あぁ異国の地よ~過ぎ去りし日々

2023/9/7 Thu

全てが愛おしい

先日,Yahooニュースで面白い記事を読んだ.

いま空港でトラブル続出…日本人の若者の7割がじつは知らない?「パスポートの落とし穴」

この記事の若者(?)を笑えない.
新しいことに関しては誰もが初心者,失敗して成長するのだ.

むしろ,代理店に頼まず自分でやろうと思ったことを評価したい.
その考え方だけで既にチャレンジング.素晴らしい.

新コロ禍が(ほぼ)明け.今夏から海外旅行に出かける人が増えているようだ.
ただし円安が猛威を振るっている.

PBP参戦などの記事を読むと,燃料サーチャージはもとより,現地での飲食代,日用品の値段がえげつない.
赤コーラが¥500とか...

Kazchariが最後に海外(インドネシア)に出かけたのは2019年12月.

2019年のラジャ・アンパットダイビングクルーズ(1)

当時ですら,円の価値は既に怪しかった...

本当に時代は様変わった.
海外旅行って,もっと気軽に行けていた気がする.
では,そんなKazchariは,これまでどこを旅してきたか.

Kazchariが人生初の海外旅行に出かけたのは1989年である.
大学の卒業一人旅.行き先はケニア,インド,ネパールだった.

なぜこのように変則的なのかと言うと,当初は西アフリカのトーゴが目的地(フォスターペアレントの寄付先)だったからだ.
旅行代理店に相談したところ,「旅行初心者に西アフリカは難易度MAX」と諭され,代わりにメジャーな観光地であるケニアを薦められて変更した経緯がある.
今のスキルがあれば,ケニアからトーゴに飛べただろうが,当時はレベル1の雑魚.素直に断念した.

その際,利用した航空会社はエア・インディア.
往路,復路ともムンバイ(旧ボンベイ)でのトランジットが可能だった.

それで,インド(とネパール)を旅することになったのだが...いやもう,噂に違わぬカオスっぷり.それまでの全ての価値観がぶっ壊れた22歳の春だった.

その後,会社勤めをしたが,仕事のあまりのつまらなさに3年も経たずに退職.
大企業だったため,いわゆるブラックではなかったけど.
ひたすら自由が欲しかった.山の向こう,海の向こうの景色が見たかったのだ.

向かったのは盗難...おっと東南アジア.
タイ(バンコク)を皮切りにラオス,カンボジア,ヴェトナム,マレーシア,シンガポール,インドネシアを10ヶ月ほどバックパッカー.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(1)

旅の回顧録~1993年のヴェトナム(1)

戻ったタイにて睡眠薬強盗の被害に遭い,パスポートと有り金を全部ヤラれたので旅は強制終了.
そんな26歳,無職の秋.

猛勉強(?)の末,専門学校に合格.
入学前に旅館住み込みバイトで軍資金をため,再びタイの事件現場へ渡航.
その時,お世話になった方々に御礼.
落とし前をつけるため,そこから前回の旅をリスタート.
訪問を予定していた国,ミャンマー(ビルマ)を訪れる.
あそこまでやさしい国民性を他に知らない.

専門学校にておとなしく1年を過ごす.
比較的時間のあるうちにと,進級前の春休みに再びインドへ.
全く予定になかったが,現地思いつきでモルディブを訪問.
ありえない美しさの海にて,初めてスキューバ・ダイビングを経験する.

『南の島の大統領』を観た~モルディブの思い出

残りの専門学生生活を送る.
バイク事故により1年留年する羽目になったが,無事卒業し国家試験合格.
同級生だったヨメさんと結婚し,久々にまともな社会人生活を送る.

3年が経過.
かねてからの野望,青年海外協力隊への参加を模索.
参加要件を満たしたため,選考試験を受ける.
ちょっとした病気に罹患したことにより,見事に不合格.
資格を活かして1年間パート勤務.

2回目の選考試験で無事合格.
ジャマイカに2年間滞在することになった.
そんな35歳の冬.

派遣中は3週間の自主的な海外研修が可能.
近隣&許可された国だったドミニカ共和国,パナマ,コスタリカを訪問.
各国の隊員によるアテンドがディープだった.

無事2年間の任期を終えた...のだが,これまた自費での帰路変更可能.
メキシコ,ベリーズ,グアテマラに立ち寄ってから成田の地を踏んだ37歳の春

これまた資格を活かして職を見つけ,大阪から北海道へ引っ越し.
失業状態から再就職まで3ヶ月ほど時間ができたので,ヨメさんと地球一周の旅に出る.

世界一周堂の3大陸コースを選択.

アメリカ(アラスカ),メキシコ,チリ,アルゼンチン,パラグアイ,ブラジル,スペイン,モロッコ,ポルトガル,エジプト,フィンランドを訪問.
特に幼年期からの憧れ,イースター島が想像以上に素晴らしかった.

旭川に住み,再び定職についてからしばらくはGWおよび秋の連休を利用して渡航する生活が続いた.

その多くはダイビング目的.

パプアニューギニア(マダン,キンベ湾)から始まって,フィリピン(セブ)タイ(コタオ)インドネシア(コモド)パラオメキシコ(ラパス)...

リゾート滞在やクルーズ船での旅である.
国内も沖縄の離島や小笠原にも行ったなぁ.
特に気に入ったのは西表島多良間島だ.

やっかいなのは潜るだけでなく,一番金のかかる水中写真にもはまってしまったこと.

スキューバダイビング,やめよっかな?

他にレンタルバイクによる「ボルネオ島縦断ツーリング」(ツアー)にも参加.
東マレーシア(コタキナバル),ブルネイ,インドネシア(ポンティアナック)を走破.
モニターツアーだったせいか,代金が格安だったのが印象的.
その大盤振る舞いのせいなのかどうなのかわからんが,数年後旅行会社が倒産するというオチ付き.

ボルネオ島縦断ツーリング

モルディブ帰りにスリランカもバイクで走った.

娘が生後4か月の時にはグアム,2歳の時にはタイ(プーケット)に連れて行った.何の記憶も残っていないそうな.

息子ができてからは4人で台湾に行った.
娘はともかく,こちらも1歳に満たなかった息子は何も覚えていない.

そして2020年,新コロ禍の到来.
以降,パスポートのスタンプは増えていない.

こうしてまとめてみると,行きたいと思った場所にはほぼ足を運んでいる.
一度は断念した場合も,なんだかんだで最終的には到達している,なかなかリベンジな人生やな.

辛いこともあったけど,やはり旅以上に楽しいことはないな.

自由が欲しい,社会的地位も欲しい.
内面が見たい,外面も愛でたい.
片方しか知らない人生は送りたくない.
これは19歳でヘルマン・ヘッセの『知と愛』を読んで以降,Kazchariの行動指針となっている.

知と愛(新潮文庫)

何だか全てが終わってしまったかのような書き方だが,まだ見ぬ土地への憧れはあるか?
答えはYESだ.

「若い時旅をせねば老いての物語がない」(とある古典)

見るべき物,経験すべきこと,会うべき人ははまだまだ存在する.

『ザリガニの鳴くところ』を観た~強肉弱食

2023/8/9 Wed

彼女が愛したのは...

サスペンス映画の視聴が続く.
本日のZwiftの友は『ザリガニの鳴くところ』(2022)である.

ザリガニの鳴くところ

原題は「Where the Crawdads Sing」なので,そのまんま? いや「歌う」?
こんな意味不明の邦題,よく日本の配給会社が許したな.
オリジナル尊重は最近の傾向?

原作小説があるようだ.

