『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』を観た~開始0.5秒で泣ける

2025/1/17 Fri

お急ぎですか?

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昨年末,突如発表された新ガンダムプロジェクト.
それが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』である.

機動戦士Gundam GQuuuuuuX公式

本来,4月放送開始のテレビシリーズなのだが,最初の数話をまとめたモノが映画として劇場公開.いわゆる番宣だろう.

その公開日が本日1/17.
ネットがネタバレ祭りになる前に,このBig Waveに乗りましょう!

で,近くのシネコンに行ってきた.
2回目の上映.ポイント使って¥1,000で鑑賞.
さすが平日,客の姿もまばらだ(いつもの旭川だ)

以下,核心的なネタには触れませんが感想.
全く”素”で観たい人は回避して.

————————————————–

何を書いてもネタバレになるけど,ネタバレしたくないと思わせる作品はなかなかない(じゃぁ書くなよ).

情報統制がしっかりしていたはずだが,予告や海外サイトのミスによりバレてしまっている事項がいくつかあった.

まず,宇宙世紀モノであること.
正確にはパラレル,ifの世界.

どうやら主人公機とされているトリコロールのマシンはガンダムではない?
なぜなら本来の「RX-78ガンダム」は,ジオンに鹵獲されており,結果,1年戦争でジオンが勝利した世界軸らしい,とのこと.

予告に出てくる赤い(エルメスの)ビット,および海外リークの「赤いガンダム」がその鹵獲されたガンダムだろう.
そして,赤いMSということは...パイロットはあの人しかいねぇ!

他,「軍警」と書かれたザクが出てくる.戦後の統治?
「クランバトル」という違法なリアルバトルがコロニー周辺で行われている.

プラス,ネット界隈でまことしやかに流れているのが主人公=ハマーン説

ぐらいの知識+妄想で観たのだが...

本編は,その予測を遥かに越えていたァーッ!

ざっくり言うと,この映画は2部構成.

開始直後,我らアラ還世代のおたくが,親の顔より見たあの画が,親の声より聞いたあのナレーションとあのBGMが流れるのだ.
これは泣かない方がおかしい.
マジで感動した.

そこから始まる前半パート.

なんだこれは!
一体何を見せられているんだ?

こ,この人は!
これ,まさかのアレやん!

これ現実なんやあ?
夢とちゃうやんなぁ?

脳の処理が追いつかない.
ニヤニヤが止まらない,かつ嬉し涙で目もうるうるしている.

ホンマこの時代に,この年齢まで無事に生きて,この映像を見れたことに感謝する.
神の存在? うん,今なら信じるね.

「オレたちのガンダムを作る!」という,かつての熱心なファンダムが作り手に回った時の超絶パワーを見せつけられた.

正直,後半パートだけなら「うん,まぁいつものちょっと奇をてらった今風のロボアニメだねぇ...ガンダムじゃなくてもええやん」という感想しか持てなかったように思う.

まだ映画を観ていない友人に猛烈に推薦したところ,「これ,完結してなくてTVアニメに続くやつ?」と質問された.
それに対して「いや,ある意味TVシリーズはいらん」と答えたけど,その友人も映画を観れば納得するであろう.

テレビも絶対観るけど.

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で,帰りに家電店で「ジークアクス」買っちった.

まるで推し活.
ホンマは「トリコロールの〇〇〇〇」「赤い〇〇」が欲しいなぁ.
財団Bが出さないわけがないか.

つーことでX月からの本放送が楽しみだ.
期待しかない.

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冷めないイデオン熱~TVシリーズの再視聴開始

2025/1/10 Fri

復活の♪イィデオ~ン

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年始にYouTubeにて限定公開された『伝説巨神イデオン 劇場版』

『伝説巨神イデオン 劇場版』の配信

その興奮冷めやまぬ中,TVシリーズを再視聴することにした.
DVDも所有しているが,そこはサブスク時代.
「Amazon Prime Video」のリストにはないものの,以前こっそり加入していた「dアニメストア」にはしっかりラインアップされていた.

dアニメストアに加入~タイパ的にどうなのか

とりあえずZwiftの友として第1~3話までを視聴.
何度も見返した劇場版の「接触扁」に対し,おそらく2,3回しか観ていないのがTV版.
さて,今の視点で感想&考察すると...

時に1980年.
当時Kazchariは中学生.

友人に「面白いロボアニメがある」と教えてもらい,視聴を開始したのは確か第14話あたりだったと思う.
以前にも書いたが,関西での放送は水曜日の19時半から.
塾が終わる時間は非情にも19時半.
そこから数キロの道をチャリで飛ばしに飛ばして帰宅.
毎回,オープニングを見ることはできなかった.

ゆえに,最初の1クール分を鑑賞したのはレンタルビデオが普及してからだったと思う(もしかすると劇場版が先だったかも).
未視聴の話に関しては雑誌記事(アニメック!)で補完していた.

で,そんな本編だが,うむ.かなり面白い.
ただし,全話および劇場版までクリアした後だと,この冒頭パートには,まだまだ手探り感がある.

特にBGMに違和感.
故・すぎやまこういち氏による傑作ぞろいなのに使いどころが変.
場面に微妙に合っていない.

それに,なぜかサントラ集に未収録のものも散見される.
イデオン用ではなかった?

タイトル表示や予告で流れるBGMも後半とは異なる.
もちろん,後半の方がぴったり.

そして,言うまでもなく気になるのが作画.

特撮でもアニメでも最初の3話分くらいは,予算と時間をかけて丁寧なモノを作る.継続視聴者を確保するためだ.

その基準で言うと,気合いを入れるべきにも関わらず,デッサンの酷さや色パカの多さからも,時間的にかなり押してた感が伝わってくる.
今の基準だと作画崩壊と言われても仕方がない.
前作のファースト・ガンダムより退化しているくらい.

そんな中,湖川さんの描くキャラだけは飛びぬけている.
特にカララ!
キャラが美形でイデオンがかっこいい時,それは湖川作画と思って間違いない.

とまぁ,画はともかく,イデオンと言えば”濃密な”人間関係描写が売り.
濃密すぎて嫌味か罵り合ってばかり.
戦闘中,ずーっと赤ん坊に怒鳴り続ける主人公って,古今東西コスモだけでは?

そして,ベスは笑いすぎ.
イデオン=遺跡に,そこまでツボる要素はあるんか?
で,それをひっぱたくシェリルさん.
あれ? これってセイラさんの再来?

ただし「接触篇」と異なりベスの肉弾大活躍が見れます.
それにカララとのファーストコンタクトも,まさかの逆ナン?

そのカララさんだが...マジで諸悪の根源.
お嬢とは言え,あまりに軽率な言動.好奇心は身を滅ぼすを地で行くキャラ.
後にハルルねーさんが激怒するのも無理はない.

誰かが言ってたけど,やっちゃいけない行動を誰かがするから物語は成立する.
その通りやな.

そうそう,こうして見ると,ファーストとイデオンの冒頭ってプロットがよく似ている.
ジーンが暴走して,少年がよくわからないまま巨大メカに乗り込んで勝ってしまうとか,敵兵がゲリラ的に何度も潜入してくるとか.

皆殺しのトミノにふさわしく,地球側もバッフクラン側も,開始初っ端から人が死にまくる.
なぜか地球側のカービアンクロッサス(戦闘機)のパイロットの死に顔がやたら丁寧.なぜ?

キャラと言えば,地球人側は,日本人風に「名字→名前」順.
一方バッフ・クランは「名前→名字」と西欧風.

こうした用語が逆転は他にも見られ,例えば「ワープ」が,

地球人 ⇒ デス・ドライブ
バッフ・クラン ⇒ 亜空間飛行

となったりとか.芸が細かい.

