『マトリックス レザレクションズ』を観た~続くのか?

2021/12/18 Sat

THE CATRIX.

つーことで,初日に行ってきました.
4DX2Dが会員デーで¥2,100.さすが旭川,安いぜ!

以下,(核心にはふれませんが)ネタバレ.

無印マトリックスで観たような場面とセリフでスタート.
まさか,エヴァ劇場版『序』的な”似ているけどどこか違う”風の作劇で攻めていく?

あれ,でもこのトリニティ,何かおかしい.
こんな顔じゃなかったような...それに若い.誰?
と,動揺していると,このモドキはエージェントにあっさり捕まってしまう.

そこへブルーヘアの新キャラ乱入.
うん? パラレルワールドなのか?
もしくはプッチ神父が勝って世界が一巡したのか?
もしかして,7人目の救世主の物語?

とかなんとか,序盤から謎を解いてやろうと色々妄想.
この映画,この頃が一番面白かったな.

やがて,ネオことアンダーソンの部屋でエージェントになってしまっているモーフィアス登場.
さすがにフィッシュバーンではない.今何歳だ? あの人.
新しい役者さん,かなり線が細いけど似てないことはない.

で,このあたりで,ネオ(アンダーソン)が目を覚ます.
明らかにマトリックス内にて,世界的に有名なTVゲームクリエイターとして大成功を収めている設定.
無印同様,世界に違和感を覚え,カウンセリングを受けたりしている.

この会社の共同経営者はなんとスミス(顔は違う.ウィービングも降板).
社長室には『REVOLUTIONS』のラストバトルで,ネオに殴られた瞬間の“変顔スミス”の胸像が置かれている.

ちなみに,この後,訪れるアイオン(?)だっけ,そこにはモーフィアスの銅像が立っている.
本体は既に死んで,マトリックス内に残されたデータで復活したという設定か.
現実世界ではナノ粒子状.

旧作の功労者への配慮も忘れない.
あれ? 実はこの映画って同窓会?

スミスは親会社から,大ヒットしたゲーム『マトリックス』の続編を作れとせっつかれている.
ネオは全然乗り気じゃない.
それでも開発会議には責任者として出席.
そこでかわされるメタ的会話が面白い.
マトリックスが以降の創作物に与えた影響を,みんなが発言しまくっている.

えっ,実はこういう映画なん?
劇中劇パターン?
まさかの『シン・エヴァ』のマイナス宇宙的な?

いや,もう,何が狙いの映画かわからんようになってきた.

ついに,ネオはトリニティと出会う.
今はティファニーという名で,人妻で男の子二人の子持ち.
キリスト教的記号が消えている.
でもドカティ大好き(わざわざメーカー指定).

あれ? ネオにしてもトリニティにしても,あれだけキレイに死んだのになぜ生きている?
そうか,レザレクションズ=復活したのか.でもどうやって?

なんだかんだで,新モーフィアスとブルーヘアの新キャラと接触したネオは赤いカプセルを飲む.
旧作同様,赤い液体のカプセルで目覚め,ケーブルを引き千切る.
はいはい,来ました来ました昆虫メカ的な何かが.
しかし,今回は親切にネオをつかんで船まで運んでくれた.

船内で色々とネタばらし.
劇中では『REVOLUTIONS』から60年経過している設定.
アーキテクトに変わり,現マトリックスの支配者,アナリストが二人を”修復”し,どういう状況にしておけば最大限のエネルギーが発現するのか興味を持ったらしい.
結果,ネオのすぐそばにトリニティのカプセルを設置.

マトリックスでは髭面だったネオも,現実世界では髭なしハゲ.
キアヌ・リーブス,老けないなぁ...と思ってたけど,上映先日まで旧作観ていただけに,やはり20年の年月は隠せない(顔のたるみ).
髭面シーンが多いのはそれをごまかすためなのか.
おかげでジョン・ウィックと区別がつかんぞ.
むしろトリニティの方が若さを維持していたように思う.
一般に女性の方が外見の老化は目立つが(ああレイア姫...).

もちろん,トリニティへの「愛」に生きるネオは今すぐ奪還作戦を開始したい.

船はザイオンに変わる新しい人間の町,アイオンに向かう.
懐かしのナイオビがリーダーとなっていた.推定80歳.
ネオが「ザイオンはどうなった?」と聞いても口を濁す.
何かの伏線?

