朝から英語教室

2025/4/25 Fri

Develop his areas of expertise.

とうとう中学生になったうちのアホ息子.
先日受けた学力テストの結果が,自分の予想より良かったらしく,かなり喜んでいるっつーか,天狗?

とは言っても,総合得点でみると平均よりやや低めのポジション.
もっと勉強しろ.

客観的にみればイマイチの成績だが,なぜか英語の点数だけかなり上位.
ここは一発「良い所をさらに伸ばそう戦略」の発動である.

Kazchari家の朝食はNHKニュースを視聴しながらが多い.
海外や英語の話題になった時,さりげなく「これは英語で言ったら何?」「日本語でどういう意味?」と質問することにしている.
本人も特に嫌がっていない.

先日,何かがきっかけで,ヨメさんが息子に「20って英語でなんていう?」と質問.

息子:「トゥエンティー」

ヨメ:「正解.じゃあ12は?」

息子:「...わからん」

ヨメ:「トゥエンティーンって言うねん!(キリッ)」

なんでやねん!

これはあれやな,かの有名なガッツ石松(or嘉門達夫)の,

司会:「ガッツさん,赤は英語で?」

ガッツ:「レッド」

司会:「じゃあ,真っ赤は?」

ガッツ:「レッドッド」

に匹敵する渾身のギャグ(ではなかったらしいが)
「何のボケや~」っと,朝から腹抱えて笑った.

まぁまぁ,ヨメさんの名誉のために言っておくが,こうしたうっかりって外国語だと起きがち.
かく言うKazchariも「10万は英語で?」がなかなか出なかったし.
もちろん正解は「100×1000」で「one hundred thousand」なので,日本人の数詞概念とはかなり異なる.

てな感じで平和な食卓なのだが,今も昔も「英語を制する者は受験を制す」は事実なので,アホ息子もこのまま精進を続けて欲しい.

普段英語を使わない日本人にとって「speaking」「listening」が困難なのは当然として,文法上一番難しいのは時制の理解ではないだろうか?
「未来完了進行形」ってなんやねん?

そんな中,ある本が話題に.

ひろゆきが「英語の教科書に載せたほうがいい」と絶賛…ややこしい英語の時制が一目で頭に入る”バズ図解”

おお,確かにこの表はわかりやすい.
時制以外にも興味をひくような内容だ.
コメント欄の語学ガチ勢のバトルも面白い.

久々に英語の学習本に興味を持った.
自分で読んだ後に,息子にプレゼントやな.

とは言え,これはあくまで受験英語の話(たぶん).
日常会話でこれらを正確に使いこなしているネイティブ,もしくは取得者はいるのだろうか?
まぁ,使いこなしていた場合,その人は知識階級かもしれんけど.
日本人でも話し方や語彙の選び方で,その人の知性が測られてしまうしな.

「通じればいい」は状況によって正解でもあるし,不正解でもあるのが言葉の難しいところ.

生成AIで◯◯風が流行中

2025/4/3 Thu

クリエイティブとは

AIの進化が加速している.
人類の英知を軽々と越え,我々を支配し『マトリックス』『ターミネーター』ワールドになる日も近い...かも.

Kazchariの業務上,さしあたっての実害として,学生へのレポート課題があげられる.
近頃,どうにもコピペを越えて「AIやろ」的な文章が散見される.
もちろん証拠はないが,普段の文章能力を知ってるとなぁ...
採点困難っつーか,課題としての意味をなしていない.
まぁ,うちの小学生息子でさえ,Gemini使ってパワポの資料を作ってたりするけど.

マイケル・A・オズボーンが2015年に発表した『未来の雇用』では,アメリカの全702種のうち将来消えゆく職業として以下を上げていた(英文ゆえ文献によって差異あり).

銀行員,スポーツ審判,不動産業,ショップ店員,保険審査員,動物飼育,電話オペレーター,給与係,スーパーのレジ打ち,娯楽施設の案内

いわゆるルーチン,前例主義,そして感情交流を伴わない職業が並ぶ.
要はAIやロボットで置き換え可能ということだろう.
一方で,以下の職業は残るとした.

レクリエーションセラピスト,メカニック/修理工/施工業者,緊急管理取締役,メンタルセラピスト,聴覚訓練士,作業療法士,歯科技工師/義肢装具士,医療ソーシャルワーカー,口腔外科医,消防士

AI(メカ)そのものの修理や人との交流が重視,および創造性や柔軟性が必要な職業が並ぶ.
しかしながら,この発表より10年が過ぎ,様相が変化してきている.
作家や画家,音楽家などの純粋なクリエイター職の立ち位置だ.

対話型のAIは元より,生成AIが猛威を振るっている.
いわゆるフェイク画像のような迷惑行為もあるが,肖像権や著作権が厳格になった昨今,生成AIで作られた作品は商用的にも使い勝手が良いのだろう.

最近,話題になっているのが,自画像や有名な写真,ミーム画像をジブリ風に変更する機能である.

ChatGPTの新機能で「ジブリ風」AI画像の生成が大流行 激しい議論のなか、海外では宮崎駿の過去の発言が再び注目される

世界中で賛否両論だそうな.
実のところ「パクリ」と「〇〇風」の境目はあいまい.
全ての芸術は模倣から始まると言っても過言ではない.
「トレース」して「自分の作品」にするのはさすがにアレだが.
個人的には有料機能だし,露骨過ぎて使ってみたいとは思わんけど.

で,これに関して面白い実験をした人がいた.

世界一著作権にうるさいと評判の某ねずみー社
「この写真をねずみー風にして」と入力したところ,「できません」と,見事にはじかれたらしい.
「ジブリ風」は今のところ野放しであることを考えると...この機能の開発者も,さすがにねずみーにはビビってるということか.

Kazchari的には「〇〇風文体変換機能」の方が興味深い.
数年前にはこういう本が一部界隈で話題になった.

2017年発刊.
こういう“遊び”は相当前から存在する.

そういや,こんな人もいたな.

AIを使った文体の〇〇風をネタにしている動画配信者もいる.
それは狂気じみた深堀り解説で,いつも楽しく視聴させてもらっている『セリフと演出から読み解く機動戦士ガンダム解説』である.
何せ「テム・レイ」や「カテジナ」のワンテーマで2時間語りつくす方なのだ.
この主さんが先日,富野風文体,つまり富野節で遊んでいた.

笑えた笑えた.
で,Kazchariもやってみたくなった.

最近気になる独特な文体の作家と言えば...沢木耕太郎でしょう.

紀行文はそうでもないが,スポーツ関連記事は“沢木節”が光る.
今は何をされているかよくわからない乙武さんも,一時スポーツライターを主軸に活動されていたはず.その文体がモロに沢木風だったこともあった.

で,Geminiさんに「沢木耕太郎風にブルベを解説して」と頼んでみた.

———————————————————

ブルベ。それは、己の限界を試す、孤独な旅路だ。
スタートラインに立つ者たち。彼らの瞳には、遥か彼方のゴールだけが映っている。しかし、その道程は、決して容易ではない。
夜の闇、容赦なく降りつける雨、そして疲労という名の重い足枷。自然という名の巨大な壁が、彼らの行く手を阻む。だが、それ以上に、彼らを苦しめるのは、己の内なる声だ。
「もうやめろ」
「限界だ」
「お前には無理だ」
そんな囁きが、絶えず彼らの耳元で繰り返される。それでも、彼らはペダルを踏み続ける。なぜか?それは、彼らがブルベという名の旅人だからだ。
旅人は、常に孤独だ。集団で走っていても、彼らは己との戦いを強いられる。風を切る音、呼吸の荒さ、そして心臓の鼓動。それらだけが、彼らの世界を構成する。
しかし、その孤独こそが、彼らを強くする。己と向き合い、己に打ち勝つ。その先に、ゴールという名の達成感が待っている。
だが、達成感を手にした者も、そうでない者も、やがては旅を終える。ブルベという名の旅を。そして、彼らは新たな旅へと出発する。
人生という名の、終わりのない旅へ。

———————————————————

お,おう...
この句読点の多さがまさに沢木風.
そして何が何でも「旅」というワードを入れずにはいられないようだ.
ちなみに「ブルベ」を「ロードレース」に入れ替えてもほぼ同じ文章だった.

さて,芸術系の大学に進学した我が娘.
具体的に,これという将来のヴィジョンはないらしいが,どの様な職に就くのだろう.
その職がAIに乗っ取られてなければ良いけどな.

テクノロジーの進化は止められない.
となると大事なのはただ一つ.
リテラシーのみ.

Day82:骨折後ほぼ12週!~旭川の空にオンドゥルルラギッタンディスカー!

