『鎌倉殿の13人』がおもしろい

2022/2/28 Mon

予測通りに現代劇.

Kazchariがいちいち言わなくても世間の評価も上々のようだ.

役者の熱演は元より,三谷幸喜の脚本が素晴らしい.
『新選組!』『真田丸』などと同様の現代風アレンジ.
ガチな大河ファン(≒高齢者)には受け入れられないかもしれないが,ええんじゃないの.

先日の放送は「いざ,鎌倉」
房総半島や武蔵の豪族の力を借りることに成功した頼朝は,いよいよ幕府の本拠地づくりに手をつける,という回.

印象に残ったシーンは2つ.

まずは満を持して登場の義経である.
少数の家来(弁慶含む)と奥州から,兄のいる鎌倉を目指すフィリップ...じゃなかった義経.

道中,弓矢でうさぎを狩るが,それは別の野武士に射られた後だった.
矢の印によって,その野武士の獲物であることが証明されたが,納得しない義経.
キレた野武士が義経に矢を向けるが,動じず「では,どちらが矢を遠くまで飛ばせるか」で勝負しようと持ちかける.
どうみても理不尽な勝負で,野武士が受けるいわれはない.
野武士の気性を読んで「いける」と見抜き,提案したのだろう.
さて,その勝負は...興味のある人は本編で.

びっくりした.
才気あふれる青年...と同時に,徹底的に気分の赴くまま本能的に動く自己中な若者として描く.
天真爛漫...とは違う.特に理由なく人を殺す.

かつてない義経像.
タッキー(ジャニタレ)だったら絶対にありえなかった演出.
このままで話が進むなら,これまでの大河で描かれてきたような「嫉妬深い兄に追い詰められて自刃した悲劇の天才武将」というステレオタイプではなく,「ああ,こら殺られても仕方がない.頼朝が怒って当然」という最後に持っていくのではないだろうか.

もう一つは佐藤浩市演じる,いぶし銀の実力者,上総広常のエピソード.

なんだかんだで頼朝軍に従軍しているが,前回の遅刻してからの,頼朝の碇ゲンドウ風叱責でたじたじ.
で,今回も...

要するに坂東武者の大半は田舎者で「教養」がない.
どこそこ地位のある武将であれば知っていて当然とされる「武衛」の意味すら知らず(騙されたまま),恥をかいてしまう.
今後も狡猾な頼朝(とその側近)による,”田舎者”のコントロールが続いていくのだろう.

ホンマ,「教養」がないことの恐ろしさよ.
「教養」の定義は色々あるようだが,今だと「リテラシー」が一番にしっくりくるかも.侮蔑するなら「情弱」?

似たような話を最近”聴いた”ことを思い出した.

それは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の考察動画だ.

Kazchariも本放送を視聴していた.
大方の意見通り,一期はともかく二期はなぁ...という感想程度しか持てなかった.

この動画では,別の“見方”も提示する.
“教育がなければ人は利用されてしまう”ということ.

ネタバレになるが,鉄華団が滅んだのは,彼らが社会を行きていく基礎知識を持たなかったからとする.
義務教育を受ける機会がなく,読み書きすら覚束ない若者の組織.
MSの操縦や修理技術だけでは,利用され捨てられる.

トランプ政権時に,何かと話題になった反知性主義に通じるところがあるなぁ.

つーことで『鎌倉殿の13人』を毎週楽しみにしている.
その一方,Amazon Prime Videoではアニメ『平家物語』が配信中されている.

平家物語

声優陣が超豪華で放送前に話題になったが,その中身も素晴らしい.
言うまでもなく,平家の栄枯盛衰を描いた鎌倉時代の軍記物語.
Kazchariはエンディングが特にお気に入り.

何の偶然なのかわからんけど,『鎌倉殿』で源氏から,アニメ『平家物語』で平家側から同時代と描くという珍しい瞬間に立ち会っている.

この平安末期から鎌倉初期は,ややこしくてドラマでもあまり人気がない.
それゆえ,こうした媒体で知識を得ることができるのが良い.
今から尼将軍,政子の有名な演説シーンが楽しみだ.

Kazchariが初めて通して観た大河は『草燃ゆる』だし,低視聴率にあえいだ『平清盛』はここ数年で最高傑作だと思っている.

つーことで,「新解釈:平家物語」じゃなかった『鎌倉殿の13人』オススメです.

KazchariはNHK+でタブレット視聴.
いつでも見れるのがありがたい.

こんなサービスできるんやったら,他のアーカイブもフリーに見せてほしいわ.
受信料払ってるんやし.

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