旅の回顧録~1993年のカンボジア(9)

1993/3/21 Sun

AM5:30,起床.
微熱と頭痛が少し残るものの,昨日よりはずっと調子が良い.
クンツが飛行機でプノンペンに戻るので,空港まで彼をトランスポートする.
生死を共にした(?)ナイスガイであった.見た目老けてるけど.

その後,Y氏と大前田氏が見つけたという新ルートを通って,再びアンコールに行くことにした.
空港脇をさらに西に進み,草原の真ん中を突き抜ける砂地を爆走する(一昨日の出来事に全然懲りてない).

やがて,ゲリラが出てきても全然おかしくない雰囲気のジャングルに侵入.
サンダルに半パンというスタイルだったので,満足に“攻める”ことはできなかったが,実におもしろいオフロードコースである.
そして偉大なる日本の名車,カブに乾杯!
ホンマによく走る単車だ.

アンコール・トム,バイヨンの西門に到着.
ここは他の門と違い,ジャングルの中にツタがからんだ姿でそびえ立っている.
まるで,自分が最初の発見者になったかのような気分.

と,ここでトラブル発生.
昨日はいなかったという門番が今朝はいた.
小銃を持った政府軍の兵隊であった.
US$1をつかませて通してもらう.
なんだか悔しいぞ.

トム見学後,体調もそれほど悪くなかったので,アンコールのさらに北21kmにあるという遺跡「バンテンスレイ」へ行くことにする.
これまたスゴイというか,発展途上的というかの凸凹道.
雨でできた池がボコボコ存在する.
ダート好きの俺はまた,キャッキャと走り抜けるのであった.
途中,ロケットランチャーなどの重火器を構えてカブに乗る兵隊と何度もすれ違う.
遺跡まで1kmという地点で,Kazchariのカブがガス欠.
仕方なしにすぐそばの民家でペットボトル入りのガソリンを買う.
2リットルでUS$2! なんだってーっ!

ようやくたどり着いたバンテンスレイは掛け値なしに素晴らしい遺跡であった.
アンコールの他のどの遺跡よりも保存状態が良く,緻密な彫刻が見る者を圧倒する.

もちろんここも周囲は「DANGER MINES」の標識だらけ.入り口にはロケットランチャーを持った政府軍兵士が見張っており,「絶対に石道の外に出るな」と忠告された.

帰り道,アンコール遺跡全体を見渡せる山に登る.
おそらく2度はないだろうと思う風景を心に刻む.
今,自分は確かに存在している.

明日は休息日の予定.
少し離れた最後の遺跡「ローラス」も訪問.

疲れた.

しかしながら充実した一日であった.
各々の遺跡の素晴らしさを文章で表現するなんて器用なマネはでけんので今日の日記はここまで.

あぁ,また少し頭痛がしてきた…

コメントを残す