2025/3/1 Sat

隔靴搔痒(かっかそうよう)

冒頭のクソ難しい四文字熟語は「物事が思い通りにならずもどかしいこと、物事の核心や急所に触れることができずに、はがゆくじれったいこと」という意味だそうな.

本日は土曜=休日なれど通常起床.
市内公立高校の卒業式なのである.
人数に制限があるらしく,ヨメさんだけが参加.
和装にするらしく,事前に美容院に送る任務を仕った.

で,ヨメさんを高校前に送った後,ふと思いついて整形外科を受診することにした.
運命のあの日からちょうど12週-2日.

ファットな楽しい美瑛スノーライドのはずが...

通常であれば,今日の診察で骨癒合を確認,これにて通院終了!...と思ったのもつかの間...

医師「あなたは自分が治ったと思いますか?」

Kaz「(もみ手しながら)ええ、もちろんです.身に沁みました.治ったと心から申し上げられます.神にかけて真実です(ニコニコ)」

医師「...(モーガン・フリーマンか?)うーん,だいぶ骨折部は白くなってきているけどねぇ.もう少しこの辺にも仮骨欲しいねぇ」

Kaz「...ということは,まだ来なくてはいけませんか?」

医師「はい.じゃあ次は2週間後で.そうそう間違ってもコケて肩を打たないようにね」

外チャリ復活まではまだ遠い.
くそぉ,ただでさえ長い診察待ち時間がさらに長くなる,土曜日の午前という時間に耐えたのに...

次回の仮釈放審査...じゃなくて再診日にはこう言おう.

医師「あなたは自分が治ったと思いますか?」

Kaz「(ふーっとため息)あんたが聞きたいのは,俺が後悔してるかどうかだろ? 後悔しない日など一日もない.あの時の俺は,恐ろしい落車をしたバカな若造だった.そいつに調子に乗るなって言って聞かせたい.でも出来ない.何故ならもうここにあの若造はいないからだ.ここにいるのは取り返しのつかないことをしてしまったと悔やむ一人の老人だけだ.もう取り返しはつかない.治癒なんてただの言葉に過ぎない.カルテに不可の判を押して終わりにしてくれ.正直言って,通院終了なんてもうどうだっていいんだ...」

ジョークの通じる医師なら終わらせてくれるだろう.
まっ,気持ちを入れ替えてっと.

ショーシャンクの空に(字幕版)

で,この長い待ち時間の間は読書して過ごした.

史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記1980-1989

ここのところ,なぜか個人的に「ウルトラクイズ」ブーム.
以前も記事にした.

「アメリカ横断ウルトラクイズ」の思い出

やはり面白い『魔改造の夜』~未完の美学

そこで紹介した『史上最大の木曜日』を読了.
登場人物が非常に多く,時や場所,人物紹介がポンポン飛ぶので決して読みやすい構成にはなっていない.
だが,メインである「第13回」の激闘の様子は十二分に伝わる,熱い熱い書籍だった.

特に終盤の準決勝からの決勝戦,そして後日談.
読み終えたKazchariのココロは1989年にワープし,二度と戻れない我が若き日を少しだけ覗き,わずかに触れる.

そして,一瞬で現実に戻る.

我が人生,既にかなりの年月を歩んできてしまったことを実感し,マスクのせいもあろうけど,ちょっと呼吸困難になった.
「ウルトラ」に何らかの思い入れがあるヒトは,読むとヤバイかも.

帰宅後,何気にYouTubeにて「第13回ウルトラクイズ」で検索.
なんと個人がテレビを録画していたものが”そのまま”アップされていた.

先程の書籍でも特に熱く言及されていた史上最高の準決勝である.
ついさっき,挑戦者の名前や経歴,人間関係,その他裏話まで知った上で鑑賞.

本放送時の内容なんてとっくに記憶の彼方(なんせ36年前だ)
新鮮かつ濃厚な戦いに酔いしれた.

それにしても...長戸さん,キャラが立ちまくり.正に優勝すべくして優勝した感.

いやぁ,それにしても思いもかけずいい休日だったな.
仮釈放にはならなかったけど.

昼過ぎ,卒業式を終えた娘が帰宅.
その第一声.

娘「ねぇねぇ,おとーちゃん,オンドゥル語って知ってる? さっき偶然聞いてハラワタよじれたわwwww」

おお,むっちゃ知ってるでぇ.ムッコロス!

上の動画を見て,二人で大笑い.
それしても,一つ前の記事でオンドゥルをネタ扱いしたばかり.
娘はこのブログを読んでいないはずなのに,なぜ?

親子なので,興味の対象がシンクロニシティした?

シンクロニシティ

娘の歯と久しぶりのサウナ

2025/2/5 Wed

tooth and nail(全力で)

Kazchariは勤続年数がそこそこ長いため,年間の有給休暇がけっこうある.

昨年は3月末に「台湾一周」という一大イベントを控えていたので,この時期でも有給を温存していたが,今年はこまめに消化していかないと余ってしまう.

台湾一周(環島)ライド Day0 旭川~台北

つーことで本日は休み.

午前中はJK娘の歯科診療に付き添い.
うん? たかが歯医者で?

実は娘は現在,歯科矯正中.
その過程で「親知らずの生え方」に問題があることが発覚.
手術の必要性や日程調整のために親の付き添いが必要とのこと.

矯正歯科からの紹介状を持って,町中の口腔外科へ.
例によって2時間待ちで3分診療(レントゲン付き).
矯正の先生は「2本抜いた方がいいでしょう」と紹介状に,一方で口腔外科の先生は「4本とも抜いた方がいいでしょう」とのこと.

ここまではまぁ,そういうこともあるかな,と.

問題はこの後.口腔外科の先生曰く「...という意見を紹介状に書くので,矯正の先生に渡して相談してください」とのこと.
そのような話なら,電話一本で済むのでは?

実に非効率的.
何らかの縛りがあるのだろうか?
システムが旧態依然.大丈夫か日本?

...と愚痴っても仕方がない.
娘が旭川にいる間に,全てが解決すればよいが.

昼飯はGoogle先生おすすめのラーメン屋へ.
Kazchari同様,娘もすっかり味噌ラーメン好きに.

新規開拓のこの店でも,しっかり「味噌野菜ラーメン」(¥1,000)を注文.
味はまぁ...普通.
娘は「美味い,美味い」と食べている.
予想以上に七味多めで辛かったので,娘に「大丈夫か?」と確認.
問題なしとのこと.

ふっふっふ.これで辛くないのなら,旭川最強の味噌ラーメン店『よし乃』に連れていけるではないか!
いや,思い切って『ふるき』か(並ぶ覚悟要).

とまぁ,ローカルネタはともかく,午前のミッションは無事終了.

帰宅するとヨメさんも昼食中.

最近のKazchari家のお昼と言えば『カムカムエブリバディ』(2021年)の再放送を見ること.
本放送は見ていなかったが,いやいや,これは実に面白い.
どうなるのか,先の展開がひたすら気になる.

カムカムエヴリバディ(NHKオンデマンド)

他に親子三代ドラマと聞いて思い浮かべるのは,大河の『葵 徳川三代』(2000年).
多少の脚色はあれど,史実なのでどうなるのか誰もが知っている.

葵 徳川三代(NHKオンデマンド)

そしてオタ的には『機動戦士ガンダムAGE』(2011年)も.
作品の評価は...強いられても,みなまで言うな.

機動戦士ガンダムAGE

ただ一周まわって,あの”子供っぽいキャラデザ”のラインが最新作の宇宙世紀物で採用されているのが感慨深い(そうか?).

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning-』を観た~開始0.5秒で泣ける

そうそう『ドラゴンクエストⅤ』も三代モノだねぇ(ネタばれ?)

アルティメット ヒッツ ドラゴンクエストV 天空の花嫁

他にもあったっけ?と,娘に聞いてみると,「うーん...ニンニンジャー?」
おお,確かにそうだ.
にしても,この質問に『ニンニンジャー』と答えるJKは,日本でお前だけだと思うぞ.

手裏剣戦隊ニンニンジャー

昼食を終えて,いよいよっつーか,ついに“サ活”復活!
常サウナである『花神楽』へ出かける.
さすが平日の午後.人が少ない.

サウナ室も空いている.上段に座る.

さて2ヶ月ぶりだ!
久々の“蒸され”は...そうそうこの感じ.
体内から不純物が染み出て,それらが汗とともに流れていく.
オートロウリュウも効くぜっと.

冷水もキンキンに冷えてやがる.思わず声が出る.

そして外気浴.
ここには「ととのいイス」がある.

