2020/5/21 Thu
少々誤解していたようだ
Amazon Prime Videoにて,映画『ランボー』のシリーズ”1~3”を連続鑑賞した.
言わずと知れた超有名映画である.現在4作目まで制作されている.新コロのせいでどうなるのかわからないが,(一応)最終章となる『ランボー ラスト・ブラッド』が6/26より全国公開となっている.本国では昨年公開で,輸入盤Blurayは発売済み.☆の数が多いので劇場で観るのが楽しみである.Kazchariは映画好きではあるが,なぜかこれまで『怒りの脱出』と『最後の戦場』しか観たことがなかった.
『ランボー』First Blood (1982)
ランボー 4K Ultra HD Blu-ray (Ultra HD Blu-ray +Blu-ray 2枚組)
原題の「First Blood」って,格闘技における”先制攻撃”ということを初めて知った.この『無印』(のみ)が名作という声がよくある.
Kazchariはと言えば,大まかなあらすじを知ってはいた.たぶん子供の頃,TVの〇〇洋画劇場で親父と一緒にとばしとばし観たいたような気がする.で,今回初めてちゃんと通して観たところ,これが実に面白かった.
スタローン若い! なんつーか,高倉健の893映画に通じるというか,我慢に我慢を重ねて最後に爆発→反撃ってのがいいねぇ.悪役たる保安官側の描写も上手いので,視聴者の義憤を十分満足させ,その後のランボーの行動に感情移入させる.特に中盤の派手に撃ちまくるのではなく,ゲリラ戦法で一人一人無力化していく描写にしびれる,あこがれるゥ.
しかも,ランボーは誰も(故意に)殺していない.カーチェイス時の事故はちょっと微妙やけど.まぁ,後半のマシンガンによる街の破壊もスカっとはするけど,以降のシリーズではこちらの演出が代表的になっていくのが残念.
誰にも受け入れてもらえないベトナム帰還兵のやるせなさ.それはナイフを突きつけられた時のPTSDや最終場面でのトラウトマン大佐への告白などで表現されているが,2作目以降の映画ではすっかり忘れられていますな.アクション映画成分がどんどん増えていく.
ところで,このブログでやたら取り上げてる『ボトムズ』.このアニメは様々な洋画のリスペクトてんこ盛りやけど,主人公の設定に『無印』ランボーも含まれているように思う.
ベトナム戦争の終結は1975年.公開年=物語年としたら,7年間,ランボーはどこで何をしてたのだろう? まさか,別の若い役者を立てて『ヤング・ランボー』とか『トラウトマン・ファイルズ』とかのミッシング・ストーリーを撮影したりして…ってますますボトムズ.
『ランボー/怒りの脱出』(1985)
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『怒りの脱出』は確か当時の彼女と劇場(梅田の松竹会館)で観たなぁ…かなり大ヒットしたはず.中身は無印ランボーの深刻なテーマがかなり影を潜め,ドンパチ要素が格段に増えた.ヒロインの女優さんキレイやけど,ランボーには色恋不要!
同年公開の『コマンドー』ともども”バカ映画”だの”筋肉祭り映画”だの散々な言われよう(両方とも好きですが).まぁ,ストーリーは単純でご都合主義だし,ちょっとランボーが無双過ぎるとか,拷問が生ぬる過ぎるとか…(ただし豚のトイレ漬け+ヒルは結構強烈)
最後の怒りの爆発につながるきっかけで失うものが異なるけどな.『無印』は自分の尊厳,『怒りの脱出』は現地恋人(というか安らげる女性)がきっかけ.テーマ的には前者の方が説得力あり.
そやけど今回あらためて観ると,ちゃんと『無印』の続編してた.換骨奪胎しているものの,その思想を受け継いでいることに今回気づいた.当時は聞き流していたけど,ラストシーンの台詞が実に良い.
「俺が望むこと,彼らが望むこと,そしてこの土地に来て腹をえぐられ,戦いに全力を投じた彼ら全員が望むことは,俺たちが国を愛するくらいに,国が俺たちを愛してくれることです」
いやぁ,新コロ騒ぎ真っただ中の某国の総理大臣に聞かせてやりたいセリフやな.
『ランボー3/怒りのアフガン』(1988)
ランボー3/怒りのアフガン4K Ultra HD Blu-ray (Ultra HD Blu-ray +Blu-ray 2枚組)
人生初鑑賞.全く期待せずに観たらやっぱりダメだったパターン.ホンマ,この『アフガン』はなぁ…ヘリが本物の「ハインド」ではない,というのが一番気にかかる…というのはおいといて,ランボー(=アメリカ)がアフガンのムジャヒディンの聖戦士と手を組んで戦うというのが最大の皮肉というか,その後の世界史を考えるとトンデモない映画になっている.
話の展開もトロいし,カタルシスがない.ランボーとトラウトマン大佐の関係も何か違和感がある(あまりにもシリアスさに欠ける).最大の欠点は『無印』のテーマである,味方にさえ裏切られるというベトナム帰還兵(エクスペンダブルズ)要素がほぼ皆無になってしまったこと.そうなるともはやランボーではない.戦車vsヘリのクライマックスなど戦闘シーンは派手(CGではなく本物の火薬)やけど印象に残らない.
というわけで,3日間連続で観たランボーシリーズの感想でした.『最後の戦場』? ”最後”にはならなかったけど好きですよ.あれは良くできている.