この町には旧作のザイオンのような世紀末感が全くない.
人間に懐くマシンはいるわ,野菜の栽培も成功し,おいしいイチゴが採れるわで,むっちゃ平和.
あれ,ネオが戦う理由はどこに?
よく考えれば『RELOADED』でも,ネオはザイオンを救うかトリニティを救うかの選択を迫られた時,結局,人類より「愛」を選んだ.
元々そういう優先順位の救世主だった.

とまぁ,トリニティ奪還作戦の発案はこれまた懐かしインド人の女の子,サティによるもの.
さらには,途中の戦闘では落ちぶれたメロヴィンジアンも登場と,これまた完全に同窓会.

話は進んでアナリストの前でまたまた選択タイム.
今回はトリニティによる選択.
ネオなのか,それともダンナと子供なのか?
まるで某篠原涼...

ネオが選ばれて,スミスが助っ人にきて,なんだかんだでマトリックスでの最終決戦へ.
ドラゴンボールっぽい肉弾戦でも,ボトムズっぽいメカ戦でもなく,今回はバイクアクション+対ヘリコプター戦.

バイクを操縦するのはトリニティ.弾止めするのはネオ.
ネオはまだ覚悟がないのか,どれだけやばい状況になっても,飛べるイメージが持てない.

いざと言う時,頼りになったのはトリニティでした.
そういや,ラストシーンでアナリストをしばき倒してたのもトリニティ(ネオは見てるだけ).

ここまでして,女性の強さを描くようになったのは,兄弟監督が姉妹監督になったためなのだろうか...

昨日の記事の最後にも書いたが,鑑賞中に頭に浮かんだのは『コードギアス 反逆のルルーシュ』
無印から『R2』冒頭にかけての展開が似ている.もしくは『復活のルルーシュ』か.

コードギアス 反逆のルルーシュ 5.1ch Blu-ray BOX (特装限定版)

コードギアス 復活のルルーシュ (特装限定版) [Blu-ray]

『ボトムズ』でたとえるなら『赫奕たる異端』以降の出がらし続編っぽい.

つまらなかったとは言わないが,正直,蛇足感が否めない新作やったなぁ.
50過ぎのカップルのイチャイチャを大画面で見て楽しめる客層って?(偏見).

『シン・エヴァ』が卒業式(by岡田斗司夫)なら,『レザレクションズ』は同窓会.
ちょこちょこと過去の名シーンがスライドショー的に間に挟まれるし.

と,なんとなく不満を抱えて,夜はZwiftしながらフランス制作の『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』を観る.
これが,めちゃむちゃ面白かった.
個人的には海坊主は元より,カオリの再現度が凄まじいと思う.
日本で作られる漫画原作の実写版がことごとくアレな中,なんでフランス人がここまでこだわって作れたのか?
これぞ(原作)愛の力.
ポリコレにこだわりすぎて,違和感ありありの昨今のハリウッド映画に比べ,「そんなん知るか!」的な悪ノリで作られている.
娯楽って,そういうものでしょ.

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

『マトリックス』もエンドロール後のおまけで自虐的になる前に,旧作のようなトンデモない作品がまた観たい.
もしに再び続編があるとしたら「レザレクション=復活」の次だから「伝道」か.「伝道」って,確か英語で...Evangelism!

スゲー,ひょっとしたら邦題が『マトリックス エヴァンゲリオン』になったりしちゃったりして.

『THE MATRIX』~新作公開前に私的リバイバル

2021/12/17 Fri

全てはここから.

いよいよ公開されるシリーズ最新作『マトリックス・レザレクションズ』

マトリックスレザレクションズ 公式サイト

『007』同様,事前のネタバレを完全に封印し,今日からの公開に備える.
ゆえに順当に続編なのか,はたまた無印のリメイクなのか,(無印と比較すると)評判のあまりよろしくない『RELOADED』以降の作り直しなのか...全くわからない.

そして『マトリックス』3部作の私的リバイバル上映をスタート.
幸い,Amazon Prime Videoで全作サブスク配信中.

マトリックス(字幕版)

ちなみに,数年前に海外通販で安く購入した“新品未開封の”Blu-rayディスクも持ってたりする.
こういう人,わりと多いのでは?

もちろん無印は1999年の公開時に劇場でも観た.
かの有名な「360°グルグル回りながらののけぞり弾除け」はCMでもガンガン流れていたので,それほど新鮮味はなかったが,仮想現実そのもの設定が魅力的だった.

目の前にあるモノは現実ではない(かもしれない).
全ては脳内に流れる電気信号が思わせている.
感情ですら神経伝達物質の増減で操作可能.
ちょうど,医療系専門学校で脳科学について学びはじめたKazchariには実に刺さる内容だった.

