インド映画の思い出

2020/4/1 Wed

悩んでいる若者には,ついついインドに行けと言ってしまう

OLYMPUS TG-5

世の中には「〇〇が人生の悩みの99%を解決する」という格言があるとかないとか.
〇〇に入る言葉として「筋トレ」や「自転車」に反論する者はいないと思われるが,Kazchariはそこに「インド」も加えたい.かの地には人生の全て(生・老・病・死)があり,真と嘘,聖と邪,スラムと高層ビル,貧困と裕福などの相対する混沌とした事象の渦の中に放り込まれれば,己が“一人であって一人ではない”ことを痛感できるであろう...

と,えらそうなことを言っているKazchariですが,それほど長期間滞在したわけではない.改めて思い返すと1990年に北インド(+ネパール)に3週間.また1995年には南インド(+モルディブ)に3週間ほど.いずれも30年近く前の話である.変化していないわけがない.しかしながら,日数や頻度で言えばより馴染みがあるタイインドネシア,および2年居住したジャマイカよりも圧倒的に印象深い国.それがインドである.

というわけで,そんな太古のインドでの体験(認識)ですがご容赦を.そのうち「旅の回顧録~1990年のインド」公開予定(まるでニーズがない).

インドと言えばカースト制度.法的には禁止されているが,社会には差別(区別)が依然として残っている.職業には貴賤があり,基本的には親の職業を継ぐ(旅行者は親の職業を良く聞かれるので要注意).文字通り分相応な夢は見ない.一方で,身分が固定していることに心理的・社会的安心感があるという意見も聞いたことがある.「自分の運命があらかじめ決まっていると“覚悟”ができる」って...あれ? プッチ神父

インド映画はそんな庶民のファンタジー.叶わない夢を体験しよう的要素が強い.インド映画の特徴と言えば,まず長いこと.『きっと,うまくいく』も3時間近くある.余計なシーンを削ればもっと短くなると思うが,それはない.なぜならインド映画だから.夢見る時間は長い方が良い.途中でちゃんと休憩タイムもあります.
そして,唐突に始まるミュージカル(群舞)シーン.話の流れやキャラ設定を無視することもしばしば.『きっと,うまくいく』にも2回ほどあります.曲も良いがインド映画にしては少ないし地味.コメディはコメディやけどシリアス寄りの内容やから?

Kazchariは旅行中,現地でよく映画を観る.以下,思い出に残ったものである.

シンガポール⇒『クリフハンガー』:冷房が効きすぎ.臨場感ありすぎ.半袖で入場し死ぬかと思った

ジャマイカ⇒『パッション』:イエスの拷問・処刑内容をどれだけリアルに描くかに”文字通り”心血注いだ内容に,敬虔なクリスチャンが多いジャマイカ人大号泣(もしくは失神

アルゼンチン⇒『スパイダーマン2』:もちろん全員スペイン語で吹き替え.オンブレ・デ・アラーニャ.

フィリピン⇒『アイアンマン2』:これは英語セリフのまま.ここも寒かった.

などなど.基本的に台詞の意味がわからなくてもOKなアクション映画を選択.で,肝心のインドですが...
1995年.南インド旅行中のKazchariは商店でも食堂でもバスの中でも,いつも同じ歌が流れていることに気付いた.あまりにもリピートされるので覚えてしまった.それは空耳で「♪クチクチラコマーチャーサイナ アレクスミナ~イブラアマ チャミスミ~コーカラ~」とかなんとか….気になったので店員の目の前で口ずさんでみたところ,ちゃんと通じた.

「それ,ボンベイの歌やで」
「へっ?ボンベイって都市の?」
「ちゃう,映画や」

そう,当時インドで絶賛上映中の『BOMBAY』の挿入歌だった.その町の映画館に早速観に行く.

今はどうだか知らないが,当時は入場料によって席が決まっていた(つまり階級).前列は安く,後列は高い.外人はどこでもOKなのだが.後方にしとけと教えてもらった.理由は途中のダンスシーンになると,前方はみんな歌って踊って大騒ぎする場合があるから(毎回ではない).そこに外人がいると危ないのでやめとけという忠告だった.

さて,この『BOMBAY』,映像もストーリーも素晴らしかった.ヒンドゥーとイスラムの対立から生じた現実の暴動事件に,主人公とヒロインの悲恋を絡めた社会派映画である.おかげでボンベイ(現在のムンバイ)では上映禁止だったとか.例の“クチクチラコマ”な歌も大ヒットしていた.映画を観た翌日,おみやげにカセットテープを,数年後に日本で公開された際には.DVD(輸入盤英語字幕)とサントラCDも購入した.

ボンベイ [DVD]

日本では同時期に『ムトゥ 踊るマハラジャ』も大流行し,インド映画が大ブームになった.KazchariもCDを買って一時期ヘビロテ(死語).

ムトゥ 踊るマハラジャ ≪4K&5.1chデジタルリマスター版≫[Blu-ray]

最近では『バーフバリ』が話題になった.Kazchariは未見だが,Primeに登録されたら観る予定.

バーフバリ 伝説誕生 [Blu-ray]

インド映画はブーム定期的に繰り返すなぁ...クセがありすぎて続かんけど.

今や配信にて大抵の映画は観ることができるようになった.またインド映画をなどのマイナー系もYouTube,もしくは輸入盤で見つけることができる.つまり,日本にいながらにして世界中のコンテンツを楽しむことはできる.だが,外国の映画館で観る,ましてや,その国で製作された映画を観るのは独特で貴重な体験だったように思う.

1995年 カルカッタ(現コルカタ)

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