ザリガニの鳴くところ Kindle版

で,「おすすめ」にアップされていた&変なタイトルに惹かれて再生.
なぜか吹替版しかない(Kazchariは字幕派)

もちろん予備知識ゼロで鑑賞.

以下,あらすじとネタバレ感想である.

1960年代,アメリカ南部(ルイジアナあたり?)の湿地帯.
まずはその豊かな自然がたっぷりと映される.
肝心のザリガニはいたっけ?

20mはある見晴台のすぐそばで,若い男性(チェイス)の死体が発見される.
警察が捜査.
死体周辺に足跡もなく,手すりにも指紋がない(誰かが証拠隠滅をはかった?).
事件性を感じた警察は,森の中で一人暮らしをしている通称「湿地の娘(カイヤ)」に疑いの目を向ける.
ちょっとしたボートチェイスの末,カイヤは逮捕される.
事件のことについてほとんど話さないカイヤに対し,陪審員裁判が行われる.
検察の求刑は一級殺人の罪で死刑.

ここで場面は10年ほど遡る.

湿地帯の森の中に住む子沢山の家族.
まず,母親と子どもたちの微笑ましい交流が描かれるが,そこに登場するのがDVオヤジ.
戦争帰りのPTSDなのかわからんが,些細なことで妻や子供を怒鳴り散らし,さらには暴力を振るう.

やがて,我慢の限界に達した母親は失踪.
続いて姉や兄も次々と家を出て,幼いカイヤと父親だけが取り残される.

近くに黒人夫婦が営む雑貨屋がある.
学校にすら行かせてもらえないカイヤを色々と気にかけてくれる.

この夫婦,当初はオヤジだけでなくカイヤへの態度もやたら慇懃.
原語ではどうなっているのかわからんけど,アメリカ南部の差別性,保守性を表現する秀逸な場面だ(時代が進むと少しずつ変化してくる).

やがて父親もどこかへ去る(この後は出てこない).
小学生(?)のカイヤだけが一人で暮らすことになる.
湿地で採れるムール貝を雑貨屋に売ることで,なんとか生計を立てている.

数年後,美しく成長したカイヤは,森の中で鳥の羽根が切り株に立てられているのを見つける.時には各種生活用品も添えられていた.

それは幼い頃に何度か見かけた青年,テイトの仕業だった.
カイヤに会うため,森に通い詰めるテイト
読み書きのできないカイヤに字を教える.
なんだかんだで仲良くなっていく二人.
カイヤがその気になっても,なぜか一線は越えないテイト(怖かった?).

テイトカイヤの観察眼や画才に驚嘆し,出版を薦める.

しかあし,都市部の大学に合格したテイトはしばし町(湿地帯)を離れることに.
「数カ月後の独立記念日には戻ってくる」と言い残す.

はい.当然テイトは数ヶ月どころか数年間,現れません.
ベタな「木綿のハンカチーフ」ですな(あれ,ついこないだも書いたような).

数年が過ぎ,以前に比べると湿地帯にも多くの人が訪れるようになった(ついでに開発業者).
その中にいかにもなチャラい青年,チェイスがいた.

なんだかんだでチェイスの誘いに乗るカイヤ
見た目と違い,チェイスも割りと礼儀正しくて,カイヤがこばめば手を出さない律儀な面もある.
かろうじてキリスト教保守の価値観が残っているのか?
もしくはテイト同様,「こいつに手を出すとヤバイかも」という躊躇があったのか.

ただ,チェイスの性格についてはところどころ描写されており,カイヤの絵の扱い方や◯◯◯のシーンに,彼の身勝手さや粗暴さが表現されている.

うん,わかりやすい映画だ.

大学を卒業したのかまだ研究生なのかわからんが,テイトが湿地帯に帰ってきた.
チェイスと遭遇.彼の正体に気づきカイヤのことで諍いが起こる(おっと,ミスリード).

テイトは未練がましくカイヤに近づき,チェイスは悪いヤツだと告げるが,それはさすがにかっこ悪いぞ(♪けんかをやめて~)

滞納していた固定資産税を支払うために,図鑑の出版を企むカイヤ
原稿を送ったところ,思った以上に評価されて無事出版にこぎつける.

名前が世に出たため,離れ離れだった兄(軍人)とも再会.
おおっ,徐々に話が良い方へ.

...と思いきや,カイヤ,なんだかんだでチェイスの正体に気づく.
別れ話を持ち出しても,しつこく迫るチェイスを拒絶するが,逆に殴られてしまう.
そう,チェイスはかつてのDVオヤジと同じタイプだったのだ(あるある).

なんとかしてチェイスから逃れ,静かに暮らしたい吉良吉影...じゃなかったカイヤ.しかし,この湿地からは何が何でも離れたくない.

で,場面は法廷に戻る.

結局,検察の主張が無理筋だったのと,弁護士の有能さにより陪審員は無罪の評決.

ここからは怒涛の展開.

テイトとも和解して結婚(裁判の時,お腹を触ってたけど...あれは?)
湿地の家にて静かに年を重ねていく二人.なんか『ターンA』の最終回っぽいな.

やがて老婆となったカイヤ
森の奥から現れた若かりし母の幻を見ながら,水に浮かぶボート上で息を引き取る.

遺品整理をする老テイト
とある画帳を開くと,そこにはチェイスの似顔絵と,殺害現場から持ち去られたとされる貝の首飾りがはさんであった.
そして全てを察するテイトだった...

終わり.
えっ,終わり!?

謎解きの答えとしては,法廷にて弁護士が「こんなことは不可能でしょう!」と説明していたことが実行されたということやろな.

他には,出版社の社長に話した「自然には善悪の概念はない」「時には弱者が強者にかつこともある」が,彼女の行動理念なのだろう(決意表明か).

サスペンス物としてはイマイチ感が拭えないが,とりあえず回想で殺人場面を再現しない点は良かったな.完全に蛇足.

そもそも”サスペンス”として作られていないように思える.
むしろ人生哲学.

結局,カイヤが愛情を向けるのはヒトでなく,自然=湿地そのものやったんやろなぁと解釈.

つまり(ナードっぽい)テイトや(ジョックスっぽい)チェイスという正反対のタイプに惚れるあたり,彼女にとって人間も純粋に観察対象.
これまで画帳に描いてきた湿地の生き物と同じレベルかもしれん.

残されたチェイスの似顔絵.
彼との関係を考えると,普通そんなん残しますか?
あまりにも冷静過ぎる.
そこに感情はないのかもしれない.

「湿地帯で静かに暮らす」という最大の幸福を邪魔する者は,何がなんでも排除する.という決意の下に行われた犯罪なのだろう.
テイトも無理に湿地からカイヤを引き離そうとすればヤバかったかも.

そやけど...演出のせいか,どうしてもカイヤに同情っつーか,感情移入できない.
少女時代から服も顔も小綺麗やし,何よりずっと健康そう.
コミュ症・人嫌いと言っても生活に支障をきたすレベルではないし.

「町の住民から虐げられている」と訴えるが,そんな描写もほぼない.
せいぜい聞こえよがしに陰口をたたかれる程度.

このあたりの不幸描写が弱いので,カイヤにイマイチ共感できなかったのかも.

レビュー評価は高めなので,まっ,好みの問題でしょう.

そうそう,これも以前アップした『フロッグ』のように,キャラをジョジョ絵にしても馴染む気がする.特に7部あたりの絵柄がぴったり!

Amazon Prime Videoで『フロッグ』を観た~脳内変換すると楽しめるゾ

つーことで,サムネの主演女優さんの表情にビビッ!っと来た人にはオススメです.

Amazon Prime Videoで『フロッグ』を観た~脳内変換すると楽しめるゾ

2023/8/4 Fri

日常に潜む恐怖

Zwiftの友,Amazon Prime Videoにて『フロッグ』という映画を観た.

