ダンバイン』『ボトムズ』『エルガイム』『マクロス』などのキャラ物中心.そして時々,AFV(スダコフツ-松本修平氏の影響)と航空機オートバイ…懐かしい.

時代は進み,一過性のブームと思われたガンプラは今でも毎月新製品が発表される.
しかもとんでもないクオリティで.
色分けはもちろん接着剤も不要.そして何も改造しなくても異様にかっこよい
少し前までMGやRGのガンプラを年2,3個素組みしたが,50歳を越えて,視覚の問題(ようするに老眼)が顕著になり,最近はすっかりご無沙汰.

でも,時々思い出すのですよ,あの日々を.

単色成型のモナカキットを,はさみで切り離し,爪切りでゲート処理し,付属のチューブもしくは平行四辺形の接着剤を使い,合わせ目にはタミヤパテを盛り,一晩置いてから細やすりでラインを消し,400~1200番の耐水ペーパーで磨き,シルバーを拭いてキズやへこみをチェックし,黒立ち上げでMAXグラデーション塗り,エナメルで墨流しし,デカールを貼り,ウェザリングを施し,最後にトップコート.

忘れちゃいけない気に入らない部分の大改造.

モノアイ発光をLEDに抵抗・ボリューム付きで,肩を八の字に切って,スパイクを尖らせ,動力パイプはコイルスプリング,スジボリ深く別パーツ化,ジャンクパーツでディテールアップ,エポキシパテでボリュームアップ,頭部は後方に延びて,背中のバックパックにはプロペラントタンクとアンテナ乱立し,掃除機バキュームフォームでプラ板成型,持たせる武器は長物バスターランチャーサイズ.

How to Build ホビージャパン』はそんな時代にトリップさせてくれる,非常に充実した読書タイムを提供してくれた.

電子書籍=kindleにも感謝.
今回の本もkindle unlimited(サブスク)でなければ読まなかっただろう.

Kazchariは初期型の「Kindle paperwhite」を所有している.
正直カラーページ多数の雑誌は辛いが(iPadのkindleアプリがgood),文字ベース,ようするに小説の類はKindle paperwhiteが目が疲れなくておすすめ.

Kindle フロントライト搭載 Wi-Fi 8GB ブラック 電子書籍リーダー

現状,あの頃のプラモデルほど夢中になっていることがあるだろうか…

す,すいません,ありました.自分で操縦できる1/1サイズのカーボン模型が.

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