さて,お次はいよいよメカの話.

まずはイデオンだ.

肩のでっぱりが特徴的だが,箱型で,まるで戦隊ロボだし,分離後の形態も戦車やバス.
そもそもなぜ分離するのかわからない.
ソル・◯◯からイデオ・◯◯に変形すると武装や機動力が上がるが,3話までだとデルタ以外はバス形態のまま.

有名な話であるが,イデオンが「異星人の遺跡」とされたのは,デザイン完成後の後付け設定.バッフ・クランが伝説の巨神と信じなかったのは無理もない.

そのせいか,「サブシステムで操縦」「動力源はよくわからない」「なんでこんなにスキマだらけなんだ」とかのメタ発言が飛び交う.

多人数での操縦は斬新...と言いたいところだが,『ゲッター』などの先例もないことはない.
イデオンが特徴的なのは,各メカの乗員の役割が分かれているところ.
序盤はまだ適当だが,話が進むにつれて.

Aメカ ⇒ 動き
Bメカ ⇒ エンジン
Cメカ ⇒ 武器管制

となっていく.
こう考えると,イデオンは大きさといい,多数乗員といい,ロボというより戦艦ですな.

グレンキャノン(主砲)と対空機銃で全身を固めているというか...後で波動砲はつくし.
変形後はミサイルポッドの場所が変わってしまい,撃てなくなるなどの細かい演出がベネ.

「接触篇」だとイデオン復活後,すぐにソロシップも浮上してランナウェイしてしまうが,そこはさすがにTV版.
破壊された街やら宇宙船から物資を運び,ソロシップに積み込むという描写がある.
このあたりのリアリティは流石である.

恐ろしいことに,第3話の時点で,敵の重機動メカが全く登場しない.
そもそもOPにも出てこない.ロボアニメなのに.

どことなく『さらヤマ』の白色彗星軍のメカに似ている形の戦闘機とヘリコプターもどき,それに二足歩行メカによる白兵戦.
この後しばらくして,ようやく登場するのがメカ火星人にしか見えないギラン・ドゥ...Kazchariがスポンサー(トミー)の社長なら卒倒するな.

つーことで,今後の展開も楽しみなイデオンなのだが,実はもう一本,昨年末から,唯一完走していなかった宇宙世紀ガンダムを視聴し始めた.

それは...『機動戦士ガンダムZZ』

機動戦士ガンダムΖΖ

本放送時は10話ほどで挫折.その後レンタルでも挫折.
今回アマプラで再挑戦し始めたのだが...一行がシャングリラを出る前から挫折気味.
話も絵も演出も主題歌も,あまりにもひどすぎて正直観るのが苦痛.

いや,わかってるんですよ.
前半のコメディ路線が,徐々にいつものハード作劇に変わっていくのは.
そこまでの道のりが苦痛(とばせばいいやん).

実はイデオンも,放送当時は似たようなこと(前半は全然ダメ)を言われていたが,10話あたりから怒涛の展開.
一瞬たりとも見逃せなくなることはよく知っている.

しかし,その評判の悪い冒頭パートも,“アレな”作画を覗けば,ドラマとして十分見ごたえがある,と今回確信.

新年から江戸ざんまい~暴れん坊なべらぼう

2025/1/5 Sun

意図せず連続

かつてないほどダラダラ過ごしたお正月.
仕方なしに映像コンテンツ漬け.
それがようやく明日から仕事始め.例年より少しうれしいのが不思議.

最終日は時代劇2本を鑑賞.
まずは,4日にテレ朝系で放送されて話題になった『シン』もとい『新・暴れん坊将軍』

新・暴れん坊将軍

放送後の評判を聞いて,TVerで配信版を観てみた.
いまや絶滅危惧コンテンツの民放時代劇.
その昔は『水戸黄門』『遠山の金さん』『必殺仕事人』とかはよく観てたなぁ.

これらに共通するのは「勧善懲悪」「お約束」からの安心・安定のワンパターン
だからお年寄りに受ける.最近の“衝撃展開”は少々やり過ぎ感あり.

で,17年振りの新作という『新』だが,予想以上に面白かった.

テーマはお世継ぎ問題.

史実を参考に吉宗の長男の家重(ジャニ?)には障害(脳性麻痺)がある設定.
言語不明瞭で片手麻痺.
一方,次男(本当は三男)の宗武は文武両道な”ゼンカイザー”だ.

吉宗は「長男継承の決まり」通り,家重を時期将軍にするつもりだが,宗武を推挙する家臣も多い.
さらには尾張徳川藩主の傾奇者”GACKT”までもが将軍の座を狙っている.
そこに漬け込み,戦乱の世の再来を目論む商人と老中&旗本の悪役連合...という構図.

城内では話せないうつけ者のフリをしていた家重だが,実は密かに言語訓練を続けており,その甲斐あって流暢に話せるようになっていた.

それだけにとどまらず,西洋式短剣レイピアの使い手にもなっていた! なんつー便利設定.

そして父の吉宗同様,江戸城を抜け出して街を徘徊.
会話を市中で学んだためか,なぜかべらんめぇ口調に.
まさかと思うが,家重で続編,作らへんよなぁ...

もちろん『暴れん坊』なので,クライマックスの”成敗な”殺陣シーンを経て最後はキレイに大団円.

CM前のGACKTの無駄な筋トレシーンがツボ.
まるで某埼玉系映画のノリ.

ネットでも話題になった日本酒タワー~江戸のホスト描写.
関西弁のチャラ男を演じるのは“仮面ライダーセイバー”だ.

GACKTもディケイドの主題歌歌ってたし,特撮ヒーロー祭り.
そういや上さまもオーズと共闘してたしな.

劇場版 仮面ライダーOOO(オーズ) WONDERFUL 将軍と21のコアメダル コレクターズパック【Blu-ray】

お次はNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』

べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~

吉宗の将軍在職期間は1716年から1745年.
次の家重が1745年から60年.

そして『べらぼう』の舞台となる10代将軍家治の治世は1760年から.
期せずして続きの時代を描いたドラマを連続で鑑賞することになった.

主役は”トッキュウ4号”と,またしても特撮ヒーロー.
今でも栄一役だった”メテオ”と区別がついていないのは内緒だ.

それはともかく,こちらも面白かった.

綾瀬はるかのスマホ案内から始まったので,てっきりコメディ&メタ路線なのかと思いきや,吉原舞台の中身はなかなか壮絶.

ネットで話題のAV女優を起用した全裸タヒ体.
理不尽に殴られまくる主人公.
田沼意次と言えばの賄賂.

そう,第1回からエロ・暴力・金という,どこぞのVシネ展開.
日曜8時の放送にしてはNHK攻めてます,つーか,今やNHKしかできない.
当然だが『暴れん坊』よりもセットや衣装が豪華だ.

それにしてもこれから1年間,このテンションで行くのか?
それともBPOや世間に負けてマイルド化してしまうのか.

保守派(戦国幕末)と女性と子どもにはウケなさそう...(誰が観るのだ?)
とりあえず視聴継続.

それにしても,『暴れん坊』も『べらぼう』も,200年の時を越えて世相を反映しているねぇ.
前者はホストの売掛問題,後者は規制のがれの◯春...
いつの世も人の欲は変わらぬ.

楽しいコンテンツが多すぎて,何を観るかの選択に迷う現代社会.
限られた時間をどう配分していくかが,考えどころ.
昔の作品も,変化した今の感性で見直したいしな.

『伝説巨神イデオン 劇場版』の配信

2025/1/4 Sat

涙が止まらない

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1982年公開.
この映画を観るのは何回目だろう?
20回は越えているはず.
ストーリーはもちろんのこと,セリフもほぼ完璧に覚えている.