コールマン(Coleman) チェア インフィニティチェア

タオルでカラダを拭き,リクライニング.
この時期の外部は寒くて耐えられない時もあるが,気温高め(マイナスはマイナス)の本日は無問題.
実に心地よい.
小雪がちらつく中,1セット目からホワホワと...ととのいました.

うむ.週二回通っていた頃と比較しても,2か月ぶりの快楽は半端ない.

正に「最高の調味料は空腹」のごとし.
禁欲後の放出こそ正義である(他意はない).

さて,2本目終了後,露天風呂に知人を発見.

『Café YAMAICHI』のSさんだった.
台湾話やら何やらのついでにカミフの観光事業についての話になった.

先日の記事に書いたように,Kazchariも定年後の身の振り方のワンケースとして,リゾートバイトを考えている旨を伝えたところ,Sさん曰く「あー,それならまず語学力ですねぇ.英語は必須として中国語ができると時給が全然違いますよ~」とのこと.

なんと,時給まで上がるのか.
まぁ,英語はなんとかなるとして中国語か.
言うまでもなく来日する大陸,香港,台湾,シンガポール人などの共通語となる.納得の話だった.

個人的にはインドネシア語がマスターできたらなぁ...と思う.
2019年に利用したジャカルタの空港の規模にはひたすら圧倒された.
数あるアジアの新興国の中では,インドネシアが次に“来る”と勝手に推察中.

2019年のラジャ・アンパットダイビングクルーズ(1)

一方で,最近やたらに増えたインバウンド向けの”おもてなし”に違和感.
過剰に親切だと,異国情緒や異文化体験という,海外旅行で得られる最大の価値をスポイルすることになる.
通じない会話,現地語だけの案内,地名,数字の判読を楽しむことが旅の醍醐味と感じる者は少数派なのだろうか?

Sさんが上がった後,残りの1セットを終え,久々の”サ活”終了.
まだ仮骨形成中の我が鎖骨.
サウナで回復促進...する?

湯治が骨折や後遺症の治療に効果的である理由とは?

1977年のホラー映画『サスペリア』を観た~大晦日の夜に

2025/1/1 Wed

思い出補正?

さて大晦日の夜のこと.
階下ではヨメさんと子どもたちが「紅白」観ながら熱唱中.

Kazchariは部屋にこもってAmazon Prime Videoで映画を物色.
年末年始にふさわしいハートフルな映画とは真逆のこいつをチョイス.

それは,ホラー映画の金字塔『サスペリア』(1977)だっ!

サスペリア (字幕版)

48年前の映画ゆえ,いまさらネタバレ警報は不要と思われるが一応注意.

この映画には有名な要素が2点.

1つ目は「決してひとりでは見ないでください」という,一世を風靡した名コピー.
そやけど...実は一人で観たほうが良い?
そこまで怖くないっつーか,ツッコミどころ満載なので.
いや,逆に誰かと笑いながら観るのが正しいか(ホラー耐性がある人に限る)

2つ目はBGM.
一度聴いたら忘れられない不気味な音楽.
劇中でも「何かヤバイことが起きそうな時」に流れる.

以下,あらすじというかストーリー.

主人公はスージーという名のアメリカ人.
ドイツのバレエ名門校に入学するために,ニューヨークから飛行機に乗ってやってきた.空港から物語は始まる.

暴風雨の中,タクシーがバレエ学校に到着.
玄関ドアから若い女性が突如現れて「秘密...アイリス」と叫び,そのまま立ち去ってしまう.
その後,スージーがインターフォンで来校を告げるも,なぜか「そんなん知らんし」と拒絶される.
途方に暮れたスージーは街の(?)ホテルへ.

視点が変わって,先ほど学校を出ていった女学生パット
友人のアパートに駆け込み,悪態をつきながらも泊めてもらうことに.
窓の外に何かの気配を感じて覗き込むと...闇に光る目!
突然毛だらけの腕に顔をガラスに押し付けられて,パット変顔大会.
そして,無理やりベランダに引きずり出されたパットは,その謎の訪問者に胸をナイフで刺され,ステンドグラスから吊り下げられて縊タヒ.
彼女の友人もガラスや鉄骨が顔やカラダに突き刺さってタヒぬ.何がどうなった?

ここまでが導入.
例のBGMおよび,学校の壁の色,それに友人のアパートの部屋.変な壁紙と主に赤を基調とした極彩色.耳と目に不穏感MAX!

...とは言ってもそこは50年近く前の映像.演出上の狙いなのか限界なのか,肝心の血の色が鮮やか過ぎて不自然.絵の具感が...

翌日,学校を再訪するスージー.
学内は怪しい人物だらけ.
副校長,主任教師,盲目のピアニスト,下男パブロ,アルバート少年などなど.
パッドの死を受けて警察の聞き込みも始まっていた.
スージーも昨夜の玄関での出来事を警官たちに話す.

あぁ,ここで悪玉(副校長やら主任教師)に目をつけられたわけやね.

同級生らも曲者だらけ.
そしてやたら金に細かい.アメリカ人への皮肉?
最初は学外に住む先輩のアパートに同居する予定が,レッスン中に体調不良後,なぜか寮に強制入居.
怪しい医師の診察後「鼻血出たからワイン飲め」という謎理論で,しばらく流動食とワインの生活となる.

あぁ,ここで悪玉に監視下に置いておこうとされたわけやね.

この学校の寮部屋は変な作りで,隣室ともドア一枚でつながっている(たぶん).
で,スージーは隣のサラ(解説役)と仲良くなる.

ある夜,寮の各部屋に天井から大量のウジ虫が降ってくるというとんでも事件発生.
この映画,最大のキモチワルポイント.
何かの呪いかと思われたが,屋根裏の食料(?)が腐敗してウジが大発生したらしい.
仕方なく,寮生は全員ホールでベッドを置いて一晩過ごすことになる.
ここでスージーはサラから,旅行中と言われている校長の特徴的なイビキがカーテンの向こうから聞こえると言われる.
よくわからん.どういう状況?

あぁ,ここでボスキャラが幽体離脱して,スージーとサラに自分の存在を意識させたわけやね(たぶん違う).

翌朝.アルバート少年が,玄関先に結わえてあったピアニスト(ダニエル)の盲導犬に噛みつかれる事案発生.
主任教師が大激怒し,ダニエルが解雇される.
ダニエルは「こんな呪われたところ出て行ってやる」と捨て台詞を吐きながら退出.
このセリフによって「彼は何かに気づいていたこと」が悪玉にバレ,その夜,呪いによって操られた盲導犬がダニエルの喉を噛み切る事件が起きる.

サラはスージーに,以前パットから変な話を聞かされて,メモを託されたとを告げる.
そしてこの学校には謎の部屋があり,先生方(スタッフ)は夜な夜なそこで集会を開いているのではと推理.

あぁ,学校内でそんな話したら全部筒抜けやん.

だが,肝心のスージーはワインに入っている薬によって意識朦朧中.
サラの話も理解できない.
何者かの気配を感じたサラは部屋を出て屋根裏へ逃げ込むが,例の”光る目”よる待ち伏せを受ける.
命からがら鍵付きの部屋に逃げ込むが,ドアの外からナイフでカチャカチャと鍵を開けようとする追跡者.
適当な物で台を作り,高窓から脱出するサラ.
転落した先には細い針金だらけの謎の部屋.有刺鉄線(鬼畜!)かと思いきや普通の針金.
サラはその針金にからんで動けなくなる(なぜ?).
で,何者かにナイフで刺さてタヒぬ.

翌日,スージーは教師からサラが出ていったと告げられる.
不思議に思ったスージーは,サラの友人だった精神科医を訪ねて,これまでの出来事を相談.
別の教授の話を統合すると,そのバレエ学校はギリシャから来た「マルコス」という謎の人物によって創設された.
神学校も兼ねていた学校は評判となり大成功.
だが,一方でマルコスは魔女ではないかという噂もあった.
ある日火事が発生(放火?)してマルコスが焼タヒ.
学校はマルコスの教え子らが(魔女の力ともども)引き継いだ...らしい.
教授はスージーに「信じますか?」と尋ねるが,彼女は「まさか」と懐疑的.

あぁ,アメリカンやから,こんな話は信じないねんな.だから最後勝てたかも.

学校に戻るスージー.
なぜか自分以外の生徒はバレエ団の公演を見に行き誰もいない.
これはスージーを今夜亡き者にするための悪玉の策略か.
覚悟を決めるスージー.
薬の入ったワインや食べ物を捨て,サラの残した歩数のヒントで校長室までたどり着く.
おっと,その前にコウモリに襲われるイベントもあったな.既に悪玉には気づかれていた?