フロッグ(字幕版)

別のサスペンス映画を観て以降,ずっと「おすすめ」に上がっていた作品.
完璧に前情報なし.
この手の映画で評価は星4以下と,少々地雷臭がするが,まぁ,食わず嫌いはよくないと鑑賞.
結果的に...うん,偶然が偶然を呼ぶ無理矢理な展開でしたな.ただ...

以下,あらすじとネタバレ感想.

原題は『I SEE YOU』
内容的には,こちらの方が適切.

『IT』の舞台に似た,典型的なアメリカの田舎町.
MTBで林道を走る少年.
何か未知なる力で,突然“後方に”ふっとばされる!

おっ,オカルト物なのか? 透明なナニカに襟首でも掴まれた?
...と思いきや,実は誰かが木の間に張ったヒモにひっかかっただけでした(後でわかる)

あれれ,おかしいぞぉ.

ヒモがMTBにひっかかったなら,少年は前方に吹っ飛ぶのでは?
と,まず物理法則を無視した展開にツッコミ.

場面は変わって,郊外の豪奢な住宅.
中年女性が朝食を作っている.
息子が2階から下りてくるが,なぜか険悪なムード.
二人の会話から,どうやらこの母親が不倫をやらかしてしまい,それがバレ,街中で噂になっていることがわかる.

母親(カウンセラー)が外出した後,リビングのソファで寝ていた父親(刑事)も起きる.
冒頭のMTBの少年は行方不明らしく,その捜査を担当中.

この街では過去にも少年の連続誘拐事件があり,犯人は収監中.
特徴はグリーンの五徳ナイフを現場に残していくという特徴がある(この設定,あまり意味がない)

さて,この日を境に,この家では数々の怪奇現象が起こる.
いきなりテレビのスイッチがついたり,マグカップが行方不明になったり,銀食器が全てなくなっていたり,レコードプレーヤーが鳴り出したり...うん? なんかしょぼいな.

さて,これらの怪異を訝しがる一家だが,ある日,母親の浮気相手が家に乱入.
なぜか中途半端な拒絶の母親にイライラさせられる.

そこへ,どこからか飛んできたマグカップが男の頭にヒットして出血!(大したケガではない)
それをなぜか地下室で治療する母親.なんなんだこの人.

息子を学校に送るために出かけた合間に,この不倫相手は何者かに撲殺される.
帰宅した母親は死体を発見して絶句.
夫に助けを求める.

息子の仕業と思い込んだ二人は,死体を森の中に埋めに行く.
うん? 息子に確認せんでええんか?

二人が戻ると,なぜか気絶した息子が手足を縛られて浴槽に転がされていたッ!
何ぃ! この家には誰かがいるのか!?

ここで舞台暗転
時間が巻き戻り,タネ明かしが始まる.

他人の家に勝手に侵入し,屋根裏などに住み着き寝床にする.(バレない程度に)食料を頂き,短期間でまた別の家に移る.決して家の持ち主に危害を加えない.
こうした行為を「フロッギング」というらしい.
もちろん犯罪だが,悪意というよりスリル満点のゲームと捉えている感がある.

この家にも男女二人が侵入.フロッギングを楽しむ女と違って,ビギナーの男の方は期待外れで面白くなかったのか,ルールを破り,家人に対しいたずらを仕掛けるようになる.それが数々の怪奇現象の正体だったのだぁ.
ちなみに男はカエルの被り物をしている.

男は精神的に不安定で,行動がどんどんエスカレート.
とうとう,寝ている父親に小便をかける荒業!(なんで!?)

そろそろ潮時と思った女は,地下室にて母親の浮気相手を父親に撲殺するシーンを目撃してしまう!(なんてこった!)
そう,誘拐事件もしかり,真犯人はなんと刑事である父親だったのだぁー(棒)

女は「これはヤバい」と男に知らせるも,壊れている彼(息子を緊縛中)には話が通じず,もめた末に階段から突き落とされる.
そして後頭部を強打し死亡(っぽく見せる演出).

あわてた男はガレージのクルマに女(の死体)を乗せて逃亡を図るが,そこへ夫婦が帰宅.
気絶している息子を発見し大騒ぎ.母親が病院に搬送することに.
父親は「家で犯人を探す」と告げるが,女の死体が乗ったクルマでどこかへ出かける.

車内で目覚める女.
偶然,そばにあったカバンの中に血まみれのバットやら,グリーンの五徳ナイフやら,行方不明中の少年のシャツを発見.
全てを察してしまう.

女はどこかの森で停車したクルマから脱出.
周囲に父親はいない.
携帯電話で警察に助けを求めるも電波弱し.残念.

徘徊中,偶然,森の中でキャンピングトレーラーを発見.
早く逃げれば良いものの,なぜか好奇心にかられて侵入.
なんと,そこには...はい,おわかりですね.なんと誘拐された少年2名が監禁されていたッ!

助けようとするものの,背後からビニール袋を持って近づく父親!
女はまたしても殺される(ように見える演出).

父親,女の死体を連れて帰宅.
ソファに横たえ,ほっぺたをペチペチすると女が蘇った(またかい!)
父親は全てがバレたことを知り,この女を犯人に仕立て上げることにする.
銃撃戦の末に女を銃殺(したように偽装).
さすがに今度こそ死んだ?

女が殺されたことを知った男は逆上.

父親との最終バトル開始.

さすがに拳銃を持った刑事相手では分が悪いのか,気絶させられ,強盗犯の濡れ衣を着せられそうになる(半分は本当).
ところが油断したスキに男が拳銃を奪って反撃.

父親も,死に際に「聞いてくれ,オレも...」とかなんとか言ってたので,過去に何らかのトラウマ経験(誘拐?)がある模様.
男はそれを意に介さず発泡.

警察に取り囲まれた自宅を見て,呆然とする母と息子.
全てが終わった.

ここで回想.
フロッギングの男も子供の頃,まさにこの犯人(父親)に誘拐・監禁された被害者だったことが明かされる.

終わり.
えっ? 終わり!?

つまり,虐待の連鎖ならぬ,誘拐・監禁によるトラウマや連鎖を表現したかった...のだろうか.
アイデアは悪くないけど見せ方がなぁ...
役者もあまり魅力がないし.

にしても,登場人物のほぼ全員が胸糞.

フロッギングの男女にも同情できないし,真犯人(父親)と母親は言わずもがな,
これはあれだな,どっちもどっちの『ドント・ブリーズ』パターンか.

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しいてあげれば,息子はわりとまとも.
それでも母親はアレだし,父親の正体がバレればこの街にはいられない.
中学生(?)にしてこの先,過酷な人生が待ち受けている.

超常現象に頼るのでもなし,無意味にスプラッタ描写もなし.
そこは良い.
偶然には頼っているけどな.

いわゆる”日常に潜む恐怖系”映画だった.

おっ,言われてみれば「ジョジョ第四部」もしくは「岸辺露伴」シリーズにあっても違和感のない話やったな.
そう考えて,各キャラを荒木絵に置き換えると...ゴゴゴゴゴッ...おぉ,馴染む馴染むぞ!

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない

真犯人が平穏を愛する殺人鬼,吉良吉影(川尻浩作)で,街並まで杜王町に見えてきたぜッ!
そして,真相をあばくのは息子(川尻早人)!

例の放尿シーンとか,むっちゃありそう.
もしかして監督もしくは脚本家はジョジョラーだったりして.

つーことで,散々ネタバレしてしまいましたが,脳内でジョジョ風にキャラを変換できるなら,めちゃめちゃ楽しめるかもしれない映画でした.