そんなイデオンの劇場版を,サンライズチャンネルが2025年1月3日から配信.
数日前からネット界隈は大騒ぎ.

アニメ系YouTuberさん達も,次々と同時視聴企画を立ち上げている.
まぁ,Kazchariはそういうのに興味ないので,しっぽりとぼっち鑑賞.
そもそも「発動篇」の最中にキーボード打つヒマはない.

今の美麗な映像に見慣れている若い世代には,どのように感じられるのだろう?
人の業をこれだけ濃密に描くアニメは他にない.
ちなみにうちの(おたくな)JK娘は無関心である.

以下の記事に書いた通り,KazchariはDVDもBlurayも所有.

『イデオン』デザイン考(その1)

要は,あえてネット配信でなくても,いつでも鑑賞できる環境にあるのだが,何せ内容が内容だけに鑑賞後の疲労はかなりのモノ.覚悟が必要.
おそらく『ウシジマくん』より重度化する.

『ウシジマくん一気見スペシャル』は見たらあかん

てなわけで,この一部界隈限定のBigWaveに乗りつつ,配信での鑑賞後に感想まとめ動画を楽しむことにした.
1月3日にはZwiftしながら「接触篇」,翌4日に「発動篇」を観る.

まずは「接触篇」の感想っつーか印象

TV放送37話分をたった84分にまとめるという,とんでもない荒業.
総集編をガンダムみたいに3部構成なんかにしてしまうと,不入りによる「二度目の打ち切り」があるためそれは避けたい,ということで取られた措置らしい.

だが,あらためて鑑賞すると,「接触篇」の破綻のないつながりの良さに驚く.
正にトミノマジック.後の『新訳Z』と比較...したらあかん.

そして少ないながらも新作カット部分の美麗なこと.
特に月基地攻防戦まわりは素晴らしい.

バルメ・ブラム・ザンに続くズロウ・ジック隊の編隊にガルボ・ジックが混じっているが,こまけーことはいいんだよ.

確かによくできた”総集編”ではあるが,もちろんベストなのはTV版を観ることなのは言うまでもない.どうしても省略ゆえの不満点がある.

特に裏主人公ことギジェまわりの描写が圧倒的に足りない.
結果,シェリルがあーなってしまう理由に説得力を欠く(リンのタヒもオミットされてるし).
モエラの戦タヒもなぁ...「誰やねんこいつ」なのに,急にフィーチャーされすぎ.

コスモの大人への態度が,敬語になったりタメ口になったりとバラバラなのが思春期っぽくてヨシ.
それにしても,カララ狙撃事件後のセリフ改変はなぜ?

TV :みんなが立派に見える
映画:異星人も俺達と同じくらい立派

クルー同士,まだ互いをよく知らないから?

まぁ,何よりも本筋は”スペースランナウェイ”なわけでして,ソロシップの惑星探訪がイデオンの魅力.

絡んでくるバッフクランの軍人達もそろいもそろって個性派揃い.
双子の悪魔とか,グハバとか,ルククとか面白すぎる.

星巡りの間,地球人とバッフクランはずーっとイデに監視されていたわけで,その過程をすっとばしてしまうと「イデの試し=人類審査会」の意味が薄まってしまう.
そういう意味では,監督がインタビューで「映画のイデオンは失敗です,起承転結で一番大事な承がない」と言ったのは正にその通り.

インターミッションの「セーリング・フライ」は...歌詞こそ井荻(=トミノ)節だけど,イデオンには合わない気がする.

で,いよいよ「発動篇」

いや,もう何ていうか...
もちろん壮絶極まりない展開なんやけど,もう湖川キャラの表情や動きの演技が凄まじすぎて,人ってここまで「絵」に情念こめらるんやと思い,じわじわ来る.この熱量は何だ?

思い出補正も含めて言うが,やはり未だにこれを越えるアニメ作品は存在しない.福井晴敏の言うところの”絶対イデオン基準”ってヤツやな.

何度見ても新しい発見があるが,芝居という意味でベストなのは,妹を射殺したハルルが,父であるドバと面会するシーン.
これはもう超一級の舞台芸術.

「(発動篇の)主人公はドバ総司令」に異論を唱えるものはいないであろう.
もうね,セリフと感情が真逆だったり,混ざったり,弱音吐いたり,本音を吐露したりといった人の感情の起伏全てが詰まっているキャラによる劇中屈指の名シーン.
時を重ねて人の親となったKazchariに刺さる刺さる.
ちなみにうちの娘はそこまでの業は背負ってません.

このシーンに限らず,この映画,カララとハルルの描写への力の入れ具合が半端ない.
で,責任の一旦であるベスの方の描写は割とあっさりしている.
TV版だと熱血シーンがちょこちょこあるのでもう少しバランス取れてるけど.

もう1場面上げるとしたら,カーシャの「そうよ,みんな星になってしまえ!」からの,ホンマにバッフクランの軍艦や重機動メカが,イデオンガンにヤラれて星になってしまう場面への切り替え.
すぎやま楽曲とも相まって,ここの悲壮感は半端ない.
ここで泣けない人とは友達になれんな.たぶん.

そう,イデオンは何しろ音楽が素晴らしい.

伝説巨神イデオン オリジナル・サウンドトラック 総音楽集

このブログも久々にサントラを聴きながら書いているのだが,何故か年齢を重ねると,大仰な映画版よりTV版の方が刺さるようになったなぁ.
その素晴らしい楽曲を世に送り出されたすぎやまこういち氏も他界されてしまった.

かように完璧な作品なのだが,強いて挙げるなら冒頭のワイプ(TV38話)と本編の39話部分も完全新作で見たかったところ.
40話以降の完全新作パートと比べてしまうと,どうしても見劣りがする.

イデオンは明確な悪役や倒すべき敵が不在.
全滅(自滅)からの再生物語ではあるけど,次の人類もまたイデの審査会にご招待されるわけで,いつになればこの輪廻から抜け出せるのか...とまぁ,やはり宗教っつーか,仏教アニメと言われても仕方がないが,何度も見返したい超名作なのは確か.

つーことで,近い内にBlurayでもう一回見よう.

「タヒ」とはイデオンが見れなくなることと同義.

それぐらい凄まじい作品.

配信は1/5で終了.急げ!

スパイ(?)映画2本~『M:I デッドレコニングPART1』と『劇場版 SPYxFAMILY CODE: White』

2024/1/2 Thu

スパイとは?

ヒマだーッつーか,(チャリで)出かけられないのが辛い.
やっぱりヒトは動物,動いてナンボやな.

カラダが鈍りまくっていく...と,嘆いても仕方がない.
ヨメはんと子どもらは3人で初詣に出かけたので,リビングの大型テレビがフリー.ここは大音響で映画鑑賞ですな.

まずは『M:I デッドレコニング PART1』

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray]

劇場公開時は見逃してしまった.アマプラでは未だに課金要.

『PART2』の公開も近い(2025年5月)というのに,早くフリーにしてほしい...と思ってたら,洋画のネトフリにはあった.さすがだ.

最近の作品ゆえ,前回の『サスペリア』のようなあらすじ&ネタバレ全開ははばかられるので,ざっくりとした感想のみで.

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『M:I』の1作目は1996年の公開.うわ,もう29年前か.

本シリーズにしてはオープニングシーケンスが地味.
潜水艦のメンバー,誰がトムの変装なのかとずっと考えてた.

本編開始.
もうね,シリーズが長すぎてキャラの相関関係がよくわからない.
チームの2人はともかく,誰が誰を殺してて,それがいつのシーズンで,理由は何だっけ?