校長室は絨毯敷のため歩数のヒントが使えるのはここまで.
部屋を見渡し,パットの言葉「アイリス」から仕掛け扉を発見する.
怪しい廊下を通り抜けると,副校長やら教師などスタッフ一同が集会を開いていた.
「あのアメリカ娘を消せ!」とタイムリーな会議中.

ビビるスージー,後ずさると廊下の隅に切り刻まれ,手首を杭で打たれたサラのタヒ体を発見.
よく,ここで悲鳴を挙げないもんだ.
だが,さすがに悪玉連中に気配を気づかれ,パウロがライターを持ってこちらにやって来る!

奥の部屋に逃げ込むスージー.
カーテン越しに聞き覚えのあるイビキが聞こえる.
そう,実ははるか昔にタヒんだはずの校長兼創設者,魔女ことマルコスがそこにいたのだぁ!

男前のスージーは壊れたガラス細工の破片を手にカーテンを開けるが,そこには誰もいない.
マルコスの声が響く.

「はっはっはっ,アメリカ娘よ,よくここまでたどり着いたっ! ワシを倒す前に貴様の力をみせてもらうぞ!」(意訳)

とかなんとか,RPGのボスキャラのようなセリフとともに,タヒんでいたはずのサラが起き上がりスージーに襲いかかる,いや短い距離なのになかなか襲ってこない.
ここはゾンビ風ではなく,バレエダンサーなのだから踊りながらとかの演出が欲しかった(別にいらん).

ど,どうするスージー!

だが,その時,不思議なことが起こった.

雷によって見えないはずのマルコスの”輪郭”が光で浮かび上がった(なぜ?).
スージーは狙いを定めて,ガラスの破片をマルコスの喉を突き刺す!

全身やけどの姿をさらしたマルコスは大絶叫!
同時に副校長や教師,パウロの悪玉チームも何故か血まみれに.
やがて館内の家具や備品が飛び散りまくり,壁にヒビが入り,火事が発生.
マルコス・パワーのぼ,暴走!?

崩れゆく建物を脱出するスージーだが,なぜかその顔は満足げ.怖いわ.

で,エンドロールで映画は終わり.

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この映画の公開は1977年.Kazchariは10歳である.

さすがに劇場では観ていないはず.
となると,テレビの洋画劇場かな.
たとえ昔でも21時台に流すのは無理な内容だが,どうだろう?
もしくはレンタルビデオか?

いずれにせよ,何らかの方法で観たことだけは覚えている.
いや,正確にはラストの燃え盛る建物をバックに,主人公がやたら清々しく去っていくシーンだけかな.

で,今観ると...
うーん.なんか中途半端なアドヴェンチャーゲームを見せられた気分.

脚本が支離滅裂で行き当たりばったり.
ミステリーとしても弱い.「犯人はヤス」(意外性)もない.

何しろ,なぜ被害者が殺されるのかがわからない.
誰も学校の秘密にはっきりと気づいていないし,誰かに訴えようとしたわけでもない.
そもそも呪いによって病気にしたり,動物を操ったりできるのに,直接手を下して警察沙汰にするのも謎.

バレエ要素はなんだったのか? 神学との関連は?
せめて,この世ならぬ不思議な振り付けダンスシーンがあって,生贄を捧げるとか,タヒ者を蘇らせる儀式のような場面が欲しい...って,それは『死霊の盆踊り』

肝心のホラー,スプラッタ要素は...
まぁ,当時はこれが最大級の表現だったのだ.

で,気になったのはドイツが舞台なのに,誰もドイツ語を話さないこと.
つーか,その前にイタリア人監督のイタリア映画やのに,なぜドイツ?
「言語にこだわる映画は名作」の原則から外れている.

『13人の命』を観た~知識と経験

資本・市場の関係かな?

何やら文句ばかりなので良かった点もいくつか.

スージー役のジェシカ・ハーパーさん.
飛び抜けて美人というわけではないが,大人でもなく少女でもない不思議な雰囲気.
当時で28歳!?
今もご存命です.

そして,やはり外せないのが美術関係.
建物内外装の模様と色.これってもちろんセット?
こんなとこ住んでたらおかしなるわの派手さ.

そしてライティング.
赤が印象的.
また,これから襲われるサラにずっとグリーンのライトが当たっている.
そうした細かい演出がベネ.

これがイタリア人ならではの美的センスってヤツか.

つーことで,40年以上前に観た記憶あいまいな映画を見直すのも悪くない.
思い出補正に気づくことが多そうやけど.

そういやこの映画には『2』もある.

どうやら,こいつは訳アリで,無印の大ヒットによって監督の過去の無関係な作品を『2』ということにして上映したそうな.
こっちは観たことがない.

そして,無印の方は2018年にはリメイクされている.

サスペリア(2018)

なんか...どういうリメイクだ,これ? 現代舞踊?
まぁ,いわゆる名作ホラーってリメイクされがちやな.
機会があればこっちも観てみよう.

ちなみにオリジナルの『サスペリア』はアマプラ配信は終了してしまったので,Blurayはこちら.

ちなみに正月の朝,口笛でサスペリアのメインテーマをエンドレスで吹いていたら,ヨメさんに「気分が悪くなるからやめろ!」と怒られた.

さすが,50年経ってもホラー屈指の名旋律は名旋律...いや違う,単に下手で不快になるからだそうな.シクシクシク36.

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』と『ザ・メニュー』~横と縦の分断

2024/12/12 Thu

思ってたんとちゃう

こそこそとZWIFT練中のKazchari.

走行中,右手はビブショーツのズボン部分につっこみ,なるべく揺れないようにする.
安静と固定が何より重要なのはわかっているが,保存療法を選んだ時点で肩の動きを完全に止めることは不可能(言い訳).
次回の診察で何を言われるやら.

さて,そんなZWIFTの友と言えばAmazon Prime Video.
大統領選前というベストな時期も重なって話題になった『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を観た.

シビル・ウォー アメリカ最後の日

映画館に観に行くつもりだったが,知らぬ間に上映終了.
その後1ヶ月も経たぬ間に配信スタートとは.
早い,早いよ!
ますます劇場へ足を運ぶ頻度が減ってしまいそう.
なんだかんだで劇場の音響と没入感は自宅鑑賞とは比較にならない.
でもコスパを考えると...判断が難しいところ.

それはさておき『シビル・ウォー』
もしアメリカで内戦が再び起きたら...という概略だけを知った上で鑑賞.
例によって各種レビューは見ていません.

以下,ネタばれ.

始まってすぐに「思ってたんと違う」という感想.
内戦に至る経緯,政治的なかけひきは全く描かれない.

「大統領選の結果に不満を持った民衆が決起.それを大統領が武力で鎮圧して暴動から内戦へ.第三国の干渉がぁ,政府高官のかけひきがぁ」的な描写は一切なし.
あくまで一市民(カメラマン)目線で状況が伝えられる.

ラストもラストで,ワシントンDC攻略戦のごく一部を映すだけ.
予告でフィーチャーされる派手なドンパチシーンはここが最初で最後.

そもそも劇中で反乱をおこす「WF:Western Forces」軍はカルフォルニア州とテキサス州で構成されている.
使用している星条旗が★2つだけなのが芸コマ.

この2州,それぞれ民主党と共和党の牙城みたいな州.
それが協力して現大統領を〇〇するなんてありえない.
まぁ「(私は)どちら側でもありませんよ」もしくは「どちらもありえますよ」という制作者のメッセージか.

で,主役のカメラマン(リー)だが,どこかで見た女優さんやなぁ...と思ったらトビー・スパイディの時のMJさんじゃぁ,あーりませんか.
すっかり貫禄が付いて別人の様.
“これまで見過ぎたせいで病んでしまったベテラン戦場カメラマン”を熱演.
他国ならともかく母国の“最後”に立ち会った結果...

もう一人の主役は年齢不詳の新人カメラマン(ジェシー).
父譲りのフィルムカメラを使い,現像もハンディキットで行う.
この人もどこかで見たなぁ...と思ったら『エイリアン:ロムレス』(面白かった)のヒロインじゃぁあーりませんか.

エイリアン:ロムレス

ちょこっとWikiを見たら撮影時25歳くらい? 10代にしか見えない.
アシリパ役もできそう.

実はこの映画,「主役2人にベテラン記者の黒人じーさん(サミー),リーの同僚男性記者(ジョエル)を加えた疑似家族が1台の四駆に乗り込みワシントンDCを目指す.目的は大統領へのインタビューだ!」というロードムービーだった.

