ファースト・ガンダムで教育,いや洗脳?

2021/1/30 Sat

♪ライリーライリーライリーリラー.

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ヨメさんが美容院に出かけていない.
天気も悪い.
子どもが2人とも家にいる.
となれば,あれしかないでしょう!
そう,『ファースト・ガンダム』鑑賞会!

さすがにTV版43話をちまちま見せるのは膨大な時間がかかるので,ここは手堅く『劇場版三部作』を.

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もちろん,あの悪評高い「特別編」(ジャブローで「哀・戦士」が流れない,ライフルの音がポヨン)ではなく,オリジナル音声版で.

第一部(という名称はない)は1981年公開.
確か前売り券を買うのに並んだ記憶がある.
そして公開日,梅田の松竹会館から延々と伸びる列は地下へ.
懐かしい.

TV版1話~13話までを137分(長い!)にまとめた総集編だが,神がかった編集によって1本の映画として成立している.
世界観,語りつくされたストーリー,セリフ回し...最高だ.
ただし,作画がなぁ...
スケジュールの厳しさを感じさせるデッサン崩れは元より,色パカ背景ベタ塗りのTV流用パートと新作部分の差が激しい.
まぁ,第三部の「めぐりあい」よりはマシ.
『Z』の劇場版? おっと,それは言わない約束だ.

さぁ,最近の美麗な映像に慣れた,娘と息子の評価はどうだっ!

...えー,食い入るように見てます.

息子はプラモにて「ザク」「ガンダム」は知っており,重度の声優ヲタ化している娘に至ってはアニメ特番などで流される,定番の名セリフが出る度に笑っている.
もちろん,そのすぐ脇でそのセリフを諳んじるKazchariの存在も笑いを誘引しているのは間違いない.

アムロのうじうじシーン(ベッドで頭抱えてうずくまる場面)で,息子が「シンジくんだ」とつぶやいたのが面白かった.
そう,前日にはTVで『エヴァQ』を放送していたのだ.

一番笑えたのが,ブライトがそのうじうじアムロを殴るかの有名な場面.
ちょうどこのタイミングで退屈したアホ息子が,娘の身体をふざけて蹴り飛ばし始めたのだ.
娘がやめてと言うのに調子にのってたので,キレたKazchariが息子にげんこつ.

その時,画面から「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」という例のセリフ.
タイミング良すぎて3人で爆笑.

「グフ」とランバ・ラルの素晴らしさを勝手に解説し始め,ギレン総帥のお言葉をほぼ完ぺきに諳んじるKazchari.
子どもらに十分うざがられた頃,本編終了.

(Kazchariは)面白かった.

そして,エンディングで流れる主題歌はやしきたかじんの『砂の十字架』
まぁ,歌詞や曲が内容に合っているかと言えば...少々疑問.
後年,たかじんは”アニソンを歌った”という経歴が嫌でずっと封印していたと聞くが,ホンマかな.
谷村新司は後年『∀ガンダム』で再びかかわることになるけど.

見終わった後,息子に感想を聞くと「シャアがかっこよかった」「アムロは目がきもい(?)」と至極当然の答え.
そうじゃろ,そうじゃろ.

こうしてガンヲタ洗脳計画,第一幕が完了した.

にしても...今やディスクの種類多すぎ.
KazchariがDVD版を購入したのが2007年.
最新規格が出る度にディスク化されるが,絵の古さはどうしようもない.
そろそろ『ジ・オリジン』のクオリティで作りなおしてほしいものだ.
ただし,ブラウ・ブロは宇宙(そら)で戦わせてくれ.

蔵前仁一『失われた旅を求めて』を読んだ

2021/1/30 Sat

旅と写真.

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最後に海外旅行に出かけたのは2019年の12月.
このブログでも書いたラジャ・アンパットのダイビングクルーズである.

2019年のラジャ・アンパットダイビングクルーズ(1)

2020年は新コロのおかげで鎖国状態.
そんなモヤモヤの中,久々に旅行人のサイトを覗くと,蔵前仁一さんの新刊が発売されていた(4月やけど).
帯にはこうある.

1980~90年代、バックパッカーが自由に旅できた時代。それから世界は何を失い、どう変わってしまったのか。蔵前仁一が撮影した失われた世界へ旅する。

この文読んだだけで購入決定.

いつもならAmazon一択なのだが,書籍なら送料無料かつ蔵前さんのサイン入りということで本家サイトで購入した.

