Amazon Prime シネマ・レビュー

2020/3/4 Wed

映画(+α)三昧.

OLYMPUS TG-5

本当は臨場感,没入感たっぷりの劇場鑑賞派なのだが現在自粛中.エヴァの新作公開日までに落ち着くと良いが...現状,ZwiftしながらのAmazon Prime Video鑑賞が続いている.

ディープインパクト』(1998)

ディープ・インパクト (字幕版)

コロナ報道が増えてきた頃,“終末物”としてオススメに並んでいたのが『ディープインパクト』.公開時期と内容が『アルマゲドン』と丸被り.ハリウッドは売れそうなネタの市場調査を徹底して行うので,たまにこういうことがあるらしい(途中で気づきそうなものだが).Kazchariの印象としては,真面目な『ディープ』,エンタメの『アルマ』というイメージ.で,その『ディープインパクト』だが,(今と比べ)都市破壊の特撮がしょぼいのは仕方がないとして...

【良かったかもしれない点】
- 津波に飲み込まれるヒロイン父娘のヴィジュアル
- まんまなウィーバー先生

【ここは...】
- 宇宙船による隕石爆破ミッションの適当さ
- アメリカ(の一部)だけの災厄にしか感じられない
- 世界滅亡数週間前なのに普通に営業しているタクシー

トレイン・ミッション』(2018)

トレイン・ミッション(字幕版)

リーアム・ニーソンを無理やり理不尽な状況に置いて,一見貧弱そうなおっさんが実は...の,いわゆるナーメテータームービー系の1本.リーアム・ニーソンと監督ジャウム・コレット=セラのコンビはこれで4本目.これの他には『フライト・ゲーム』のみ鑑賞済み.電車か飛行機かの違いだけでストーリーは酷似していた.

【良かったかもしれない点】
謎が謎を呼ぶ前半

【ここは...】
- 文学作品のフレーズの強引なねじ込み
- あまりにも偶然的要素に頼りすぎな犯人グループの計画
- 何のための脱線?
- 真犯人の唐突な告白.証人何人おんねん?

女神の見えざる手』(2018)

女神の見えざる手(字幕版)

これまためずらしいアメリカのロビイスト活動をテーマにした映画.銃規制法案を巡る攻防なのだが,あまり深刻にならず,スカッともせず,何かウンチク系お勉強マンガを見せられたような印象が残る.

【良かったかもしれない点】
ヒロインの怪演.『リーガル・ハイ』と『半沢直樹』の堺雅人を足して二で割ったようなキャラ造形

【ここは...】
ややネタバレ
法廷闘争の土壇場! ヒロイン危うし! 大丈夫.実はこっそり録画したライバルの犯罪を暴く証拠記録がありましたぁ~でどんでん返しパターンは止めてほしい.この手法やとなんでもありやん.

移動都市 モータル・エンジン』(2018)

移動都市/モータル・エンジン (字幕版)

莫大な製作費,宣伝派手にもかかわらず大コケした話題の作品.劇場公開時はパスした.えー,監督始め,この映画のスタッフは極度のジブリおたく? ヴィジュアルからキャラ設定まで誰がどうみても『ナウシカ』『ラピュタ』『紅豚』『ハウル』.Kazchariはプラス要素として『ザブングル』と『ガリアン』のサンライズ要素も入っているのではないかと邪推.

【良かったかもしれない点】
移動都市-ロンドンの動き

【ここは...】
- ヒロインの顔の傷,必要? ラスト何らかの方法で消えるのかと.
- サイボーグの話必要? てっきり味方になるのかと.
- トムに魅力がない.その友人(男女2人とも)必要? 行動パターンが謎.
- 要素を詰め込みすぎて,何がテーマなのかよくわからん.いかにも続編ありき(だった)?

次におまけの感想.先日最終回を迎えた…
騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019)

スーパー戦隊シリーズ 騎士竜戦隊リュウソウジャー Blu-ray COLLECTION 1

これは映画ではなくて,先週最終回を迎えたニチアサ特撮番組.前回の『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』は大傑作.ただし玩具の売り上げはイマイチ.これまでも『ジェットマン』『タイムレンジャー』など,大きい友達に好評の戦隊は,メイン視聴者であるお子様がついて来れないので,玩具の売り上げが爆下げするジンクスがある.それを受けてのリュウソウジャー.外しようがない恐竜モチーフ.しかし...

【良かったかもしれない点】
ロボのデザインと財団Bのおもちゃのデキ(買ってないけど)

【ここは...】
- ラスボスが主人公に説得されて改心⇒ほぼ自壊.え?
- 「限られた人生で笑ったり,悔やんだりするから人生は素晴らしい」(意訳)というセリフをほぼ不老不死(に近い)リュウソウ族に言われても…(コウは209歳)ここは”うい”のセリフだろう.
- アスナがカナロに暴力をふるって,(リュウソウ族の?)子どもたちに「おねーちゃん怖い」と言わせて何のフォローもなし.アスナとカナロって,これまで何かからみありました? 100歩譲って,互いに信頼しあっているからこうした暴力も好意表現の一つとかなんとかを子どもが学ぶ,といったフォローすらない
- ワイズルーとクレオンはともかく,プレシャスが生き残る謎展開.
- 嗚呼,団次郎と永井大.
- 人類は完全に蚊帳の外

これ,思うんやけど,元々は恐竜モチーフではなくて『マジレンジャー』のような,おとぎ話に出てくる架空の生物,もしくはそれぞれが何かの属性を持った5体のドラゴンとのカップリングが企画されていたのではないだろうか? 財団Bから「わかりやすく恐竜にせよ」と横やりがあったのでは? また,スーツデザインは明らかに西洋騎士やねんから,異世界での国盗り合戦(敵はトランプ+城やし)で話を進めていくとか...「この材料でオレだったらこうする」妄想がしやすい戦隊,という点では評価できる.