公開後20年以上経って改めて鑑賞すると...やはり色褪せない魅力がある.
真っ黒ディスプレイに上から降ってくる緑色のアルファベット,数字,そして反転カタカナ.
誰もがイメージするマトリックスのビジュアル.
そうそう,昔のディスプレイってこのブラックとグリーンやったよなぁ...

もちろん今の基準だと,
ワイヤーアクションもっさり.
スローモーション過多.
CG不自然.
と,思ってしまうが,これは我々の目が肥えてしまったせい.
マトリックスでのこの表現が全ての元祖なのだ.
日本がアニメーションで表現してきたことを,アイデアと独創性あふれる極限の撮影技術で実現.
後に『ANIMATRIX』が造られるのがご愛嬌.

マトリックスで死ねば本体も死ぬ.
「心と身体はつながっているから」というセリフで納得させようとするが,今思うに,これって「スタンド」と本体の関係に似ている.

”目覚めた人たち”は,マトリックスにいる時も,ここがマトリックスであると認識している.
ゆえに訓練(もしくはインストール)すれば,なんでもありのアクションを展開できるわけだが,能力の個人差があるのはどういうわけだ?
ネオが救世主扱いされた所以は「一度死んで生き返った」「エージェントに勝った」「空を飛んだ」という,他の”目覚めた人”にできないことを平然とやってのける点だと思うが,これってネオの「イマジネーション力がズバ抜けていたから」で解釈して良いのだろうか.そこにシビれるッ,あこがれるゥ!

ネブカドネザルの船内が汚い.
ムシムシしている.
臭そう.
この辺はスターウォーズ(ミレニアム・ファルコン)っぽい.
特にネオ他,乗組員のシャツが汗じみてるのが良かったな.
生命体が自らの分泌物で汚れている感.
面白いのは黒バック+グリーンフォントのモニターを観て,何が起きているかわかってしまう乗組員.不思議.

つーことで,無印を久々に鑑賞.
もう,これで終了しても何の問題もないどころか,むしろ続編作らなくても良かったのでは?,と後から思うくらいよくできている.

続いて『RELOADED』
こっちはもうエージェント・スミスが無敵過ぎて「結局何やっても倒せないんでしょ」と冷めた目線になってしまった.

ラスト近くで,ネオが素手でセンチネルを止める.
「おおっ,ついに虚構と現実の狭間を越えたか!」と興奮したが,『REVOLUTIONS』で「実は境目に取り残されただけでした(テヘベロ)」とわかり,心底がっくりきた.

そして,中身がスミスのベインに襲われ,ネオが目を潰されてしまう.
フォース...じゃなかった心眼を使ってなんとかマシーン・シティにたどり着き,巨大なウニ...いや大怪球じゃなかったマトリックスのメインフレームと対峙.
ネオは「自分と同じシステムイレギュラーであるスミスを駆逐すれば,ザイオンを助ける」という約束を取り付け,ドラゴンボール実写版的なタイマン勝負でスミスを倒したというか,オラクルの戦略勝ち.

初見時は「えーっ!ネオ死んでもうたやん.なんやバッドエンドかー!」という感想だった.
冷静に考えると,そもそもが本編に散見されるキリスト教用語やモチーフ.
最後は盲目の殉教者が磔ポーズで召されていく...のは当然の流れ.

今思うと,マトリックスって体内免疫システムの話でもある.
ウイルス,自己免疫,抗体,増殖,ホメオスターシス...
まぁ,元々コンピュータやロボットそのものがヒトの代用品やし.

それにしても当時は革新的だった撮影技術.
まさか20年経つと,たかだか5万円程度の小さなカメラで誰もが撮影可能になるとは驚き.
とは言え「できる」のと「やる」の間には深い溝がある.

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この私的リバイバルのために,当時買ったパンフレットを引っ張り出してきた.
このパンフの出来,特に無印が...ひどい.
確かに情報量は半端ない.
ただし,デザインセンス,レイアウトめちゃくちゃ・
本編のスタイリッシュさからほど遠い.

最大の欠点は...フォントの小ささ.
ほとんどのページが,Wordでいうところの8pt程度の大きさしかない.
読むためにはシニアグラス必須.
さらには,黒バックに灰色フォントで全面文字という,狂気のページすらある.
そこはせめて,グリーンの縦書きフォントでは?

見開きヴィジュアルでごまかすイマドキのパンフレットより有用かもしれんけどな.

つーことで,下準備万端.
さぁ『レザレクションズ』観に行くか!

(数時間後,帰宅)

まさかの『コードギアス』だったとは...(to Be continued)