北海道の夏.エアコンの夏

2023/8/2 Wed

人類の至宝,まさに科学の勝利

Kazchariが旭川に越してきたのは2002年の10月.
家が見つかるまで,2週間ほど某キャンプ場に滞在していたのは良い思い出である.(台風接近に付き,他に利用客もいなかったため,炊事場隣の設営を許可していただいた)

OLYMPUS Z5050 2004年9月撮影

さて,今の家に入居し,通勤をはじめ,クルマ(ジムニー)が納車される頃には季節はすっかり晩秋,すぐに雪のシーズンに突入した,

先住道民からは「雪かき大変だよう」「1階のドアが使えなくなるので2階から出入りするよう」「寒いを越えて痛いよう」「まつげ凍るよう」「家の中も氷点下だよう」「交差点でスピンするよう」などと散々脅された.

実際のところ,そこまで大変な目には会わなかった.

雪かきもレジャーと思えば,それほど苦痛ではない.

スキマ風ひゅうひゅうの大阪の家屋より,断熱完璧,床暖,パネルヒーターで,家の中はむしろ温かい(暑い).しかも,当時の灯油価格はリッター¥55ほどだったと記憶している.

服装も,ユニクロを始め格安ダウンジャケットが普及し,マフラーやあったかインナーなどで着込めばなんとかなるっつーか,外出は短時間で室内は薄着.

凍結路の運転もジムニーの性能のおかげで無事故・無スピン.

さて,そんな初めての冬を無事乗り切り,短い春が過ぎ夏が来た.
この季節は過去のオートバイツーリングで馴染みがある.
熱波と湿気でうだるような暑さだった大阪・京都とは比較にならない爽やかさ.

真夏の夜も,窓を開け,扇風機を上方に向けて室内の空気を循環させれば,問題なく熟睡できた.つまりクーラー不要.

いやはや実に快適.QOL爆上がりである.
望郷の念は完璧に消え去った.

Kazchari家,西へ

さて,それから約20年.状況は一変.
一昨年あたりから怪しかったが,ここ最近の夏の暑さは異常.

家族会議にて「今年こそ(エアコン)買う?」という話がここ数年出ていたものの,7月下旬から8月上旬の1,2週間を我慢すればなんとかなった.
文字通り暑さ寒さも彼岸まで.
いつの間にか涼しくなって「やっぱいらんな」となるのがお約束だった.

それが通じなくなって久しい.
特に今年の夏は...あかん.ヤバすぎる.

布団で寝るのはあきらめ,キャンプ用のコットとマットでしのぐ夜もあった.

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iPhone Pro

この隙間が涼しさを生む...はずだった.

WAQ 2WAY キャンプ コット 静音 軽量 折りたたみベッド 耐荷重150kg ハイ/ロー切替可能 (オリーブ)

WAQ キャンプマット 車中泊マット 厚手 8cm コンパクト R値 6.5 特殊ウレタン 軽量 インフレーターマット (OLIVE(オリーブ))

それでも窓全開で眠れるKazchariの就寝環境はまだマシかも.
ヨメさんと子供二人は別室にて,うだるような暑さの中で寝ている.
まぁ,本人たちからはあまり不満の声はないが...

つーことで,とうとうこの過酷な地球環境に根負け.

先週土曜日,近所の家電量販店にエアコンを買いに行くことにした.
工事必須なのでこればかりは通販というわけにはいかない.

新コロ真っ盛りの昨年だと,品&人手不足でモノはないわ,工事人がいないわで大変だったらしいが.今年は改善.
商品も潤沢に並び工事も早いそうな.

チラシには「複数台購入でさらにお得!」と書かれていたので,ここは奮発してリビング,娘の部屋,Kazchariの部屋と一気に三台の購入を画策.
店員さんを呼んで価格交渉をする.
確かに多少の値引きはあったが,問題なのが追加の工事費用.

元々エアコン対応の家屋ではないため,必要な専用のコンセントがない.
壁にホース用の穴も開いていない.
それらの設置工事に余計な出費がかかる.
ましてや3台分ともなると,シャレにならん額になる.
つーことで,複数購入はあっさりと諦める.

リビング用のエアコンは仕方ないとして,残りの2部屋分をどうするか?

東芝 「工事代金別」 14畳向け 冷暖房インバーターエアコン e angle select 大清快 RAS KE3Xシリーズ RASK401E3XWS

https://www.edion.com/detail.html?p_cd=00074896714より

そこで,ヨメはんが知人の家で見かけて印象が良かったポータブルエアコンの購入を提案してきた.

実物(展示品)をチェックする.
アイリスオーヤマ製だった.

へぇー.意外にコンパクト.
排気ダクトを窓のスキマに出すだけか.
思ったより涼しい.
それに...安い.

工事費もいらず,本日そのまま持って帰れるとのこと.
「こりゃ決まり」っつーことで娘とKazchariの部屋用に2台購入した.

【工事不要】 【除湿機能搭載】 アイリスオーヤマ ポータブル クーラー エアコン 冷風機 7畳 2021年モデル 除湿 換気 内部洗浄機能 IPA-2221G-W

最近ではすっかり習慣化している,ネットでレビューをチェックするようなこともせず.こんな買い物は久しぶりやな.
※ 後でチェックすると割と好評.