チャン♪チャン♪

『映画を早送りで観る人たち』を読んだ

2023/7/7 Fri

倍速視聴はしないけど

7/1より『ツール・ド・フランス2023』が始まった.

例年だと,一週目は出場選手の顔見世.
つまり,個人TT,スプリントステージ,丘陵ステージ,週末に一級山岳1つだけステージなど,ヴァリエーションに富むものの,まったりペースでスタートすることが多い.

だが今年は別物.

珍しくラインレースとなった第1ステージから全力全開.
早くも総合2強のポガチャルとヴィンゲゴーの争いが見られるなど,とんでもない展開.

第4ステージのスプリントもサーキットゴールが大混乱を産んだ.
道が広すぎ=ライン取りの自由度が高すぎて落車続出というスペクタクル.

そして,まさかのポガチャル失速からの倍返し!の第5,6ステージ.
面白すぎる.

今のところ天気も良く,悪天候続きだったジロの陰鬱さとは真逆.
毎日楽しみにしている.

イマイチ盛り上がらない今年の『ジロ』

さて,そんなツールだが,Kazchariは例によってJ-SPORTSオンデマンドの月払いパックで視聴中.

毎晩たいてい21時前後に放送開始となる.

とは言え,ずっと画面を見続けているわけではなく,山場を除き,洗い物やらZwiftなど何か別のことをしながらという,ラジオ的な活用をしている.
トイレ・浴室にも持ち込むけどな.
毎晩23時半には就寝するので,そこで視聴は中断.
続きは翌朝,というルーティン.

そう,ロードレースは中継時間が長いのだ.
一時,スーパースター・ペテル・サガンが「このスポーツは退屈すぎる.オレだったら最後の5分くらいしか観ない」なんてことを発言して物議をかもした.

確かに.

コスパ,タイパとうるさい昨今,競技時間が5,6時間かつほとんどの画面が「おっさん達のサイクリング」というエンタメが生き残っていること自体が奇跡.

さて,先日,このコスパやタイパ志向がすっかり強くなった現代人による映像作品の視聴スタイルについて言及した書籍『映画を早送りで観る人たち』を読んだ.

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書)

最初にこの本について知ったのは,数ヶ月前の岡田斗司夫ゼミだったかな.
そこで興味を持ち,図書館に予約を入れたのだが,人気本のためか,なかなか確保できなかった.それをようやく読了.

さて,内容をざっとまとめる,

最近,映画やドラマ・アニメなどの映像作品を倍速再生や飛ばし見視聴する人が増えている.
具体的には「会話のないシーンや風景だけの描写シーンは飛ばす」「連続ドラマのサブキャラのエピソードは飛ばす」など.
さらには「後悔したくないのでドラマ視聴前に先にネタバレ・考察サイトを読む」などのコスパ志向.

これらの行動,Kazchariには,この本の著者同様,作り手に敬意のない失礼な態度と感じらたのだが,本人たちは「買ったモノはどう扱おうが個人の自由」という思考.

こうした人が増えたのは以下の理由.

1)サブスクが普及し,膨大な作品をチェックする時間に追われている.
映画館に行く,ビデオを借りるなどの手間が不要な分,視聴が手軽になりすぎた.

2)SNSで共感し合いたいので,多くのコンテンツを知っておかねば.
多数の人と話を合わせるため,もしくはマウントをとるためには,とりあえす流行りのコンテンツを押さえておく必要がある.

3)全てをセリフで説明する作品の増加.
登場人物自身が状況,心情をセリフで丁寧に説明しまくり.構図や風景,表情からキャラの思惑を類推しなくてもよい=画面を観続ける必要がない.

ようするに,視聴が手軽になったコンテンツをできるだけ多く,早く”消費”したいという効率化が何よりも優先されている.
だが,それはもはや”鑑賞”とは呼べない.

一番驚くのは,ネタバレ禁どころか,むしろ自分からネタバレ・考察サイトをチェックしてから,その作品を観るかどうか決める人がいるということ.
ハズレを引きたくないというコスパ志向に加え,「予想外の展開や心が揺さぶられる内容は疲れるから避ける」という驚愕の理由.

現実の生活で心身ともに疲れ切っているのに,単なるエンタメに芸術性や高尚さなんぞは求めていない.ただ楽しみたい.ひたすら見たいものだけを観たい.激しい感情を喚起させられたくはない...

世の中ハラハラドキドキ,喜怒哀楽も全て体験してなんぼと考える厨二なKazchariには理解できん.
単なる現実逃避に思えるけどな.

...と,こうしたコスパ・タイパ至上主義者に賛同しかねるのだが,次の一文で論破されてしまった.

「自分もAVでは早送りする」といったお茶目な反応が複数あった.たしかに,“目的”のために“物語”を無視して“お目当てのシーン”だけを“繰り返し”視聴する映像ポルノは,快適主義が求めるものと要素としては同じだ.

えー,はいすいません.
ヒトなんて根っこのところではみな同じ.
優劣はないっつーことやね,きっと.

それでも,現代社会のこの膨大なコンテンツの海に放り込まれた結果,「ヒマ恐怖症」になりがちなのも確か.
少しでも時間があれば,スマホを手に取り「情報」という名のエンタメを注入され続けてる.

「我々は暇を恐れすぎている」と,エライ人が言っていた.
つまり脳を休ませて,これまでの知識や経験を整理整頓する時間が必要.
そうでないと,脳が汚部屋になるだけ.
ようするにデジタルデトックスが重要ということやな.

そこで登場するのはやはりチャリ.

「ツール」の放送もダイジェスト版があるけど,やはり同じような画面が延々と流れるLIVE中継を,ダラダラと酒でもチビチビ飲みながらボーッと観るのが心地よかったりする.

そして何より,頭からっぽにして夢を詰め込めるブルベがやっぱり最高.
例えば400ブルベの200~300kmの間なんて,究極の退屈さ.

さーて,来月のブルベさんは?~悩ましの400

チャリこそ人生を満足させる最強のコンテンツ!...と言いたかっただけ.

あの『弱虫ペダル』の渡辺先生が...

2023/6/22 Thu

御堂筋と絵心の区別がつかない

iPhone11 Pro

少し前の話だが,弱虫ペダルの最新刊,第84巻を購入(ダウンロード)した.

ようやく話が進んだ感.

坂道の後継者はともかく,というキャラクターは実に魅力的だ.
彼のおかげで,マンネリ化したIHの展開がようやく活性化するかも,と期待.

ところで,3年目のインターハイ,総北のメンバーはどうなる?

順当だと主役3人+鏑木+1年生2人かな.段竹脱落の伏線張ってるし.
鏑木もなんらかの事情でIHに出場できず,六代と元バスケ部二人が...って面白い?
杉本はさすがに難しいか.

そやけど,やっぱり鳴子は総北に残るねんなぁ.
京都伏見に転校して,総北のライバルになるという熱い展開に期待してたけど.

どうしても,IHの最後は3人手をつないでのゴールにしたいのだろうか?
だとしたら少々興ざめではある.

キャラが動き出すと作者の手には負えない,つまり作者自身にも展開が読めない,とはよく聞く話.

とまぁ,中身はともかく,今巻の目玉は巻末のおまけマンガだった.

ここは作者の渡辺航先生の近況報告ページなのだが,今回は新車購入レポートだった.

なんと渡辺先生,Kazchariと同世代のEMONDAを購入したとのこと.
機械式ディスクと変速機という,通好みのこだわりの違いはあるけど.

で,そのインプレが興味深い.

1) 集団内で速い

2) 登りのタイムはあまり変わらない

3) か...かたい

4) 単独でも速い

5) デザインがイマドキでカッコイイ

6) ディスクブレーキはよく止まる

基本”ぼっち”のKazchariも「1)」を除いて完全に同意.