なぜか『リュウソウジャー』の話が一番長くなってしまった.なんだかんだで文句ばかり言ってますが,映画を含む映像作品全般は総合芸術.いろいろな人の思いが積み重なって構築されているのは確か.裏事情も想像しながら観るとおもしろい.

なんとなく終末観

2020/2/28 Fri

さて,どう行動すべきか.

OLYMPUS TG-5

新型コロナウイルスの感染拡大予防のため,市内小中学校が休校となった.
当初は1週間の予定だったが,首相が全国の公立校全てに休校を要請したため,どうなるのかさっぱりわからん状況.

24日の祝日および有給取って休んだ昨日も,通常であれば子供らを連れて外出することが多いが,今回は人混みを避けるようにした.
結果,3人で丸一日自宅待機でレゴ三昧.

ヨメさんは祝日も含め通常勤務なので,外から持ち込む可能性もないではないが,そこは医療関係者,対策はしっかりしているので大丈夫でしょう.

旭川では有名なとんかつ屋の経営者が感染後,店の名前を公表し休業したことが話題になった.
この方の他人に迷惑をかけたくない男気が評価されるとともに,日本人はこの手の話が好きやから,終息後は人気店になるんやろなぁといらぬ邪推もしたくなる.

一方で,クルーズ船で働いていた医療関係者(とその家族)が差別されるとか,人込みで喘息で咳き込んでいた人がいきなり罵倒されるなどの話も出回っている.
こういうのがエスカレートすると,原作版『デビルマン』のような不信感の増大から悪魔狩りへ,そして人類滅亡へという悪夢のシナリオ.
そうならないことを望むが,いずれにせよ,今回の災厄は東日本大震災並みに人々の意識を変えるような気がする.

今回のウイルス騒動が始まる少し前にKindle Unlimitedにて,一色登希彦の『日本沈没』を読んだ.
小説ではなくコミックである.
全15巻全てがUnlimitedで公開されていたので一気読みした.

日本沈没 1巻

何しろものすごい熱量のコミックであった.
確かにイマドキの液タブマンガと比べると画は荒いし,キャラ設定は途中で崩壊するし,ストーリー展開も全然スマートではない.
でも,それが日本沈没(ようするに地震と津波)という未曽有中の未曽有災害の中,そりゃ人がここまで壊れるのもさもありなん...という説得力がある.
小松左京の原作小説も何十年か前に読んだが,むしろ藤岡弘主演の映画版が印象に残っている(アルマゲドンもどきの草薙くんのアレより数倍面白い).

【東宝特撮Blu-rayセレクション】 日本沈没

そのおぼろげな記憶からでも,このコミック版は,「あれ?こんな話だったっけ?」的な描写だらけで,“日本が沈む”というプロット以外はほぼほぼオリジナル.
時代も現代(2000年ぐらい?)に変更されている.
前半は割と冷静に緻密に描いているのだが,後半にかけては,話の整合性やバランスを無視した叩付けるような怒涛の展開.
地震で壊滅状態の首都ではデビルマンな描写!
しかもこの作品,阪神淡路後,東日本の前の作品というのが感慨深い.
なぜこのコミック,あまり話題にならなかったのだろう?
クセが強すぎるから?

ラストはSF的(クラーク『幼年期の終わり』っぽい).
難民となる日本人が海外に散り散りになるのだが,その受け入れ条件と求められる”ふるまい”がちょいと理想的すぎるかなぁ...
全編,かなり政治的メッセージも多いので抵抗ある人いるかも.

著者の一色さんの作品では他に競馬漫画の『ダービージョッキー』,オートバイ漫画の『モーティブ』がUnlimitedで公開されている.
後者のみ読んだが,これまた熱い.
高校生が読んだら人生変わりそう.

いずれにせよ,何となく終末観漂う今日この頃,こうしたコミックや映画はいかがだろうか.
楽しめるかどうかはともかく,平時に鑑賞するのとはまた違った体験ができるかもしれません.

『ER 緊急救命室』配信開始!

2020/2/13 Thu

Amazon Prime Videoは時間泥棒.

