2023/6/28 Wed
プラモデルとは彫刻と絵画のアウフヘーベンである
本ブログでもたびたび紹介しているが,Kazchariはプラモ好きである.
幼少期からよく組み立てていたが,いわゆる第一次ガンプラブーム直撃世代.
早朝から玩具店や模型店に並びを入れた.
まぁ,めったに目当ての品は買えなかったけどな(1/144シャアゲルとか).
中学校は美術部,高校は陸上部という謎のブレはあったが,模型は作り続けていた.
その頃の作品のいくつかは未だに展示/保管している.
大学に通っている際は「模型研究会」に所属.
学祭での発表,模型店のコンテストなどに出品.
専門誌を見ながら改造,当時で¥50,000もしたコンプレッサーによるエアブラシ塗装などを駆使.
一番ハマってた時期.
さすがに就職後は忙しく...いや旅に出かける頻度が増えて模型熱は下火.
ただロボそのものは好きなので,完成品(フィギュア)をコレクションしていた.
そして時を経て,2019年末からの新コロ騒ぎ.
外出自粛および自身も陽性になったことによる隔離生活.
そう,こんな時はプラモ(ガンプラ)でしょう!と,ちょこっと復活.
ガンプラな日曜日~1/144「ジュアッグ(ver.MSV)」を作る
最近のガンプラの技術は凄まじく,合わせ目がほとんど目立たないスナップキット,それに塗装不要の多色成型など,昔に比べると特別な技術は不要.
いや,違うな.
そのままでも十分映えるモノが出来上がるが,凝り始めるとキリがない,が正解だろう.
実際,YouTubeのガンプラ(ロボプラ)チャンネルの作例は凄まじいものがある.プロ顔負け.
いずれにせよ,新コロ禍のインドア趣味として,Kazchariのようなリターン組,もしくは新規参入者もかなり増えたようだ.
一方,品不足からの転売ヤーの誕生という負の側面も露わになったけどな.
そのブームを受けてか,BSテレ東⇒Amazon Prime Videoにて「プラモにめされて」という番組が放送された.
財団Bプロデュースのアイドルグループにプラモデルを作らせるという,よくわからないコンセプト.
第一回が「GUNDAM BASE」,つまりガンプラの宣伝かといぶかったが,その後は地方の個人経営の模型店を尋ねて,その店の得意ジャンルを紹介,技法を身につけたり,場合によっては勝負するという,一体誰向けなのかのディープな内容だった.
なんやろ?
「ガンプラ女子」を作る...ではなくて,ガンプラに理解ある女子もいる...というフィクションで夢を見させようとしている?
これも某キャンプアニメを発端とする「JK+おっさん趣味」ブームの一端か.
確かに,YouTuberにも模型趣味の女性は存在する.
人気コンテンツのようだ.
手工芸の一種と考えるならさもありなん.
本ブログでも,少し前に書いた以下の記事がよく閲覧されている.
おそらく「ガンプラ女子」で検索されているのだろう.
さて,そんな中,最近YouTubeのおすすめに『量産型リコ-プラモ女子の人生組み立て記-』とやらが表示されるようになった.
https://www.youtube.com/watch?v=zTpucdlpxw8
元々ガンプラ系チャンネルを多数登録していた流れだろう.
どうやら6/29より2ndシーズンが放送されるらしく,その番宣のための一挙配信(全10話)のようだ.
大して期待せずに視聴開始.
これがまた...むっちゃおもろいやんか!
ふむふむ,2022年にテレ東で放送か.
つまり先ほどの『プラモにめされて』よりも前に作られたドラマやねんな.
小さなイベント企画会社に勤める”イマドキ”思考のリコ.
仕事にも私生活にも特に情熱を傾けることなく,目立たぬように日々そつなくこなすことが信条(?)の入社3年目のOL.
その平凡な言動により,同期や先輩から「量産型」認定を受ける.
そんなある日,ふと立ち寄った商店街の中の小さな模型店.
何かに導かれてドアを開ける.
異世界感たっぷりの店内.
ふと目に入ったのが「量産型」の文字.
そう,彼女が手に取ったのが,1/144の量産型ザクの旧キット(!)だった.渋い!
店長および謎の店員に誘われるまま製作開始.
初めて扱うニッパーや接着剤,ヤスリに苦戦.
例の「肩のC型パーツ」もしっかり映っている.
しかし,店長や店員の的確なアドバイスによりクリア.
なんとプラモ初製作にて筆塗りまでこなしてしまう.
最初は箱絵を見ながらのノーマルカラーだったが,はみだしや,店長の「プラモデルは自由だ」の声に励まされ,左肩のスパイクを赤く塗るリコ.
こ,これはまさかのレッドショルダー!
ザクの完成と同時に,何かを吹っ切り,同時に何かを得たリコ.
翌日,仕事机にザクを置き,仕事っつーか人生にコミットしそうになっているリコがいた...
他にも,パワハラやセクハラを気にして,妙にやさしくなってしまった昭和のおじさん上司や,独特のコスパ思考と承認欲求は強いけど責任は回避したがるZ世代の後輩が登場.
彼らの抱えるトラブルや悩みをプラモデルが解決するというのが基本的な流れ.
特に第3話は面白かった.
後輩君の名はシンジ.
よってエヴァンゲリオン回.
これがまぁ...構図も「っぽい」上に小ネタが満載.
脚本をはじめ,スタッフが楽しんで作っていることがひしひしと伝わってくる.
https://www.youtube.com/watch?v=zMfAg9Iy2k4
そやけど画面に映ったRGの弐号機なんてプレミアがついてて,買えんぞ!
RG エヴァンゲリオン 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型 2号機(先行量産機) 1/144スケール 色分け済みプラモデル
雰囲気的には,以前NHKで放送された名ドラマ『トクサツガガガ』にも似ている.
こちらもこちらで「「特撮」が人生の問題全てを解決する」というテーマ.
実に完成度が高かった.
それにしても,ヲタクもすっかり市民権を得たなぁ.
気のせい?
あー作りかけの積み(罪)ガンプラ,組みたくなってきた.