そうそう,EMONDAだからと言って,坂道のタイムが(何もせず)伸びるわけはない.
むしろ,慣れているDOMANEの軽量化verの方が速いかも...
再来週のヒルクラ大会,どっちで出る?

『旭ヶ丘ヒルクライムアタック2023』にエントリー!~坂バカ宣言

やはりEMONDAっつーかハイエンドモデルのフレームは固いのねん.

デザインは文句なし.
けど旧型のような軽量というイメージはなくなったな(実際重量増).

そのの最大の要因であるディスクブレーキは,これからの必需品.
先日の「きのこの山300」におけるオロフレの下りで痛感.リムは止まらん.

BRM610きのこの山300km(その2)

いずれにせよ,チャリを乗り込んでるガチ勢の渡辺先生と同意見はうれしいね.

iPhone11 Pro

Topstoneな図書館&ちょい乗りライド

2023/6/17 Sat

ノーストレス

iPhone11 Pro

曇り.温度:21 ℃,湿度:68%,体感温度:21 ℃,風速:17.9 km/時,風向:WSW

本日土曜日は,年に数回ある休日出勤の日.
ただし昼から.

当然,そのスキマ時間,つまり午前中ライドに出かけようと画策していたのだが...突然の雨.
おいおい,天気予報と全然ちゃうやん!

そんなこんなで部屋でウダウダしていたら10時近くになってしまった.
ただでさえ貴重なライド時間がぁぁぁ~

一応雨は止んだものの,路面ウェット.
こんな時に出動するのは,ファット...ではなくてTopstoneであるッ.

ウェアを着替え,ライト類を装着.
少し寄る場所があるのでリュックも担ぐ.

MALEROADS 【日本総代理店正規品】 サイクリングバッグ リュック バックパック リュックサック 10L-12L

発進.

うん.
「グラベルロード=最強のシティコミューター」という企業の広告は,あながち間違いではない気がする.
軽くて速くて段差も無問題.
デザインも変態,と文句なし(これは個人の感想).

まず向かうは図書館.

iPhone11 Pro

予約注文していた『イギリス人はおかしい』を受け取る.

イギリス人はおかしい―日本人ハウスキーパーが見た階級社会の素顔

イギリスで働く,とある日本人ハウスキーパーの見聞録.
夜に少しだけ読み進めた.
その第一章は映画監督リドリー・スコット宅.
極端な完璧主義者という非常にやっかいな存在.
服にはこだわらないが,家への愛着は半端ないらしい.
触ると曇ってしまう金(ゴールド)を,なぜかドアノブにも採用.
誰かが触るたびに4時間かけて磨かせる...
几帳面と合理性は結びつかないのか?

...とかなんとか,“あたおか”なエピソードが満載.
世界は広い.

さて,ライドの方である.
図書館で本を受け取って,すぐ帰宅するのはもったいない.
いつもの河川敷サイクリングロードを駅方面へ向かって走る.

このルートは路面が荒れている箇所が多い.
いつもはカッチカッチのロードバイクで走っている道だが,さすがサス付きグラベルロードのTopstone,なんともないぜっ!

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駅を過ぎてしばらく進むとタイムアップ.
Uターン地点である.
ふと横を見ると,以前はなかった見慣れぬ遊具が設置されている(気づいてなかっただけ?).

iPhone11 Pro

よく見ると子供用というより,大人用のトレーニングマシン群だった.
別の場所では見かけたことがある.

「まぁ,毎日チャリ乗ってるし,最近自重トレ毎日やってるしなぁ.こんなん使わんでも...だひゃだひゃ」とイキっていると,とある器具が目に入った.

懸垂マシーンである.

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いや,本当は違う用途のようだが懸垂に使えるのは間違いない.

iPhone11 Pro  ぬるい

これは家ではなかなかできない筋トレ・メニュー.
若かりし頃(高校)は10回以上余裕だったが,今では?

トライしてみることに.

3回ほどでダウン...つーか,左肩がゴリゴリ鳴り出したのでやめた.
おおっと,先月,落車で肩鎖関節を亜脱臼したばっかりやったわー

EMONDAな初クラッシュライド~わりと重傷

ふん.万全の体調やったら10回ぐらい...いや,ヤバイかも...否! 今日はこんくらいにしといたるわっ!(シクシク...泣かんでええがな)

で,引き返す.

11時を越えたので,本日第二の用事でクランカーさんへ.
最近懸念のチューブ用バルブエクステンダーを買うつもり.

Kazchariは普段,コンティネンタルのバルブ42mm長のチューブを使っている.

2本セット コンチネンタル(Continental) チューブ Race28 Wide 700×25-32c 仏式 42mm プレスタ [並行輸入品]

DOMANEのホイールは50mmハイトなので,このチューブ使用時は,元々付属していたエクステンダーで延長している.

問題はEMONDA.

こいつには「Bontrager Aeolus RSL 37」ホイールを履かせている.
名前通りに37mmハイト.
もともと長めバルブのチューブがセットアップされている.

パンク時,バルブ長42mmのチューブだと短くて使えない.
よくこれまで無事に済んでいたものだ...ということに先日気づいた.

素直に60mmを買えば問題なさそうだが,42mmチューブのストックがまだあるのでエクステンダーを買うことにした.

iPhone11 Pro

2本で¥1,404.
ただの金属棒なのに...高い.
ネットでも値段はさほど変わらない.

パナレーサー(Panaracer) 用品 バルブエクステンダー(ブラック/ブルー) (20mm/50mm)2本セット [2ピース仏式バルブ用] バルブコアツール付属

つーことで帰宅.
昼食をざっと作り(インスタントラーメンだが),午後から出勤.

仕事を終え,夕方,家に帰り,しばらくすると娘も習い事から戻ってきた.

今晩はヨメと息子はラグビーの遠征で留守.
食事を兼ね,娘と二人で旭川にある『万葉の湯 高砂台』に行くことにした.
こちらも『ふとみ』同様,共済の優待券対象なのだが,やはり追加料金が必要.

では,なぜわざわざ行くのかというと...娘がアニメ第一期が終わった『ブルーロック』の続きを読みたいから,らしい.

ブルーロック

さて『万葉の湯』と言えば,コミックの豊富なストックで有名.
はたして第二期の始まりとなる11巻以降は置いてあるのでしょうか?

...なかった.『ふとみ』にはあってんけんどな.

仕方なく,メシだけ食う.

iPhone11 Pro

娘がふてくされていたので,ここは激甘親父スキル発動.
温泉の帰りにGEOに立ち寄り,レンタルしてやることにした.
大喜びの娘.

iPhone11 Pro

さて,意気揚々とGEOに乗り込む娘.

速攻で『ブルーロック』の居場所を発見!
11巻から手に取りカゴに入れようとするが...なんと,12巻が貸し出し中.
皮肉なことに13巻以降は全てそろっていた.

おいおい,ここまで運が悪いヤツはそうおらんぞ,娘よ.
何かウラで悪いことしてへんか?

すごすごと自宅に戻った後,さらにふてくされた娘はおもむろにテレビを付け,Amazon Primeで『ブルーロック』の2巡目に突入するのであった.

ちゃんちゃん.

雨の週末~こんな時は...

2023/6/4 Sun

退屈を楽しむ?

昨日から雨が降り続く北海道.

それでも土曜日の夕方は「花神楽」にてサウナ.
露天からは青い空と美しい夕焼けが見えた.
ワンチャン,翌日曜日は晴れるかも...と思ったが甘かった.

日曜朝も,目を覚ますとしっかり雨.
ぐわー,これで休みのライドがつぶれた.