ER緊急救命室(吹替版)

最近,海外医療ドラマの最高峰,ER 緊急救命室の配信が開始された.ご存じの方も多いと思うが,この番組,めちゃくちゃ長期シリーズである.50分×25話×シーズン15,つまり単純計算で全部観ると約312時間!(プラス番外編もあり)

NHKの放送時,よく観てたなぁ.こまめにVHSやDVDに保存(見返さないのに).ちょうどその頃は急性期病院に勤務してました.医者ではないのであそこまで忙しくないものの,何か仕事のモチベが上がるドラマだった.医療者側,患者側その他の登場人物の生きざまがグイグイと胸に迫ってくる壮絶なストーリー展開.嫌でも生きるとは何か,死とは何かを考えさせられる.
同時に,アメリカには絶対に住みたくないと思わせる効果も抜群.銃,貧困,差別,酒,ドラッグ,移民,ジェンダー,エイズ,宗教,戦争などのアメリカが抱える問題てんこ盛り.それにドラマとは言え,凄まじいパワハラ業界.公私ともども,どうしてここまで互いに不寛容?(一方で超ドライ).病む人続出しそう.出演者の降板劇も残酷.あぁグリーン先生...

それでも見ごたえたっぷりなドラマなのは間違いない.
視聴方法としては,“誰か買うねん”的な豪華90枚セットのDVD-BOXもあるが,こういうのって,いわゆる老後のお楽しみグッズ.買ったはよいがだいたい本棚の守護神になりがち.

ER緊急救命室 シーズン1-15 DVD全巻セット

ところがネット配信になると話は別.iPadさえあれば家中どこでも,何をしてても鑑賞可能! 字幕版と吹替版の両方があるが,このドラマに限っていえば絶対に吹替版をおすすめ.治療シーンでは超早口の専門用語が機関銃のごとく繰り出されるので,字幕ではついていくのが困難なのだ.

Kazchariも20数年ぶりに絶賛ドはまり中.ここ一週間でシーズン1をクリアした.特に印象的なエピソードは第19話「生と死と」やね.TV放送の時も感じたが,これだけ緊迫感のあるドラマはそうそうない.もう怖くて怖くて...ヨメさんも,この回だけは見れないらしい.

24 -TWENTY FOUR- (吹替版)

実は,Kazchariは海外ドラマが苦手で,最後まで見通したのは『24 -TWENTY FOUR-』ぐらい.評判の良い『ウォーキングデッド』や『メンタリスト』は数話で挫折した.

というわけで,『ER』づいてる昨今ですが,たまたま海外ドラマあの人は今的なサイトを見つけて,今のお顔を拝見.

【あの人は今】ER緊急救命室で活躍したキャストたちの今

みんなむっちゃ老けたなぁ...(オマエモナー( ゚Д゚)/)

出世頭のロス(ジョージ・クルニー)を始め,現在もドラマ中心に活躍している方が多いが,グリーン先生(アンソニー・エドワード)って,若い頃は『トップガン』(1986)のグースだったとは...気づかなかった.まだ髪の毛あります.

フォーガットン [DVD]

『ER』降板後では,何と言っても『フォーガットン』(2004)でしょ.この映画,まさに超展開中の超展開! 誰も予測できない.一部マニアの間では“バビューン”と言われています.おすすめ.

『奇跡の2000マイル』を観た

2020/1/23 Thu

ロードムービーは難しい

奇跡の2000マイル(字幕版)

Amazon Prime Videoで映画『奇跡の2000マイル』を観た.もちろんZwiftしながら2日に分けて.

この映画の前に,ロバート・レッドフォード主演の『ロング・トレイル!』を鑑賞.80歳になろうかという名優の,いや,じいさんの旅に共感.後半に少しだけ事件が起こるが全体にゆるーい雰囲気で話が進む.基本的には毎日同じことの繰り返し.長旅ってこうでしょう.主人公のつぶやきはレッドフォード自身のそれなのだろうか.

で,この『奇跡の2000マイル』(原題:『TRACKS』)の話である.こちらはノンフィクション小説がベース.70年代.オーストラリア在住の20代前半の女性が人生に悩み,家族や故郷から離れて(あくまで国内ですが),ラクダを調教し,その後,7ヵ月の砂漠横断にチャレンジする話.

原作『ロビンが跳ねた―ラクダと犬と砂漠 オーストラリア砂漠横断の旅』は1990年に邦訳が出版されているものの現在絶版.Amazonでは上下巻の上だけ読んだ人のレビューが一つだけアップされていたが,これがまぁ不評.元々文才がない上に前半は愚痴が延々と続き,単なる旅日記になっているそうな.まぁ想像つくわな.原書はkindleで入手可能.試しに市立図書館のサイトで検索をかけた所,蔵書していた.とりあえず借りてみよう.読み切れる自信がないけど.

Kazchariはオーストラリアに行ったことはない.PNGで知り合ったオートバイおたくのJamesから,いつでも遊びに来いと言われているのだが,何故か興味がわかない未踏の地.

バックパッカー間で一世を風靡したかの有名な落書きがある.

金の北米 女の南米
耐えてアフリカ 歴史のアジア
何もないのがヨーロッパ 問題外のオセアニア
豊かな青春,惨めな老後

こいつのせいかもしれない.Kazchariはこの落書きが書いてあったとされるバンコク楽宮旅社に1993年に泊まったことがあるが,それはまぁ味のあるホテル(というより牢獄)でした.一階の北京飯店のメシは美味かった.パッカー達のたまり場がチャイナタウン(楽宮,ジュライ)からカオサンへ移行する時期だった.

昔話はさておき,以下,映画の内容に触れます.

【良かったかもしれない点】

・わざとらしい感動を狙っていない.
・映画的というより,ところどころで写真的な構図が美しい.
・砂漠映画だがあまり空撮に頼っていない
・人恋しさからつい〇〇してしまう気持ちはわかる
・しかし,カイロ・レン(ことアダム・ドライバー)がアップの時には,なぜか顔にハエがたかる.“うざい”の暗示?
・アポリジニの案内人役が素晴らしい.
・海.
・エンディングロールで原作者の写真が映される.もちろん女優さんより重装備.ついでによりオーラがある.

【ここはちょっと...】

・邦題が良くない.距離を出した方が印象に残るから? 欧米の書籍や映画の原題って素っ気ないモノが多い.読む側,観る側の想像力にまかせるってことか.
・そもそもオーストラリアってキロ表示じゃなかったっけ? 昔は違う?
・はたしてこれは一人旅なんだろうか? 登山物やったらアウト.
・どうしてラクダに乗らず,歩くのだろう? 乗り心地の問題?
・ノースリーブ,パレオ,サンダル,帽子無し,サングラスなし.この服装で砂漠旅?
・暑さと寒さがあまり伝わらないのはなぜ? 寒暖の差が激しいと思うのだが.
・主役の顔がキレイ(美人という意味ではない).汗かかない.渇きに苦しむ場面がほとんどない.日焼けも翌日完治.
・犬事件後,裸でうろつくシーンは事実? いきなり脳内ファンタジー路線?
・途中のバイクライダーの意味は?(スズキ400で記録を作る云々とか言っていたが)

どこまでが演出で,どこまでが原作に忠実なのかわからないが,結局,この主役って何者なのだろう?

父親は冒険家(研究者?),母親は自殺,愛犬と引き離され,(心配はしてくれる)友達はいるけど,親しみは全く見せない.計画性があるのかないのかよくわからない.知恵と工夫で乗り切った描写も特にない.最終的に何かを悟った感もない.この主役にどう共感しろと?

ようするに,登場人物の心情を含めストーリーへの没入感はおいといて,美しいビジュアルを観るのが目的なら満足いくかも.当時のナショナルジオグラフィックに掲載された写真は素晴らしい.本映画撮影時のイメージボード集(?)も販売されている.

Inside Tracks: Robyn Davidson’s Solo Journey Across the Outback

『奇跡の2000マイル』,ラストの砂漠と海の対比はオススメです.

ちなみに,現時点で最強のロードムービーはこれだと思います.

世界最速のインディアン

『バンブルビー』を観た

2020/1/7 Tue

SFメカ物は大好物.しかしなぁ...

バンブルビー (字幕版)

Amazon Prime Videoで映画『バンブルビー』を観た.もちろんZwiftしながら.

トランスフォーマーシリーズには全く思い入れがない.
アニメは未見.マイケル・ベイの実写映画は1と2程度.中身は(ないに等しいので)ほとんど忘れた.どっかの星でサイなんとかとディスなんとかが何だかよくわからない理由で戦っている? 一世風靡したシャイア・ラブーフはどこに消えた? コンボイ司令=オプティマス・シロッコ...じゃなかったプライムだっけ?という程度の知識を持つKazcahriの感想です.

以下,内容に触れます.

【不満点】
・意味なく下品.人体爆発(液状化)とかゲロとか車に生卵塗りたくりだとか誰得?
・男のシャツで目隠したままの手放し運転に何の意味が?
・1987年が舞台の割にはそれっぽさが少ない(遊びが足りない?)
・丈夫なのか脆いのかよくわからないロボット達.アレに耐えられるのにそんなんで破壊?
・ビーの形状コピー機能が都合よすぎでは? 逃げるの簡単やん.
・飛び込み選手設定の意味.心臓発作で死んだ父の撮った最後のビデオが飛び込みだったから競技を止めた? 意味不明.
・復讐するなら取り巻きの女の子(だけ)ではなく煽ってきた男では?
・バンブルビー,どう見てもアメリカ兵殺しているよな?
・宇宙共通語は英語なのか?

【良かったかもしれない点】
・CGがスゴイ(本編映画の何やってんのかわからん映像よりは良い)
・やたら濃いタヌキメイクの主人公が徐々にかわいく見えてくる...けど,キャラづけが...
・クライマックスで,コンボイ司令が助けにやってくるという激アツ(だけど安易)な展開を避けた点.

あれ? 結局全部不満?
出会い⇒誤解⇒交流⇒別れという青春ドラマの王道展開に,80年代音楽・映画のオマージュで味付け(と言ってもふりかけ程度)などなどに,見事に乗れませんでした.

自分を孤独だと思い込んでいた主人公が,それは実は自分の思い込みで,周りには優しい人たちがたくさんいてて,自分のことを愛していることに最後は気づいた...みたいな話やろうけど,まどろっこしいわ!

Kazchariの観る視点が歪んでいたということで許してください.
つーことで『バンブルビー』.トランスフォーマーファンにはおすすめです!

A Busy Day

2019/12/21 Sat

OLYMPUS TG-5

先週の土曜日はホンマに忙しかった.

9:00,ヨメさんと娘(13歳),バレエ発表会のリハ&準備のため出発.

9:30,Kazchariと息子(7歳),英語教室に向かう.
10時開始のはずだが,先生も生徒も誰もいない.公民館の予定ボードにはしっかりスケジュールに組み込まれているのだが...掃除のおばちゃんにも心配される.結局,年末の休業と判断.どこかで連絡ミス?

息子,自販機にて恒例の「いちごミルク」を飲む.英語教室の後はこれ.絶対にメニューを変えない息子.

1Fの市立図書館の開館を待つ.最近,息子がはまっているのが『おしりたんてい』シリーズ.小学生男児の心をわしづかみである.

おしりたんてい ふめつの せっとうだん (おしりたんていファイル)

10:30,次の習い事である体操教室へ移動.
体育館に消えゆく息子を見届け,車に戻る.館内に休憩室的なものはないのだ.
幸いそれほど寒くなく,車内でkindle.『金剛寺さんは面倒臭い』で爆笑.

金剛寺さんは面倒臭い(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

Kindleを手に入れてから,それまでなら絶対に読むことのなかったマンガに出会うようになった.ついでに時間泥棒にも出会ってしまった.もちろんアナログ読書も大事だ.うん.
ポカポカ(というほどでもないが)陽気の中,ついついウトウト.こんこんと窓を叩く息子.「終わったよ.寝ちゃダメ」

息子,自販機にて恒例の「アロエ&白ぶどうジュース」を飲む.体操教室の後はこれ.絶対にメニューを変えない息子.

帰宅して,昨夜の残りのハヤシライスで昼食.Amazon Primeで『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en Film』を観る.現在放送中のリュウソウジャーはアレだが,前作のルパパトは非常に面白い.ビジネス的には失敗(玩具が売れなかった)だったそうな.

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film

余談だが,先日,たまたま息子(7歳)と二人きりになった際,何かのきっかけで「姉ちゃんのこと好き?」と訊くことがあった.

息子「好き」

Kazchari「じゃぁ,かーちゃんは?」
息子「好き」

Kazchari「じゃぁ,とーちゃんは?」
息子「...悩むねぇ」(おい)

父親評はともかく,セラピストの端くれとしては次の質問が欠かせない.

Kazchari「じゃぁ,M(息子)は自分のこと好き?」
息子「大好き!」(即答!)
Kazchari「どんなところが?」
息子「悪ガキだから!」

良い返事だ,息子よ.

次は娘のバレエ発表会.14:30会場なのであわてて出撃.
土曜日なので車多めで遅れそう.やばいやばいとあせりつつも14:35には会場着.身内ばかりとは言えほぼ満席.割と良い席が取れた.

15:00,開演.娘はシニアのソロなので後半の出演.
その娘の演技だが,掛け値なしに素晴らしかった.『パリの炎』という演目なのだが,中盤に難度の高い見せ場がある.「ポワント」つまり片足つま先立ちで,前方に進みつつ,上げたほうの足では膝の屈伸を行う.我が娘,それをブレなくやりきった.すごいぞ.会場からも演技終了後ではなく,途中で拍手があった.
話によると前日,当日のリハーサルでは失敗の連続で,本人は落ち込み,周囲はハラハラものだったそうな.意外にも本番に強い側面を見せた娘であった.できれば勉強の方もそのノリで...

16:00,終幕.さて,次だ.
退屈なのか,上演中ずっと不機嫌だった息子.Kazchariに話しかけたり,おもちゃで遊んだり,変なポージングをするなど全く落ち着きがなかった.しばいたろかと思う頃,ようやく寝る.その息子を起こし,帰り客で駐車場がごった返す前に会場を脱出.知り合いから娘の演技のことを褒められたりして呼び止められるが,申し訳ありませんと,次のポイントへ急ぐ.

16:40,駅前イオン着.次は映画『仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション』の鑑賞.現在放送中の「ゼロワン」と前作「ジオウ」のコラボ映画.主人公の父親役の山本耕史が全面的にかかわるということで,ファンであるヨメさんの方が楽しみにしている.で,先にKazchariが偵察.株主優待カードによって二人で¥1800+ポップコーン付き.とりあえずイオンシネマのシートは快適だと再確認.

以下,内容に触れます.

結論.大きいお友達も子どももどっちつかずの内容.
大人はタイムパラドックスが気になって仕方がない.TV本編とは別の山本耕史=飛電其雄の死が描かれるが,本編でも映画でもヒューマギアの死には違いない.それよりも“本物の”父がどの様な最期を遂げたのかがテーマになると思っていたので,すっかり肩透かしである.間違いなく,TVの後半は父の死の真相やろな.
子どもには,少なくとも息子は内容についていけなかったようだ.直前のTV放送で死にかけたキャラ(滅)を見て,パラワールドの出来事にもかかわらず「わ,やっぱ生きてんじゃん」とか言っていた.無理もないか.

と,全く大人げないコメントですが,ライダー映画には『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』という大傑作があるので,毎回,期待値高めで鑑賞しているわけですよ.

仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ

夕食はそのままイオンのフードコートで.ポップコーンのおかげでそれほど腹減らず.久々に「花まるうどん」.丸亀の方がうまいな.
帰宅して,息子を入浴させ,身体を吹いていると,母と娘帰宅.
ようやく解放され,今夜も今夜でレーパンをはいて,Zwiftに接続されたスマートローラーに向かう趣味人Kazchariの姿があった.とーちゃんの戦いは続く.ちゃんちゃん.

『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』を観た

2019/12/21 Sat

12/20,日米同時公開となったスターウォーズ最新作,『Episode Ⅸ スカイウォーカーの夜明け』を観た.

鑑賞方式は旭川シネプレックスの4DX(吹替え)をチョイス.公開初日の1回目なので文字通り日米最速の鑑賞.
たまたま会員割引デイで¥2400.さすが旭川,映画が安いぜっ.
昨夜のうちに席も予約.ガラガラだ.さすが旭川,ゆったりと観れるぜっ.
席は前から2列目の真ん中.3Dは前方がいいぜっ(今回は吹替えだが,目が悪いので後ろだと字幕が読めないぜっ).

ちなみにKazchariは,これまで劇場で,epi『Ⅴ』『Ⅵ』『Ⅰ』『Ⅲ』『Ⅶ』『Ⅷ』『ローグワン』『ハン・ソロ』を劇場鑑賞.また6epiセットのBlu-ray BOXも所有.一番好きなのは『Ⅴ』というごくごく標準的なSWファンである.

以下,雑感.むっちゃ内容に触れます.

いろいろと問題のあった前作『Ⅷ 最後のジェダイ』よりはおもしろい.大風呂敷をまとめた感あり.つーか『Ⅷ』いらなくね? ルークは消息不明もしくは既に死んでいても話のつじつまは合うし,崩壊しかけだったレジスタンスはいつの間にか増強してるし,「特別でない者にもフォースは宿る」というテーマはどっかにいったし.

『Ⅷ』が未見で,かつどうしても内容を知りたい人は岡田斗司夫ゼミのハマムラ的解説をおすすめ.ドラゴンボールとの類似性の指摘で爆笑できます.

『Ⅶ』から『Ⅸ』までは続き物のはずなのに,統一感がない.毎回行き当たりばったりで,試行錯誤(鑑賞者の声を反映)しながら脚本を書いている感がスゴイ.レイがパルパティーンの孫という設定は最初からなのか?

で,そのパルパティーンも何の伏線もなくいきなり登場しすぐに退場.シスの大艦隊も突然の出現! 艦の製造や兵や燃料はどうなっている? 霊体なのか?
いっそパルパティーンの復活から『Ⅶ』を始めておけば…もしくはスノークの正体は実は,の方が良かったのでは?

主役の三人(ポー,フィン,レイ)にあまり魅力がない.キャラが立っていないのだ.やたら顔のアップが多いレイのみ,この『Ⅸ』で挽回というか,ようやく主人公っぽくなった.
悪役の三人(レン,スノーク,パルパティーン)も同様にあまり魅力がない.
それに,これは日本人だけかもしれないがキャラのネーミングが…ポー・ダメロンって…スノークと言えばムーミンだし…

『Ⅷ』で大不評のローズの出番が明らかに減った.ジャージャービンクスと同じ扱いやね.と思ったら,フィンと良い関係になる新黒人キャラがいきなり登場.

『Ⅷ』よりマシだが,ルークってあんなキャラだっけ? 言動だけでなく見た目も含め,あまり良い歳の取り方はしていない気がする.

スカイウォーカー家では,レイアがいつの間にかルーク以上のライトセーバーの達人になっててびっくり.

Xウィング,レッド5の登場は燃える.そこまでやるならR2-D2かBB-8を乗せろ!

既にお亡くなりのレイア姫.どこまでCGなのか気になる.一瞬ですが『ローグワン』の時の若い姿も再び見れます.

ノンクレジット出演のハリソン・フォード.驚きというより,レンを改心させるには出さざるをえない.

レイとレンの何度もあるライトセーバーの戦闘シーンに迫力,というか美しさがない.へっぴり腰ルークへのオマージュか.『Ⅲ』の「地の利を得たぞ!」戦はもちろんのこと,何かと評判の悪い『Ⅰ』でさえ,オビワン+クワイ・ガンジンVSダースモールの剣劇シーンは素晴らしかった.

クライマックスへ.
レンが祖父であるパルパティーンを殺すとダークサイドに墜ちて女帝化する.ゆえに目の前で味方がバシバシ撃墜されてても,何もできず地団駄.そこへライトセーバーを転送されたレンがやってきて2人でパルパティーンを攻撃→勝てない.レンは崖下に真っ逆さま.レイが覚醒して「私はフォースを使ってお前を倒す!」とかなんとか言いつつ,パルパティーンを撃破! あれ,結局祖父を殺した→ダークサイド堕ち?
SW世界では肉親殺し,ジェダイ殺しはダークサイド堕ちというルールがあったような.いくらなんでも主人公がダークサイド堕ちエンドは不味いって,あれ?『Ⅲ』がそうか.
それを回避するには相打ちでレイが死ぬしかない.で,目を開けたまま死ぬのだが,なぜかレンが崖下から這い上がってきて,抱きしめたらレイがよみがえって,チューして代わりにレンが死ぬ.そうか,結局,肉親殺しが全て罪を背負ったという描写なのか.辻褄は合っているけど,フォース万能感がハイパー過ぎてなんだかなぁ…

ラスト.SWの象徴といえばタトゥイーンの2つの太陽が昇るシーン.
ルークの家の前でレイが言う.「私の名前はレイ・スカイウォーカー」
ここ別エンディングで,レンが「俺はレン・スカイウォーカー」と言うバージョンもありそななさそな.こちらの方が表題に忠実やな.

とかなんとか文句多めですが,やはり「A long time ago in a galaxy far, far away…」~♪ジャーン,チャラチャチャチャチャ~の音楽とともに黄色の台形文字が遠くに流れていく場面を見るだけで,たいていのことは許せてしまうのですよ.そう,SWはSFではなくファンタジーもしくは神話.

岡田斗司夫曰く,今の映画業界は中国市場を無視できない.SWがかの地でヒットしないのは,旧シリーズへの思い入れがないから.今回の『Ⅸ』でそれはようやく完全払拭された.2023年からはようやくEpisodeⅩ~の新シリーズスタート.不安でしかない.『トランスフォーマー』っぽくならなければいいが…

では,最後に…レイとレン,ややこしいわっ!

『ファースト・マン』を観た

2019/11/28

ファースト・マン (字幕版)

(以下,内容に触れます)

ZwiftしながらAmazon Prime videoで『ファースト・マン』を観た.

月面に最初に降り立った人類,ニール・アームストロングの伝記を基にした映画である.監督は究極のパワハラ映画『セッション』,昨今のミュージカル映画(アニメを除く)では最大のヒットとなった『ラ・ラ・ランド』で一躍有名となったデイミアン・チャゼル.

セッション(字幕版)

ラ・ラ・ランド(字幕版)

とは言え,Kazchari,実は『ラ・ラ・ランド』は途中で挫折した(観るのをやめた).なんだかなぁ...登場人物の思考,行動が不快にしか思えないというか...映画館なら最後まで耐えたかもしれんが,これまたAma-Priだったので.
一方で『セッション』は良かった.スポ根映画の定石をことごとくブチ壊し,最後のあの表情!圧巻でした.

そんな監督の最新作が『ファースト・マン』.上記2作とも全く違った雰囲気.宇宙物にありがちな壮大・荘厳なBGMや,何らかの救助ミッションが成功して,大歓声の中,コントロールルームでみんなが抱き合うといったシーンは一切ない.クライマックスになりがちな地球帰還時の着水もない.それどころか,宇宙空間に浮かぶ船を“外から”撮ったシーンすらもほとんどなく,基本的に超狭苦しい(拷問か)コクピットの小さな窓から見える青から白,黒へ変わりゆく景色,アナクロなメーター類,凄まじい振動と爆音など宇宙飛行士目線の中心に描かれる.ここがまず新鮮.
ストーリーも重苦しいシーンの連続.笑っている人がいない.そしてやたらに死ぬ.
エンタメ性皆無.そりゃヒットしないわな.

この映画の前に,Eテレの地球ドラマチックで「アポロ11号~人類が月に降り立った日~」を観たばかりだった.乗組員3人のうち,司令船操縦士で月に降りなかったマイケル・コリンズ(今もご存命)のインタビューなど興味深い内容だった.
コリンズさん,探査船着陸中は地球と月の間でたった一人.曰く「最も孤独な人類」と言われていたそうで,番組の取材でも「アームストロングとオルドリンが月から戻ってこなかったら,二人を見捨てて地球に帰還していましたか?」という質問に「YES」と答えている.その他,当時の社会情勢や着陸時の苦労(マニュアル着地した)など,『ファースト・マン』とかぶるシーンがたくさんある.
他にも岡田斗司夫のYouTubeチャンネルのアポロ特集など,事前情報をたっぷり仕入れた上での鑑賞でした.おかげで事実とフィクションがごっちゃになってしまったけど.

いずれにせよ,この映画の本筋は“前人未到のミッションをやり遂げた科学の勝利”“人類の不屈の魂賛歌”ではなく,極めて個人的な人間ドラマ,特に夫婦関係にある.
戦場を始め,死が常に身近にあるような仕事を転々とした半生に加え,自分ではなく幼い娘が脳腫瘍でなくなるという悲劇から,安心・安全な人生,他者との関係に安らぎを求めるような人生から一歩引いているような態度をとっているように思える主人公.そんなアームストロング役を演じるのはライアン・ゴズリング,台詞がほとんどなく,顔の表情や話し方だけで複雑な感情を全て表現している.そういや『ブレードランナー2049』でも,表現方法は違えど,根底は同様の役作りだったなぁ.あちらはレプリカントだが.
奥さん役のクレラ・フォイも上手い.常にイライラしている.何を考えているのかよくわからない夫を,理解したいけどしたくない.そんな心情がよく伝わる.

ブレードランナー 2049 (字幕版)

Kazchariもヨメを日本に置いたまま2年間ジャマイカに赴任した.出発前そして帰国後,一時期この映画の夫婦と似たような状況だったような気がする.この微妙な夫婦関係を描いた映画,ヨメに薦めたいような薦めたくないような...ちなみにアームストロング夫婦,アポロ計画の数年後,38年間の結婚生活にピリオドを打っているそうな.

