BRM824旭川400km(その4)

【PC3~通過チェック:セブンイレブン富良野山部店】

スタート以来履き続け,ジメジメだったソックスを履き替える.
が,サドルバック(R250スモールサイズ)内もしっかり浸水しており,やや湿っていた.
次回は手抜きせず,ビニールに包むなどして完全防水を心がけよう(といつも決意はする).
ここまでは半袖ジャージ+長袖インナーだったので,ウィンドブレーカー着用.
さらに眠気覚ましの夜間走行秘密兵器:骨伝導イヤホンを装着し,本ブルベ最大の山場,真夜中の狩勝峠へいざゆかん!

ボトルに水を補給,フロントポーチにオレンジシュースをつっこみ,人気の全くない鹿追-新得の市街地を走る.
300mほど後方からは先ほどのTさん号のライトが迫る!
別にレースではないが,なんとなく追いかけられている気分で,なぜか焦る.

これまた昨年の『アタック三国峠』で通った見覚えのあるコース(屈足付近)をたどり,峠の上り下りを繰り返す.
乗用車はほとんど通らないものの,時折,大型トラックや自衛隊車両とはすれ違ったり,追い抜かれたりしたなぁ...こっちも相当怖いが,向こうもまさかこんな夜に,こんな道をチャリが走っていたらびっくりするやろなぁ...
鼻歌を歌いつつ,路肩の向こうからのカサカサ音にびびりつつ,ゾンビ走法を意識しつつ(矛盾?),非日常的な異空間に漂う.

眠気は全くない.

正直うわさの“幻覚”が観たい気がしないでもないが...それは相当ヤバい状況?

やがて国道39号に合流し,いよいよヒルクライム開始.
スタート地点にはご丁寧に“ここは二合目”といった看板まである.
目標になるかプレッシャーになるのか...
たまにすれ違う対向車線の車からクラクションの応援.
あれ,幻覚ではなく本物やろな?
後で他の参加者のブログを読んだり話を聴くと,狩勝峠は雨と風で大荒れだったそう.
幸い自分の登攀時は無風・無雨で実に平和.
暑くて途中でウィンドブレーカーを脱いだくらい.
9合目を過ぎ,山頂ちょっと前に日付が変わった.
ややガスがかかっているものの視界良好.
峠で休憩も考えたが,先のコンビニでの補給を優先し,ダウンヒル開始.
もちろん最大の脅威は鹿!

寝ぼけていたのか,自分の走力が上がったせいか,思ったよりもずっと早く落合へ.
そのまま順調に幾寅のセブンイレブンでセルフPC.
24時間営業のありがたさよ...バナナだけでは寂しいので,生まれて初めてエナジードリンク(緑の爪跡のヤツ)を購入.
カフェインの含有量に制限がなく,中毒性が高いとかなんとか健康ヲタクの間では非常に評判の悪いブツだが,いかんせん夜中の1時.
覚醒的に最も危険な時間ということで,試してみた.
やたらに甘い炭酸という印象.
エナジージェルの方がまし.
おいしくないし,目が覚めた感もない.
まぁ,こんな時にしか飲まんわな...という感想を抱きつつ出発したが,まさか,その後しばらく,極度の胃のむかつきに襲われるとは...

道の駅南ふらのを横目に樹海峠を越え,富良野方面への北上開始.
車での旅行だと,自宅まですぐそこという感じなのだが,チャリだとそうは行かない.
残り約100kmはまだ遠い.それでも行程の3/4終了かぁ...
2:00頃,通過チェックのセブンイレブン富良野山部店着(324.9km地点).
それっぽいチャリが一台もない.
みんな先行したのか,速いなぁ...と,駐車場を見回してみると,ランドヌール札幌号が!
ジロジロ見ていると,スタッフさんが降りてきてくださった.
「先頭?」と聞かれたが,「2,3人先に行っているのでは?」と答える.
まだ誰にも会っていないとのこと.
ここは通過チェックではあるが,コンビニレシートは必要なので,ガリガリくんとコーヒーという至高の組合せで補給.
ランドヌール札幌さんのFBに続々と入ってくる情報を聞きつつ(牛の大横断にはびっくり),少々休憩.
まだ眠くはない.
自分ってこんなに夜強かったっけ?
そこへTさんも着.
さぁ,もうひと踏ん張りということで,出発.
嫌なことに,外は小雨がぱらついていた...(その5へ)