ヴィランのガブルエルって誰だっけ?
主要な女性キャラが3人ほど出てくるけど,グレースは新キャラだとして他の2人って何者?

ラストの列車シーンからは急に脚本が雑に.
なんでパラグライダーが用意されてんの? 見つけるのも偶然すぎる.
東洋系の女殺し屋,いつどうやって車両の端まで? さらに大人2名を引きずり上げる体力が残っているとは思えないケガ(しかも実はタヒんでないとか).

「まぁ,こまけーことはいいんだよ」な大バジェット作でした.

観光客だらけのヴェネチアのカーアクション撮影とかよく許可とれたな.
BMWから黄色のフィアット500(ルパン!)に乗り換えるシーンがあるのだが,演出上てっきり右ハンドル車にすると思ってた.
一昔前なら日本車やったはず.

そやけど...仕方ないとは言え,(トムも含め)役者がみんな年寄りばかりなのはどういうこった.
もちろん撮影上はスタンドダブルなんだろうけど,高齢者の殴り合いを見せられても,何かイマイチ.

そういや最近,アクション系の新しいスターって生まれていないような.
Kazchariのようなオールドファンは往年のスターが出るだけで喜ぶかもしれんけど,業界には新陳代謝が必要.

ストーリーの根幹は「デジタル(AI)よりもアナログ」
これって『TOPGUN』でも言ってたトムの映画撮影ポリシーと同じやん.

ちなみにデジタルはハッキングなどのソフト的な面だけではなく,ハード的にもヤバイらしい.

記録メディアの寿命ランキング

『PART2』でどこまで掘り下げるのやら.
にしてもトムさん,スパイなのに素顔出し過ぎでは?

次は『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White

スパイつながりで,最近配信になったこれを視聴.
アニメも全シーズンクリアし,原作も既読っつーか全巻買ってます.

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

こっちもざっくり感想.

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今回の劇場版は原作者が全面的に協力しているそうで,非常に手堅い仕上がり.
要はよくも悪くもTVシリーズと同じノリ.

見ごたえのあるラストの飛行艇バトルは明らかに『未来少年コナン』のギガントのオマージュでしょう.
「ヨルvsターミネーター」も含め,制作者が気合い入れて描いている感が伝わる.

ただし,どう考えても◯ンコネタで引っ張りすぎ.
変な妄想パートも含め『クレヨンしんちゃん』かと思った.

そもそも原作は連載開始時では年少の読者をターゲットにしてなかったと思う(母役=殺し屋はあえりえない).
アニメ化によって予想外に低年齢層にウケたため,劇場版ならではの緩和措置か.

それにしても,悪役とその部下はいつどうやって飛行艇から脱出したのだろう? 謎である.

これまた「まぁ,こまけーこと」はともかく楽しめました.

で,ここからは原作の話.
14巻時点で未だに獲得したステラの数が1つとは...『キングダム』並に展開が遅い.いや,70巻を越えても1国すら統一できていないあっちよりはマシか.

まだまだ先は長そうだが,勝手に最終回を予想.

何らの事件によって,ロイドはスパイ,ヨルは殺し,アーニャはテレパスの能力をそれぞれ失い,普通の家族として末永く暮らしましたとさ...にはならんか.
昨今のホワイト社会だと,ヒトを殺めた人間にはそれ相応の罰が必要...という考えが主流.
となると,互いの正体・素性を知った上でのバッドエンド,もありうる.
そういやアーニャの出生の秘密みたいなエピソードに入りそうやしな.

もしくは最近多い「あれから数年後」パターン.
ある事件の後,ロイドとヨルは行方不明.
平和になった世界で,アーニャと次男は結婚して子どもに恵まれている.
ある日,アーニャは路上で初老の夫婦とすれ違う.
既に能力を失っているため,何か胸騒がするが,誰かはわからない...

つーことで,変装が便利過ぎるスパイ(?)映画2本でした.

やはりスパイ物だとダニエル・クレイグの『007』シリーズが好み.
ストイックな内容もいいが,毎回オープニング映像が素晴らしい.
特殊アイテムや変装シーンがほとんどない武闘派スパイやな.
もう,ダニエル主役の新作はないけど,次の007はどうなる?

1977年のホラー映画『サスペリア』を観た~大晦日の夜に

2025/1/1 Wed

思い出補正?

さて大晦日の夜のこと.
階下ではヨメさんと子どもたちが「紅白」観ながら熱唱中.

Kazchariは部屋にこもってAmazon Prime Videoで映画を物色.
年末年始にふさわしいハートフルな映画とは真逆のこいつをチョイス.

それは,ホラー映画の金字塔『サスペリア』(1977)だっ!

サスペリア (字幕版)

48年前の映画ゆえ,いまさらネタバレ警報は不要と思われるが一応注意.

この映画には有名な要素が2点.

1つ目は「決してひとりでは見ないでください」という,一世を風靡した名コピー.
そやけど...実は一人で観たほうが良い?
そこまで怖くないっつーか,ツッコミどころ満載なので.
いや,逆に誰かと笑いながら観るのが正しいか(ホラー耐性がある人に限る)

2つ目はBGM.
一度聴いたら忘れられない不気味な音楽.
劇中でも「何かヤバイことが起きそうな時」に流れる.

以下,あらすじというかストーリー.

主人公はスージーという名のアメリカ人.
ドイツのバレエ名門校に入学するために,ニューヨークから飛行機に乗ってやってきた.空港から物語は始まる.

暴風雨の中,タクシーがバレエ学校に到着.
玄関ドアから若い女性が突如現れて「秘密...アイリス」と叫び,そのまま立ち去ってしまう.
その後,スージーがインターフォンで来校を告げるも,なぜか「そんなん知らんし」と拒絶される.
途方に暮れたスージーは街の(?)ホテルへ.

視点が変わって,先ほど学校を出ていった女学生パット
友人のアパートに駆け込み,悪態をつきながらも泊めてもらうことに.
窓の外に何かの気配を感じて覗き込むと...闇に光る目!
突然毛だらけの腕に顔をガラスに押し付けられて,パット変顔大会.
そして,無理やりベランダに引きずり出されたパットは,その謎の訪問者に胸をナイフで刺され,ステンドグラスから吊り下げられて縊タヒ.
彼女の友人もガラスや鉄骨が顔やカラダに突き刺さってタヒぬ.何がどうなった?

ここまでが導入.
例のBGMおよび,学校の壁の色,それに友人のアパートの部屋.変な壁紙と主に赤を基調とした極彩色.耳と目に不穏感MAX!

...とは言ってもそこは50年近く前の映像.演出上の狙いなのか限界なのか,肝心の血の色が鮮やか過ぎて不自然.絵の具感が...

翌日,学校を再訪するスージー.
学内は怪しい人物だらけ.
副校長,主任教師,盲目のピアニスト,下男パブロ,アルバート少年などなど.
パッドの死を受けて警察の聞き込みも始まっていた.
スージーも昨夜の玄関での出来事を警官たちに話す.

あぁ,ここで悪玉(副校長やら主任教師)に目をつけられたわけやね.

同級生らも曲者だらけ.
そしてやたら金に細かい.アメリカ人への皮肉?
最初は学外に住む先輩のアパートに同居する予定が,レッスン中に体調不良後,なぜか寮に強制入居.
怪しい医師の診察後「鼻血出たからワイン飲め」という謎理論で,しばらく流動食とワインの生活となる.

あぁ,ここで悪玉に監視下に置いておこうとされたわけやね.

この学校の寮部屋は変な作りで,隣室ともドア一枚でつながっている(たぶん).
で,スージーは隣のサラ(解説役)と仲良くなる.