チャリに乗れない休みは実に退屈.
いや,この思考は危険だ.
日本人はとかく予定を埋めたがるクセがある.
ゆったりと流れる時間を味わいつくす...無理だ.

天気が悪いなら悪いで別の娯楽を見つけよう.
Zwiftとかネットとかガンプラとか...いつもの平日と変わらん.

朝食&洗濯物干しを終えてネットに接続.

昨日スタートの「BRM603宗谷600」
SNS上にて参加者が次々にDNF報告.
正に阿鼻叫喚.
既に土曜日のオロロンライン北上時からして雨と爆風,しかもアゲインスト.
おまけに低温.おそらく10℃以下.
制限時間を考えるとロクに睡眠もとれないだろう.

ほぼ全ブルベ制覇の知り合いの”鉄人”さえも完走を断念という過酷さ.
みなさんの無事をお祈りします...

やっぱ,雨のブルベはいかんな.

悪いことは言わない。ブルベで雨ならDNSしとけ

つーことで,外乗りは早々に諦め,Zwiftで「MAKURI ISLAND」を40kmほど散歩.
そのお供として,Amazon Primeにて『ブレット・トレイン』を選択.

ブレット・トレイン

原作(原案?)は伊坂幸太郎の『マリアビートル』

マリアビートル (角川文庫)

いわゆる「殺し屋シリーズ」の一冊.
原作を読んだのは何年前だったかなぁ.
残念ながら内容はほぼ忘却.
一時期,伊坂節とも言える独特のせりふ回しに夢中になった時期がありました.
最近の著作は読んでない.
今度,久々にチェックしてみるか.

さて,ある意味新鮮な気持ちで鑑賞した映画版.

ドンパチドタバタのコメディ映画としては,まぁまぁ面白かった.
舞台は日本っぽいどこか架空の世界(ということにしておこう).

主人公は運の悪い殺し屋っつーか便利屋「レディバグ=てんとうむし」.
カウンセリングを受けて新しい生き方っつーか意識改革中.

そこに次々に現れる殺し屋たち.
その群像劇.
突然現れては過去編があったりなかったりで...最終的にはほとんどが死ぬ.

2時間でこれだけ大人数のキャラを立てるのは難しいが,原作がしっかりしているせいか,どのキャラも割と印象に残る.

ただし...画も脚本もどことなくチープ.
ブラピ,真田広之(&サンドラ・ブロック)という豪華俳優を使っているのになぜ?

画に関してはやっぱCGかなぁ.
劇場だと音響も伴って異なる印象なのだろうか?

せりふ回しも何か「タランティーノっぽい何か」という印象が最後までぬぐえなかった.
これは伊坂幸太郎の原作からしてそうだっけ?

で,Amaの低評価レビューを見てみると「日本の表現に失望」という意見だらけ.
まっ,そこはいいのでは?
たぶん新コロ大流行中の撮影なので仕方がない.
これだけの情報社会である,それに日本人のスタッフも多数参加している.
もしかすると確信犯かも.

さて,朝食分のカロリーを消化した後は,シャワーを浴びて昼食.
そこへラグビースクールの合宿に参加していた息子が帰宅.
案の定,大雨の中の試合だったらしい.
それもいい経験だ息子よ.

この年になってつくづく思うことがある.
なんだかんだで少年期~青年期にかけてスポーツをやっていて良かったと.
Kazchariの場合は,剣道と陸上(長距離)である.

その経験が今の丈夫で健康な体につながっている(外傷は多め).
今でも身体を鍛えることに喜びを感じる.
また,肉体的に辛い時には「これはトレーニング」と自分に言い聞かせることができる性格に育った.

グロング GronG ダンベル 2個セット

トレーニングベンチ

そんな遺伝子の提供は元より,子供の頃に多くのスポーツの機会を与えてくれた親に感謝したい.

そうだ,退屈なら筋トレをすればいいのよ!

つーことで,今回のAmazonセールでも健康グッズ系をちょこちょこお買い物.
究極の自己投資!と言い聞かせて.

さて来週はサイクルイベントてんこ盛り.
最近怪しい「晴れ男としての矜持」は...はたして.

『ファイナル・カウントダウン』を観た~究極の...

2023/4/19 Wed

肩透かし

ガチなチャリダーと自称しつつも,Zwift時は「FTP」だの「SST」だの「レース」参加は避け気味のKazchari.
だってなぁ,真剣にレースとかしてたらAmazon Prime Videoに集中でけへんやん.

つーことで,本日も映画を観ながら走る.

今回は『ファイナル・カウントダウン』だぁー!

ファイナル・カウントダウン

公開は冷戦真っ只中の1980年.
その国威発揚のためなのか(たぶん)US-NAVY全面協力.

原子力空母ニミッツが主役.
そこから,戦闘機史上最も有名かつ美しい「F-14トムキャット」が発進!
たまらん.
空中給油のサービスカットまである.

「トムキャット」が活躍する映画と言えば,言わずもがなの『トップガン』
こちらの上映は1986年とだいぶ後になる.

トップガン

派手な戦闘やトム様,それにノリノリのBGMで誤魔化されるが,単純に戦闘機のPVという意味では『ファイナル・カウントダウン』の方が上(のような気がする).

えーと.ここでレビュー終了でも良いくらいなのだが,SF超大作らしいので一応ストーリーの感想も.

※ 以下,ネタバレ.

80年代のSFやアクション映画はロードショーやTV,レンタルビデオでそのほとんどを鑑賞してきたが,こいつはノーマークだった.
理由は,当時,映画キチの友人が酷評していたため.

曰く「騙された」と.

その感想が頭に強く残り,これまで鑑賞を避けていた.

しかし,昨夜たまたまAmazon Primeの「もうじき配信終了」リストに上がっていたのを発見.
これは最後のチャンスかもとクリック.

感想は...「それほど悪くない.でも(友人の)感想も正解」

”悪くない”理由は,先程述べたトムキャットがひたすらかっこいいから.
だが,ストーリーはダメだ.

いわゆるタイムリープ(スリップ)物である.
1980年,真珠湾沿岸で訓練中の空母ミニッツが,突如謎の嵐に巻き込まれて,なんと1940年12月7日に出現.
つまり”その日”の前日である.
最初は「何が起こったのか」と,とまどう艦長や乗組員.

周辺海域を調査中,アメリカ国旗を掲げた古いタイプだが新しいボートを発見,さらにそのボートが「ゼロ戦」に攻撃されているのを目撃.
出撃したトムキャットが,その戦闘力の差を見せつけ,ゼロ戦を撃墜.
ボートの乗員(上院議員と秘書)を救出,およびゼロのパイロットを捕虜にしたことで,ここが1940年の真珠湾であることを確信.

さらに索敵を続け,真珠湾攻撃に向かう大日本帝国の大艦隊も発見.
歴史を変えてしまうかもしれないことにビビりつつも,アメリカを守るため,これを殲滅すべく,トムキャット,コルセアを発進させるが....

おお,この後,大戦闘か!
数的には日本有利のはず.
さて,40年先の最新兵器は,旧式の大群相手に果たして勝てるか!

...と,この時点で上映時間は残り10分.

そう,その時,不思議なことが起こった.
都合よく”謎の嵐”が再発生.
正に戦闘に入る瞬間,空母ミニッツは元いた時代,つまり1980年に戻ってきたのだ...

そう,この映画に期待した大迫力の戦闘シーンは見事にカット.
何も起きずに終わってしまうのだ.

ようするにあれですか,神様は歴史の改変を嫌ったということですか.そーですか.

いまいちわからんのが,オーウェンス大佐の行動.
元々歴史書を書いている?
1980年には大富豪になっていて(未来の出来事を知っているから),部下のラスキーにニミッツに乗るように指示,過去の自分が現状を理解し,過去に残るよう仕向けた?

