『動物ロボット スパイ大作戦~冬を生き抜く動物たち~』を観た

2020/6/12 Fri

テクノロジーによる神の視点

ここ数日,暗めのネタが続いてしまったが今日は明るめ.

時々このブログでも紹介しているNHK-Eテレの超優良番組『地球ドラマチック』.
海外で制作・放送されたドキュメンタリー番組に日本語ナレーション(渡辺徹)をつけて放送.自然科学ネタが多い.
毎週録画し後追いで3本ローラーしながら観ている.たまに大当たりの回があり,今回は正にそれ.

タイトルは「動物ロボット スパイ大作戦」.Kazchariが覚えている限り,パート3かな?
今回のテーマは「冬を生き抜く動物たち」ということで,いつもより過酷な撮影(誰にとって?).
内容を公式サイトから引用.

野生動物の知られざる生態を探るべく、本物の動物そっくりのスパイロボットが潜入!知恵と勇気で、極寒の冬をサバイバルする動物たちの命のドラマに迫る! 美しい白銀の世界が広がるアラスカ。ラッコの生態を探るべく、送り込まれたスパイロボットは、生まれたばかりの赤ちゃんを献身的に世話する母親ラッコの姿を捉える。しかし突然現れたオスのラッコが、赤ちゃんを襲撃!母親ラッコは、子どもを守りきることができるのか?さらに番組では、北極のホッキョクグマ、タスマニアのウォンバットやワラビーの恋愛模様についても、スパイロボットが潜入取材する。(イギリス2018年)

登場する動物ロボットのタイプは様々.
基本的に群れの中に設置するため,その動物の形状そのままのモノが一番多い.
目に小型カメラが仕込まれており,近寄ってくる動物をドアップで撮影.さらには頸や手足がホンモノっぽい動き(遠隔操作)をするなどよくできている.
危険回避にもなるし,何より決定的瞬間をヒトが待ち続ける必要がない.

今回の冬編に登場したのが,球体(卵型)や驚きの自走タイプ
特に後者にはびっくり.
北極のシロクマ撮影のために作られたもので,火星探査機の簡易verみたいな形状をしており,なんと“プロペラ”を使って氷上を滑って移動する(ホバークラフトっぽい).

不思議なのは,自走型はもとより同類型もあきらかに怪しいというか,ヒトの目ではすぐにニセモノとわかる造形である.
なぜばれないのだろう?
一般に動物は嗅覚が発達しているので,視覚ではなく,匂いで判別できるのではと思いきや,そうでもなかった.
サルみたいに知能の高い動物ですら騙されている.フェロモン噴射でもしているのだろうか?

その動物ロボを撮るためのカメラは? それにバッテリはどうなっているのかなども気になるが,実際に撮られた映像はスゴイの一言.
以下,印象に残ったシーン.

- ラッコ編では,内容にある通り,赤ちゃんがラッコ(♂)に襲われるシーンがあるのだが,これをラッコ型ロボと,上空からハクトウワシ型ドローンの2台で追跡.これまで見たことがない構図.ハクトウワシドローンもプロペラが羽の中に内蔵されており,外見は鳥そのもの!

※これはロボ

- 発情期のシロクマ(♀)がオスを誘うセクシーポーズには笑った.もう人間のそれとそっくり.子どもができてからのオスに怯える日々とのギャップがなんとも…

- 皇帝ペンギンはオキシトシンが過剰に分泌されるので,子育てしたくて仕方がない.親からはぐれた子どもや転がった卵を無理やり自分のモノにしようと追いかけまわす.その様子はまるでラグビーかサッカー.

- 青年になった皇帝ペンギン.連れだって海にでかけるが海鳥にいぢめられる食べられる?).そこに現れたのが一回り小型のアデリーペンギン.なぜかそいつが海鳥を追っ払う.アデリーは目つきが悪くて怖い

※こんなシーンはありません

- ニュージーランドの高地に住むミヤマオウム(ケア)は頭が良い.ちなみに外見はくすんだ色だが羽の裏は極彩色.ヤンキーの長ランか.スタッフがロボットの操作リモコン(ラジコンと同形状)をそばに放置.好奇心旺盛なオウムはそれをいじりだし,簡単な操作を覚えてしまった.

何だか「ざんねんな生き物事典」みたいだが,どれもこれも興味深かった.やはり生の映像は説得力が違う.

一昔前の動物ドキュメンタリー番組と言えば,安全や動物の警戒心を考慮し超望遠カメラ,もしくは定点設置カメラでの観測映像ばかり.
ゆえに,遠くに映る「黒いナニカが幻の〇〇」だとか,ナイトビジョン撮影の不鮮明なモノが多かったと記憶しているが,機材の進歩によってとんでもない映像が撮れるようになっている.

まさに神の視点
現代テクノロジーは凄まじい進歩を遂げているとあらためて実感した.

息子にも見せよう.永久保存やな.

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