途中いくつかの町を通過するが,ほぼ無人.
パニック映画あるある的な放置車両だらけの高速道路や,巨大スーパーマーケットが映し出されるが,マジでゾンビとかに襲われそう.
いや,カネ(米ドル)が価値を失い,ガソリン,そして銃(暴力)が支配する世紀末感は正にゾンビ映画のフォーマットやな.

道中のクライマックスがWF兵(?)とのトラブル.
ここで有名なセリフ「どっちのアメリカ人だ?」という詰問をなんとか切り抜けたものの,疑似家族は“父”を失い,“夫”は自暴自棄になり(戻ってくるけど),“母”は精神の限界を迎える.
そして“子”たるジェシーは成長...というより感情を失ったかのように無表情で最前線を走る.
そこで歴史上,決定的な写真を撮る.
新たな時代の誕生に立ち会い,物語は終わる.

この先,どういう時代になるのか,誰にもわからない.
あえて右(ナショナリスト),左(グローバリスト)をボヤかしているからだ.
いずれにせよ市民間の「横」の分断を描いた映画だったような気がする.

で,少し前に同じくAmazon Primeで『ザ・メニュー』という映画を観た.

ザ・メニュー

「食材はあなた」的なキャッチコピーだったので,てっきり『コックと泥棒,その妻と愛人』『デリカッセン』のような料理系ホラーかと思っていたが,かなり違ってた.

コックと泥棒、その妻と愛人 [DVD]

デリカテッセン <デジタルニューマスター版> [DVD]

以下,ネタバレ.

孤島にあるレストラン.
ここでは天才シェフによる,$1,000以上はする創作フルコース料理が提供されている.
とうてい庶民が払える額ではない.
ゆえに客は芸能界や金融など各方面での成功者たち.

軍隊のように統率のとれた料理人たちを率いるのは,シェフのジュリアン.
料理に極度の芸術性や調和を重んじる.
結果,出される料理も奇をてらったものばかり.

ジュリアンは言う「食べるのではなく,味わえ」(命令).

本来,我々が食事をするのは生きるため.
だが飽食の世では,豊かな者には単にステータスとなり,食本来の価値が忘れられがち.
食を通じて“生きていること”を味わう,ジュリアンはそうした料理を追求してきた.

...だのに「こ,このオレの料理を,毎回毎回,この俗物(成功者)どもは何の考えもなしに食いやがる.ゆるざん!」とトチ狂ってしまった.

ここは,命をないがしろにする者に鉄槌を下す『ソウ』シリーズに通ずるテーマかも.

ソウ

もはやこの状況に我慢できなくなったシェフがとうとう限界突破.
自分と成功者どもを道連れに“最後の晩餐”計画を立てた...というストーリー.

この映画が面白いのは,サイコパスが一方的に犠牲者をいたぶり,”食材”にしてしまうような話ではないこと.

元々はハンバーガーを焼いていた下流のジュリアンは,ついつい上流になってしまった.つまり,彼自身も成功者(俗物)になってしまったので,その矛盾を解決するためには一緒に燃やされるべきという理屈.
当然,彼に心酔しているスタッフも一緒にボンである.

ポリコレ配慮なのか,スタッフにはアジア人やら黒人やらラテン系の役者を配置.まぁ,そこは気にならないかな.

助かるのは予定外で晩餐に参加することになったヒロインのみ.
娼婦だけどセレブではない.
ジュリアンに「どちら側につくか選べ」(どっちもタヒぬ)と迫られるが,機転を利かせて逃げ延びる.

他のゲストが割と従順なのは料理にお薬を盛られていたためかな.

つーことで,ややこしい表現だけど,こちらの『ザ・メニュー』「縦」の分断を描いていると解釈.

かつて思想闘争と言えば,「右」か「左」かで語られることが多かった.
今も表面的にはそのままかも.
この状況に対し,「現代は左右ではなく,上下の闘いと化している」と誰かが言った.
付け加えるなら「上」が「右」と「左」の争いを仕掛け,上下の格差から目を背けさせようとしていると.

あまり語ると陰謀論と言われそうだが,最近話題の大統領選とか某県知事選の混乱状況を鑑みると,あながち...おっと,誰かが来たようだ.

つーことで,世相(特にアメリカ)を反映しているこれらの映画,おすすめです.思ってたんと違っても,知らんけど.

やり残したこと?~トーゴへの誘い

2024/11/29 Fri

循環の理

最古参のSNSであるFaceBook.

もちろんKazchariも利用しています.
同じ趣味趣向のグループに入会して,有益なイベント情報を入手したり,メンバーの人に連絡を取ったりするのに便利.

ただし諸般の事情でほぼread only
書き込むなら,ちゃんと記録に残るブログの方が良い.

さて,年末が近づくと「やり残していたことをやりました」的記事が増えてくる.
Kazchariの趣味界隈だと「登った」「走った」「行った」「食べた」「作った」みたいなネタが目に付く.

FaceBookは高齢ユーザーが多いと言われる.
つまり,人生の残り時間そのものが少ない.
その行動には「年内で終わらせる」以上の意味があろう.

そんな中,以前「海外ツーリングツアー」でご一緒したKさんのポストが目に入った.要約すると...

「年末から年始にかけ,海外オートバイツーリングの同行者を募集しています.行き先はトーゴ&ベナン」

こ,これはっ!

Kさんは海外オートバイツーリングマニア
数年かけて世界一周というパターンではなく,数国を1,2週間ぐらいの日程でサクッと行って帰ってくる方法を続けておられる.
かつてご一緒した「3ヵ国横断ボルネオツーリング」も,元々はKさんが旅行会社に持ち込んで実現した企画だった.

レンタルバイク&チャリの思い出

オートバイやチャリなど,公共交通機関を使わない旅は自由だ.
都市部や有名な観光地をつなぐ「点」と「点」の旅ではなく,そこに「線」と「面」が加わる.
観光客が立ち寄らない名も知らぬ町をさまよう,オリジナルな旅となる.

そのKさんが今回はなんと「トーゴ」行きを検討中とな.
はたして,この国の名を知る日本人はどれほどいるのだろうか?

トーゴは西アフリカにある小国である.
「ニャホニャホタクロー」で有名なガーナの隣りと言えば,場所のイメージはつかめるだろうか?(つかめんわ!)

トーゴ共和国

この国とKazchariには縁がある.

時に1987年.大学生だったKazchariは週5日,新聞社の編集部でバイトをしていた.
パソコンや携帯電話はまだ普及していない時代である.
そのような状況の中,スクラップ帳作りや,外回りをしている記者さんからの問い合わせで過去の記事を検索したり,デスクから依頼された雑用をこなしたりと...一見ハードそうに見えるが,その実,かなり緩いバイトだった.

その割には時給も高かったなぁ.
バイト時間中,ヒマにあかせて各新聞や書籍を読みまくり,少々変な方向の社会正義に目覚めたKazchariは,たまたま広告で目に留まった「フォスターペアレント」に申し込んだ.

プラン・インターナショナル

現在とは活動や援助内容が大幅に変わったと思われるが,この団体を通じて月々¥5,000の寄付を行うことにした.
名目上は「対象国の,とある村に住む,とある子供の里親になる」という体を取っている.もちろん正式に養子縁組をするわけではない.
寄付金そのものは,その村全体の利益につながる事業に配分されたそうな.

最大のウリ(?)は,援助対象の子供から年2,3通の手紙が届くこと.
Kazchariの”子供”の名は,10歳のザカール・アビボくん.
彼がトーゴ在住だった.

ちなみにトーゴはフランス語圏.届いた手紙を辞書片手に読んだような記憶がある.いや,スタッフが英語に訳してたかな.古い記憶ゆえ,この辺はあいまい.

そして,事務局の手配でザカールくんに会いに行くこともできた.
ただしトーゴの首都ロメまでは自分の力で行く必要があった.

今なら問題なく(?)渡航可能だが,その時のKazchariは海外旅行初心者.
当時,実際に旅行代理店(◯祖神)に問い合わせたが...

Kazchari「すいません.トーゴまで行きたいんですけど,いくらかかりますか?」

スタッフ 「...お客様,失礼ですが海外旅行にはよく行かれますか?」

Kazchari「ええと,はじめてですぅ」

スタッフ「...申し訳ありませんが,初めてのご旅行で西アフリカはおすすめできません」

と,速攻でたしなめられた.

そらそうだ.アフリカ旅行と言えば「治安」「衛生」「物価」「病気」のリスクが高すぎる,と今ならわかる.
特に「西」やら「中央」アフリカは,ビギナーには無理ゲー.
◯祖神,GJである.

相談の結果,「わかりました.ケニアまではチケットお出ししますので,行けそうだな,と思われたなら,その先はナイロビにて,ご自分で手配ください」ということに.