ある夜,寮の各部屋に天井から大量のウジ虫が降ってくるというとんでも事件発生.
この映画,最大のキモチワルポイント.
何かの呪いかと思われたが,屋根裏の食料(?)が腐敗してウジが大発生したらしい.
仕方なく,寮生は全員ホールでベッドを置いて一晩過ごすことになる.
ここでスージーはサラから,旅行中と言われている校長の特徴的なイビキがカーテンの向こうから聞こえると言われる.
よくわからん.どういう状況?

あぁ,ここでボスキャラが幽体離脱して,スージーとサラに自分の存在を意識させたわけやね(たぶん違う).

翌朝.アルバート少年が,玄関先に結わえてあったピアニスト(ダニエル)の盲導犬に噛みつかれる事案発生.
主任教師が大激怒し,ダニエルが解雇される.
ダニエルは「こんな呪われたところ出て行ってやる」と捨て台詞を吐きながら退出.
このセリフによって「彼は何かに気づいていたこと」が悪玉にバレ,その夜,呪いによって操られた盲導犬がダニエルの喉を噛み切る事件が起きる.

サラはスージーに,以前パットから変な話を聞かされて,メモを託されたとを告げる.
そしてこの学校には謎の部屋があり,先生方(スタッフ)は夜な夜なそこで集会を開いているのではと推理.

あぁ,学校内でそんな話したら全部筒抜けやん.

だが,肝心のスージーはワインに入っている薬によって意識朦朧中.
サラの話も理解できない.
何者かの気配を感じたサラは部屋を出て屋根裏へ逃げ込むが,例の”光る目”よる待ち伏せを受ける.
命からがら鍵付きの部屋に逃げ込むが,ドアの外からナイフでカチャカチャと鍵を開けようとする追跡者.
適当な物で台を作り,高窓から脱出するサラ.
転落した先には細い針金だらけの謎の部屋.有刺鉄線(鬼畜!)かと思いきや普通の針金.
サラはその針金にからんで動けなくなる(なぜ?).
で,何者かにナイフで刺さてタヒぬ.

翌日,スージーは教師からサラが出ていったと告げられる.
不思議に思ったスージーは,サラの友人だった精神科医を訪ねて,これまでの出来事を相談.
別の教授の話を統合すると,そのバレエ学校はギリシャから来た「マルコス」という謎の人物によって創設された.
神学校も兼ねていた学校は評判となり大成功.
だが,一方でマルコスは魔女ではないかという噂もあった.
ある日火事が発生(放火?)してマルコスが焼タヒ.
学校はマルコスの教え子らが(魔女の力ともども)引き継いだ...らしい.
教授はスージーに「信じますか?」と尋ねるが,彼女は「まさか」と懐疑的.

あぁ,アメリカンやから,こんな話は信じないねんな.だから最後勝てたかも.

学校に戻るスージー.
なぜか自分以外の生徒はバレエ団の公演を見に行き誰もいない.
これはスージーを今夜亡き者にするための悪玉の策略か.
覚悟を決めるスージー.
薬の入ったワインや食べ物を捨て,サラの残した歩数のヒントで校長室までたどり着く.
おっと,その前にコウモリに襲われるイベントもあったな.既に悪玉には気づかれていた?

校長室は絨毯敷のため歩数のヒントが使えるのはここまで.
部屋を見渡し,パットの言葉「アイリス」から仕掛け扉を発見する.
怪しい廊下を通り抜けると,副校長やら教師などスタッフ一同が集会を開いていた.
「あのアメリカ娘を消せ!」とタイムリーな会議中.

ビビるスージー,後ずさると廊下の隅に切り刻まれ,手首を杭で打たれたサラのタヒ体を発見.
よく,ここで悲鳴を挙げないもんだ.
だが,さすがに悪玉連中に気配を気づかれ,パウロがライターを持ってこちらにやって来る!

奥の部屋に逃げ込むスージー.
カーテン越しに聞き覚えのあるイビキが聞こえる.
そう,実ははるか昔にタヒんだはずの校長兼創設者,魔女ことマルコスがそこにいたのだぁ!

男前のスージーは壊れたガラス細工の破片を手にカーテンを開けるが,そこには誰もいない.
マルコスの声が響く.

「はっはっはっ,アメリカ娘よ,よくここまでたどり着いたっ! ワシを倒す前に貴様の力をみせてもらうぞ!」(意訳)

とかなんとか,RPGのボスキャラのようなセリフとともに,タヒんでいたはずのサラが起き上がりスージーに襲いかかる,いや短い距離なのになかなか襲ってこない.
ここはゾンビ風ではなく,バレエダンサーなのだから踊りながらとかの演出が欲しかった(別にいらん).

ど,どうするスージー!

だが,その時,不思議なことが起こった.

雷によって見えないはずのマルコスの”輪郭”が光で浮かび上がった(なぜ?).
スージーは狙いを定めて,ガラスの破片をマルコスの喉を突き刺す!

全身やけどの姿をさらしたマルコスは大絶叫!
同時に副校長や教師,パウロの悪玉チームも何故か血まみれに.
やがて館内の家具や備品が飛び散りまくり,壁にヒビが入り,火事が発生.
マルコス・パワーのぼ,暴走!?

崩れゆく建物を脱出するスージーだが,なぜかその顔は満足げ.怖いわ.

で,エンドロールで映画は終わり.

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この映画の公開は1977年.Kazchariは10歳である.

さすがに劇場では観ていないはず.
となると,テレビの洋画劇場かな.
たとえ昔でも21時台に流すのは無理な内容だが,どうだろう?
もしくはレンタルビデオか?

いずれにせよ,何らかの方法で観たことだけは覚えている.
いや,正確にはラストの燃え盛る建物をバックに,主人公がやたら清々しく去っていくシーンだけかな.

で,今観ると...
うーん.なんか中途半端なアドヴェンチャーゲームを見せられた気分.

脚本が支離滅裂で行き当たりばったり.
ミステリーとしても弱い.「犯人はヤス」(意外性)もない.

何しろ,なぜ被害者が殺されるのかがわからない.
誰も学校の秘密にはっきりと気づいていないし,誰かに訴えようとしたわけでもない.
そもそも呪いによって病気にしたり,動物を操ったりできるのに,直接手を下して警察沙汰にするのも謎.

バレエ要素はなんだったのか? 神学との関連は?
せめて,この世ならぬ不思議な振り付けダンスシーンがあって,生贄を捧げるとか,タヒ者を蘇らせる儀式のような場面が欲しい...って,それは『死霊の盆踊り』

肝心のホラー,スプラッタ要素は...
まぁ,当時はこれが最大級の表現だったのだ.

で,気になったのはドイツが舞台なのに,誰もドイツ語を話さないこと.
つーか,その前にイタリア人監督のイタリア映画やのに,なぜドイツ?
「言語にこだわる映画は名作」の原則から外れている.

『13人の命』を観た~知識と経験

資本・市場の関係かな?

何やら文句ばかりなので良かった点もいくつか.

スージー役のジェシカ・ハーパーさん.
飛び抜けて美人というわけではないが,大人でもなく少女でもない不思議な雰囲気.
当時で28歳!?
今もご存命です.

そして,やはり外せないのが美術関係.
建物内外装の模様と色.これってもちろんセット?
こんなとこ住んでたらおかしなるわの派手さ.

そしてライティング.
赤が印象的.
また,これから襲われるサラにずっとグリーンのライトが当たっている.
そうした細かい演出がベネ.

これがイタリア人ならではの美的センスってヤツか.

つーことで,40年以上前に観た記憶あいまいな映画を見直すのも悪くない.
思い出補正に気づくことが多そうやけど.

そういやこの映画には『2』もある.

