『恥知らずのパープルヘイズ』を再読~アニメ化しないともったいない

2022/1/14 Fri

無駄無駄無駄ァですか?

iPhone11 Pro じゅるじゅる

いよいよ,ジョジョの奇妙な冒険第6部『ストーンオーシャン』の地デジ放送が開始...されたのに,どうして北海道では観れないのよォォ!

NETFLIX? BS? そんなもん入るか!(入りたいけどな!)

まぁ,NETFLIXも12話ごとの分割配信らしいし,そのうち我がAmazon Prime Videoでもいつかは視聴可能になるだろう...と気長に構えてます.

「原作完全再現」が売りのスタッフなので,安心して待っていられる.
ストーリーの大幅な改変は絶対ない.
となると,衝撃のラストもまんまやろな.

6部アニメ化記念なのかどうかは知らんが,Amazon Prime Videoでは,現在1部から5部まで一挙見放題となっている.

年末頃からZwift時の友として少しずつ再視聴していたのだが,先日ようやく第5部「黄金の風」のラストまでたどり着いた.いや,たどり着くことは決して無い.終わりのないのが終わり.

せっかくなので,アニメシリーズ各部ごとの簡単なレビュー.
もちろん原作完走済み前提で.

【第1部 ジョナサン・ジョースター その青春…じゃなくて,ファントムブラッド】

なんと言ってもオープニングには度肝を抜かれた.
音楽も画も素晴らしい.
原作の冒頭部分(族長(オサ)!族長( オサ)!)がいきなりハブかれているのが笑える.さすがにここは放送できなかったか.

【第2部 戦闘潮流】

けだるい歌唱にも関わらず,なぜか熱いオープニングがこれまた最高.
柱の男を始め,声優陣が超豪華.

【第3部 スターダスト・クルセイダーズ】

先程は「原作準拠が徹底している」と述べたが,時折アニオリでのシーンの追加や時系列の変更がある.
印象深いのは,第三部エジプト編冒頭の記念写真.
原作にも出てきたあの写真.そう,撮るのはあそこしかない.
他にはなんと言っても後期EDの『LAST TRAIN HOME』.
これを聴くたび,Kazchari自身の若き日の放浪を思い出さずにはいられないッ!

【第4部 ダイヤモンドは砕けない】

キャラデザを含め作画が少々微妙になった.
ただしシリーズ構成は安定の靖子である.
第三部に続き,ラスト数話の特殊OPが最高.
バイツァーダストのようなややこしい能力を映像でここまで表現するとは...

【第5部 黄金の風】

これまた豪華声優陣.
作画のクォリティも向上した.
後期EDのエニグマ『Modern Crusaders』が神曲.徐々に登場スタンドが増えていく.そして最終話ではレクイエムに!

で,この5部を見終わった後,猛烈にある本が読みたくなった.

それが『恥知らずのパープルヘイズ』である.

恥知らずのパープルヘイズ

ジョジョ好きなら知らない,もしくは読んだことがないという人間はまずいないと思われるが,この本は2011年から2012年にかけて出版されたスピンオフ小説群の1冊である.
「本編リスペクトが神がかっている」「5部完結編として完璧」と話題になった.
ちなみに西尾維新『OVER HEAVEN』舞城王太郎『JORGE JOESTAR』も同時期に刊行されたが,この2冊は無駄無駄無駄(特に後者はヒドイ).

その『恥知らずのパープルヘイズ』のあらすじだが,物語は本編終了の半年後から始まる.
これまでボスの正体が不明だったことを利用し,パッショーネのボスの座についたジョルノが,”裏切り者”であるフーゴを呼び出し,麻薬チームの残党を始末するよう依頼(命令)する.
フーゴには仲間を2人つける.確認できる敵は4人.
もちろん全員スタンド使いである.
さて,誰が生き残る?

そもそも本編のフーゴは様々な理由により途中退場したキャラである.

荒木飛呂彦先生は波紋使いやら石仮面を既に被っているとか,散々言われているので「911シャツ」の件も含め,未来を予知する程度の能力があっても不思議ではない.
てことは『ジョジョリオン』に描かれている事象が今後起こるかも.

つーことで,簡単な感想.

(良かった点)
・フーゴおよび,その凶悪過ぎる能力のスタンド(パープルヘイズ)が,その能力を含め,ちゃんと生かされている.
・スタンドデザインと能力.荒木飛呂彦の新規イラスト付きで,小説なれどバトルシーンが目に浮かびやすい.
・ジョジョ・サーガの様々な要素が登場.サーレーとズッケェロ,石仮面,トニオなどなど
・良くも悪くもDIO要素が強まったジョルノ.3部の前半ぽい.

(イマイチな点)
・語り口がフーゴっぽくない.
・SPW財団が,なぜギャングに味方しているのか謎.
・スタンドバトルが割とあっさり目で,かけひきや心理戦にあまりなっていない.
・5部本編のセリフ引用が多すぎる.
・表紙のフーゴや重要アイテムである写真に写るキャラ達が,5部連載時の絵柄とはもはや別キャラ

実はこの小説,Kazchariは発売当初の2011年にも読んでいる.
5部コミック本を読了してすぐだったかな.
ゆえに今回は約10年ぶりの再読となる.

当時の読書記録にも★5つの記載.今回も同得点を進呈.
ただし,アニメ視聴後だったためか,ジョルノやフーゴのセリフを声付きで脳内再生すると...うーん何か違う印象.
ミスタは割と合っているかな.

劇中特に印象的だったのがシーラEの以下のセリフ.

「(中略)つまり人がジョルノ様を見るとき,そのあまりにも巨大な”器”を前にして,ついそこに自分自身を反映してしまうのよ.丸ごと呑み込まれてしまうから,そこで感じられるのは結局”自分”になってしまうのよ」

そうなのだ.人は自分のモノサシでしか他人を評価できないと同時に,他人を通して自分自身を評価しているとも言える.

5部の登場人物たちが,ジョルノを見て不愉快になったり,最終的には認めざるを得ないのは,自分のことだから,という解釈は面白い.

4,5部は群像劇である.仗助やジョルノが絡まないストーリーも多い.
5部に関しては,連載当時はブチャラティの方が主役っぽい印象を持っていたが,改めて読んだり観たりすると,やはりジョルノ(に影響された人)で物語が進んでいる.
アバッキオだけは最後まで反発?

いずれにせよ,作者以外が書くジョジョのスピンオフ作品としては乙一『The Book』と並び,非常によく書けている.

The Book jojo’s bizarre adventure 4th another day

ジョジョネタついでに,界隈での有名人,カジポンのブログリンクを貼っておきます.

文芸ジャンキーパラダイス

小学校時代からの友人なのだが,いやホンマ,いろんな意味できゃつには絶対勝てん.
『現代用語の基礎知識』「ジョジョ立ち」「墓マイラー」の2つを残す一般人(?)はなかなかいないと思われる.

それにしても,第7部『スティール・ボール・ラン』もアニメ化されるのだろうか?
あの絵が動くところを観てみたい.

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