つーことで,人生初の海外旅行はケニアに.
結局というか,当然のごとくトーゴ行きは諦めた.
自力手配のスキルが無さすぎた.

まぁ,普通にケニアでのサファリやら何やらの旅が楽しかったせいもある.
帰りにはトランジットでインドネパールも旅したし.
バックパッカー最高!うぇーい!

結局,トーゴには行けぬまま,ザカールくんへの援助は3年間ほど続いた.

しかしある日のこと,事務局から「政情不安により,ザカールくんの一家が村から逃げ出してしまいました.これであなたのトーゴへの援助は終了となります.代わりにケニアの〇〇ちゃんを紹介しますが,継続されますか?」という連絡があった.

なんだかなぁ...で,一気にモチベーション低下.
やっぱり,こうした金銭だけの援助って,ちょっとした外因であっさりと無意味になってしまうのだなぁ...と思った(※個人の感想です)

この思いが,やがて後の青年海外協力隊参加につながっていくのだが,それは別の話.

さて,Kさんツアーの話に戻す.
しばらくしてさらに詳細なインフォメーションが出た.
以下はKさんの投稿(概要).

・期間は年末年始の2週間程度
・現地ツアーを利用(4名から可能)
・コース概要:トーゴ(ロメ)→ベナン(ガンビエ等)→トーゴ(ロメ)
・概算費用:40万円+航空券代金+その他になります

なんと! 隣国のベナンにも行きますとな!
あぁ,なんて楽しい,夢のような旅なのだろう(たぶん).

これなら多少費用がかかっても参加したい...ところだが,現実的に考えるとさすがに躊躇.
まず期間.2年連続2週間の休暇はさすがに...

台湾一周(環島)ライド Day0 旭川~台北

料金も料金.
総額¥70万を越えるのではないか.

とまぁ,「行かない」「行けない」理由を考えている時点で,今回は縁がなかったのだろう.

旅の面白さに気づくきっかけを与えてくれたトーゴ
もし,残りの人生でトーゴに行けたのなら,なんとなく人生の環が閉じる気がする.

モノより経験,これは絶対的な真理.
しかし時間と体力は有限.
キレイに「円」を閉じるための心身両方の闘いは続く(そうなのか?).

ところで,ザカールくんは今どこに?

台湾一周(環島)ライド Day8 知本温泉~池上

2024/3/24 Sun

隠れた名所?

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晴れ時々曇り.温度:27 ℃,湿度:68%,体感温度:29 ℃,風速:10.4 km/時,風向:SSE

前回はこちら ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day7 墾丁~知本温泉(その2)

知本温泉滞在.
昨日の宣言通り,チェックアウトタイムギリギリまで粘ることに.
浴槽に湯をはり,3度目の入浴タイム.
Amazon Primeで『ゴールデン・カムイ』(4期)を鑑賞.

とはいえまだ旅の途中である.(この楽園を去り)北上せねば.失楽園.

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今日は移動日.
走行距離は100キロ未満(のはず).

目的地は池上(Tî-siōng)である.読めん.
もちろん途中で台湾人に「どこまで行くの?」と聞かれても「いけがみ」としか出てこない.

ちなみに本日予約した宿の名前もIkegami Tanabe Cabinという.

そもそもこの地名も統治時代に日本人がつけたらしい.
もともと台湾の東側には日本人の入植者が多く,農地を開拓し原住民との和解・共存を進めたそうな.

台湾は日本人がつくった 大和魂への「恩」 中華思想への「怨」〈新装版〉

手洗いしたジャージの乾きは今一つ.
部屋の中も外も湿気が多いのだ.
仕方がない.体温で乾かそう.

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出発間際,オーナーの李さん登場.
不思議ないい宿でした.

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ホテル群を後に.
昨日の到着時には客引きが大量にいた.個人貸し部屋業やしな.

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国道に出て台東を目指す.

環島のルートとしては,台東から山ルートと海ルートに分かれる.
『歩き方』は風光明媚な海ルートを薦めているが,どうしても距離がある.
それに補給が心配.

よって,今回はより確実な山ルートを選択.
Google先生もそう指示してくるしな.

「距離短め=時間に余裕」ということで,昨日は無視したGoogle先生のおすすめに従ってみる.
当然国道を外れ,”なんてこたない”田舎道に案内される.

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そう,この”なんてこたない”道がいいのだ.
昭和オヤジなので,子供の頃は田んぼや畑で走り回っていた.
木や草や土や昆虫の記憶は強烈.
こうした田舎道を走る時,幼き日々への郷愁にかられる.

で,停車して写真撮影していると,対向車も止まり,おじさんが「フォト?フォト?」とジェスチャーしてくる.
まぁ,なんてこたない場所なのでなんてこたない写真にしかならないのだが,それがいい.

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しかも,このおじさん,別れ際に紙パックのスポーツドリンクをくれた.
ありがたい.もしかしてこれも日の丸効果かな.

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昔から一人旅が好きで,20歳前後はオートバイで日本中を旅した.

今日のように”なんてこたない”道端で休憩していると,地元の方がとうもろこしやジュースなんかを差し入れてくれることは割とあった.
だが,それはこちらの“若さ”があってこそのやさしさだろう...と思い込んでいた.

やがて青年は年を取り,白髪交じりのアラ還に.
そんなおっさんが道端で佇んでいても,通常なら誰も気にかけない(倒れてたら別かも).

なのに,やっぱ台湾の人たちやさしいなぁ...って,いやいやヘルメットにグラサン,それにピチピチウェアだと若者に勘違いしても無理はない.すんまへん.

つーことで,出発が遅かったため早くも昼飯の時間.
セブンにピットイン.相変わらず巨大なイートイン.

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「牛角」ブランドの「炙りチャーシュー弁当」だ.美味し.
飲み物は「ココナツジュース」
やっぱり,台湾のコンビニはレベルが高い.

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しばらくすると台湾人サイクリストが入店してきた.

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実はこのお二人,昨日のダウンヒル途中にも会った.
台北からこちらに遊びに来ているらしい.
早速STRAVA交換.日本にも行ってみたいそうな.

台湾では女性サイクリストの数が日本よりはるかに多い気がする.
ソロもグループもよく見る.
乗っているバイクもMERIDAGIANTのエアロロードだったりする.
おまけにウェアもRaphaだらけ...セレブ?

後で聞いたところによると,確かに台湾は自転車大国だが,ロードバイクに関しては富裕層の趣味なのだそう.
そらそうやろな.
ぶんぶん走り回っているスクーターの3,4倍の値段はするしな.

で,少し走ると久々の大都会,台東着.

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例によって中心地の混雑を避けるため,Google先生のお導きのまま走ると現れるのが...

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はい,出ました.廃線跡のサイクリングロード.

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板張りなので少し走りにくい...うん,ZWIFTの石畳コースのような感じ.

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こんな感じで駅舎も残っている.
で,サイクリングコースを外れ,再び幹線道路へ.
こちらも廃駅.えっ,ビンロウ駅?

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またまたGoogle先生おすすめルートへ.
いや,まぁ...ええけど,時間あるし.いずこへ?

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久々に天気がイマイチ.
雨こそ降らないが曇天.
涼しいから良し.

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後で断面図を見ると,ずっとなだらかに登り続けるルートやったな.

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目的地の池上が近づくと,田んぼが増えてきた.
そう,池上は「台湾の米どころ」として有名なのだ(全くノーチェック).

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これ,青空やったらむっちゃキレイな風景やろな.

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とは言え,水田風景は日本人にとってそれほど珍しくはない.
超有名ガイドブック『LONLY PLANET』のアジア編ではやたらに「ライスフィールド」を推すけどな(バリ島とか).
西洋人にとっては神秘的に映るようだ.

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で,そんな「水田+青空+山+池」の美しい風景の中をレンタルチャリで走るアクティビティが,ここでの一番人気.

このオブジェのすぐそばにもレンタルチャリ屋があった.

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うーむ.天気だけはいかんともしがたい.

池上の市街地が見えてきた.
Google先生の指示する場所に着いたが,宿の「Ikegami Tanabe cabin」が全然見つからない.

その場所にはやたらデカいマンション風の建物が.

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どう見てもホテルには見えない.入り口から中庭にチャリで乗り入れてみる.
何らかの表示を探してうろうろしてたら,2階のベランダからおばちゃんがKazchariに対し中国語で「fjkkkjjdbdfrjvンhkvb?」と叫ぶ.

もちろん何が何だかさっぱり.
仕方なく建物を指さして「「Ikegami Tanabe cabin」?」と訊いてみる.
すると,そのおばちゃん,うなづいて部屋の奥に引っ込む.