どうやら,こいつは訳アリで,無印の大ヒットによって監督の過去の無関係な作品を『2』ということにして上映したそうな.
こっちは観たことがない.

そして,無印の方は2018年にはリメイクされている.

サスペリア(2018)

なんか...どういうリメイクだ,これ? 現代舞踊?
まぁ,いわゆる名作ホラーってリメイクされがちやな.
機会があればこっちも観てみよう.

ちなみにオリジナルの『サスペリア』はアマプラ配信は終了してしまったので,Blurayはこちら.

ちなみに正月の朝,口笛でサスペリアのメインテーマをエンドレスで吹いていたら,ヨメさんに「気分が悪くなるからやめろ!」と怒られた.

さすが,50年経ってもホラー屈指の名旋律は名旋律...いや違う,単に下手で不快になるからだそうな.シクシクシク36.

今日から冬休み~「ネトフリガンダム」と「ツール2023」

2024/12/28 Sat

ライク・ア・ヒッキー

今年はカレンダーの並びが良いので年始年末休暇が長い.
つーか,長過ぎる.

そう感じるのも,みーんな骨折のせい.
ライドにも行けない,サウナにも行けない,そもそもクルマの運転ができない.

チャリダーKazchariは鎖骨骨折!

「ならば」と大掃除を試みるが,重い物が持てないのでまどろっこしい.
こうなればヒッキーのごとく,サブスクをはじめとした映像コンテンツにひたるしかないっ!

つーことで,諸般の事情で観たいと思いつつも観れていなかった「ネトフリガンダム」こと,NETFLIX独占配信『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』全6話を一気に鑑賞.

機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム

以下,ネタばれ感想.

配信開始からかなり経過し,すっかり出遅れた感もあるが,うん,面白かった.
まぁ,ストーリーはありがちっつーか,割とベタな展開.

ただし,ラストにびっくり.
小説版ガンダムと(ほぼ)同じだったとは...貴様,読み込んでいるなッ!

舞台は一年戦争のヨーロッパ戦線.
ルーマニアを移動中のジオン戦車隊が,とある町に差し掛かる頃,連邦軍の待ち伏せを受ける.
マゼラ・アタックで応戦するがトップを切り離しての分離攻撃はなし.
となると,ただの車高の高過ぎる戦車なので,連邦の61式やTINコッドの攻撃で全滅寸前.そこへ降下するザク小隊.
さすがMSは強い.連邦を一蹴し,基地(?)を奪還.
だがその夜,謎の白いめちゃ強MSの襲撃を受けて...

という導入.

主人公はMS小隊長,元ヴァイオリストの凄腕(ニュータイプ)中尉かつシングルマザーという属性てんこ盛り.
黒人やらアジア人やらファンキー全身刺青ねーちゃんらとパーティを組み(何が◯リコレだ,クソが),宇宙港のあるオデッサを目指すというロードムービー風味.

「Playstation2」以来,据え置き型ゲームからは離れているが,最近のゲーム映像ってスゴイんでしょ?
うちの4K有機ELテレビで観ても,驚くような美麗映像ではなかった.
あ,そうか,ネトフリの契約って映像レベル別だったはず.そのせい?

【ここが良かった】

「ザク」
アニメとはややデザインが変更されてずんぐり.
有機的な曲線が抑えられてメカ度がアップ.
追加装甲(キャタピラ?)がいい味を出している.

「ガンダム」
Ez-8っぽい陸戦兵器感マシマシ.
圧倒的な強さの表現.こんなん勝てるわけないやん.
ビームサーベルの細さ,および装備位置がかっこいい.
そして乗っているのが...やりすぎ.

財団Bからガンプラも発売されている.もちろんプレ値だらけ.

「グフカスタム」
なぜか上記二機と異なり,かなりアニメ準拠なデザイン.
もちろんヒートロッドではワイヤー.
やたら飛んでた気がするが,脚部は飛行試験タイプだっけ?

「ジム」
ガンダムよりはアニメ寄り.
ビームスプレーガンがほんとにスプレーぽかった.

要するにメカのデザインは気に入りました.

【ここはイマイチ】

- ザク降下時のパラシュート,小さすぎない? 穴開けられても落ちないし.
- モノアイやツインアイが”光る”のはおかしくない? ライトじゃあるまいし.
- マニュピレーターで殴り合いはやめろ.リアリティレベルが下る.

そして,これはドラマというよりファーストTV版から気になっていたのだが...

「ヒートホークでビームサーベルを受け止めることは可能なのか?」

せっかくなので「Gemini」に聞いてみた.
以下,回答を要約.

一般的にはヒートホークでビームサーベルを受け止めることは難しいと考えられます.

理由(1)エネルギーの種類の違い
ヒートホークは主に熱エネルギーで対象を切断する兵器ですが,ビームサーベルは高エネルギー粒子を収束させて形成されたビーム兵器です.エネルギーの種類が異なるため,単純に打ち消し合うことは難しいと考えられます.

理由(2)Iフィールドの存在
ビームサーベルはIフィールドと呼ばれるバリアで覆われており,他のエネルギーや物理的な攻撃をある程度防ぐことができます.ヒートホークの熱エネルギーも,Iフィールドによってある程度は遮られてしまう可能性があります.

だそうな.すごいなGemini.
アニメと違って実写(現実)により近いCG映像になると,こうしたリアリティが気になるねぇ.
日本人スタッフもかなり関わっているようなので,こんなツッコミについては「わかってますよぉ~それはそれとして楽しんでくださいねぇ~」なのだろうけど.
それはともかく,かなり好評なようなので続編ありそう.次はアフリカ戦線

もう一つは,ヤフオクで買った『ツール・ド・フランス2023 スペシャルBOX』

ツールのDVD/Bluray BOXは,中古だったり新品だったりで「2011年大会」から保存している.

つまり10年分ほどあるのだが,最近はYouTubeでハイライトをガンガン流してくれるので「2023年はもうええかな」と新規購入をスルーしていた.

だが,先日,ヤフオクにてクーポン使用で¥5,000(新品同様)を偶然見つけ,即決してしまった.
やはり,ステージごとにある程度の長さがあるとZwiftの友にちょうど良い.

さて,あらためて「ツール2023」を通しで観ると...

徹頭徹尾,ポガチャルvsヴィンゲゴーの図式.
この二人だけ別のレースをやってるような...それは前年も翌年も同じか.

「2023」の場合,2週目でポガが少しずつタイムを詰めていく展開がホラーっぽくって面白い.
そして運命の3週目のTTで絶望するわけだが,2週目ですでにポガの表情や走りに余裕がなかったことが,今見返すとわかる.あまり楽しそうに走っていない.

確か,シーズン初めにやらかした左手舟状骨骨折の痛みが続いてたんだっけ?
一見走りに直接関係なさそうなパーツでも,多大な影響を残すねんなぁ...と,現在,絶賛骨折療養中のKazchariは憂慮(超人ポガと比べてもねぇ)

とまぁ,かくも自転車選手のカラダは繊細なのだが,時折はさまれる落車シーンの痛々しいこと.うむ,すっかり敏感になってしまった.
Kazchariも復帰後,ちゃんと走れるだろうか?

つーことで,そのポガチャルが完全無欠のリベンジを果たした「ツール2024」のBluray,予約始まってます.

『13人の命』を観た~知識と経験

2024/12/23 Mon

ひたすらに

Amazon Prime Videoにて『13人の命』を観た.

13人の命

以下,簡単な(映画からの)あらすじ.