そんなそぶりあったっけ?

次期大統領の上院議員チャップマン(民主党)は,史実ではボートで行方不明のはずが,救助され,歴史が変わるかもしれない可能性ができた.
そこで島に置き去り作戦を...うん? おかしい.ラスキーはこのあたりの事情を知らないので,何かをけしかけたような場面はなかったようだが...
チャップマンの死も偶発的だし.

うーん,どう考えてもわかわらん.

いずれにせよ,オーウェンスは40年前に残り,40年後にラスキーに再会.
映画冒頭のオーウェンスとラストの彼は同じ人物(認識)と捉えていいいのか?
何か,このあたりのタイムパラドクスがモヤる.
当時は多元宇宙の思想はなかっただろうしな.

まっ,どこかレビューサイトの解説を読むか.

いや,もうこの辺のSF解釈は,もういいです.
やはり,この映画の最大の肝は最終戦闘回避でしょう.

作劇上の都合という,好意的な解釈もできなくはないが,おそらく一番の理由は予算.
Wikipediaで確認すると,この映画の制作費はたった2000万ドルだ.

最初から大規模戦闘なんて描く気はなかったんやろなぁ.
よく考えれば舞台はほぼ艦内の数カ所のみ.
他は(たぶんホンモノの)甲板,それに海に浮かぶ小型ボートだけ.
低予算臭がぷんぷんするぜ.

宣伝に騙されて,劇場で観た人は激怒するだろう(知らんけど).

それに捕虜となったゼロ戦パイロット.
日本人ではなく韓国人俳優なので,日本語の発音も文法も変.
「要求条件」なんて言葉はありません.
こういうのって,ちゃんとした監修が入らないものなのだろうか.
クリント・イーストウッド監督を見習ってほしい.

ところで,こうした現代兵器が過去の戦争に介入して歴史を変えてしまう,もしくは変えようとする創作物は他にもある.
有名どころ(と言っても日本だけ)では,やはり『戦国自衛隊』は外せない.

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角川映画全盛期の作品.
確か映画館で観た.
こっちはしっかり山場として最終合戦シーンあり.
当初は無双だったものの,補給物資がないため徐々に追い込まれていくソニー千葉.
次々と死んでいく仲間.
しっかりバッドエンドです.

過去とは言え,自国民を殺す内容は...つーことで自衛隊の協力が得られなかったというリアルなエピソードがあったはず.
原作小説の発表は1971年とかなり古い.
同種のアイデアの先駆けではないか?

余談だが,半村良の小説ではビー玉が世界競技化する『ビー』が好きだったなぁ.

もう一つがかわぐちかいじの『ジパング』

ジパング

原作で前半は読んだ.
結末は知らんけど『ファイナル・カウントダウン』のように歴史改変を避ける方向には行かない予測がつく.

他に変わり種として『聖戦士ダンバイン』の「東京上空」編も類似作品? 少々強引か.

とまぁ,この映画の公開年からも約40年以上経った.
現代兵器が冷戦時代に乱入したら...という映画が作られてもおかしくないかも...

あっ,『トップガン・マーヴェリック』がそれか!
立場は逆転してるけど.

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お隣の天使様とJK~激甘で悶絶

2023/4/14 Fri

ダメ人間

誰かがアップしていた動画で,23年冬アニメ覇権!と吠えていたのが『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』だった.

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

”内容を全て説明する長いタイトル”からしてわかるように,ラノベ原作のラブコメ・アニメである.
Amazon Prime Videoにて配信されていたので途中からリアタイで鑑賞.

第一話は3本ローラーの友だったが,観ながら爆笑して途中で何度かずっこけそうになった.

「ホットケーキにバターとはちみつとメープルシロップとホイップクリームをのせ,さらにチョコレートチップをふりかけ,つぶあんを脇に添え,ドリンクはコカ・コーラ」という感想で集約されるほどの激甘ストーリーである.

ようするにストーリーなんてあってなきがごとし.
互いに相手への好意を全面に押し出しているのに,全く告白しようとしない系ジャンル.
有名どころでは『からかい上手の高木さん』が近い?(異論は認める)

劇場版「からかい上手の高木さん」

最近のヒット作では『その着せ替え人形は恋をする』もかな.
こちらも高校生のラブストーリーだが,ここからエロ要素をかなり差っ引いた感じ?(こちらも異論は認める)

その着せ替え人形は恋をする

他にもいわゆるラブコメ原作のアニメは他にもたくさんあるやろうけど,Kazchariもそれほど詳しいわけではない.

つーことで『天使様』全12話鑑賞.
実に面白かった.
こんな50を越えたおっさんを悶絶タヒさせるとは...タダモノではない.
他のおっさんはどうか知らんけど.

以下,微妙にネタバレ

そやなぁ,Kazchariが一番好きなのは第11話.周が寝ぼけた真昼を彼女の部屋のベッドまで運ぶシーン.
(周と思われる)写真や(周にもらった)ぬいぐるみと並び,レシピ本がズラっと並んでいたこと.
真昼は実際の調理場面では,レシピ本などを一切見ずにサクサク料理していたはず.
その完璧天使の彼女が,自室でこっそり(周のために)料理の勉強をしていた...いや,ここは泣けるでしょ.
その後の添い寝への誘いは...これに負けたら番組終了(ここも大爆笑).

そして白眉は最終回のモブキャラ公開処刑シーンでしょう.正に正論ハラスメント.ついでに周くんへのチェックメイトシーンもいいねぇ.

それにしてもこのアニメ,場面転換がほぼなく,周のリビング7割,学校2割,その他1割(適当)という,日常系どころか,ワンシチュエーションアニメなのだ.

それを保たせるのはほぼ会話だけ.
視聴者はほとんど動かない二人の会話を聞きながら悶絶するという,変な体験を強いられる.
このあたりはラノベ原作,つまり小説の力やな.
ちなみにKindle unlimitedで1巻のみ配信していたので読んでみた.

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

当然こっちも激甘である.

さて,アニメの方は最終回でキレイに完結したのだが,原作はまだ続いている.
先が気になるが,買うほどではないし,図書館に置いてるような本でもなし,モヤる.
わりと人気がありそうなのでアニメ二期の放送を待ちますか(現状告知なし).

それはさておき,この感想というか悶絶感(?)を誰かに伝えたい.
当然周りに観ている知り合い(おっさん)はいない.
SNSに投稿して見ず知らずの人というも何やし.

そう,それではKazchariは満足できぬ.
誰かが,このアニメを観ながら,その激甘展開に悶絶する様を観察したいのだ.

つまりPS『バイオハザード』の前半部,廊下の窓からゾンビ犬が飛び込んでくるシーン.その場面をプレイしている人の驚愕反応を観る...お分かりなるだろうか?

バイオハザードディレクターズカット デュアルショックVer.

ここでひらめいた.
うちのJK娘(16)と一緒に観るのはどうだろう.
正にキャラと同じリアル高校2年生.
これは面白い.

つーことで,娘を誘って『天使様』2周目決定.
娘と2人だけで食事する際に2話ずつ鑑賞した.

これがもう期待通り,いや期待以上に娘の悶絶反応が面白くて面白くて,こっちの腹筋が崩壊.
画面観ながら「ぐわーっ!」「告白しろ!」「そうじゃなーい!」「ちがーう!」「リア充爆発しろ!」「なんでやねん!」と突っ込みまくり,手で床や壁をバシバシ叩きまくり,床を転げ回って悶ている.その反応がとにかくサイコー.
ああ娘がいて良かった...しみじみ(おかしい).