しばらくすると建物から別のおばちゃんが出てきた.
日本語で「こんにちは~」と言ってくるので,「おっ,日本語OK?」と思いきや...挨拶だけでした.
そのおばちゃん,スマホを取り出して翻訳アプリをポチポチと.

なんとこのマンション風の建物の一室が「Ikegami Tanabe cabin」で正解だった.そらわからんわ.

建物の中にチャリを入れる.

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4階の部屋っつーか,一室に案内される.
今回は入り口は1つ,いくつかある部屋の1つを借りる方式のようだ.

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部屋は割と広め.
照明が暗いのが残念.
トイレ・シャワーは共同でした.

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次におばちゃん,LINE交換を指示してくる.
よくわからないまま友達になると,中国語のメールがどかどか送られてきた.
泊り客,全員に送る定型文のようだ.
もちろん,漢字のみで意味不明なのでLINEに翻訳アプリを実装する.

チェックアウトタイムなどの基本情報から近くの食堂,お土産屋さん,そして目玉の田んぼサイクリングルートなどの観光情報だった.
いいシステムかもしれんな.

「他に質問は?」と聞かれたので「洗濯機はあるか?」と返す.
宿のは使えないので町中のコインランドリーへ行って,とのこと.
夕食も兼ねて出かけることにする.

交番の前にあるコインランドリーに洗濯物を放り込んだ後,まずは町の中心にある池上駅へ.

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台湾の駅はどれも個性的だ.
少し歩いたけど,オシャなカフェや土産屋をぽつぽつ見かける.
知られざる通好みの観光地?

腹が減ったので,ローカル食堂へ.
例によってメニュー漢字の解読(想像)&指さしで注文.

水餃子ル―ローハン,そして「豚骨ラーメン」
このラーメン,何かに似てるなぁ...と思ったら,これ沖縄の「ソーキそば」やん!

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炭水化物漬けの後は,スーパーに寄ってビールとスナック菓子と明日の朝食を.
コンビニより安い...という話を聞いて期待していたのだが,そうでもなかった.円安めぇ.

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つーことで宿に戻り,YouTubeを視聴しつつ晩酌.

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ふー,今日も無事に一日を過ごせた.
それにしても...この観光地としてはややマイナーな台湾の東側,変なホテルを始め,なかなか味わい深い.

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いよいよ運命のDay9へ続く.地獄を楽しみな! ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day9 池上~花蓮(その1)

台湾一周(環島)ライド Day2 新竹~台中(その2)

2024/3/18 Mon

こころははだしのままで

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晴れ.温度:20 ℃,湿度:74%,体感温度:20 ℃,風速:24.1 km/時,風向:NE

Day2(その1)はこちら ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day2 新竹~台中(その1)

さぁ,宿も確保したし,後は進むだけ.
例によってGoogle先生はジグザグ青春ロードを指し示す.

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海岸沿いなので,突然こんな砂地獄も.

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気分はサハラ砂漠だが,このタイヤではキツイ.

日の丸効果なのか,歩行者を抜いた際,後方から「加油!」もしくは「ガンバレー!」という声を何度か聴く.手を振って応える.
あれやね,日本でも荷物満載のランドナーが「日本一周中」のプラカードをぶら下げたくなる気持ちがよくわかった.

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またまた”チャリで走ってええんか的”な高速道路っぽいところに出る.
ちょうど高架の下にサービスエリアのような施設発見.

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腹も減ったのでピットイン.
フードコートで弁当を注文.

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美味し.

しばらく走るとまたしても広大なサイクリングロード.スゴいっしょ?

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途中で祭りなのかパレードに遭遇.
後で聞いたところ,とある神様の誕生日らしい.誰?
仏陀の誕生日は4/8のはずだが.

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炎天下の中,歩くイベントも同時開催らしく,あちこちで水や食料を配っていた.
Kazchariにもくれようとするが,さすがに断った.

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台中の市街地へ.
いつもの雑踏に飛び込む.

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それにしても...本来二人乗りのスクーター(125~150cc)に,子供追加で3,4人乗りは当たり前.
さらに後方にはUberのボックスも追加.
時にはフットレストに犬が寝そべっていることも.

電動スクーターの普及率も高い.
石垣島で乗った「GOGORO」もガンガン走っている.
こいつらは全然音がしないので,いつの間にか横に並んでたりする.
ファ,ファンネル? 気が付いたら撃墜されていた感.

一番ヤバいのはほぼ全車スマホホルダー完備ということ.
ナビならまだしも,運転中も絶賛動画視聴中.

あれでよく事故らないものだ...って,結構事故ってます.
たまたま遭遇しなかっただけ.

台湾サイクリングで一番大事なのはニュータイプ的回避能力ではなく「目立つこと」
バックミラーで後方を確認しつつ,蛍光色のザックカバー「日の丸」リアライト点滅で存在を際立たせる.

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マンションが立ち並ぶ高級住宅街っぽいところに出た.
消防車が走り回っていたので,前方を見ると黒煙がもうもうと.

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火事だった.

で,ようやく目的地のホテルにたどり着く.
ホテル名を確認.うん,ここだ.

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ドアを開けて,ロビーにチャリを停める.
パスポートとスマホの予約画面を用意し,フロントのねーちゃんに名前と予約してある旨を(とりあえず)英語で告げる.

ねーちゃん,PCからプリントアウトしたと思われる予約表の束をパラパラめくり「没有」とかなんとか(たぶん).
えっ? そんなはずは...

すると奥から英語を話す別のスタッフが出てきて,Kazchariのスマホを確認.

スタッフ「これ,昨日の日付じゃない」

Kazchari「うなアホな!(またやっちまったか?)ス,スマホ返して...すまん.これ昨日のホテルのヤツや.今日のはこっち.チェックして」

ス「あー,これここと違う」

K「げっ,どゆこと!?」

ス「うちはチェーン店で4つあんの.あなたが予約したのは別のところ」

K「(知らんがな)で,そこはどこ? 遠いんか? まさかの台北?」

ス「いや.すぐそこ」

...つーことで,300mほど先に予約したホテルを発見.
ふー,肝を冷やしたぜ.

ここのスタッフも英語が流暢だった.
ただし,クレカ払いで少々手こずる.

Kazchariのカードは“ナンバーレス”なので番号が記載されていないのだ.
つまり予約表にあるカードナンバーと照合できないという.
わー,面倒くせぇ.
スマホを立ちあげてサイトにつなげば表示されるのだが,電波状況が悪いところでは証明できないかも.

とまぁ,色々ありましたが,本日の宿を無事確保した.
この綱渡り感,久しぶりだ.
自由旅行はこうでなくては(と,クリアしたから言える)

幸い,このホテルも洗濯機と乾燥機が設置されていた.
有料(50+50元)だが助かる.

部屋に上がる.
おぉ,ここもなかなかキレイではないか.広いし.

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シャワーを浴びて,STRAVAに写真とログをアップ.
本日の走行距離は113km.いいペースだ.

さて,インスタを立ち上げると,朝DMしたRさんから返事が入っていた.

「今日は仕事が休みなので,食事でもどうですか?」

さすが「メンタル共通」と言われる台湾人だ.
以心伝心.直接言わなくてもこちらの意図が伝わっている.

ただ,この返信,午前中に送られている.
現時刻は19時過ぎ.
既に夕食を済ませていても不思議ではない.

遅ればせながら「ぜひ行きましょう」と返信.

Kazchariのホテルの確認と,何を食べたいか,候補の店などの提案が次々に送られてくる.
なにこのオモテナシ感とレスポンスの速さ.

数回のやり取りの後,歩いて15分ほどの場所にある小さな居酒屋っぽいところで会うことになった.

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Rさんと初対面.

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いやいや実にさわやかな青年(28歳)で,物腰も丁寧.
「台湾にしかない料理をたくさん食べてください」と,完全におまかせで注文してもらう.

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美味し.
確かにノーマルな台湾料理というより家庭料理っぽい.

幻のビールとして有名な「18DAYS」
文字通り製造後18日間しか飲めないらしい.

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ちなみに既述の通り,Rさんは日本語ペラペラである.
これまでの旅であまりにも英語が通じなかったので,その理由を聞くとRさんをはじめほとんどの若者が苦手だという.
日本語よりもイメージ的に英語の方が簡単なように思うのだが.
語順同じだし.
やはり漢字の力が大きいのかも.

会話だけでなく日本語の読み書きも完璧なRさんだが,やはり中国語にない「敬語」の存在および使いわけには苦労したそうな.

せっかくなので,日本にいるヨメともLINEビデオをつなげ3人で“食事”
向こうは1時間先にいるので,先に離脱したが,なんとも不思議な体験だった.