2018年,タイ北部(チェンラーイ)にある「タムルアン洞窟」に地元のサッカー少年とコーチ,13名が閉じ込められてしまう.
折しも季節外れの大雨によって洞窟は水没.
タイ軍のダイバーチームが捜索するも,13人の生死は不明.
そこでイギリス人他のレスキュー・ダイバーチームが召喚され,13人の無事を確認.
ただし,細い洞窟内をダイビング経験のない者が泳いで帰還することは不可能.
絶望に打ちひしがれる関係者だが,レスキュー・ダイバーには一発逆転の秘策があった.
それは麻酔科医監修の下,少年たちを眠らせて荷物のように運ぶこと.
誰にも経験のない,決死のミッションがスタートする...

と,もったいぶって書いてますが,一応ドキュメンタリなので史実通り,少年とコーチは全員救出されます.
ただし,洞窟のルート確保の際,タイ軍のダイバー一名がアクシデント(エア切れ)により溺死.

さて,この事故,日本でも報道されていたので記憶している人も多いはず.
Kazchariも知ってはいたが,どの様に救助されたのかまでは知らなかった.
麻酔科医,スゲーな.

で,映画の感想だが,脚本,撮影とも実に素晴らしかった.
あくまで実話ベースなので,わざとらしい誇張もなく質実剛健な作り.
140分という長尺を飽きさせない.

主役らしい主役は不在.
しいてあげれば外国人のレスキュー・ダイバー達だが,タイの軍人さんも,洞窟内に雨が流れ込まないようダム作りを行った水道技師,苗の全滅よりも子供らの安全を考え排水を受け入れた農家のみなさんなど,各エキスパート全員が協力的.
何もなかった洞窟入口に次々とテントが建てられ,食事を作るおばちゃんが集結.そう,食事シーンもちゃんと描かれる.
マスコミは...まぁどうでもいいや.

責任を巡っての知事と大臣の確執や,ミャンマーから逃れたシャン族のタイ国籍問題など,政治的な背景も少し描かれるが,深くは掘り下げられない.

発見された際,10日間ほど食料を口にしていない13人はちゃんと痩せている.
幸い水だけは豊富なので生き延びられたのだろう.
何よりもメンタルの強靭さに驚く.
劇中ではコーチによる瞑想が精神の均衡を保つのに役立ったと描写されていた.
タイ人は敬虔な仏教徒.一時的な出家も必須.
こういう時の宗教は強い.

細かい点だとタイ人がちゃんとタイ語を話していることもベネ.
外国人と話す時は,できる人だけが英語で応答.
こうした所にこだわっている映画は名作.

ストーリーは,その救出作戦に完全にフォーカス.
最初の1人が助かった後,残り12人はダイジェスト的に流すのかなぁ...と思ってたらほぼ全員にフィーチャー.そら,この上映時間になるわ.

水中撮影も秀逸.
洞窟の狭さや急流の表現.タンク残量メーターを見ての絶望と焦りも...うん,実感.

脳天気なハリウッド映画のヒーローと違って,過酷な作業にレスキュー・ダイバー達も疲労困憊.
カラダとココロも限界.イラつくし,弱音も吐く.
疲労感がこれでもかというほど伝わってくる.

そして全てが終わった後,みなそれぞれの場所に帰る.
日常の大切さを味わう.

この映画の制作は2022年.
なんとこの規模の作品で,劇場公開はされていないらしい(Amazon独占配信).

そうそう自分でも忘れていたがKazchariはダイバーでもある.

2019年のラジャ・アンパットダイビングクルーズ(1)

洞窟ダイブ(CAVE DIVING)の経験もある.
一番印象に残るのは,やはりメキシコのユカタン半島のセノーテ

とんでもなく美しい所で,ダイバーなら一度は潜りたい場所.

メキシコセノーテに行く前に知っておきたい一日の流れや持ち物

何よりも,地上では決して見ることができない光のカーテンの神秘さよ.
浮上後,「This is my best dive!」と叫んだことは覚えている.

当時はデジタルの水中カメラを持っていなかったので,現地で「潜ルンです」(写ルンですの水中撮影用)を購入.
写りは期待していなかったが一応撮影.
だがしかし,空港の荷物検査X線でヤラれた(フィルムが感光して全滅)
記録より記憶に残っているのでヨシッ!

類似した出来事としては,2010年に起きたチリの鉱山事故も有名.

コピアポ鉱山落盤事故

こちらも映画化されている.

チリ33人 希望の軌跡 [Blu-ray]

以前観たことがある.
主役がアントニオ・バンデラスということで,タイの映画に比べると”いかにもな”脚色がされていたような印象.

確か,この映画ではオミットされていたと思われるが,閉じ込められた鉱夫のリーダーが,”たまたま”ドラッカーの愛読者であり,その理論に基づいて,各人の適性・能力に応じて坑内での役割を決定.
その的確なマネジメントによって,閉鎖空間においてもメンバーがパニックに陥らず,無事救出されたという話があったとかなかったとか...

チリ鉱山事故、奇跡の生存から学ぶ希望とリーダーの役割

マネジメント[エッセンシャル版]

タイの瞑想,チリのマネジメント.
ホンマ,いつどこで何が身を助けるかわからない.

豊富な知識と経験,これぞ人生のエッセンス.

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』と『ザ・メニュー』~横と縦の分断

2024/12/12 Thu

思ってたんとちゃう

こそこそとZWIFT練中のKazchari.

走行中,右手はビブショーツのズボン部分につっこみ,なるべく揺れないようにする.
安静と固定が何より重要なのはわかっているが,保存療法を選んだ時点で肩の動きを完全に止めることは不可能(言い訳).
次回の診察で何を言われるやら.

さて,そんなZWIFTの友と言えばAmazon Prime Video.
大統領選前というベストな時期も重なって話題になった『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を観た.

シビル・ウォー アメリカ最後の日

映画館に観に行くつもりだったが,知らぬ間に上映終了.
その後1ヶ月も経たぬ間に配信スタートとは.
早い,早いよ!
ますます劇場へ足を運ぶ頻度が減ってしまいそう.
なんだかんだで劇場の音響と没入感は自宅鑑賞とは比較にならない.
でもコスパを考えると...判断が難しいところ.

それはさておき『シビル・ウォー』
もしアメリカで内戦が再び起きたら...という概略だけを知った上で鑑賞.
例によって各種レビューは見ていません.

以下,ネタばれ.

始まってすぐに「思ってたんと違う」という感想.
内戦に至る経緯,政治的なかけひきは全く描かれない.

「大統領選の結果に不満を持った民衆が決起.それを大統領が武力で鎮圧して暴動から内戦へ.第三国の干渉がぁ,政府高官のかけひきがぁ」的な描写は一切なし.
あくまで一市民(カメラマン)目線で状況が伝えられる.

ラストもラストで,ワシントンDC攻略戦のごく一部を映すだけ.
予告でフィーチャーされる派手なドンパチシーンはここが最初で最後.

そもそも劇中で反乱をおこす「WF:Western Forces」軍はカルフォルニア州とテキサス州で構成されている.
使用している星条旗が★2つだけなのが芸コマ.

この2州,それぞれ民主党と共和党の牙城みたいな州.
それが協力して現大統領を〇〇するなんてありえない.
まぁ「(私は)どちら側でもありませんよ」もしくは「どちらもありえますよ」という制作者のメッセージか.

で,主役のカメラマン(リー)だが,どこかで見た女優さんやなぁ...と思ったらトビー・スパイディの時のMJさんじゃぁ,あーりませんか.
すっかり貫禄が付いて別人の様.
“これまで見過ぎたせいで病んでしまったベテラン戦場カメラマン”を熱演.
他国ならともかく母国の“最後”に立ち会った結果...

もう一人の主役は年齢不詳の新人カメラマン(ジェシー).
父譲りのフィルムカメラを使い,現像もハンディキットで行う.
この人もどこかで見たなぁ...と思ったら『エイリアン:ロムレス』(面白かった)のヒロインじゃぁあーりませんか.

エイリアン:ロムレス

ちょこっとWikiを見たら撮影時25歳くらい? 10代にしか見えない.
アシリパ役もできそう.

実はこの映画,「主役2人にベテラン記者の黒人じーさん(サミー),リーの同僚男性記者(ジョエル)を加えた疑似家族が1台の四駆に乗り込みワシントンDCを目指す.目的は大統領へのインタビューだ!」というロードムービーだった.

途中いくつかの町を通過するが,ほぼ無人.
パニック映画あるある的な放置車両だらけの高速道路や,巨大スーパーマーケットが映し出されるが,マジでゾンビとかに襲われそう.
いや,カネ(米ドル)が価値を失い,ガソリン,そして銃(暴力)が支配する世紀末感は正にゾンビ映画のフォーマットやな.

道中のクライマックスがWF兵(?)とのトラブル.
ここで有名なセリフ「どっちのアメリカ人だ?」という詰問をなんとか切り抜けたものの,疑似家族は“父”を失い,“夫”は自暴自棄になり(戻ってくるけど),“母”は精神の限界を迎える.
そして“子”たるジェシーは成長...というより感情を失ったかのように無表情で最前線を走る.
そこで歴史上,決定的な写真を撮る.
新たな時代の誕生に立ち会い,物語は終わる.

この先,どういう時代になるのか,誰にもわからない.
あえて右(ナショナリスト),左(グローバリスト)をボヤかしているからだ.
いずれにせよ市民間の「横」の分断を描いた映画だったような気がする.

で,少し前に同じくAmazon Primeで『ザ・メニュー』という映画を観た.

ザ・メニュー

「食材はあなた」的なキャッチコピーだったので,てっきり『コックと泥棒,その妻と愛人』『デリカッセン』のような料理系ホラーかと思っていたが,かなり違ってた.

コックと泥棒、その妻と愛人 [DVD]

デリカテッセン <デジタルニューマスター版> [DVD]

以下,ネタバレ.

孤島にあるレストラン.
ここでは天才シェフによる,$1,000以上はする創作フルコース料理が提供されている.
とうてい庶民が払える額ではない.
ゆえに客は芸能界や金融など各方面での成功者たち.

軍隊のように統率のとれた料理人たちを率いるのは,シェフのジュリアン.
料理に極度の芸術性や調和を重んじる.
結果,出される料理も奇をてらったものばかり.

ジュリアンは言う「食べるのではなく,味わえ」(命令).

本来,我々が食事をするのは生きるため.
だが飽食の世では,豊かな者には単にステータスとなり,食本来の価値が忘れられがち.
食を通じて“生きていること”を味わう,ジュリアンはそうした料理を追求してきた.

...だのに「こ,このオレの料理を,毎回毎回,この俗物(成功者)どもは何の考えもなしに食いやがる.ゆるざん!」とトチ狂ってしまった.

ここは,命をないがしろにする者に鉄槌を下す『ソウ』シリーズに通ずるテーマかも.

ソウ

もはやこの状況に我慢できなくなったシェフがとうとう限界突破.
自分と成功者どもを道連れに“最後の晩餐”計画を立てた...というストーリー.

この映画が面白いのは,サイコパスが一方的に犠牲者をいたぶり,”食材”にしてしまうような話ではないこと.

元々はハンバーガーを焼いていた下流のジュリアンは,ついつい上流になってしまった.つまり,彼自身も成功者(俗物)になってしまったので,その矛盾を解決するためには一緒に燃やされるべきという理屈.
当然,彼に心酔しているスタッフも一緒にボンである.

ポリコレ配慮なのか,スタッフにはアジア人やら黒人やらラテン系の役者を配置.まぁ,そこは気にならないかな.

助かるのは予定外で晩餐に参加することになったヒロインのみ.
娼婦だけどセレブではない.
ジュリアンに「どちら側につくか選べ」(どっちもタヒぬ)と迫られるが,機転を利かせて逃げ延びる.

他のゲストが割と従順なのは料理にお薬を盛られていたためかな.

つーことで,ややこしい表現だけど,こちらの『ザ・メニュー』「縦」の分断を描いていると解釈.

かつて思想闘争と言えば,「右」か「左」かで語られることが多かった.
今も表面的にはそのままかも.
この状況に対し,「現代は左右ではなく,上下の闘いと化している」と誰かが言った.
付け加えるなら「上」が「右」と「左」の争いを仕掛け,上下の格差から目を背けさせようとしていると.

あまり語ると陰謀論と言われそうだが,最近話題の大統領選とか某県知事選の混乱状況を鑑みると,あながち...おっと,誰かが来たようだ.

つーことで,世相(特にアメリカ)を反映しているこれらの映画,おすすめです.思ってたんと違っても,知らんけど.

やっぱりヤレヤレな骨折ライフ

2024/12/11 Wed

強靭なボディがほしい

右鎖骨骨幹部を骨折して4日.
保存療法を選択したため,「鎖骨バンド」を付けて生活している.

チャリダーKazchariは鎖骨骨折!

もちろん日常生活は超不便.

転倒事故当日は三角巾で腕全体を吊り下げ.
ちょっとした動きに伴う痛みのため,肩どころか肘や手を動かすのも辛かった.
ゆえに左手でフォーク&スプーンで食事.

翌日病院にて鎖骨骨折の診断後は「鎖骨バンド」を装着.
これでかなりに楽になった.
肩さえ上げなければ肘から先は自由に使える.
食事も右手に箸の通常スタイルに戻った(少し前かがみになる必要がある)

ただし...着替えが辛い.地獄.

パンツやソックスは問題ない.
アウターも大丈夫.

問題はインナーというか,Tシャツなどの肌着.
右肩が上がらない,上げてはならないので「着患脱健の原則」(悪い方から袖を通し,良い方から脱ぐ)に従う.
それでもかぶりシャツだと右肩の動きが少しは必要.
当然痛い.それにせっかく癒合しかけている骨折部がズレないか不安.

前開きで肌着になる着やすいインナーシャツはないだろうか?
それに吸汗速乾消臭なんかの機能があれば...

おや?

そういや,これって夏用のサイクルジャージがピッタリやん!

つーことでアホみたいにたくさんあるジャージから,インナーに使える単色のモノを取り出す.伸縮性もあるし,絶対に着やすいはず.

まずはチャックを開けて右手を通す...通す? あ,あかん.
ピチピチ過ぎて腕が通らん.それに袖口に滑り止めがあるのでひっかかる.
うーみゅ,使えん.

うん?

これってもしかしてビジネスチャンス?
肩が動かせない人用の「ファスナー付き前開きインナー」を開発すれば売れるかも...(ニッチ過ぎ)

まぁ焦らず慎重に,肩が再び動かせる日が来るまで我慢やな.

ここであらためてKazchariの事故紹介を...

19歳:オートバイでガードレールに激突.左小指脱臼と左足首裂傷

29歳:オートバイでマンホールスリップ.左膝蓋骨骨折.その3ヶ月後.歩行中に坂道でこけて再骨折

46歳:ダイビング中,船からのジャイアントストロークエントリーに失敗.左アキレス腱断裂

55歳:チャリで落車.左肩鎖関節亜脱臼と左膝裂傷

そして今回の落車に続く華麗なる事故歴.
かようにどんくさいKazchariであった.

そうそう,これらの負傷時も生活むっちゃ大変やったわ.
そこからの回復を思い出してめげないようにしよう.

あぁ,杉元佐一並みの回復力が欲しい(さっき,WOWOWの金カム見終えた).

ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-