2023/8/12 Sat
最高難度の...
曇り.温度:16 ℃,湿度:93%,体感温度:17 ℃,風速:9.2 km/時,風向:NNE
前回はこちら⇒(BRM812北海道300kmPW北見大集合★知床峠(その1))
登攀前補給のために立ち寄ったセイコーマートを出発.
少しだけ海岸沿いを進む.
このあたり,2年前に息子とのキャンプ旅でも通過したが,それ以前の思い出としては2005年2月の「流氷ダイビング」がある.
当時,ダイビングにずっぽりはまっていたKazchariはヨメはんとともに,流氷の下を潜るという極地ダイビングに挑戦.
いやぁ,普段リゾートダイバーなKazchariには色々とキツかった.
ドライスーツを着たことがある人ならわかると思うが,水の侵入を防ぐため,首周りが異常にタイト.
新品のスーツだったせいもあるが,窒息寸前だった.
それに,当たり前だが寒い.
外気温マイナス15℃,水温0℃.
確かにカラダは濡れないが,グローブはしみてくるし,口の周りだけは冷水に触れっぱなし(クチビルゲ化).
ここまで苦労したのだ.
海中はさぞかし美しい風景が...って,そうでもない.
狭い水路を進むためか濁りがひどい.
クリオネもいるにはいるが,小さすぎて撮影困難度MAX.
雑誌にあるようなイメージ写真(流氷下のアザラシみたいな)は,相当時間をかけ,タイミングに恵まれないと撮れんな(たぶん).
結論.
潜らなくても,ドライスーツを着て氷の上を歩くだけでも十分楽しめます.
いや,その方がベター(※個人の感想です).
...と,思い出にひたっていると前方に坂道が見えてきた.
ここから峠までは約15km.
距離だけなら旭岳+αくらい?
斜度がキツいというが,どんな感じ?
自称クライマーのKazchariとしては「オラ,ワクワクすっぞ!」と言いたい所だが,先程の休憩後,例の右膝がじわじわと痛くなってきた.ヤバい.
もちろんDNFするほどではないのでガシガシ進む.
とりあえず路面状況が良いのが助かる.
ちなみに2005年にほぼ同じ場所から撮影している.
しばらく進むと「知床自然センター」.
そして,知床五湖&カムイワッカへ向かう道への分岐.
Topstoneを立てかけている看板が,実はキーアイテムだったりする.
ちなみに,今年から「カムイワッカ湯の滝」は予約制になったらしい.
そういやカムイワッカも1989年頃に行ったなぁ.
あの頃はオートバイで林道終点ギリまで行けて,後は徒歩.
湯の滝まで登ったが,手をついた先が熱湯でこけかけた...という経験は,あの頃の旅人なら「あるある」のはず.
「知床自然センター」を越えてさらに登る.
6~7%と,斜度はそれほどキツくない.
登りながらチェックするのは反対車線の路面状況.
往復ルートなので,ダウンヒル必須.
路肩がコケむしている箇所もあったので要注意.覚えておく.
さて,本ブルベ最大の懸念はここ知床峠におけるヒグマDNF.
最近の報道でよく見るのがヒグマの横断や,クルマからの餌やりシーンだ.
林道を含め,北海道中を走り回っているKazchariだが,これまでヒグマに遭遇したことはない.
正直,出てきたら出てきたで面白いなぁ...という気持ちもないわけではない(ダメです).
実際に見かけたら互いにどんな行動をするのだろうか?
...とかなんとか,いろんなことを考えながら進む.
標高が上がるに連れて霧雨が霧に,さらには風が出てきた.
前方から,先行していたランドヌール2名のダウンヒル.
速ぇ.もう下りてきた.
快速で有名な北海道ブルベ界のレジェンド,次いでPC1でも会った道外からの参加者だった.
するとKazchariのポジションは現在3位ということになる.
レースではないけど,自分の順位は気になるところ.
特に今回は通常よりかなり重いチャリで登っているのだ.
トレーニング効果の指標にもなる(ならない).
「Garmin eTtrex」に表示されるコースと残り距離を凝視.
やがて駐車場の看板が見えてきた.
そうか,右側だったな.
クルマに注意しつつ進入.
12:35,135.5km地点:TC1知床峠駐車場である.
霧が濃い.濃すぎる.
羅臼岳どころか,周りの景色はほとんど見えない.
さて,ここはクイズチェック.
問題は「とある看板を探し,そこに描かれているとある動物のイラストは何匹か」を答えるもの.
駐車場の羅臼側にあるらしいので探す.
ない.
指示の解釈が間違っているのかと思い,道路を挟んだ反対側の展望台にも移動.
ない.
もしかしてこれのこと? すると一匹?
まさか,ここで参加したブルベ史上,最高難度のクイズが出題されるとは.
これは先々月の「きのこの山300」のオロフレ峠(酸欠)クイズを越えている.
焦る.
仕方がない.峠にたどり着いたという証拠写真で勘弁してもらうか...と考えていたら,ちょうど坂を登りきったランドヌールとばったり.
やはり看板が見つからない,つまり答えが見つからないという.
二人して「あーでもないこーでもない」と探索を続けたが,諦めて山を下ることにする.
後で聞いた話だが,コース作成時は確かに看板は存在していたとのこと.
その後の工事で撤去されたらしい.
つまり,この写真の建物付近を探索すれば,肝心の看板が出てくる可能性はあったらしいが...まさか資材をひっくり返してまで探す人はいないはず...⇒ いた.
濡れたカラダで滞在していたせいか,寒気がしてきた.
ましてやこれから15kmのダウンヒル.
ウインドブレーカーを着用.
クイズに答えられなかったという未練を残しつつ...下る.
往復コースあるあるのすれ違い.
ただし,こちらは下り天国,向こうは登り地獄.
実に残酷.
さて,標高が低くなるに連れ,気温は上がり霧も晴れてきた.
ウトロに戻ってきた.
登る前に利用したセイコマの対側にあるセブンイレブンにピットイン.
ウインドブレーカーをキャストオフする.
ちょうど先程峠でご一緒したランドヌールも休憩中だった.
ここで補給するのはとにかく温かいモノ.
つーことで,ホットコーヒーだけを注文.
補給食バッグの中からクリームパンを取り出して食べる.
このセブンにはでかでかと「ゴミ箱ありません」表示が.
観光地なのでわからんでもないが,チャリダー的には非常に困る.
紙コップ1つだけのゴミなのでこのまま持参.
ここまでで約150km.
このブルベもようやく半分の行程.
グラベル参戦にしてはわりと良いペースである.
少し休んで出発.
往路をそのまま逆走する.
昼時である.
グルメなランドヌールだとウトロで海鮮丼なのだろうが,Kazchariはパス.
ひたすら走るのだ.
それにしても今年はホンマにオートバイ多いなぁ.
かつてのブームが復活? いや違うな.
メットを脱ぐと白髪頭のおっさんだらけ...
ごくたまーにだが,オートバイライダーからの「ヤエー!」が飛んでくる.
もちろん,こちらからも「ヤエー!」
なにはともあれ,思い出に残る良い旅を.
※ その3へ続く