日本の旅の思い出などで盛り上がる.
実はRさんはアニメガチ勢で,聖地巡りをしていたそうな(特に『ゆるキャン』).
ちなみに四国は未踏.沖縄は「台湾と同じ」だから行かなかったそうな.

Rさんは食事を済ませていたらしく,料理にはあまり手をつけなかった.
すんまへん.もう少し早くメールに気付いていれば...と恐縮.

それにしてもネットはスゴイ.
確実に人と人との関係,言うなれば世界の在り方を変えてしまった.
細い細いつながりで,普通に生活していれば決して会うはずのなかった人と,その日の思い付きで簡単に会えてしまう.

Kazchariが30年前にバックパッカーしていた頃,もしネットがあったら...どんな旅になっていただろう?

これについては,この旅の最終日,新たな出会いがあったのでそこで考察したい.

22時になった.
さすがに明日が仕事の人に付き合ってもらうのも失礼と思い,再会を誓ってここでお開き.
しかもおごってもらう.謝謝.

今度,旭川に来た際には倍返しします.
ホンマ,楽しい時間でした.

おっ,ラーメン屋さん発見.〆は...さすがに無理だった.

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夜の町を歩いてホテルに戻る.

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ちなみに明日は雨予報.
ただし昼からは晴れるようだ.

それにしても...今日のRさんとの邂逅は実に印象的.

もっと,ココロをオープンに.
それが旅を味わい尽くす最大にして唯一のコツ.

Day3に続く. 台湾一周(環島)ライド Day3 台中~嘉義(その1)

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台湾一周(環島)ライド Day2 新竹~台中(その1)

2024/3/18 Mon

またもやらかす

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晴れ.温度:20 ℃,湿度:74%,体感温度:20 ℃,風速:24.1 km/時,風向:NE

Day1(その2)はこちら ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day1 台北~新竹(その2)

さすがによく眠れた.
と言っても6時間ほどか.
いつもと一緒やな.

この宿は朝食付き.
7時半頃,ロビーに降りるとすでにビュッフェ方式で用意されていた.

地元客が大半なので,メニューも台湾風
パンもあったけど,ここはやはり「おかゆ」(稀飯(xīfàn)or 粥(zhōu))でしょう.
甘辛煮の謎肉や青菜のニンニク炒め,玉子焼きなどをトッピングして食べる.
美味し.

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ロビーではテレビがついていた.

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驚いたのが「北朝鮮が日本に向けて,またミサイルを撃った」がブレイキングニュースとしてずっと画面の隅に表示されていたこと.

さらには大阪在住の台湾同胞会(?)の人が出てきて「最近,台湾人が大阪市内でバイクに乗る際,“台湾走”することが問題になっている.やめていただきたい」と話していた(画像と漢字から類推)

うん? 台湾走? あぁ,たぶん“すり抜け上等”ってヤツやな.
そう,台湾ではクルマの停止線のさらに前にバイクとチャリの停止線が存在する.
ゆえに,日本でもクルマの真正面に割り込んで強引に(つーか自然に)停車する輩が多いのだろう.

また,化粧品のCMでは「きれい」「かいてき」「うるおう」などの日本語がいきなり聞こえてきたりする.

想像以上に日本との関係が深い.
一方で,日本で台湾系のニュースが流れることはほとんどない.
まぁ,某国への忖度が働いているのだろうけど.

さて,朝食を堪能した後,ゆっくりと出発準備.
はっきり決めたわけではないが,今日は台中(Taichung)まで行く予定.

理由がある.

昨年,ヨメさんがバイクで道内をツーリングしている時,とある道の駅にて荷物満載,日本一周中のカブを見かけて声をかけたらしい.
そのライダーが台湾人のRさん.
日本には仕事で5年ほど住んでいたらしく日本語も流暢.
せいぜい5分ほどの会話で,インスタのID交換だけして別れたらしい.

そのRさん,今まさに出身地の台中にいる.
環島にあたり「台中で面白いところがあれば教えて下さい」とDMしておいた.

Rさんも社会人で今日は平日.
ダメ元で朝のうちに「今晩は台中まで行きます」と再度DM.
まぁ,日本人らしく,その真意に「よければ食事でも...」が含まれているのだが,リアルでは会ったことがない方なので,遠慮してもじもじ(キモイおっさんだ)

で,ようやく出発.
今日のライドの始まりです.

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そうそう本日は「桜富士」ジャージを蒸着.
さらには右側のパニアバッグに「日の丸」を挿してみた.

「11枚セット」日本国旗 日本手旗 ミニ国旗/スポーツ オリンピック ワールドカップ 観戦旗 応援 式典 送迎 祝日 手旗国 サポート車 庭 装飾 旗手作り 21x14cm

これでどこからどう見ても,リーベンレン(日本人)だ.

基本的に「外国で日本人とわかるとロクなことがない」とされる.

日本人=金持ち ⇒ ボッタくっても良い

もしくは,

日本人=おとなしい ⇒ バスや飛行機で不便な席,もしくはホテルでイマイチな部屋にしても文句を言わない

などなどの不利益を被ることが多い.Kazchariはキレるけどな.
特に反日の某国で日の丸なんて掲げたら...自〇行為.

その点,台湾は違う.
むしろ日本人というだけで親切にしてくれる.パラオなんかもそうでしたな.

まぁ,この先の旅でも声かけられ率が上がったように思う.
少なくとも嫌な思いは一度もしなかった.

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で,本日もGoogle先生起動.
街中を抜けて海岸沿いに進路をとる.
曇っているが涼しくて良い.

いやもうね,ここはチャリのパラダイスか!って印象.

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台湾人チャリダーの団体が写真撮影.
あー,そこの看板で写真撮りたいなぁ...と思ったが,陽キャな群れに入れずにスルー.
これが旅の後半なら,絶対に交じって一緒に記念撮影してたなぁ.
まだハートはクローズ状態.

それに,ここって,たぶん「台湾のウユニ塩湖」と言われているところ?
引き潮で広大な干潟となっている.

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その後も車道にしか見えないサイクリングロードが延々と続く.

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風力発電が目立つ.
今日はまずまずの追い風.

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隙があれば自行車(自転車)道を作る.それが台湾.

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ちょっとした港に出る.
海鮮料理の店があった.漢字に酔う.

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Google先生のおすすめルートは...たまにこういう道になる.
まだこれは序の口.

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幹線道路に戻ると「一號線」の表示.

OLYMPUS TG-5

昼過ぎ,例によって「全家便利商店」ことファミリーマートにピットイン.
ちなみに旭川にファミリーマートは存在しないので,新鮮だったりする.
入店時に流れるあの印象的なBGMって,日本でも流れてんの?

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クセになるフレーバー(強化型Dr.PEPPER)「黒松沙士PLUS強炭酸」を飲みながら,今日の宿を考える.

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やはり台中にしよう.

Agodaを起動.
検索窓に「台中」と入力.
やはりシングルやな.
予算は¥5,000ぐらいで...おっ,ここえーやん(写真判断).
ポチるか! ⇒ クレカ払い完了.
よし,次はGoogle先生で場所の確認と...

あれ?

なんで台北なん?
いやいやいや,今から行くの台中やし.
同じ名前のホテルがあるんかな? チェーン店かもしれん.

台中にないなぁ...も,もしかして...

ガーン.なんと台北のホテルを予約してしまった! なんで!?

そう,真相は検索窓に「台中」と入れたことにある.
なんと「台中」「台北中央駅」の両方の宿がリストに上がってきてしまうのだったぁ!

キ,キャンセルポリシーは? さすがに当日予約は無理かぁー
やっちまった.約¥4,500の損害.

ダメ元で当該ホテルとAgodaにキャンセルできないかとメールしたが,あえなく撃沈.
ホテル側は「システムの都合上,引き落としは阻止できません」,Agodaは「規約の通りです」との回答.
そらそうだ.悪いのはKazchari.
もちつけ.二度と失敗すんなよぉ(シクシクシク36).

おとといの「悠遊カード」紛失に続き,大チョンボが続く.
大丈夫か? この旅?

で,慎重に慎重を重ねて台中の宿を検索→予約.
もう,宿の名前から住所から,どんだけ確認したか.

キウィ エクスプレス ホテル – チェンゴン ロード (Kiwi Express Hotel – Chenggong Rd)

では行くぞ.まだ先は長い.

Day2(その2)へ続く ⇒ 台湾一周(環島)ライド Day2 新竹~台中(その2)

OLYMPUS TG-5

この記事を書いている本日4/3,台湾花蓮懸にてM7の地震が発生.
まさに先週走っていた地域である.
報道によると被害甚大.
台湾のみなさんのご無事と一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます.