なんと!北海道の「道の駅」が登録抹消!?

2022/2/4 Fri

縮むのか?

SNSのタイムラインにこのニュースが流れていた.

伊達と足寄の道の駅,登録抹消 道内初

ようするに道の駅『足寄湖』『フォーレスト276大滝』が1/31をもって閉鎖されたという話.
両方とも古くからある道の駅だったように思う.

『足寄湖』は1998年の北海道ツーリングで立ち寄った際,鹿肉丼を食べた記憶がある.

1998年9月21日撮影

そうそう,2019年の400ブルベでも休憩に使ったな.

BRM824旭川400km(その2)

トイレやドッグラン施設は残るようだが,何か寂しいモノがある.

『フォーレスト276大滝』はなんと言っても,ふるさと創生基金の一億円で作った豪華トイレと自動演奏ピアノが有名.
確かに一見の価値はあるトイレだった.

ここ数年は運営会社の破産で閉鎖されていた.
そやけど,お隣の「きのこ王国」は大盛況なので,完全に集客ミスだろう.
いっそこっちと合併しといたら「道の駅」として存続できたのでは?
田舎だけに色々あったのかもしれん(邪推).

昔の北海道の「道の駅」はハズレがなく,各地域の威信をかけた特産物,特に「食」へのこだわりが半端なかった.
しかしながら,一町一村体制で「駅」がバシバシ増えてきた頃から,なんだかなーな所が増えてきたのも事実.

昨年,サイクリング中に立ち寄った,某道の駅で頼んだラーメンはひどかった.
どう考えても「サッポロ一番みそラーメン」そのまんま.承太郎なら金を払わないはず.

それにしても「道の駅」って自然災害以外なんかの,やむを得ない事情以外でも,登録抹消されることあるのが驚き.

新コロによる観光客減少が一番の痛手だったのは間違いないけど,それ以前に日本の人口減少による地域衰退の象徴やな.

『フォーレスト276大滝』は今後も再利用の予定がなく,建物がこのまま朽ち果てて廃墟化するのは確実とされている.
北海道,いや,日本中どこでも田舎を中心に空き家や廃屋が目立ってきている.
それが郊外の住宅地へ,やがて都市部にまで及ぶのも時間の問題,
タワーマンションの将来の廃墟化もよく話題になる.

北海道から消えるのは「道の駅」だけではない.
JRの「深川~留萌」「富良野~新得」「長万部~余市」も廃線決定(一部協議中).

日本の人口が増え,かつての賑わいを取り戻す日は来るのだろうか?

今では「少子高齢化」は揺るがない事実として認識されているが,Kazchariが子供の頃は,逆に人口爆発が心配されていた.
小,中学校は12組まであったしな.
単純計算で40人☓12クラスで,1学年424人!? すげー.

それこそ,1979年放送のガンダムの世界では,増えすぎた人口をスペースコロニーに棄民...いや移住させることになってたし,井上陽水も「地球上に人があふれて,海の先にこぼれるのではないか」と1989年に心配してた.

それが今では,人口減少を憂いている.

未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること 未来の年表 (講談社現代新書)

もちろん,“宇宙船地球号”の観点でみると,世界人口は途上国を中心にいまだに増加中.
だが,その状況にしても,大ベストセラー『FACTFULNESS』によると「世界人口は(将来的に)110億人程度に収まる」と論証している.

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

こうして見ると,ほんの十数年で人の認識なんてコロコロ変わっている.
言い換えれば,未来予測なんて当てにならんということか.

「人口統計を元にした予言だけはハズれない」という話もあるが,不測の事態が起こればわからない.“新コロ世界”なんて誰が予測した?

また,いつの日か,人類が人口爆発を心配する日が来るのだろうか?
可能性があるとしたら...戦争? そしてその後?

最近,ロの国とウの国あたりが少々キナ臭くなってるけど...ヤメテー!

橘玲『スピリチュアルズ「わたし」の謎』~サイコパスは誤解

2022/2/3 Thu

フリをしているフリをする

著作が出版されれば,必ず読む作家が2名いる.

一人は言わずもがなの森博嗣.

息子へのプレゼント~森博嗣『勉強の価値』を読んで

もう一人が橘玲(たちばな あきら)である.

この二人は毎回,Kazchariに知的興奮を与えてくれる.

先日,その橘氏の『スピリチュアルズ「わたし」の謎』を読んだ.

スピリチュアルズ 「わたし」の謎

氏の著作を初めて読んだのは10年少し前だったかな.
老後の資産形成を見据え,投資を考え始めた頃だった.

そのおかげで,インデックス長期分散投資の有利性を理解し,そして「PT」という存在を知った.
世間には,定住地を持たずタックスヘブンに資産を預け,諸外国を転々とする「永遠の旅人(Permanent Traveler;PT)」がいるらしい.
元来の旅人気質で状況が許すなら10年でも20年でも旅し続けたいと考えているKazchariには憧れの存在(?)だった.

最近は,国家間における金融取引の情報交換が厳密になり,合法的な節税がほぼ不可能になったらしいが,それならばと,昨今では早期リタイヤたるFIRE信仰が大流行している.
やはり労働嫌いっつーか,徹底的に好きなことだけしたい人間はどの時代も一定数いるねんなぁ.

その後も,人的資本の大切さを解説する『専業主婦は2億円損をする』や,最新の知見に基づく遺伝の影響を赤裸々に綴った『言ってはいけない』などの発表で,炎上騒ぎを起こしている(あくまで一部界隈だけだが).

専業主婦は2億円損をする

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

さて,今回読んだ『スピリチュアルズ「わたし」の謎』は,書名だけ聞くと”あっち系”っぽく,少々胡散臭いが,中身はヒトの“性格”を科学的に論述した書籍である.
例によって,世間にはびこる有象無象の自己啓発本とは一線を画した内容.

以下,簡単に概要を紹介.

パーソナリティ心理学における「ビッグファイブ(主要五因子)」をベースに,ヒトの性格を①「外向的/内向的」②「楽観的/悲観的」③「同調性」④「共感力」⑤「堅実性」⑥「経験への開放性」の要素に還元.さらに⑦「知能」⑧「外見」を加え,計8因子で紐解いていく.

その分析は3つの原則に基づいている.

(1) こころは脳の活動である
(2) こころは遺伝の影響を受けている
(3) こころは進化の適応である

これらの前提を元に,本書の内容をざっくりまとめると,遺伝や脳の神経伝達物質など,個人の力ではどうにもできない要素で,ヒトの性格は形成される.

その性格傾向を無視するような(日本人が大好きな)「努力すればなんとかなる」は幻想.
「努力できる」も持って生まれた才能の1つ.
やはり,現代社会を生き抜くには「適材適所」を見つける,これにまさる行動はない.

とまぁ,一応教育関係の仕事に就いているにも関わらず,今回も“言ってはいけない=身も蓋もない理論”に同意してしまう.

さらには,Kazchari自身の性格分析にも新たな知見を発見.

それは「共感力」に関する章.

この章では,「共感力」すなわち「相手と感情を一致させる能力」について述べている.
それに「メンタライジング」という「相手の“こころ”を理解する能力」という別の要素を掛け合わせて分析している.

つまり,「共感力」が高いか低いか,「メンタライジング」が高いか低いかで四象限のグラフを作ると,次のような分類になる(そのままの図を載せるのまずいので文章で).

(1) 共高/メ高 ⇒ コミュ力が高い
(2) 共低/メ高 ⇒ サイコ
(3) 共低/メ低 ⇒ コミュ力が低い
(4) 共高/メ低 ⇒ アスペ

おお,ものすんげー納得.

Kazchariは昔から,周囲の人間に「冷めてる」だの「ヒトデナシ」だの「ノリが悪い」だの「ワタシの気持ちをわかってくれない!」と(たぶん愛情こめて)ボロカスに言われている.

「共感力に問題がある=アスペルガー症候群」という言葉が世に出てきた頃,「あぁ,Kazchariはこのタイプかなぁ」と思い,周囲に「オレ,アスペっぽいかも」と自嘲気味に話していた時もあった.

ただし違和感もあった.
アスペルガーの場合,定義上「人の気持ちがわからない」という前提があるのだが,Kazchariにそれはない.
例えば,目の前の人が泣いている場合,事情を知れば「なぜ泣いているのか」は理解できる.
そこに至った過程,感情の推移,表情などのノンバーバルな情報,脳科学的知識で分析し「泣いている理由」は理解できる.
ただし,それと「共感」は別.
「そこまで泣かんでもええのに...」とついつい思ってしまう.

それがこの本の解説で目からウロコドロップ.
言われてみれば当然なのだが,「理解」と「共感」は別モノなのである.
これでKazchariも今日から立派なサイコパス!...ってこれもイメージ良くないけど.

映画『羊たちの沈黙』のおかげで,「サイコパス」という言葉に「異常犯罪者」や「連続快楽殺人者」といったレッテルが貼られてしまった.

羊たちの沈黙 [Blu-ray]

しかし,なんでもかんでも相手の気持ちに「共感」しまくっていたら,ヒトは合理的に効率的に,そして道徳的に行動できない.
リストラを断行する経営者,死地に赴くよう命令する将官,成功率の低い手術をする外科医.
あくまで結果が伴うという条件付きだが,社会的成功者には「サイコパス」が多いという.

岡田斗司夫も「自分はサイコパス」と言いまくって,宣伝文句にしてるしな.

橘玲は述べる.

「サイコは“障害”ではなく,男のごくふつうのパーソナリティ」.

程度の問題に過ぎない.

物事を「冷たい認知」つまりメンタライジングで観察することで,今何をすべきか,言うべきかが判れば,つまり演技すれば社会生活に問題はない.

フリのフリを最後まで貫けば,それはホンモノとなる(かもしれない).

つーことで,やはり面白い橘玲の『スピリチュアルズ「わたし」の謎』,超絶にオススメです.

『戦闘メカ ザブングル』の思い出

2022/2/2 Wed

芸人さんの話ではありません.

iPhone11 Pro

昨年末,HDレコーダーの番組表をチェックしていて目を疑った.
なんと『ザブングル・グラフィティ』が地上波で放送されるとのこと.
これは要録画案件.

ザブングル グラフィティ [DVD]

1983年7月9日に劇場公開された作品である.
内容としては,TVシリーズの(一応)総集編.

併映は『ドキュメント太陽の牙ダグラム』『チョロQダグラム』
ちなみに劇場には行かなかったなぁ.なんでやろ?

当時は毎年&毎日,TVでロボットアニメを放送していた夢のような時代.
その中でも,やはり頭1つ飛び抜けていたのが日本サンライズの作品群.

まずは富野カントクの『ザンボット3』『ダイターン3』『ガンダム』『イデオン』.夢中になった.

そして『ガンダム』『イデオン』の劇場版に続く(いや並行か?)富野作品が『戦闘メカ ザブングル』である.

本来は富野カントクではなく,別の人が担当する宇宙モノとして企画が進行.
色々ゴタゴタがあって,富野カントクが引き継ぎ,その際に設定を大幅に変更.
宇宙モノが,なぜか“西部開拓時代風SF活劇”になった.

それゆえ主役メカである「ザブングル」のデザインが,その世界観に絶望的にそぐわない.
ジェットエンジン+翼で空を飛んで変形合体なんて,いくらなんでもオーバーテクノロジー.
周りのメカがハンドメイドの土木系重機なので,浮きまくっている.
よくそのまま採用したなぁ.

HI-METAL R 戦闘メカ ザブングル ザブングル 約170mm ABS&PVCダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

その反動なのかどうかは知らんが,ロボアニメ初の主役メカが同型複数登場+途中交代は実に斬新.
特に後半の主役メカ「ウォーカー・ギャリア」のデザイン,設定はギリギリ世界観にマッチしている.

HI-METAL R 戦闘メカ ザブングル ウォーカーギャリア 約180mm ABS&PVCダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア

そして,ザブングルのリアルver.とも言える「ブラッカリィ」にスタッフの意地を感じる.

HI-METAL R 戦闘メカ ザブングル ブラッカリィ 約185mm ダイキャスト&ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア

ストーリーは西部劇+『ナウシカ』もしくは『猿の惑星』
冒頭のナレーション「惑星ゾラと言われる地球」が正確には「惑星ゾラと言われるようになった地球」だったとは気づかなかったなぁ(棒).

ザブングルの売りは,なんと言ってもその動き.
特に第一話にはたまげた.
明らかに『未来少年コナン』を意識している.

『未来少年コナン』再放送&配信中

ただなぁ...そのクオリティは限られた数話のみ.
キャラデザイン+総作画監督の湖川友謙さん率いるビーボォーの担当回のみがズバ抜けていた.
まぁ,この時期のアニメは誰が作監かによって絵柄がバラバラなのがお約束(ああキリコ).
それに比べれば,昨今のアニメのキャラ崩壊なんてかわいいもんだ.

また,その後の富野アニメの悪癖である,最初は明るくても徐々に暗くなる展開も健在.
ソルトのエピソードとか,エルチの失明とか...元々そんなシリアスな話だっけ?

ただ全体的にはポジティブで元気なストーリー.
後の『キングゲイナー』と並び白トミノの代表作である.

さらにお気に入りのポイントと言えば,その主題歌である.
和田アキ子と声質がそっくりな串田アキラですよ! ギャバンですよ!

オープニングも素晴らしいが,Kazchari的にはエンディングの『乾いた大地』を神曲認定.
以前,ザブングルとかアニメとか全く興味にない友達が,Kazchariの部屋で,偶然この曲を聴いていたく感動していた.そう純粋に楽曲として素晴らしい.