BRM824旭川400km(その3)

【PC2~PC3セブンイレブン鹿追南町店】

夕食にはちょうど良い時間である.
ホットシェフ豚丼,SAVASプロテイン,オレンジジュース,水を補給.道民大好きセイコマのコンビニ飯は日常でも食べまくり.少々飽きるが仕方がない.
なんつってもコスト的には非常に良い.

さすがに陽が落ちて外は暗い.
今後は町を離れ街灯なしエリアに突入.
いよいよ夜間走行開始である.
まずは初使用の18650ライトをつける.

ま,丸い.

明るいのは明るいのだが(公称3000ルーメン?),
スポット配光で広がりを欠く.
そこでLEZYN 1100iの出番ですよ!
横二連ライトが左路肩,右センターラインを照らし,これで安全な視界確保.
さらにはCATEYE HL-EL140をヘルメットに移動させて進行方向を照らす.
青看板もよく見える.
単三電池2本だが,首の負担と機能を考えての現状最適解かも.
ヘルメットのリアライト,Bikeguyトライスターも点灯(これまた明るい!).
どのライトもバッテリ残量を考慮し,中もしくは低光度で運用.
真っ暗時または雨天・濃霧時は最強に切り替えるつもり.

ところで,ブルベの夜間走行は一般的にはあまり評判よろしくない.
夜になるからブルベは200か300kmまでと決めている人もいると言う.
かく言うKazchariは夜間走行が嫌いではない.
日常でわざわざ夜に走りに行くことはないが,ブルベ中は大歓迎である.
昨年の『アタック三国峠』で,本当に暗い田舎道を薄暗いライトだけで暗闇を走るという非現実感.
空には満天の星.まるで宇宙旅行の疑似体験をしているような体験であった.
たったまらん.

と,素晴らしい初体験の刷り込みのせいか,ようするに夜好きなのですよ.
まぁ,もちろん恐怖感もあり,裸足のダッシュばばぁが追いかけてくるような気がして絶対に後方を振り返らないとか,急坂のカーブがわかりにくいとか,道路陥没にビビるとか...
まぁ,本当に怖いのはクマであり,鹿であり,言うまでもなくヒトやクルマなのでしょうが...

とかなんとか考えつつ,田舎道の緩峠の上り下りを繰り返す.
道の駅「しほろ温泉」への下り道でミスコースしかけ,200mほど登り返して復帰するなどのトラブルもあったが,無事復帰できた.
GPSバンザイ!である.
幸い眠気などは全くなく,鹿追の自衛隊駐屯地横をハイスピードで駆け抜け,PC3のセブンイレブンへ.
先行する参加者がちょうど新得方向へ曲がっていくのが見えた.

21:53 PC3,セブンイレブン鹿追南町店着(248.8km地点).
参加者は誰もいない.
このPCは6月の新十勝200でも立ち寄っている.
あの時は異常に寒かった.
メインイベントの幌鹿峠から然別温泉峡間のみ大豪雨という苦行モード.
然別温泉のストーブとホット(缶)コーヒーのなんとありがたかったことか...
本別で夕食は済ませたつもりだったが,早くも空腹.
これからの狩勝峠越えを考慮し,ハンバーグ&パスタのプレートを食す.
個人的にブルベ中の定番メニューやね.
そしてブラックコーヒーがぶ飲み.
まだ眠くない.
眠くなるわけにはいかない.

しばらくすると本別PCでもお話したTさんが到着.
先々週のパラダイス・ウィーク全ルート完走だそうな.
すごっ.自分は初日の宗谷岬600kmだけ走った.
完走後,思ったほど疲れや痛みがなかったため,その先も行けそうな気がした.
そう,この瞬間,来年開催予定の「札幌-納沙布1200km」が目標として湧き上がってきた.(その4へ)