早々に届いたので読む.
思ったよりも小さく,薄い本だったが中身は濃い.
この年代は,ちょうどKazchariがバックバッカーだった頃とかぶる.
自分の旅した場所限定ではあるが,何もかもみな懐かしい.

章立ては以下の通り,

世界で最も変わってしまった場所:中国,クンジュラブ峠,チベット
時が変えてしまった場所:タイ,ベトナム,カンボジア,ミャンマー
失いきれないインドとその周辺:インド,パキスタン,ネパール
世界から失われてしまった場所:イラン,シリア,イエメン
旅行者に失われてしまった場所:アルジェリア,サハラ,マリ,ケニア,ウガンダ

蔵前さんの書籍は伝説の名著『ゴーゴー・インド』からほとんど読んでいる.
この本はちょうどインド旅行から帰ってきてから読んだと思う.

それまでのインド本と言えば,藤原新也『印度放浪』や椎名誠『インドでわしも考えた』など,旅行記というよりは比較文化論,ようするにやや硬い印象のモノが多い(後者は異論あり?).
両方とも名著やけどね.

一方の『ゴーゴー・インド』はゆるーいコラムとシンプルなイラストで構成.
経験者にとっては旅の追体験,“バックパッカーあるある”で大いに笑わせてもらった.

続く『ゴーゴー・アジア』『ゴーゴー・アフリカ』も読み,その他の著作も...ほぼ全部読んでいるはず.

さて,『失われた旅を求めて』だが,中国がその経済発展に伴って国内風景が激変しているのは納得だが,逆に「コルカタ(カルカッタ)は変わらない」が興味深い.
インドは時の流れが違う...というか,あの大陸には過去と現代と未来の全てが同居している.
こうやって書くだけでも,あの混沌のサダルストリートが思い出される...ホンマに変わってへんのかな.

写真もフィルムならではの質感がかえって新鮮.
この不鮮明さが,もう戻れない記憶の中の“あの頃感”をかもしだしている.

筆者も述べているが,やはり残っている(旅行中撮った)のは有名な観光地の写真が多く,街の風景を撮ったものは意外に少なかったそうな.
つまり(外国人に見せるため)観光地は変化が少なく,庶民が生活する街中の方がどんどん変わっていく,資料としては後者の方が重要ということやな.

フィルムの場合,一枚一枚が貴重.
気楽に撮れない.
キレイに撮れたかどうかの確認すらできない.

たくさん撮りたければ,フィルムそのものを大量に持参する必要がある.
現地で現像を頼むこともあるが,プリントの質も悪い.
荷物を減らしたい場合は,国際郵便で郵送するしかなかった.

まぁ,2000年以降のデジカメ時代になっても,wifiで自分のクラウドやSNSにアップするなんてのは,かなり後世の話.
そもそもネットカフェを探すのも一苦労やったし,回線状況も悪く,大量のデータを添付して送るなんてことも現実的ではなかった.
日本語環境がなくて,ローマ字でメール打ったこともあったなぁ...

世界中色々な場所に行ったけど,やはり1993年の1月から11月にかけて旅した東南アジアが一番印象に残っている.
タイ,ラオス,カンボジア,ベトナム,マレーシア,シンガポール,インドネシア,7つの国の物語.

何しろ自由だった.
そして旅は長くなればなるほど日常に近づいていく.
熱帯のけだるい空気の中に溶け込みそうやったな.
結局,居心地が良すぎたせいで油断し,睡眠薬強盗に遭って帰国という,恥ずかしい終わり方になってしまったけれど.
あれは「そろそろ目を覚ませ!」というお告げだったのかもしれん(ハード過ぎるやろ).

チャンネル登録しているガジェット系YouTuberが最近こういう動画をあげていた.

かなりクセの強い人物だが,概ね同意できる.
20歳以上年下やと思うけど,長期旅行者って同じような思考になんねんな.
特に「旅に出ると自分の実力がわかる」に関しては,ホントにそう.

自分が進まないと世界は動かない.
良い意味で世界の中心になれた.
旅のできる人生で本当に良かったと思う.

ブログで「カンボジア日記」を上げるようになってから,昔のネガフィルムをスキャンし,デジタル化する作業を少しずつ行っている.

旅の回顧録~1993年のカンボジア(1)

そのままスキャンするだけでも悪くないが,少しレタッチすると,いわゆる記憶色により近いものになる.

1993年1月11日タイ-バンコク 北京飯店にて

Kazchariはレタッチソフトとして,ややマイナーな『SILKYPIX』を昔から使っている.
何しろ水中写真の補正に強い.
唯一無二.