もちろん,MIOの挿入歌も忘れてはならない.
イチオシは『忘れ草』
TVでたまにやってる「アニソンベスト○○」とかに全くノミネートされないのは理解に苦しむ(ヲタクの戯言).

さて,その録画した『ザブングル・グラフィティ』を,先日,小学3年生の息子と観た.
イマドキの美麗アニメを観まくっているヤツの目に,40年前のロボアニメがどう映るのか楽しみ.

さすがに全50話のアニメを上映時間90分に収めるのは不可能なので,ホンマにエッセンスだけ,つまり“本編視聴済み前提”で作られている.

導入部分は割と尺を取っているが,以降は場面がバシバシ飛ぶ.
Kazchari自身も放送終了後,全話見返したことはないので,ほぼ40年ぶりの再視聴となる.
そう,当時,我が家にはまだビデオデッキがなかったのだ.
つまり本番のみの一発視聴が当たり前の時代.

しかしながら,今でもストーリーの割と細かいところまで覚えている.
この映画でピックアップされたシーンにも,たいてい見覚えがある.
中学生の“記憶力(ちから)”の成さしめる業だろうけど,他の理由として,当時購入したムック本や,プラモ製作のためにメカ設定画をアホほど眺めていたことが大きいと思われる.

つーことで本編の感想.
文字通りグラフィティ=落書きだった.

時系列ではあるものの,前後の話に関係なく名シーンが映し出されたり,突然,絵が止まり「これが動撮だ! 間に合わないとこうなっちゃう」とテロップが入る(息子混乱),

また,いわくつきの「トロン・ミラン」回の前には「関西のみなさん,おまたせ」のテロップが入ったりと,メタ的視点も取り入れられている.

※ この第27話は,甲子園の試合が延長になり,関西地方では放送休止になった.

一番驚いたのはラスト.
死んだはずのアーサー様が実は生きており,失明したエルチを「イノセントの技術で治してあげよう」と申し出るハッピーエンディングに変更されてる.
あれ? これって後年,悪夢の『新訳版Z』でも似たような...ゲホゲホ.

つーことで,少なくとも本編を一通り観ているKazchariおじさん的には満足.
懐かしいだけでなく,よくできた構成だと思う.
このラストの改変も“本来の”ザブングルらしくて良い.

で,息子はというと「ロボットの走り方が良かった」らしい.
おお,本質をついとるではないか.

そしていつものお約束会話.

息子「とーちゃん,このロボットのおもちゃ持ってんの?」

Kazchari「あたりまえやろ.超合金のザブングルもギャリアもあるわ!」

息子「ちょーだい! ちょーだい!」

Kazchari「アホか! 自分で稼いで買え!」

平和だ.

さて,そんなザブングルだが,他にも気づいたことがある.
先程,再視聴はしていないと言ったが,正確には,かなり前にレンタルDVDでTVシリーズの1枚目を借りた.

『ザブングル』は版権の都合なのかどうかはわからんが,財団B(EMOTION)ではなく,「タキ・コーポレーション」という会社からLD,DVD化されていた.

同じく版権を持っていた『イデオン』はマシだが,『ザブングル』DVDの画質のひどさは非常に有名.
妙に色合いが濃く,赤っぽいのだ.
悪名高い『千と千尋』のDVDよりひどい.
これは見れたものではないと,2枚目以降のレンタル視聴を断念した.

それが,今回の『ザブングル・グラフィティ』では見事に改善.
自然な色合いになっている.
発売が予定されているTV版のBlu-ray BOXは期待できるかも...

「戦闘メカ ザブングル」Blu-ray BOX PART-1

と言っても,いまや時代はサブスク.
「BANDAI CHANNEL」で全話配信中らしい.
これ以上加入先を増やしたくないので,「Amazon Prime Video」でも解禁してくれへんかな.
ガンダム系ばかりは飽きた.

さて,当時のサンライズアニメと言えば,高橋カントクの『ダグラム』『ボトムズ』『レイズナー』『ガリアン』『ガサラキ』路線も忘れてはならない.

『ボトムズ』人気は相変わらずだが,昨今,『ダグラム』も『ガンダム サンダーボルト』で有名な太田垣康男氏の新作マンガが発売されるなど,盛り上がりを見せている.
えー,でも『MOONLIGHT MILE』『サンダーボルト』をちゃんと終わらせてからの方が...ゴホンゴホンオニャンコポン.

Get truth 太陽の牙ダグラム (1)