その昔,ツール・ド・フランス常勝チームSKYは,そのマージナル・ゲインと呼ばれる“カイゼン”策で勝利を量産.
それはレース戦略に関してだけではなく,むしろ選手のケアに画期的な方法を取り入れたことで有名.

その一つは,今やすっかりメジャーになった固定ローラーを使ってのレース後のクールダウンである.
当初は他のチームから馬鹿にされていたそうな.

その“カイゼン”は選手の泊まるホテルにも及ぶ.
スタッフは選手が来る前に室内を徹底的に除菌.
各選手専用のマットレスと枕を設置.

そしてフランスにはエアコンなしのホテルが多いので,その対策としてポータブルエアコンを人数分用意していたとか...

まさか,自分が購入する日が来るとは...

ちなみに車中泊での使用を試みた人がいるようだが,高価なバッテリー式ならともかく,一般的な小型ポータブル電源の容量だと2時間ほどしか保たないらしい.
さすがに本機を車中泊で使う気はないけど.

ルームエアコンの工事も明明後日に決まり(早い!),全て順調.

支払いを済ませ,1台30kg近いポータブルエアコンをハスラーの後部座席に積み込む.
パッケージには「横積み厳禁」とあったが,短時間の「斜め積み」しかできないので許してつかあさい.

帰宅後,早速組み立て.
娘の部屋の窓はともかく,Kazchari部屋の場合,ベランダの出入り口と兼用なのので,パネルの高さが足りない.
純正オプションもあるが,これがなんと¥2万近くする.
アホらしいので手持ちのスチロールパネルで継ぎ足し.無問題.

iPhone Pro

起動.
うむ.さすがに壁掛けの通常エアコンとは異なり,冷えるまでの時間は少し長いな.仕方がない.

それよりはデカい動作音が...
店舗では気にならならなかったが,日中でこれだと,就寝時はヤバイかも.
耳栓必須! Kazchariは繊細なのだ.

MOLDEX エラストマー 使い捨て耳栓 コード無し お試し8種エコパック ケース付 (Camoplugs Sparkplugs Goin’green Meteors Softies Mellows Pura-fit 各1ペア)

「冷えにくい」とは言っても,エアコンはエアコン.
一度部屋の外に出てから戻ると,やはりその涼しさは感動的!
素晴らしい!(で,冒頭のミサトさんの台詞につながる)

で,各種用事を済ませると就寝時間.
実際に横になる1時間前にエアコンのスイッチon!

入浴後,寝室に入る.
うむ.涼しい.ただし...やはり,むっちゃやかましいわ!

とりあえず室温を25℃にセット.
タイマーなしで朝までつけておく.

ふと,パネルを見ると「おやすみ」と書かれたボタンがある.

「うん? これはもしかして静音モードか?」と期待.
ポチるが,特に音は変わらない.
よくわからんけど寝るか.

愛用の耳栓をセット.
さすがに古来より伝わる最強静音グッズ.
何もかも聞こえなくなった.

幸い明日は日曜日.
目覚ましアラームをセットする必要なし.
おやすみなさい...zzz

...目が覚める.
腕の時計を確認すると,なんと夜中の2時.
身体を覆うねっとりとした寝汗.

暑い.

なんでこんなに暑い?
起き上がって,エアコンの温度設定を確認.
なんと,27℃になっていた.

後ほどマニュアルを読むと「おやすみ」機能とは「就寝数時間後に室温を2℃ほど勝手に上げる機能」だった.大きなお世話や! 二度と使わん.

元の25℃に戻し,再度就寝.
体内時計通り,6時前に目覚める.

トラブルのせいで熟睡とはいかないが,やはりエアコンはええの.

さて,週明けの8月1日.

リビング用エアコンの取付工事が行われた.
予想通りの大工事で3時間ほどかかった.
この灼熱地獄の中,外の作業も床下に潜っての作業も...ご苦労さまである.頭が下がる.

設置後の試運転も何も問題なし.
煉獄を天国に変えてくれる,極々普通のエアコンである.

あまりの暑さのため.高齢者の室内熱中症死が例年になく話題になっている.
いわゆる昭和的価値観で「もったいない」「冷房はカラダに悪い」といった積極的な冷房嫌いはともかく,むしろ問題なのは「自律神経機能低下による暑さへの鈍感さ」だろう.
後者への対策として,室内にいる人の生体データを勝手に検出,問答無用でスイッチ・オンになる仕組みができるのもすぐ...のような気もする.

30年ほど前,アフリカや東南アジアをバックパッカーしてた頃,安宿にはエアコンがないのが普通だった.
当時は「いかに宿代を安く上げるかが勝負」みたいな雰囲気もあって,「エアコン付きは贅沢の極み,絶対泊まらん!」なんて思っていたが,今なら悩むことなくエアコン一択やな.

つーことで致し方なく,ここ北海道(旭川)でも”夢のエアコンライフ”がスタートしたわけだが,ちょうど良いタイミングで次の記事がアップされていた.

本当は間違っていたエアコン節電法7 知識をアップデートして電気代高騰を乗り切ろう

元の文は「NGリスト」なので,印象に残るよう書き直す.

風量は弱,室外機のファンは塞がない,こまめにオフにしない,風向きは水平,帰宅時は一旦換気してからオン,フィルター掃除は2週間ごと,除湿より冷房.

「帰宅時の換気」は盲点やったな.

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それにしても涼しいわ~ このブログもノートパソコンをリビングに持ち出して書いてますぅ.