これまで月に降り立った人類は12人.最初の2人の他はあまり知られていない.そして1972年のアポロ17号の着陸以降,47年間月には誰も行ってない.トランプさんは計画再開を宣言しているが,果たして...

この世界のようになるのか?

MOONLIGHT MILE 1stシーズン -Lift off-

こっちの計画も再開熱望.

てなわけで,ロマン度外視の真面目な宇宙物『ファースト・マン』.オススメです.

『2020年北海道1200km納沙布岬』の情報が出た

次年度の個人的最大目標,長距離ブルベの詳細な情報が出た.
AJ-北海道主催の『2020年北海道1200km納沙布岬』である.

AJ-Hokkaido 納沙布1200km特設サイト

開催日は2020年8月13~16日.前後泊つけて12~17日か.
エントリー開始は2020年1月15日.
国内外を問わず,毎年結構な人数が申し込むので,あっと言う間にSOLD OUTし,キャンセル待ちになるそうな.この日はスポーツエントリー張り付きやね.

いつものブルベと違い,参加費が¥29000.スタッフの労力や宿泊所付を考慮すると十分安い.これで4日間連続の”変態”Activityの代金と考えれば全然高くない.

事前のスタート時間選択,ドロップバッグシステムなど,初めての経験がてんこ盛り.それに,なんといってもその距離! 1200kmである.直線距離で旭川から大阪まで約1170kmなので…おお,自転車で帰省できるやん.完全に未知の領域.今からケツがひりひりするぜっ!

ネットや人脈を駆使して情報収集やな.楽しみ楽しみ.

Amazon Prime videoでこんなのがあった.

London Edinburgh London

こっちは納沙布やPBPよりも長い1400km! 走り切った後に残るモノは...たぶん次の超長距離ブルベへの挑戦権.

『ナイトクローラー』を観た

2019/11/9

ナイトクローラー(字幕版)

(以下,内容に触れます)

ZwiftしながらAmazon Primeでナイトクローラーを観た.

鑑賞後,まず感想として浮かぶのは主人公,ルーの胸糞悪さ.正真正銘のクズである.一方でこのような見方もできる.
「人間,自分が本当に好きなことを見つけると,倫理観もクソもなく徹底的に夢中になれる.うらやましい!」

このルー,他人への共感性は皆無.いわゆるサイコパスなのだろう.本当に孤独だが嘆いてはいない.学歴もコネもなく,建築資材の窃盗で生計を立てている.場合によっては殺人も(あの時計!).

ある日,偶然遭遇した交通事故の現場で報道ビデオカメラマンの仕事を知り,すっかり魅せられる.この時の恍惚とした表情が印象的.
一晩中無線を傍受し,警察より先に現場に到着し,映像を撮り,テレビ局に売る.
night crawler = 夜に這う者.こうした報道パパラッチを指す言葉らしい.

自らの天職に気づいたルー.ここからの行動が早い.高級ロードバイクを窃盗→転売し,小型のビデオカメラを手に入れる.運よく,過激な(テレビ受けする)映像が撮れ,テレビ局の女性ディレクターに認められる.

そこからのルーは水を得た魚状態.当初こそ実績がないのに助手を雇うなど清水的側面もあったが,持ち前の交渉力(コミュ力ではない),行動力,粘着性,さらには卓越したドライビングテクニック(なぜ?)により,実績を上げていく.

周りの人間,特に助手に対し経営学などから,偉そうな理論を宣うが,結局は自分の都合の良い考えだけをピックアップし,相手に押し付けている.
「よく知っているわね.どこで学んだの?」という女性ディレクターの問いに,「全部ネット」と答える臆面のなさ.相手がどう考えるかは関係ない.自らの欲望にとことん正直なのだ.

このような仕事なのに,目立ちすぎる赤くうるさいスポーツカーを選ぶ時点で,ルーの歪んだ認知が表現されている.

こうしたシリアス系映画を観ると,世界一豊かな国であっても,かの国には住みたくないなぁと思う.女性ディレクターが言う「郊外に住む裕福な白人が黒人やヒスパニック系に理不尽に殺される映像が理想的」.この図式が最も稼げるらしい.怖いもの見たさと共に,幸福だった人々が堕ちることに快感を得たいという心理が働くためか.
ヤフコメなんかでミスった素人や芸能人を徹底的に攻撃している人って,快感物質ドーパミンが出まくっているそうな.

フィリピンなどのスラム街の住人の幸福度が高いのは,家族・友人とのつながりが深いからという話がある(“豊かな生活”を知らないからという反論もある).一方,豊かだが格差のある社会では,いわゆる勝ち組で物質的に豊かな人々でも,自宅周囲の治安に問題があると幸福度は下がるらしい.ちょっと買い物に出るだけでもドアtoドアでないと安心できない社会は嫌やなぁ.ストレスに殺されそう.ヨハネスブルグなんて外出時の犯罪遭遇率300%とかいうネタ話もあるし(ようするに3回強盗に遭う).

この映画,ラストシーンが最高のホラー.ルーが新人社員に向かって言う.
「俺は自分がしないことは,お前たちに強制しない」
これ言い換えると,
「俺がするようなことはしてもらう」
ということ.

てなわけで,ピカレスク・ロマンの傑作『ナイトクローラー』.オススメです.