一部気まずいシーン(周くんの例の夢)もあったが,さすがにもう意味はわかってるやろ?

つーことで,娘よ,花のいのちは短いのだ.いっぱい恋せよ.
とりあえず料理を習えば,たいていのオトコは落とせるで!

娘と見る機会がなくても,『天使様』は超おすすめです.
若干,作画崩壊しているところもあるが,その分重要シーンは気合入っているので無問題.

そうそう,主題歌もお気に入りの『グリッドマン』と同じ大石さん!

Au!

『RRR』を観てきた~インド映画はカロリー過多

2023/3/31 Fri

スーパー合体.

はい.
予定通り,本日は有給取って超大作インド映画RRRを観てきました.

観る前から面白いとわかっていたけど,想像以上.

※ 以下,ネタバレ.

とりあえず基礎中の基礎.
インド映画は長い.
この映画も3時間.

しかも10:35からの上映と,ちょうどお昼をまたぐ.
ゆえに久々に売店のポップコーンを買った(コスパ悪いけど).

新コロ禍になってからトレーでの提供をやめたんかな?
持ちにくいし食べにくい.

それはともかく,予告を終えて上映開始.
もう冒頭のシーン,音楽からインド臭全開.
懐かしさも含め,大好きだ.

なんと,主役の2名の紹介と,協力して少年を助けるまでの話,いわゆるアバンだけで40分近くある.
そこからようやくオープニング.

その間,二人の友情が深まっていく様がダイジェストで流れる.
このあたりの構成はホンマ巧み.

命令,任務に極端なまでに忠実な警察官ラーマ.
ひたすら村の少女(妹?)奪還を目指すビーム.

敵同士が互いの正体を知らぬまま,どんどんヤバイ方向に進んでいく.
ビームはともかく,なぜラーマがそこまで侵略者イギリスに対し従順なのか,その理由は隠されたまま.
観客は焦らされ続ける.

そして噂のナートゥダンス!

このレベルのダンスシーンがもう一回ぐらいあるかなと思ったけど,それはエンディングまで待たなあかんかった.

ラーマ,必死の捜査でついにビーム一派の一人を逮捕.
かなり手荒な拷問をする.完全に悪役やん.
これで,この二人最後にホンマに共闘すんの? ハラハラドキドキ.

油断し毒蛇に噛まれて瀕死となるラーマ.
それを”森の人”の知恵で救うビーム.

助かるかどうかわからない友,そして自分も死ぬかもしれない状況での正体バラシ.
もう,説得力しかない.泣ける.

だがしかし,その時不思議なことが起こった.
謎の薬草のおかげでラーマがいきなり全回復!
友情か任務か,そのジレンマに葛藤し,壁に穴を開けまくるラーマ・パンチ!
もう,呆れるしかない.

その頃,猛獣満載のトラックで総督府に特攻をかけるビーム.
大混乱の中,対峙する二人.
力は互角.
しかし,少女を人質に取られ,ビームは逮捕されてしまう.

ここまでが前半.

しっかりと「インターミッション」表示が出るので,日本でも5分ほど休憩にした方がいいのに.
あー,トイレ行くならこのタイミングですね.
ラーマの過去編がしばらく続くので.

そう,ラーマは実は大義(独立闘争)のために忠実なふりをしていたのだ.
警察内で出世し,武器庫の管理を任されるようになった暁には,反乱軍に武器を横流してイギリスを倒す!

あれ? 同じ様なストーリーのマンガなかったっけ?
「出世して中から組織を変えてやるッ!」みたいなヤツ.思い出せん.

過去編の少年ラーマのスナイプシーン,かっこ良かった.
これはあれやな,『極大射程』(小説版)思い出したわ(※映画は◯◯).

極大射程(上)

ショック死者が出たという伝説のキリスト映画『パッション』を思い出させるムチウチ刑.

パッション [DVD]

確かに痛々しいシーンではあるが,インド映画らしくいきなり歌い出すビーム.
もうネタキャラとしか言いようがない悪役オバサンが,棘付きの鞭を何気に用意してるなど,ギャグとしか言いようのない演出でシリアスさが半減されている.

そんな中,何気に鎖を脚で引っ張って,ビームをなんとか跪かそうとするラーマのやさしさ.
ホンマ,大雑把に見せかけて細かい演出が光る映画やな.

ビームの怒りが民衆に伝わり暴動発生.

自分の大義のために友情を捨てようとしたラーマだが,ビームを死なせるわけにはいかないと決意.
わかりやすい展開だ.

ビームの処刑場への移送日.
銃殺帯の小銃に細工,ビームに縄を切るためのカミソリを渡す,提督を足止めする罠を準備.
ビームと少女を逃すことには成功したが,ラーマは負傷し捕まってしまう.
ビームがラーマを...と,勘違いさせるシーンもあるが,いやホンマうまいわ.まさに演出の妙.

潜伏中のビームと少女,仲間,その危機を救ったのがなんとラーマの許嫁のシータだった!
ラーマのこれまでの行動の真実を知るビーム.
友を救うため,再び立ち上がる! 泣けるわ.
もう,伏線回収がうますぎる.

一方,正体がばれて牢獄につながれるラーマ.
週に一度の食事しか与えられず瀕死のはず...なのだが,なんとひたすら懸垂して筋トレ.
さらに歩けないように足を殴打され独房へ.
なんと,そこでも懸垂!

まさに,監獄トレーニング!

プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

これらが,全て伝説の最強肩車への伏線だったとは!

ジャングルに逃げる二人.
またまた不思議なことが起こり,ラーマの傷は全快.
それどころか,神の弓矢を入手.
その名前の通り,古代インドの伝説の英雄神と化す.

もうそこからは良い意味でめちゃめちゃ.
『ランボー』『コマンドー』『プレデター』『フルメタル・ジャケット』と...えー,なんでもいいのでアクション映画のかっこいいシーン全部盛りの戦闘.
あの熱かった80年代ハリウッドを彷彿とさせ大興奮.

「上映時間3時間は長い」と言ったが...スマン,あれは嘘だ.
テンポ良いストーリー展開のおかげで,あっという間.

ラスボス(と言っても強くないが)との対決があっさりしていたが,最後に「銃弾1発と命の値段の比較」講話すらも回収.
ホンマにスキがない.

てっきり,主役2人がイギリス軍の大群に囲まれ,ピンチになった時に,蜂起した住民が押し寄せて大乱戦かとも思ったけど.
ひょっとして,この後のストーリーは続編?(予定があるそうな)

監督の前作『バーフバリ』は古代叙事詩モノ,つまりファンタジーだったが,今回は1920年のイギリス支配下のインド.

バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋 &完全版ブルーレイBOX

その非道な圧政がこれでもかと描かれる.
そして敵側は一分の理もない悪役.

そうそう,ようするに健さんのヤクザ映画と同じ展開やな.
耐えて耐えて最後に爆発.

多様性だとかポリコレだとか,理屈でこねくり回すのは現実だけで十分.
アクション映画はこういう勧善懲悪でいいのだ(聞いているか,ネズミー?)

まぁ,インド人の顔がみんな同じに見えてしまうという欠点もあるが,これは仕方がない.
あっちもあっちで平たい顔族の判別はでけへんやろな.

後,インド映画にしてはダンス少なめかな?
どこからともなく現れるインド女性の群舞がなかったような...

贅沢を言うなら,劇場を出た後もインドのマチナカだったら良かったのに...(無茶やな)
やっぱり死ぬまでにインド再訪やな.

アメコミヒーローやSF映画の代わり映えのないアクションに食傷気味だったところに,それとは全く次元の怒涛のアクション.
最初から最後までニヤニヤが止まらない.

おすすめです.
可能な限り劇場で!